ダイエットコーヒーの効果とは?飲み方のポイント
記事の監修
平井 杏奈
管理栄養士・オンラインフードクリエイター
食に関わる資格を活かし、美容エステサロンで体調や減量に悩まれる方へ食事指導を担当。
その後、糖質オフやナチュラルな食品を中心として取り扱う飲食事業で商品企画や開発などを経験。
現在は、「安定した豊かな心とからだの健康を保つ食事」を広めるため、オンラインフードクリエイターとして独立。
日々、仕事や家事・子育てなど今を忙しく生きる全ての方へ向けた、食に関する記事の執筆やレシピ監修などの活動をしている。
コーヒーは、ダイエット向きの飲み物といわれています。また、ダイエットコーヒーと謳った商品も販売されています。しかし、コーヒーがダイエットをどのようにサポートしてくれるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、コーヒーを飲むことで期待できる効果に注目し、ダイエットに役立てるためのコツや飲み方のポイントをご紹介していきます。また、ダイエットコーヒーの特徴についてもお伝えします。コーヒーを飲むことを上手にダイエットに役立てながら、健康的に痩せるための習慣を作りましょう。
- コーヒーが好きな方
- 無理のないダイエット方法を探している方
- ダイエットコーヒーについて知りたい方
コーヒーがダイエット向きな理由
ダイエットコーヒーとして販売されている商品に限らず、コーヒーはダイエットに役立てることのできる飲み物です。それは、コーヒーに含まれる成分にダイエットに効果が期待できるから。主に、カフェインとクロロゲン酸の作用が、ダイエットをサポートしてくれるのです。
さらに、コーヒー特有のよい香りや、コーヒーそのもののカロリーの低さも、ダイエット向きの理由といえます。コーヒーの成分や特徴について、詳しく見ていきましょう。
カフェインの効果
コーヒーに多く含まれるカフェインは、頭をすっきりとさせる作用があることで知られていますね。仕事や勉強の集中力を高めたいときや、気分をリフレッシュさせたいときに最適ですが、ダイエットに役立つ作用もあるのです。それが、脂肪燃焼効果です。
カフェインには、ノルアドレナリンの分泌を促す作用があり、このノルアドレナリンはホルモン感受性リパーゼを活性化させる働きがあります。ホルモン感受性リパーゼの働きにより体脂肪の分解を促進し脂肪燃焼効果が期待できます。
また、カフェインが脳の迷走神経を刺激することで腸の蠕動運動が促され、便秘解消効果も期待できるといわれています。便秘を予防解消することもダイエットを助けますので、適度に摂取するといいでしょう。さらに、カフェインの主な作用である神経興奮作用は、運動の効率化に役立ちます。運動のパフォーマンスを向上させることで、消費エネルギーを増やす効果を得られるでしょう。
- リパーゼ活性化による代謝アップ(脂肪燃焼効果)
- 腸の蠕動運動促進による便秘解消効果
- 神経興奮作用による運動パフォーマンスの向上
クロロゲン酸の効果
クロロゲン酸とは、ポリフェノールの一種でコーヒーの褐色や苦味、香りを出す成分です。ポリフェノールは、抗酸化作用があることで知られています。抗酸化物質は、活性酸素の働きを抑えることで、生活習慣病や老化を防ぐのに役立ちます。クロロゲン酸は、血糖値の急激な上昇を抑える作用や脂肪燃焼を促す効果も期待できる成分です。
コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸を適度に摂取することで、ダイエットに役立てていきましょう。
- 抗酸化作用:活性酸素の働きを抑制する
- 血糖値の急激な上昇を抑える:糖の吸収を和らげる
- 脂肪燃焼を促す作用:脂質の代謝を亢進
ストレスの緩和
コーヒー特有の香りには、リラックス効果があります。リラックスできる時間を持つことでストレスを和らげられるため、ストレスによる過食を防ぎます。過食は摂取エネルギーを増やし肥満の原因となるため、日頃からストレスを上手に緩和して食べ過ぎないようにすることが大切です。
イライラしたら食べるのではなく、コーヒーを飲んで一休みするという習慣を作るのも、食べ過ぎ予防になりダイエットに役立つといえるでしょう。コーヒーブレイクでストレスをコントロールしながら、過食しなくても気分よく過ごせるようにしたいですね。
低カロリーな飲み物
コーヒーのカロリーは、1杯(150~200ml)あたり約6~8kcalです。コーヒーそのもののカロリーが低いため、日常的に飲んでも太る原因になりにくいというメリットもあります。コーヒーは太りにくい飲み物というのは正解ですが、あくまでもブラックで飲んだ場合のこと。砂糖やミルク、クリームを入れたり、甘いお菓子を添えたりすれば、当然カロリーは上がりますので注意が必要です。コーヒーそのものの味や香りを楽しめるといいですね。
コーヒー1杯(150~200ml)には90~120mgのカフェインが含まれているため、3~4杯程度を目安にするといいでしょう。
ただし、妊婦さんや授乳婦さんの場合は、カフェイン摂取量の目安が200~300mgと少なく設定されているため、1~2杯程度となります。
参考ページ:一般社団法人全日本コーヒー協会
参考ページ:一般財団法人日本educe食育総合研究所
ダイエットコーヒーとは
ダイエットコーヒーという名称の商品や、ダイエット向きのコーヒーとして販売されているものがあります。これらには、どのような特徴があるのでしょうか。ダイエットに役立てるためには、一般的なコーヒーとの違いを踏まえて、上手に取り入れることが大切です。ダイエットコーヒーとはどのようなものなのか、特徴や成分について見ていきましょう。
ダイエットに役立つ成分を配合
市販のダイエットコーヒーには、活性炭入りのチャコールコーヒーや、プロテイン配合のもの、クロロゲン酸を強化したものなどがあります。一般的なコーヒーにもダイエットに役立つ働きをするカフェインやクロロゲン酸が含まれていますが、ダイエットコーヒーの場合は、よりその働きを得やすいといえるでしょう。
たとえば、チャコールコーヒーに含まれる食用の活性炭には、余分な老廃物や有害なミネラルなどを吸着し排泄する作用が期待できます。チャコールクレンズダイエットという食用炭を取り入れるダイエット法でよく飲まれています。
また、プロテイン(たんぱく質)は筋肉をつくるのに欠かせない栄養素です。運動パフォーマンスを上げるカフェインとともに摂取することで、筋トレにも役立てることができるでしょう。コーヒーとプロテインは味の相性もよいため、飲みやすいというメリットもあります。
- チャコール(食用活性炭):老廃物の吸着・デトックス効果
- プロテイン(たんぱく質):筋肉の修復・成長効果
- L-カルニチン(アミノ酸):脂肪燃焼効果
- コエンザイムQ10:脂肪燃焼効果(L-カルニチンとの同時摂取による)、抗酸化作用
商品により特徴が異なる
いわゆるダイエットコーヒーはさまざまなメーカーから販売されています。商品によって含まれる成分や味、飲み方は異なります。ご自身が摂取したい成分が強化されているものを選ぶといいでしょう。また、ダイエットに役立てるためには継続して飲む必要があります。そのため、味が好みかどうかも重要なポイントです。
購入してみたものの、味が好みではなく飲み続けるのが難しい…という失敗は少なくありません。最初から大容量のものを購入するのではなく、まずはお試しサイズから始めてみるといいでしょう。
継続して購入できる価格帯でなければ続けるのは難しいため、予算に合うかという点も考慮しましょう。
手作りも可能
市販のダイエットコーヒーで好みのものが見つかればいいのですが、見つからない場合は手作りすることも可能です。たとえば、コーヒーにプロテインを混ぜたものなどは、材料さえ入手できれば一般家庭でも簡単に作れます。配合の仕方も自分好みで調整できるため、市販のダイエットコーヒーを購入する前にご自身で試してみるのもおすすめです。
一時期流行したブラックコーヒーと緑茶を同量ずつ混ぜ合わせる「緑茶コーヒー」も、ご自宅で気軽に試せるおすすめの組み合わせです。コーヒーの苦みを緑茶が和らげるため飲みやすく、緑茶に含まれるカテキンも摂取できますよ。
脂肪酸の長さが短いため、エネルギーとして分解されやすく、体脂肪になりにくいというメリットがあります。
また、ココナッツオイルをコーヒーに加えると腹持ちがよく満足感が得られます。
糖質オフの食習慣と組み合わせて継続して摂取することで、より効果を実感できるためおすすめです。
コーヒーをダイエットに役立てるコツ
コーヒーにはダイエットをサポートしてくれる成分が含まれているため、日常的に飲めば効率よく痩せることができるでしょう。せっかく取り入れるなら、よりダイエット効果を得やすい飲み方を知っておくことが大切です。コーヒーをただ飲んでいれば痩せられるというわけではないため、上手に役立てるためにポイントをおさえておきましょう。
コーヒーをダイエットに役立てるには、飲み方・飲むタイミング・温度が重要です。詳しく見ていきましょう。
ブラックで飲む
前述のように、コーヒーはカロリーの低い飲み物ですが、砂糖やミルクを加えることでカロリーが上がってしまいます。たとえば砂糖5gを加えると、カロリーは+20kcalにアップ。コーヒーそのものは6~8kcalしかないのに、砂糖を加えるだけで3~4倍にも跳ね上がってしまうのです。
ダイエットに役立てるためにコーヒーを飲むなら、ブラックが鉄則です。ブラックが苦手で甘みを加えたい場合は、天然甘味料や無調整豆乳など糖質が低いものを選ぶようにしましょう。
カフェインを効率的に摂取したい場合はドリップコーヒーを選ぶといいでしょう。
有酸素運動を行う前に飲む
コーヒーに含まれるカフェインは、運動への集中力を高めるとお伝えしました。その効果を得るには、コーヒーを飲むタイミングが重要です。カフェインの作用を運動パフォーマンス向上に役立てるためには、運動の30分~1時間前に飲むようにしましょう。
ただし、プロテイン入りのコーヒーを筋トレ(無酸素運動)に役立てたい場合は、運動後に飲むのがおすすめです。運動直後30分以内にプロテインを摂取することで、筋合成に役立てられるでしょう。
ホットで飲む
コーヒーは基本的にホットで飲むのがおすすめです。温かい飲み物を飲むことで体温が上がり、代謝を高められるからです。ホットコーヒーを1日3~4杯飲む習慣で体温を上げることができたら、基礎代謝が上がります。消費エネルギーを無理なく増やすには、基礎代謝を上げることが最も効率的です。ホットコーヒーを飲むことに限らず、体を温める習慣を日頃から意識しましょう。
ただし、運動後は水分補給が重要ですので、いきなりホットコーヒーを飲むのは難しいかもしれません。まずは水や麦茶、スポーツドリンクで水分補給し、落ち着いたらホットコーヒーを飲むようにしましょう。
コーヒーと一緒に取り入れたいこと
コーヒーを飲むだけでダイエットを成功させるのは、現実的に難しいです。ダイエットコーヒー含め、コーヒーはあくまでもダイエットのサポート役。健康的に痩せるためには、コーヒーを飲むことに加えて心がけたい生活習慣があります。
- 運動:消費エネルギーを増やすため
- 食事の量や内容の調整:摂取エネルギーを減らすため
- 良質な睡眠:睡眠不足による食欲増進を防ぐため
ダイエットの基本は、消費エネルギーを増やし摂取エネルギーを減らすことです。それに加えて、健康的な暮らしを心がけ、栄養不足や睡眠不足にならないようにすることも欠かせません。そして、いずれも継続することが大切です。
ダイエットは1日や2日では効果が出ませんので、根気よく続けていくためにも、無理のない方法を取り入れるようにしましょう。
運動を取り入れて消費エネルギーを増やす
消費エネルギーを増やすためには、基礎代謝を上げることが効果的です。意識的にできるものである運動を取り入れれば、より効率的に痩せることができるでしょう。運動というとジムに通うなど大掛かりなものをイメージされる方も多いかもしれませんが、階段を使う、歩く距離を増やすなど、日常的にできることもあります。
自動車通勤でデスクワークの方は運動不足になりがちなため、時間に余裕のあるときなどに公共交通機関を利用して歩く距離を増やすのもおすすめです。また、家事をしながらつま先立ちやスクワットを取り入れるなど、日常的にできる運動を意識してみましょう。
- 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、ヨガ、ピラティスなど
- 無酸素運動:筋トレ、短距離走、中距離走など
食事量を調整し摂取エネルギーを減らす
食事は1日3食できるだけ同じ時間帯に食べ、腹8分目を心がけることで、次の食事の時間に自然と空腹になります。1食抜く、過度に食事量を減らすなどの食事制限ダイエットは、逆に身体が代謝を落とし脂肪を蓄えやすくし、リバウンドしやすいためおすすめできません。適度に食生活を整えながら、コーヒーブレイクを入れるといいでしょう。
量だけでなく、食事の内容も重要です。揚げ物など油をたっぷり使った高カロリーな料理ばかり食べていると、摂取エネルギーも増えてしまいます。味付けはできるだけシンプルに留め、素材を生かした料理にしましょう。揚げ物を食べたい場合は少量にして、食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻などを取り入れながら、栄養バランスのよい献立にしましょう。野菜のたっぷり入ったスープは食べごたえがあり体も温まります。
栄養バランスや睡眠も重要
ただ低カロリーな食事にすればよいというわけではありません。エネルギー産生栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質も、適度に摂取することが大切です。摂取エネルギーを抑えることだけを考えていると、栄養不足になって体調を崩してしまいます。カロリーを抑えられるよう工夫しつつ、さまざまな栄養を意識して摂りましょう。
また、ダイエットを成功させるためには睡眠も関わってきます。睡眠不足が続くとストレスを感じやすくなったり体調不良を引き起こしたりしますよね。さらに、睡眠不足がショ糖など肥満につながる食品の過剰摂取につながることを示唆した研究結果も発表されています。
カフェインには覚醒作用があるため、就寝前に飲むと入眠を妨げてしまいます。また、利尿作用もあるため、就寝後にトイレに行きたくなってしまう場合も。スムーズに眠りにつくためにも、コーヒーを飲むタイミングは就寝前を避け、日中の活動する時間帯にしましょう。寝る前にコーヒーを飲みたくなったら、カフェインレスを選ぶといいでしょう。
香りでリラックスしやすい方はアロマを焚くなど、入眠しやすい習慣を決めるのもおすすめです。
参考ページ:国立大学法人 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
まとめ
コーヒーには、脂肪燃焼効果などダイエットに役立つ働きが期待できるカフェインやクロロゲン酸が含まれています。低カロリーで香りもよくリラックス効果が得られるため、日常的にダイエットに取り入れるのにおすすめの飲み物です。また、ダイエット効果の高い成分が付加・強化されたダイエットコーヒーは、商品によって特徴や味、価格が大きく異なるため、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。
コーヒーはダイエットをサポートする飲み物ですが、ただ飲んでいれば痩せられるというわけではありません。飲み方や飲むタイミングによっても得られる効果は変わります。そして、コーヒーを飲むことに加えて、運動を取り入れて消費エネルギーを増やし、食事の量や内容を調整して摂取エネルギーを減らすことや睡眠を充実させることも重要です。コーヒーを上手に取り入れながら、無理なく続けられる方法で健康的にダイエットしましょう。
- コーヒーにはダイエットをサポートする成分が含まれている
- ダイエットコーヒーは、ダイエット効果の高い成分を付加・強化したもの
- コーヒーだけでダイエットを成功させることは難しいため、運動・食事・睡眠含め健康的に痩せる習慣を心がけよう
記事の監修
平井 杏奈
管理栄養士・オンラインフードクリエイター
食に関わる資格を活かし、美容エステサロンで体調や減量に悩まれる方へ食事指導を担当。
その後、糖質オフやナチュラルな食品を中心として取り扱う飲食事業で商品企画や開発などを経験。
現在は、「安定した豊かな心とからだの健康を保つ食事」を広めるため、オンラインフードクリエイターとして独立。
日々、仕事や家事・子育てなど今を忙しく生きる全ての方へ向けた、食に関する記事の執筆やレシピ監修などの活動をしている。