基本の花束の作り方とは?初心者でもできるラッピングのコツもご紹介!
フラワーギフトの定番ともいえる「花束」。大切な方へ感謝の気持ちを伝えたい時など贈る方も多いですよね。花屋さんで注文するのが多い花束ですが、相手のことをイメージしながら自分で作ってプレゼントしたいという方もいることでしょう。
そこで今回は、花束の作り方についてお伝えします。花束に使う花の特徴や選び方、綺麗に仕上げるための束ね方のコツなどもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 花束を自分で作ってみたい方
- 花を飾ったり贈ったりするのが好きな方
- ハンドメイドが好きな方
目次
花束の種類
花束にはいくつか種類が存在します。その中でも一般的によく見かけるのは、大きく分けて「三方見」と「四方見」の2種類です。それぞれ異なる特徴がありますが、一番大きな違いは花束の見え方。印象が大きく変わるため、どんなシーンで花束を使うのか、どんな場所に飾るのかなどをイメージして種類を選ぶことが大切です。
花束を贈る際には、花の種類や色を考えて選ぶことももちろん重要ですが、三方見と四方見のどちらのデザインを選ぶかということも、頭に入れておくといいでしょう。それぞれの特徴について、詳しくご紹介していきます。
三方見(さんぽうみ)
三方見とは、正面と左右から見た状態が整った花束やアレンジのことをいいます。後ろ側(背面側)が壁である場合に適した束ね方です。
背面側は壁になっている場所に飾ることが多いため、花束の後ろ側にはあまり手を加えないのが特徴でもあります。これは、花束に使う花の量を減らすことができるというメリットにもつながります。そのため、三方見の花束は、低予算で美しい花束を作りたい時などにもおすすめです。
四方見(しほうみ)
四方見とは、「オールラウンド」とも呼ばれる花束の種類で、1周どこから見ても花がある丸形デザインの花束のことをいいます。近年ではこちらのタイプが主流となっており、ウェディングブーケなどでもよく見かけるデザインです。また、四方見の花束はアレンジの仕方によりさらに細かく分類することもでき、バリエーションの豊富さも特徴の一つといえるでしょう。
ウェディングブーケなど、お祝い事の式典で使用される花束や、多くのお客様が集うようなシーンでのテーブルコーディネートで用いる花束には、どの角度から見ても美しい四方見の花束を用いるのがおすすめですよ。
- テット・ア・テット:花の高さを揃えてかっちり規則的に仕上げるデザイン
- ブールスタイル:高低差を付けて立体感を出したデザイン
- シャンペトル:小花などをざっくりとのびやかに束ねたデザイン
花の選び方
手作りの花束を作る際の花の選び方についてもお伝えしておきましょう。花束を構成する際には、主役になる花やアクセントにするとよい花など、異なるタイプの花を数種類準備しておくのがおすすめです。いくつかのタイプの花を準備しておくことで、花をバランスよく組むことができ、見た目も華やかで美しい花束を作ることができますよ。
主役となる花
まず1番に決めておきたいのが、花束の主役となる花。面の広い花は、花束を作る際には主役の花にするのがおすすめです。面の広い大きな花が入ることで、存在感も出て華やかになります。その他にも、芍薬のような花びらをいくつも重ねたタイプの花もボリューム感があり、花束の主役になる花としてぴったりですよ。
また、人に贈るための花束を作る場合には、花言葉をチェックしておくことも大切です。例えば、ガーベラのように「希望」や「前向き」などポジティブなイメージの花言葉を持つものは、贈り物にする際にも安心して選ぶことができますね。
- ガーベラ
- ダリア
- ひまわり
立体的な花
花束を作る際には、花弁に高さのある花をプラスすることで、躍動的で立体的な印象に仕上がります。また、花弁が多くついている花は一輪でも存在感を発揮してくれるので、花束に取り入れる花としてもおすすめです。
立体感のある花を主役の花と組み合わせれば、より豪華で華やかな印象の花束になるでしょう。
- バラ
- カーネーション
- ゆり
季節を感じる花
季節の花を花束にプラスしてあげることで、四季を感じることのできる花束になりますよ。通年、花屋さんで見かける花だけでなく、その時期にしか見かけないような季節感のある花を数本花束に取り入れてみましょう。旬を感じられるトレンド感のある花束に仕上がります。
花を相手にプレゼントする際にも、花束に入っている季節の花がきっかけで会話が弾むということもありそうですね。春や夏には明るく爽やかな色合いの花を、秋や冬には落ち着いた色味の花を選ぶと、花束も自然と季節を感じさせるものになります。
- 春・・・ミモザ、チューリップ、ラナンキュラス
- 夏・・・ひまわり、スターチス、トルコキキョウ
- 秋・・・秋バラ、りんどう、ピンポンマム、コスモス
- 冬・・・スイートピー、アネモネ、クリスマスローズ
個性的な花姿をした花
花屋さんでよく見かける花だけでなく、個性的な花姿のものを花束に使うのもおすすめです。個性的な花を1本加えるだけで、印象的な花束になりますよ。「遊び心のある花束にしたい!」「花束に少しアクセントを加えたい!」という時には、あえて個性的な花姿の花をプラスしてみるのもよいでしょう。
ただし、個性的な花のみで花束を作ろうとするとまとめるのが難しくなってしまうので、種類や本数は少しでOKです。花屋さんなどで、「印象的でちょっと気になる花だな」と思う花を見かけたら、ぜひチェックしておきましょう。
- ピンクッション・・・裁縫で使用する針山が名前の由来。中央からふんわりと開いていく花
- プロテア・・・南アフリカの国花でもあり、色も形も存在感抜群の花。鮮やかなピンク色の花が特徴
- ライスフラワー・・・名前の通り、お米のような可愛らしい形をした蕾を楽しむことができる花
- ネリネ・・・先がクルクルと巻かれたリボンのような花びらで、華やかな印象の花
小さな花が連なった花
フラワーアレンジメントの世界では「フィラーフラワー」とも呼ばれる、小さな花が連なった花。枝分かれした茎の先に、小さな花がたくさん咲いている花も、花束を作る際にあると便利な花の一つです。大きな花や豪華な印象の花ばかりについつい目が行きがちですが、実は小さな花は花束を作る上でとても役に立ちます。
例えば、花束にできた隙間を埋めて華やかにしたり、立体感を出したりと、花束を美しくまとめる役割をしてくれますよ。花だけでなく、アイビーやアスパラガスなどのグリーンを取り入れるのもおすすめです。
- かすみ草
- ライスフラワー
- スターチス
- ワックスフラワー
葉物
花束を作る上で、実は忘れてはいけないのが葉物。花だけで構成するのもよいですが、最後に少しだけでも葉物をプラスすることで、花束全体を自然な印象にまとめることができます。また、花束にボリューム感を出したい時にも役立つでしょう。葉物は一種類に限定する必要はありません。予算が合えば、数種類の葉物を用意して、組み合わせながら花束に取り入れてみるのもよいでしょう。
- レザーファン・・・シダ植物。葉物の代表的な存在
- ユーカリ・・・香りも楽しめる。種類によって葉っぱの形が異なる
- レモンリーフ・・・レモンの形にも似た丸い葉っぱが特徴
- ゴット・・・葉っぱに斑点があるのが特徴
基本の花束の作り方
上記でご説明したように、花束に使う花材を準備したら、いよいよ花束作りのスタートです。下準備をしっかりと行い、束ね方のコツさえ掴めば、花屋さんに依頼しなくても自分のイメージした花束を作ることができるようになります。ここからは、花束の基本的な作り方をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
下準備
花束を作り始める前にまずは下準備を行います。実は花束を作る上で下準備は重要な工程の一つ。下準備をきっちりと行うことで、花束をより美しい状態に仕上げることや長持ちさせることができます。
具体的には、水切りや深水などそれぞれの花に適した方法で花の水揚げを行い、さらに、余分な葉っぱの処理をしておきます。また、準備した花がたくさん枝分かれしているものであれば、花切りハサミで花を切り分けておくと実際に作業をする際にスムーズに花を束ねることができますよ。
- 水揚げ:水揚げを行うことで花束が長持ちする
- 余分な葉っぱの処理:余分な葉っぱがあると腐敗の原因にもつながるので事前に取り除いておく
- 切り分け:枝分かれしている花材は、花を切り分けておく
作り方
- 花材(下準備の済んだもの)
- 花切りハサミ
- 輪ゴムor紐(麻紐など)
- ティッシュペーパー、キッチンペーパー
- アルミホイル
花束の作り方
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STEP. 1
花を束ねていく
まずは主役の花を束ねていく。
バインティングポイントを意識して花を束ねる。
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STEP. 2
さらに花を足していく
花を足す時は、軸になる花に新しく入れる花を添えるように足していく。
主役の花よりも少し段差をつけて束ねることで、立体的な仕上がりになる。
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STEP. 3
花束のバランスを確認する
それぞれの花材が埋もれていないか、全ての花が全面を向いているかなどチェックする。
余計な葉っぱがついていないかも確認。ついている場合は取り除く。
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STEP. 4
最後に葉物をプラスする
花束を覆うようにして、背面に葉物を入れるのがおすすめ。
枝ぶりのよいものは、ブーケの両サイドや前面などにプラスするのもよい。
葉物は少し長めにカットしておくとブーケ全体のボリュームをUPさせることができる。
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STEP. 5
花を束ねたら固定する
全ての花を束ねたら、輪ゴムや麻紐で花束をまとめて固定する。
緩まないよう、硬めにまとめておくのがポイント。
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STEP. 6
茎をカットする
花束をまとめたら、長さを揃えて茎を花切りハサミでカットする。
準備しているラッピングペーパーなどのサイズを考慮しながら、花束の長さを決める。
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STEP. 7
茎の切り口を保水
水を吸い上げられるようにするために、水で濡らしたティッシュペーパーで茎を下から包み、さらにアルミホイルで覆う。
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STEP. 8
完成
このバインディングポイントの位置によって、花束の仕上がりのサイズが変わってきます。
螺旋状に束ねていくことがポイント
花束を作る際のポイントは、花の束ね方です。「スパイラルテクニック」と呼ばれる、花を螺旋状に束ねていく方法を取り入れることで、綺麗な花束を作ることができます。
初めに花を一本持ち、そこから同じ方向に螺旋状に茎を束ねていくことで、花束が綺麗に広がり美しい花束に仕上がります。また、美しく見えるだけでなく、折れにくい花束に仕上がるというメリットもあります。
下記の動画では、スパイラルテクニックについてご紹介しています。参考にしてみてください。
初心者にもおすすめな花束のラッピング方法
完成した花束をより美しく見せるためにも、ラッピングは大切です。ラッピングは苦手…という方にもおすすめなラッピング方法についてもお伝えしておきましょう。ラッピングの基本さえ覚えておけば、ラッピングペーパーのデザインやリボンの素材を変えるだけで様々なシーンに合う花束のラッピングをすることができますよ。
- ラッピングペーパー
- セロファン
- ホチキスもしくはセロテープ
- リボン(装飾用)
季節に合わせたラッピングペーパーなども手に入るので、上手に活用しましょう。
花束のラッピングの手順
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STEP. 1
ラッピングペーパーに花束をのせる
ラッピングペーパーを広げて、中央よりやや左に花束をのせる。
花束がラッピングペーパーから出ないようなサイズにカットしておくのがポイント。
ラッピングペーパーからはみ出てしまうと、持ち運びの際に花束を傷つけてしまう可能性もあるので注意。
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STEP. 2
ラッピングペーパーで花束を包む
茎の部分がある程度隠れるようにしてラッピングペーパーを折り込む。
花束が潰れないように、少し余裕を持ってラッピングペーパーでほんわりと花束を包んでいく。
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STEP. 3
ホチキス(セロテープ)でラッピングペーパーを留める
花束を包んだら、ラッピングペーパーの端を折り込む。
包み終わりの上の部分をホチキスで留めるかセロテープで留めておく。
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STEP. 4
リボンなどの装飾を施す
リボンや紐などを使い、茎の部分をぎゅっと結ぶ。
ラッピングペーパーの上部を膨らませるようにして、形を整えておくとより美しいラッピングになります。
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STEP. 5
完成
ラッピングペーパーのサイズの目安は、花束をぐるっと一周できるくらいと覚えておくとよいでしょう。
下記の動画では、基本のラッピングの仕方をご紹介しています。参考にしてみてください。
こんなアレンジもおすすめ!
基本のラッピング方法をもとに、アレンジ次第で様々な花束のラッピングを作ることができます。例えば、ラッピングペーパーを2枚重ねるだけでも1枚のラッピングペーパーで包んだものとは一味違った雰囲気となります。紙のデザインや質感の違うものを組み合わせて使用するとおしゃれに仕上がりますよ。
また、一輪の花を贈る際には、ラッピングペーパーではなく、封筒を使った方法もおすすめ。郵便番号が記載された部分をカットし、花を封筒内に入れ、最後に装飾用のリボンを結べばあっという間にラッピングが完成します。細かな作業が苦手という方や、お子様にもおすすめの方法ですよ。手軽な方法でギフトにも最適なラッピングができるので、ぜひお試しくださいね。
まとめ
今回は、花束の作り方について詳しくお伝えしました。花束は花屋さんで注文するという方も多いですが、相手のことを思いながら花を選び束ねる時間も素敵ですよね。花の水揚げなど下準備をしっかりと行ってから作れば、自作の花束でも長い期間美しい状態を楽しむことができます。
また、ラッピングを工夫することでさらに華やかな花束を作ることも可能です。作り方の手順や基本的な花の組み方さえ習得できれば、様々なタイプの花束を作ることもできますよ。お好みの花を揃えて、ぜひ花束作りを楽しんでみてくださいね。
- 花束を作る際には、主役になる花、アクセントになる花、季節感のある花など、いくつかのタイプの花を準備しておくと組み合わせやすくなる
- 花の水揚げをする、余分な葉っぱを取り除いておくなど、花束を作る前の下準備をしっかりと行うことで、美しい状態を長く保つことができる
- 美しい花束を作るためには、花を同じ方向に螺旋状に組んでいくスパイラルテクニックを取り入れることがポイント