フラワーコーディネーターの仕事とは?資格や独立までの道をご紹介
花が好きな方の中には「いつか花に関する仕事ができたらいいな」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。花を扱う仕事にはいろいろありますが、中でも人気を集めているのがフラワーコーディネーター。フラワーアレンジメントやブーケを作ったり、イベント会場を花で飾ったりする仕事です。
作る作品は多岐にわたりますし、活動する場もさまざま。当然、要求される能力も多くあります。そこで今回は、フラワーコーディネーターの仕事の内容や必要な能力、また実際に仕事を始めるまでの道のりをご紹介します。将来、花に携わる仕事をしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- フラワーコーディネーターに必要な能力を知りたい方
- どうしたらフラワーコーディネーターになれるのか知りたい方
- フラワーコーディネーターの仕事内容に興味がある方
目次
フラワーコーディネーターの仕事とは
フラワーコーディネーターは、花を使ってイベントやテーマに合わせた作品を制作する職業です。例えばウェディングシーンでは、ブーケやブートニア、高砂やゲスト席を飾るフラワーアレンジメントなどを制作。加えて、チャペルや披露宴会場など、空間全体を花でデコレーションすることもあります。
お客様からご希望を伺うことに始まり、花を使ったアイテムやディスプレイのデザイン、材料の調達、制作、そして必要な場合は撤収作業まで全てを担います。
自分のセンスや専門知識を生かしながら仕事ができ、お客様に喜んでいただけるため、やりがいのある仕事といえるでしょう。一方で、当然ながら作品を作るだけではなく、見えない部分での苦労もあります。それでは、フラワーコーディネーターとして活躍するには、具体的にどんな資質が求められるのかを見ていきましょう。
作品を作るのに必要な能力
さまざまなタイプの作品を作り上げるには、制作技術や磨かれたセンス、型にはまらない発想力、手先の器用さ、色彩感覚などが必要なのはいうまでもありません。これらに加えて不可欠なのが、花に関する広く深い知識です。作品にふさわしい花を選ぶには、それぞれの花の持つ特性や管理の仕方、また花言葉なども熟知していないと務まりません。
使用する花材は生花だけにとどまりません。一定期間美しい状態を保たなければならない場合、あるいはお客様のご希望によっては、ドライフラワーやアーティフィシャルフラワーなどを使う機会も多くあります。専門外の花材の扱い方も知ったうえで、作品に反映させる柔軟さも求められます。
作品を完成させるために、ホームセンターで頭を悩ませることもしばしばです。
制作以外で求められるもの
人と接する機会が多いのがフラワーコーディネーター。お客様の希望を引き出し、理解し、イメージどおりにアイテムや空間を仕上げるためには、コミュニケーション能力が不可欠です。加えて、スケジュールどおりに進める計画性や、経費や売上などを考える経営的な視点も求められます。
また、重要なのが体力。作品制作には、花と水を入れたバケツを運んだり、脚立に乗って大きな作品を設置したりといった肉体労働も伴います。使用済みの作品の片付けや廃棄などのほか、繁忙期は朝早くから夜遅くまで働くことも。このように仕事内容は決してラクではありません。
特に、個人あるいは少人数で活動している場合には、自己プロデュース能力や、それを多くの人に知ってもらうためにSNSをうまく活用する力もあるといいでしょう。
フラワーコーディネーターを目指す人がしていること
フラワーコーディネーターになりたいと思ったら、花に関する知識を深めていくことは必須です。そのために独学で植物に関する書籍から学んだり、実際に自分で花の世話をすることもできるでしょう。ただし、独学では限界があるのも事実。ですから、フラワーコーディネーターを目指す人の中には、花に関する専門学校を卒業してから生花店などに就職し、実務経験を積む人が多いです。
また、花に関する協会が行っているコースレッスンで学び、資格を取得することで、フラワーコーディネーターとしての活動を始める人も増えています。こちらは1人でフリーランスとして活動したい人におすすめ。マイペースで仕事を進められ、ホームページやSNSを活用しながら仕事を受注し、少しずつ実績を重ねていきます。
一方、個人事業主として仕事をする場合は、お客様と1対1でやりとりしながら作品を作る仕事が中心になることが多いです。
それでは、実際にフラワーコーディネーターとしての活動を始めるまでに、どんな準備が必要なのかを見ていきましょう。
資格や学歴は必要なの?
フラワーコーディネーターになるのに必ずしも資格を取得しておく必要はありません。ただし、実際に仕事をしていくには、資格があった方が有利なケースもあります。特に独立してフリーランスで活動する場合には、花に関する何らかの資格を持っていると信用につながり、仕事を得やすいといわれています。
そのほか、花の協会ごとに資格試験が数多く設けられています。
花の仕事に活かせる学歴としては、前述のとおり、知識や技術を効率よく身につけられる専門学校があります。生花はもちろん、プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーなどを使った作品の制作方法も学べ、卒業までに花に関する資格を取得することも可能。卒業後の進路についても豊富な情報があり、多くのメリットがあります。
学びながら経験を積む
フラワーコーディネーターの中にはフリーランスで仕事を請け負っている人もいます。ですが、最初は会社などに所属して経験を積む人が多いです。それぞれの会社には専門分野があるため、所属先によってその後の活躍の場も変わります。
例えば、ホテル内にある生花店ならウェディングやパーティ会場の装花が得意ですし、商業施設に大きなアレンジメントを作る仕事はイベント会社が担うことが多いです。また、葬儀専門の生花店もあります。自分がどんな分野の仕事に興味があるかをよく考えて、就職先を選ぶ必要があります。
扱う花の種類・品種、制作するアレンジメントの形、大きさ、テイストなど、それぞれに特徴があるので、同じ分野の別の店で修行するのもとてもいい経験になるでしょう。
いずれの場所で仕事をしても、花に関する専門知識とセンスが磨かれます。小さなものから大きなものまで、フラワーコーディネートを行う経験を多くのシーンで積むことが重要です。そして、実力や経験を十分に備えられたら、フラワーコーディネーターとして独立して自分なりの仕事を始めることも可能です。
フラワーコーディネーターの活躍の場
学びと実践を積み、活躍するフラワーコーディネーター。実際にはどんな現場で働いているのでしょう。実は、できあがった作品を目にする機会はあちこちにあります。例えば、デパートのショーウィンドウやファッションビルの一角、フォトスタジオ、テレビ番組。あるいは、あなたが通っている美容院やエステサロンにも、フラワーコーディネーターが作った作品が飾られているかもしれません。
ここからは、身近なシーンを3パターンご紹介しましょう。
ウェディング
すぐに思い浮かぶのは、新婦の持つブーケと新郎の胸につけるブートニアではないでしょうか。ほかにも髪を飾るヘアドレスや手首用のリストレットなど、華やかなデザインのものを制作します。カラードレスや打掛に合わせて、リースブーケやボールブーケなどを作ることもあります。
また、前撮りと挙式当日の両方で使えるよう、生花ではなくアーティフィシャルフラワーなどで作ることも増えています。
テーブルに飾るフラワーアレンジメントも、ブーケとテイストを合わせて作られます。また、チャペルや披露宴会場を花で飾る場合は、花だけでなくリボンやキャンドル、そのほかの小物などを使い、おしゃれに仕上げるケースも。高砂の席の後ろにフォトスポットとなるような大きなディスプレイを作ることも多いです。
エントランスを飾る
ホテルやビルのエントランスなどには、大きなサイズのフラワーアレンジメントが飾られていることがあります。ある意味、その建物の「顔」であるため、美しく豪華な雰囲気で高級感が感じられる作品に仕上げられています。
多くの人がさまざまな方向から行き来する場なので、360度どの角度から見られてもいいようにデザインされているものが多いです。そしてもうひとつのポイントは、頑丈で安全性が高いこと。小さなお子さんが触ってしまって手を怪我したり、バランスが崩れて作品が落ちてきたりしないように、注意深く作られています。
変色したり萎れたりした花材が目につくことがないよう、こまめに手を加えたり、早いサイクルで全体を作り替えたりしています。
メディア
CMやテレビ番組のセットの中で、花はよく使われています。見栄えのするある程度大きなサイズのものが多く、生花でつくられたものだけでなく、アーティフィシャルフラワーも多用されています。
アーティフィシャルフラワーであれば、数ヶ月程度なら強いスポットライトが当たってもあまり劣化しません。また、接着剤やワイヤーなどでしっかり固定することができるので、セットに使うのに向いています。
そのような要望にも応じられるよう、材料になりそうな資材にも日々アンテナを張っているフラワーコーディネーターもいます。
まとめ
フラワーコーディネーターの仕事は決してラクではありませんが、その分やりがいも感じられます。資格や学歴は必須ではありませんが、専門学校に通ったり、生花店やイベント会社などで働きながら経験と知識を積むのが、効率よく学べる方法でしょう。また、各協会主催のコースレッスンで学び、資格をとって仕事を始めることもできます。
花に関する知識やセンスに加え、体力やコミュニケーション能力なども求められます。それでも、好きな花に触れ、作品を作り出す喜びが感じられる仕事に興味がある方は、フラワーコーディネーターへの道を検討してはいかがでしょう。
- フラワーコーディネーターには、作品制作以外の点でもさまざまな能力が求められる
- 所属する会社によって、専門性が分かれる
- 多くの知識と経験を積んで、憧れのフラワーコーディネーターを目指そう