室内でおしゃれに植物を育てたい!フラワースタンドを使ったワンランク上のディスプレイ
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。
暮らしに潤いと癒しを与えてくれる植物。インテリアのアクセントにもなるため、ご自宅で観葉植物などを育てていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。園芸店はもちろん、ホームセンターや100円ショップなどでも購入できるので、暮らしに気軽に取り入れられます。
小さいサイズのものはあまり場所をとりませんが、少し大きくなったり数が増えたりすると、置き場に困ることもありますね。そんなときにおすすめなのが「フラワースタンド」です。室内でも植木鉢をおしゃれに飾れるうえ、複数の鉢を高低差をつけて配置できるので、省スペースにもなります。
そこで今回は、さまざまな種類があるフラワースタンドについてお伝えします。室内でインテリアグリーンを飾る際の参考になさってください。
- フラワースタンドにはどんなものがあるか知りたい方
- 植物をおしゃれに見せる方法に興味がある方
- これから室内のインテリアに植物を取り入れたい方
目次
フラワースタンドとは
フラワースタンドは植木鉢を置く台のことで「プランタースタンド」や「鉢スタンド」、「花台」といった名称でも販売されています。色は白、黒、茶色などベーシックなものが中心で、木やアイアンで作られているものが多いです。植物を乗せると見た目がおしゃれになるだけでなく、植木鉢の位置が高く視界に植物が入りやすくなったり、複数の植物が1箇所にまとまったりするので、部屋のフォーカルポイント=魅せ場にもできる上にお世話もしやすくなりますよ。
いくつもの鉢を乗せられるように作られたフラワースタンドを使うと、スペースの有効活用になるだけでなく、植物の見せ方も工夫でき、楽しみが広がります。また、デザイン性の高いものなら、置くだけでインテリアのアイキャッチャーに。植物や植木鉢のデザインも相まって、いつもの室内が素敵な空間になりそうですね。
どんなデザインのものがある?
フラワースタンドにはさまざまなタイプがあります。通常、小型または中型(3〜7号前後)の植木鉢を乗せることを想定しているため、高さは2段のもので60㎝前後、3段で1m弱のものが多いようです。大抵は板や受け皿など平らなものに植木鉢を乗せる仕様になっていますが、植木鉢が倒れないように縁が高くなっているものや、ポット型の鉢カバーに直接脚がついているタイプもあります。
フラワースタンドは、植木鉢をひとつずつ乗せるタイプと複数の鉢を乗せられるものに分かれます。デザインはシンプルなものもあれば、装飾性の高いものもあってバラエティ豊かです。ここからは、フラワースタンドをタイプ別に詳しくご紹介しましょう。
植木鉢をひとつだけ乗せるもの
植木鉢をひとつだけ乗せるフラワースタンドの多くは、すっきりとしたデザイン。木製の小さなテーブルのような可愛らしいものや、アイアンで作られたサイドテーブルやガーデンチェアのような形のおしゃれなタイプなどがあります。
また、4本の真っ直ぐに伸びた脚の間に植木鉢をセットする商品は、スタイリッシュな部屋にもよく似合うデザイン。中には、上下を逆にすることで高さを変えられるものもあるので、インテリアのバランスを考えて置いてみるとよさそうです。
異素材を組み合わせたデザインも人気があります。例えば、白木の脚とプラスチックの明るい色の器がセットされたものや、アイアンの脚に木製の板やプランターのような箱を乗せたものなどが販売されていますよ。
2つ、3つと組み合わせるとまとまりが感じられて、素敵なインテリアになりますね。
植木鉢をいくつも飾れるもの
複数の鉢を置けるフラワースタンドを使うと、植物の配置のバリエーションも楽しめます。
目移りするほど多くの商品がありますが、シンプルな木製のものはナチュラルな雰囲気を好む方におすすめ。小さなベンチを思わせる商品や、2段、3段の棚になっているオープンラック型は、すんなりインテリアにマッチするでしょう。部屋の角に置けるように2つの棚を直角に組み合わせたような面白いデザインのものもありますよ。植物を複数飾る際は、同じサイズ感のものを飾ると整然とした印象を、大きさや高さの異なるものを飾ると遊び心のある印象をかもし出せますよ。植物だけでなく、本やインテリア小物も一緒に飾れそうです。
アイアン製のフラワースタンドも種類が多く、モダンな雰囲気を好む方におすすめです。左右に段差をつけていくつもの植木鉢を乗せられるタイプや、部屋の角に置けるコーナーラック型などがあります。アイアンは制作時に自由に形作ることができるため、さまざまなモチーフが使われていてデザイン性が高い点も魅力。モチーフの間を這わせて蔓性の植物を育てるのもいいですね。
どちらも大容量なので、びっしりと鉢を並べるのもいいですが、あえて空間を作ってイレギュラーに飾ると、印象が大きく変わりそうです。
凝ったデザインのもの
装飾性の高いフラワースタンドもいろいろと販売されています。下に鉢を置くスペースがあり、上部は月や鳥籠の形のオブジェになっているものなど、アートの要素が入っているものもあります。ほかにも、観覧車のようなデザインでそれぞれのカートの中に鉢を置けるようになっているものや、後輪だけが大きな昔の自転車をイメージさせるフラワースタンドも販売されています。
下の台座には鉢を並べ、フェンス部分には小さなプランターを掛けることができます。
フェンスには植物だけでなくリボンを垂らしたり、ミニスワッグを飾ったりしてもいいですね。
フラワースタンドを使って室内で植物をおしゃれに飾るポイント
フラワースタンドを選ぶ際は、まず部屋の中で植物をどんなふうに飾りたいかイメージすることから始めてみましょう。インテリアにすっと溶け込むようなデザインを選ぶのもいいですし、逆にアクセントになるような印象的なディスプレイにするのも素敵ですね。
また、植物がいくつもある場合は、鉢の並べ方にもこだわってみてはいかがでしょう。あえて違う大きさの鉢を取り混ぜて1箇所に集めたり、逆に似たようなサイズのものを横一列に並べたりするのも面白そうです。ほかにもおしゃれに見せるポイントがあります。ここからは、フラワースタンドの購入前に考えておくべき点を中心にご紹介します。
サイズを確認する
フラワースタンドも植物も、店舗で見たときはちょうどいいサイズに思えても、いざ自宅に運んでみたらイメージと違っていた…というケースは意外と多いものです。そのため、購入前に部屋のどこに置くかを決め、サイズを測っておくことをおすすめします。植木鉢や鉢皿の直径とフラワースタンドの鉢受け部分のサイズが合うかも確認しておきましょう。
大きくなると室内では圧迫感がありますし、移動も大変です。
事前に品種の特性を調べたり、園芸店のスタッフの方に聞いたりしておきましょう。
植木鉢で統一感を出す
植木鉢の素材や色は意外と目につくもの。複数の鉢を1箇所に配置する際は、同じテイストのものを揃えたり、鉢色を2~3色に絞る、色のトーンを合わせると雑多とした印象を抑えることができ、おしゃれ度がアップします。
素焼きの鉢は通気性・排水性ともによく、植物が根腐れしにくいです。また、陶器の鉢は高級感が魅力。どちらも重量があり安定していて倒れにくいというメリットもあります。ただし、欠けやすいので取り扱いには気をつけましょう。
木製の植木鉢はナチュラルな雰囲気で植物と相性がよく、インテリアにも馴染みやすいでしょう。通気性や排水性を考えると、鉢底がメッシュになっていて蒸れない構造の商品がおすすめです。一方、プラスチック製の植木鉢は比較的軽量で安価なのが嬉しいポイント。カラフルなものもあるため、ポップな雰囲気を出したいときにぴったりです。部屋で使用している色(例えばクッションカバーやアートなど)と同じ色を選ぶと、部屋全体でのインテリアの統一感が増しますよ。
ラタンやシーグラスで編んだナチュラルな雰囲気のものや、布、加工を施した紙、木、セメント、陶器など、さまざまな材質のものが販売されています。
デザイン性の高い器にする
ガラスの器にカラーサンドを入れておしゃれに仕上げたものは、爽やかな見た目で人気。植えられているのは、ハイドロカルチャー(水耕栽培)で育てる植物やサボテン、エアプランツなどです。すでにできあがっている商品を購入してもいいですし、興味がある方はカラーサンドで模様を作るところから始めるのも面白そうですね。
おしゃれなブリキの缶を植木鉢代わりに使うこともできます。柄によってポップになったり、カントリー風になったりと楽しめそうです。根腐れしないよう、鉢底には穴を開け、鉢底石を入れるのをお忘れなく。時間が経つとサビが出て、アンティークな雰囲気に変わりますよ。
インテリアに合わせて色を選び、いくつかの鉢を同じデザインで仕上げると、統一感が生まれますね。
フラワースタンドを設置するときの注意点
インテリアのことを考えて植物をおしゃれに配置したいところですが、その前に、それぞれの植物の特性を確認するのが大事なポイントです。日当たりがいい窓際を好むものもあれば、直射日光を避けた方がいい植物もあります。複数の鉢をひとつのフラワースタンドに乗せる場合は、生育環境が同じものを選びましょう。
また、玄関や廊下など、人の行き来が多い場所に設置する際も配慮が必要です。うっかり足や手がぶつかったりしないよう、通路に設置するようであれば幅60㎝は歩くスペースを確保するようにし、視線の高さに入りやすい、ある程度高さのあるものがおすすめですよ。
どこに置いても目を引くインテリアになりそうですね。
ただ、ドアを開けたときなどに一気に空気が流れて植物が大きく揺れたり、落ちてしまったりすることがないよう、設置場所には気をつけましょう。
室内で育てられるおすすめの植物
ここからは、室内で育てるのに向いている植物をご紹介します。フラワースタンドに乗せやすい小型から中型サイズで、初心者の方にも育てやすいものを集めました。インテリアを彩る植物探しの参考になさってくださいね。
スパティフィラム
花のように見える白い葉が印象的な、カラーやアンスリウムと同じサトイモ科の植物です。大きく育つものもありますが、室内で育てる場合は小型の品種「ミニメリー」などを選びましょう。ただし、猫が誤って口にしてしまうと体に悪影響が出るので、猫を飼っている方は避けてください。
ホヤ・カルノーサ
斑入りの厚みのある葉が美しい蔓性の植物です。桜蘭(サクララン)とも呼ばれ、夏には光沢のある桜色の花を咲かせます。葉が生い茂ってきたら、長く育った蔓を剪定しましょう。そのまま挿し木で増やすこともできますよ。
その後、土に挿して水を与えましょう。
品種によっては挿し木直後には水を必要としないものもあるので、確認してください。
ポトス
観葉植物の定番とも言える蔓性の植物です。明るい窓辺であれば鉢植えのほかハイドロカルチャーでも育てられます。蔓が伸びて葉が増えたら、風通しをよくするためにも剪定しましょう。切った蔓は挿し木すれば比較的簡単に増やせます。
テーブルヤシ
耐陰性が高く、室内で育てるのに向いている小型のヤシです。葉焼けしやすいので、直射日光が当たる場所は避けてください。1年に1回程度植え替えをすれば大きく育てることも可能です。逆に、あまり大きくしたくない場合は、肥料を与える頻度を下げるなどして調整しましょう。
サンセベリア
丈夫で、勢いよく伸びる葉が印象的な植物です。大きく生長する品種もありますが、小型の「ハニー」や中型の「ムーンシャイン」などはデスクの上でも育てられます。夜中に真っ白で甘い香りの花を咲かせることがありますよ。
ミニ盆栽
片手に乗るほど小さな盆栽が人気です。松や梅、桜、もみじ、姫りんごなど種類は豊富。鉢のデザインによっては洋風のインテリアにも馴染みます。お手入れしやすい苔玉タイプもおすすめです。
植物が育ちやすい環境を考える
室内で育てられる植物には観葉植物や多肉植物、サボテン、エアプランツなど多くの種類があります。それぞれ向いている生育環境は異なるので、日当たりなどご自宅の環境を考えて植物を選びましょう。そうすれば植物は元気に育ちますし、日々のお手入れも楽に済みます。
ここからは、室内で植物を育てるときに注意すべきポイントをお伝えします。必ずしも日当たりや風通しが良くなくても育てられる植物はありますし、植物が問題なく生長できるよう対策を講じながら環境を整えることも可能です。植物を購入する際に園芸店のスタッフの方に確認しておくと安心ですね。
日当たり
植物には、日がさんさんと降り注ぐ場所を好むもの、レースのカーテン越しの光で十分なもの、あまり日が当たらなくても生長できるものがあります。ご自宅の日照時間はどれくらいか、どの方向から日が差すかなどを考えて、適した植物を選んでください。また、室内で育てていると、一方向からしか光が当たらないことが多いです。ときどき鉢を回して、満遍なく日が当たるようにしてくださいね。
また、光量が足りない場合は、植物用のLED照明を利用する方法もあります。
風通し
風通しも重要なポイントです。風通しが悪いと水分がうまく蒸発せず、土の中が蒸れたり、カビや害虫が発生する原因になったりします。また、エアコンは温度調整や空気の流れを作るのに有効ですが、エアコンの風が植物に直接当たると乾燥が進み、弱らせてしまいます。部屋全体に空気が循環するよう、エアコンと同時に扇風機やサーキュレーターを使うのもおすすめです。
冷房を使用しているときはサーキュレーターを床に、暖房の場合はサーキュレーターを天井に向けて置きましょう。
部屋全体に空気が循環しやすくなり、人も植物も快適に過ごせます。
水と肥料
水も肥料も植物にとっては欠かせないもの。ですが、どちらもタイミングよく適量を与えないと植物を弱らせてしまいます。また、植物の中には冬に休眠するもの、逆に冬の方が生長するものなど、さまざまなタイプがあります。個々の植物の生育型に合わせて対応しましょう。
植物の元気がなくなってくると肥料を追加したくなりますが、ひょっとしたら原因は日当たりや風通しにあるかもしれません。まずは、植物にとって居心地のいい環境になっているかを確認しましょう。また、肥料の与えすぎは禁物です。必ず規定量と頻度を守ってくださいね。
シダ植物も、与えなくても問題ないとされています。
品種や状況に合わせて臨機応変に対応しましょう。
まとめ
フラワースタンドがあるとインテリアのアクセントになります。また、複数の植物がある場合は省スペースにもなるので、好みのものを見つけて取り入れてみてはいかがでしょう。デザインや素材、サイズもさまざま。また、植木鉢の見た目を揃えたり、植物の配置の仕方を変えたりするのも楽しそうです。
室内で育てられる植物の種類は多いですが、ご自宅の環境に合ったものを選ぶと生長しやすく、お手入れもあまり大変にはならないでしょう。インテリアとしての見せ方も工夫しながら、フラワースタンドのある暮らしを楽しんでくださいね。
- フラワースタンドには多くのバリエーションがある
- 植木鉢のデザインも考えると、よりおしゃれに植物を飾れる
- 植物が育ちやすい環境を考えたうえで、フラワースタンドを使ったディスプレイを楽もう
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。