今日から花のある暮らしを!ハーバリウムを手作りしてプレゼントしよう
記事の監修
2005年
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会講師免許取得
皆さんと一緒に、和気藹々と楽しくワークショップを開催しています。
気取らないワークショップですので、お気軽にご参加ください。お子様連れも大歓迎です。
オイルの入った瓶の中をカラフルな花が彩る人気のインテリアアイテム、ハーバリウム。数年前にブームになってから、現在も幅広く支持されていますね。光を通す美しい見た目に心が癒される人も多いのではないでしょうか。お手入れが簡単なうえ、コンパクトであまり場所を選ばず飾れることもあって、花を気軽に暮らしに取り入れたい方にもぴったりです。購入したものを自宅に飾るのも楽しいですが、ご自身で手作りしてご友人など大切な方にプレゼントしてみませんか。
そこで今回は、ハーバリウムがプレゼント向きの理由や作り方をご紹介します。材料さえ揃えれば、簡単に作れてさまざまなバリエーションを楽しめるのもハーバリウムの魅力です。記事後半では、ハーバリウムを長持ちさせる方法についてもお伝えします。ご自宅のインテリアにも、プレゼントにも最適なハーバリウムについて、ぜひチェックしてみてください。
- ハーバリウムがなぜプレゼントに向いているのか知りたい方
- ハーバリウムを自分で作ってみたい方
- ハーバリウムの材料選びのポイントを知りたい方
目次
ハーバリウムがプレゼントにおすすめの理由
ハーバリウムに入ったお花をオイル越しに眺めると、元々の花の色彩がより鮮やかに見えます。花の色合いがよりはっきりとして華やかになり、その美しさや可愛らしさがプレゼントに向いているのはいうまでもありません。
また、人気が広まるにつれハーバリウムの知名度もどんどん上がり、今では多くの人に喜ばれる定番のプレゼントになりました。あまりにも奇抜なアイテムは好みが分かれやすいですが、定番ギフトとしても位置付けられるようになったハーバリウムなら、贈る側としても安心して選択肢に入れられますね。
今後また種類が増えそうな実用的ハーバリウムアイテムも、プレゼントにぴったりですね。
おすすめのポイントをさらに詳しくご紹介します。
お手入れ不要でコンパクト
花のプレゼントといえば、昔から花束やフラワーアレンジメントがよく選ばれてきました。これらのアイテムはとても華やかでもちろん素敵なのですが、場合によっては相手に手間をかけさせてしまうことも。一般的な花束は、受け取ったあとラッピングを外して茎をカットし、花瓶に生ける必要があります。フラワーアレンジメントなら生ける手間はかかりませんが、生花の場合は水やりが必要ですし、お世話をしてもやがて枯れてしまいます。
また、大きいものは持ち運ぶ際にかさばる、飾る際に場所を取るなど、人によっては負担に感じることも…。そういったデメリットが一切ないというのも、ハーバリウムの魅力です。
ハーバリウムは瓶詰めされているので、お手入れは表面の埃をときどき拭き取る程度で済みます。それに、コンパクトなので持ち運びもとてもラクですし、置き場所にも困りませんね。そのため、忙しくてお手入れする余裕はあまりないけれど花を飾りたいと思っている人には、特に喜ばれるでしょう。
空気に触れないように密閉されていますので、生花のように夏場にすぐ傷んでしまうということもありません。
花のある暮らしを季節問わず気軽に楽しめるアイテムといえるでしょう。
バリエーション豊か
ハーバリウムは、使われる花や瓶、オイルの色などで、雰囲気がガラッと変わります。可愛らしいものや優しい雰囲気のもの、おしゃれ感の強い個性的なもの、スタイリッシュなものなど、テイストはさまざま。そのため、性別や年齢を問わず、プレゼントする相手に合った雰囲気のアイテムを見つけることができるでしょう。
また、季節を感じられるようなものもよく見られます。たとえば、春なら色とりどりの花を使った明るくやわらかな雰囲気のハーバリウム、夏は涼しげなブルーが基調のもの、クリスマスなどのシーズンイベントにちなんだものなど、プレゼントする時期に合ったものを選べるのも嬉しいポイントですね。
保存性があるので、何種類かストックしておいて、季節によってラインナップを変えるのも楽しそうですね。
さまざまな機会に贈れる
あまりかさばらず、長期保存が可能なハーバリウム。プレゼントとして気軽に受け渡しができますので、比較的多くのシーンで選ばれ、喜ばれやすいアイテムといえます。家にもオフィスにも飾りやすいので、お誕生日や結婚・出産祝い、引越しや転職などのお祝いにもぴったり。メインのプレゼントに添えるなど、さりげない贈り方ができるのも魅力です。
また、ホームパーティーのお土産などにもぴったり。小瓶をゲスト分用意して小さなハーバリウムを作ってテーブルなどに飾っておき、パーティーの帰りにゲストに持ち帰っていただくというのもおすすめです。瓶の大きさを変えるだけで、豪華なプレゼントにもプチプレゼントにも仕上げることができるのも、ハーバリウムの持つ大きなメリットですね。
ゲストの名前の頭文字に合わせて準備すると、席札代わりにもなりますし、お土産としてもさらに喜ばれそうですね。
ハーバリウムは意外と簡単に作れる
市販のハーバリウムにも素敵なものがたくさんありますが、プレゼントするなら手作りに挑戦してみてはいかがでしょう。好みのパーツが揃えば、オリジナルのハーバリウムを作るのは割と簡単で、短時間でできあがります。
「でも、素敵なハーバリウムを作るのは難しいんじゃないの?」「センスがないとキレイに作れなさそう…」としり込みされる方もいらっしゃるかもしれませんね。ですが、手作りのハーバリウムは世界で一つだけの心のこもったプレゼント。材料選びから相手の好みを想像しながら、イメージを膨らませて作り上げていく過程はきっと楽しいひとときになりますよ。
メインにする存在感のある花をまず選び、次に脇役になるようなものを組み合わせるのがおすすめです。
ハーバリウムに使える花
ハーバリウムの印象を決める花の選び方も大切です。基本的には、ドライフラワーやプリザーブドフラワーが花材として選ばれています。たとえば同じドライフラワーでも、花の色や形、厚みなどの違いによって当然ながら見え方がかなり変わります。花を選ぶ際には、どんなハーバリウムにしたいかイメージしてみるといいでしょう。
- 透け感を出したい:アジサイやかすみ草、スターチスなど、花びらが薄いものや小花
- 可愛らしいイメージ:千日紅やミモザなど、丸みのあるもの
- 華やかなイメージ:バラなど大きめで花びらが厚く存在感のあるもの
上記のようなイメージに合わせて選ぶのもいいですし、異なるタイプの花を組み合わせても素敵ですよ。また、どの花材でも使う前には気を付けたほうがいいことがあります。ドライフラワーはゴミが付いていないかよく確認してから使用しましょう。プリザーブドフラワーは、光が当たったときに透ける花びらが美しいですね。ただ、中にはオイルに漬けると色が抜けてしまうものがあります。購入の際には、色落ちしにくい水溶性染料を使って加工されたものを選ぶといいでしょう。
また、アーティフィシャルフラワー(造花)も、ハーバリウム作りに適しています。針金が入っている部分を外して殺菌・乾燥すれば使用できます。しかし、使用している染料によっては、オイルが濁る可能性がありますので、ハーバリウム向きとして販売されているものを選ぶと安心です。
また、ご自身で作ったドライフラワーを使う場合は、しっかりと乾燥させたものを選んでください。
花以外の素材も使える
基本的には、乾燥していて汚れていないものであれば、ハーバリウムに入れることができます。ドライの葉や実、リボン、和紙、ビーズ、ビー玉やカラーサンドなどを入れるのも面白いですね。
サンゴや貝殻で海の雰囲気を出したり、パールやゴールドのパーツで豪華な印象にすることもできます。シナモンスティックや可愛い形のパスタも使えますよ。さまざまな材料を使って、オリジナリティの高い作品を作りましょう。
オイル選び
オイルには、ミネラルオイルとシリコンオイルの2種類があります。ミネラルオイルは比較的安価で手に入りやすく、中に入れた飾りが浮きにくい特徴があります。一方、シリコンオイルは、色落ちしにくく、光沢があって美しい仕上がりになります。どちらを使ってもハーバリウムを作ることは可能です。初心者の場合、まずはご自宅用にミネラルオイルで作ってみる方が多いようです。プレゼント用に制作するなら、保存性や美しさを高めるためにはシリコンオイルで作るといいかもしれません。
現在はネットショップでもハーバリウム用のオイルを気軽に購入できますよ。「ハーバリウム専用」と記載されたものであれば、オイルとはいえ危険物扱いにはなりませんので、航空便で送ることも可能です。
しかし、中の飾りが沈みやすいことや、透明感の点で、ハーバリウム専用オイルに劣ります。
特に、プレゼント用には専用オイルを選んだ方が安心でしょう。
必要な道具を揃える
中に入れるもの以外で必要なのは、ガラス瓶、ピンセット、ハサミ、竹串です。ガラス瓶はふた付きで密閉できるものを用意してください。基本的にはどんな形のものでも使えます。ただ、丸い形や太さのあるものは難易度が高いため、最初のうちは細長いタイプの瓶をおすすめします。花を下から上へ積み上げていくというシンプルな方法なので、作りやすいです。
ハーバリウム制作に必要なものは、100円ショップや手芸品店、ホームセンター、ネットショップなどで手に入ります。花材も一緒に販売されていることが多いですので、揃えやすそうですね。
洋服にもつかないように気をつけてくださいね。
特に、シリコンオイルは付着すると落ちにくいうえに滑りやすいため、十分に注意が必要です。
ハーバリウムの作り方
まずは基本的なハーバリウムを作ってみましょう。手順をご紹介します。
- 中に入れる花材、小物
- ミネラルオイル、またはシリコンオイル
- ガラス瓶
- ピンセット
- ハサミ
- 竹串
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STEP. 1
花や小物を瓶の中に配置する
できあがりを想像しながら、まずは瓶の横に花材を並べてデザインしましょう。
その後、ピンセットを使って瓶の中に入れていきます。
花の茎は、長く残すものもあれば花の部分のみのものもあるようにすると、高さや立体感が出て変化を楽しめます。
瓶の底にカラーサンドやパールファイバーを入れ、茎をその中に入れ込むと、材料がずれにくくなります。
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STEP. 2
バランスを調整する
どこから見てもきれいな作品になるように、瓶を回しながら見てチェックし、素材の位置や向きを調整しましょう。
竹串を使うと、細かな修正がしやすいです。
中のものを取り出したいときには、壊れないように注意しながら、ピンセットでそっと引き抜きましょう。
-
STEP. 3
オイルを注ぐ
整えた形を崩さないように、そっとオイルを流し込みます。
少し瓶を傾けて、内側に沿わせるようにしましょう。
オイルが膨張してあふれるのを防ぐため、瓶の口に少しだけ空気の部分が残る量で止めます。
-
STEP. 4
ふたをして完成
気泡が出なくなったらふたをしましょう。
基本のハーバリウムの完成です。
ハーバリウムを作る際は、あらかじめ瓶を消毒しておきましょう。
瓶に台所用漂白剤を入れてふたをしてからよく振り、水で洗い流しましょう。
よく乾燥させてから使用してください。漂白剤を使う方法以外には、煮沸消毒も有効です。
キレイに仕上げるコツ
軽い素材はオイルに浮きやすいので、上の方に移動してしまわないよう、さらに上から別のものを入れて抑えるようにするといいでしょう。もしくは、接着剤で重りを付けて浮かないようにする方法もあります。慣れてきたら、そのようなテクニックも試してみてください。
花を入れる時にグラデーションになるような配置にしたり、色をあえて2~3色に絞って作るのもおしゃれですよ。
下記の動画では、初心者向けのハーバリウムの作り方をご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
デザインは工夫次第
素材のバリエーションの豊かさを生かして、デザインも楽しみましょう。
たとえば、ラメの付いた花材を使うと華やかさが増しますし、専用の着色料を使ってオイルに色をつけると、雰囲気が変わります。また、さまざまなデザインのハーバリウム用のシールも販売されています。魚のシールを使って海の雰囲気にしたり、文字のシールなら「Thank you」などのメッセージを入れるのもいいですね。
瓶の口に細いリボンを結んだり、おしゃれなふたに変えると、一味違った仕上がりに。他にもアイデア次第で作品の幅が広がります。
ハーバリウムの管理の仕方
ハーバリウムは埃をときどき拭き取る程度でOKですので、管理がとても簡単とお伝えしました。しかし、誰かにプレゼントする場合、初めてハーバリウムを扱う方はどのように管理したらいいか迷われるかもしれません。そこで、基本の扱い方をおさえておき、プレゼントする際にお話ししておくと安心です。
特別なお手入れは一切不要ですので、置き場所やより長持ちさせるコツ、処分の仕方といった基本的なことをお伝えするといいでしょう。管理の仕方のポイントを、一つずつ見ていきましょう。
おすすめの置き場所
ハーバリウムは花材が瓶で閉じ込められているので、基本的には飾る場所を選びません。フラワーアイテムには湿気に弱いものや熱に弱いものも多いですが、ハーバリウムはキッチンや洗面所、トイレなどの水回りに置いても差し支えないですし、コンパクトなためちょっとしたスペースにさりげなく飾れます。ただし、キッチンに飾る場合は、念のためコンロの周りは避けるようにしてください。
また、注意が必要なのが「直射日光」です。ハーバリウムは光を当てることで透過性が高まりより美しさを楽しめるアイテムですが、長時間直射日光に当て続けることは避けましょう。特に、日当たりのよすぎる窓際に置きっぱなしにすると、オイルや花材の劣化が早まってしまいます。
窓際でも優しい光が入り高温になりにくい場所を選ぶようにしましょう。
また、ガラス製の瓶が割れると危険ですので、落下しやすいような場所ではなく、倒れても安全な場所に飾るのがおすすめです。特に、小さなお子さんやペットのいるお宅では、手の届かない場所を選ぶと安心ですね。
ハーバリウムはどのくらい飾れる?
ハーバリウムの寿命に関しては、明確な期間は決められていません。美しい状態をそのまま楽しめる期間としては、一般的には6ヵ月から1年ほどといわれています。さらに長期間ハーバリウムを飾り続けていると、オイルの質が少しずつ劣化していくにつれ、花の色や形状も変化していきます。これは経年劣化による現象ですので避けることができません。
経年劣化したハーバリウムは、多くの場合色あせが目立つようになります。少しずつ花の色素がオイルに溶け出していくため、最初の鮮やかな状態と比べるとくすんだような色になるのです。また、オイルも透明度が高かった最初の状態よりも、やや茶色がかった状態になっていきます。この変化をどう捉えるかによって、寿命の判断ができるでしょう。
美しいと思えるうちは、まだ寿命をむかえていないと考えていいでしょう。
明確な基準はないので、美しくないと思うようになったタイミングで処分すればいいのです。
ハーバリウムの処分の仕方
寿命を迎えたハーバリウムを、どのように処分すればいいかわからないという方は少なくありません。基本的には、中身は廃棄しますが、瓶は再利用できます。中身を取り出したら、洗って乾燥させましょう。新しいハーバリウムの容器として使いたい場合は、作品を作る前に内側を消毒すればOKです。家庭用の中性洗剤とスポンジで洗えますが、シリコンオイルの場合は落ちにくいため、専用の洗浄剤を使うといいでしょう。
オイルと花材は、家庭ゴミとして捨てられます。基本的な処分方法は下記の通りです。
- オイルは新聞紙に染み込ませ、花材と一緒に牛乳パックやビニール袋に入れて密封する
- 下水道にオイルを流すのはNG
特にオイルは家具や床に付着したままにならないよう、ハーバリウムを作るときだけでなく、処分するときも十分気を付けて取り扱うようにしてくださいね。
まとめ
飾りやすくて相手にあまり負担をかけないことから、ギフトとしても多くの人に選ばれているハーバリウム。花を飾る習慣のない方もハーバリウムなら気軽に暮らしに取り入れられます。手間をかけさせず、花を通して癒しを感じてもらいたいという場合には、ぴったりなアイテムといえるでしょう。
市販のものももちろん素敵ですが、ご自身で手作りするのもおすすめです。作り方は簡単で時間もかかりませんので、材料を変えるだけで、違った表情のものができあがる楽しさが味わえますよ。材料さえ揃えればどなたでも簡単に作れる点もハーバリウムの魅力。長持ちしやすいアイテムでもありますので、記念日などのプレゼントにも最適です。ハーバリウムを楽しみながら手作りして、大切な方にぜひプレゼントしましょう。
- ハーバリウムは気軽に飾れるアイテムでバラエティにも富んでいるので、プレゼントに向いている
- 手作りするのは意外と簡単。花材やオイル、瓶の選び方次第でオリジナリティのある作品を楽しめる
- ハーバリウムは長期保存が可能。正しい扱い方をおさえたうえで、大切な方にプレゼントしよう
記事の監修
2005年
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会講師免許取得
皆さんと一緒に、和気藹々と楽しくワークショップを開催しています。
気取らないワークショップですので、お気軽にご参加ください。お子様連れも大歓迎です。