仕事にも活かせる!プリザーブドフラワーに関する資格とは?
記事の監修
「アンティーク ローズ」主宰
高級プリザーブドフラワー アーティスト
ブライダルのフラワーデザイナーとして4000組以上の会場装花を行ってきた私が、現在はプリザーブドフラワー専門のデザイナーをしています。
お花のデザインを通して、毎日を彩り、美しさを届けること、笑顔と愛を沢山の人に届けることが、私の使命だと確信しています。
私は、肩書きこそフラワーデザイナーですが、お花のデザインを作ってるのではなく「ありがとう」のきっかけを作っています。お花が導く「ありがとう」の種まきが、今の社会に大切な事だと思っています。
飾る花としてもインテリアとしても人気の高い「プリザーブドフラワー」。近年では、プリザーブドフラワーに関する資格を取りたいという方も増えてきています。そこで今回は、プリザーブドフラワーに関する資格について、詳しくご紹介していきます。
具体的にどんな資格があるのか、その資格を持っているとどんなことに活かすことができるのかなど、資格取得を考え始めた方のために役立つ情報をお伝えします。プリザーブドフラワーについてもっと深く知りたい、プリザーブドフラワーに携わる仕事がしたという方もぜひ参考にしてくださいね。
- プリザーブドフラワーについての資格を取りたい方
- プリザーブドフラワーに関する資格について詳しく知りたい方
- プリザーブドフラワーに興味がある方
目次
プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーは「枯れない花」として人気を集めています。花が一番美しい状態の時に色素を抜き取り特殊な加工を施したもので、枯れることなく長期に渡り美しい状態を保てるという点が大きな特徴です。
その保存性の高さを生かしたフラワーボックスやブーケなどのフラワーアレンジは、インテリアとしてだけでなく贈り物やウェデイングアイテムにもぴったり。長期間楽しむことができるプリザーブドフラワーは、今後も多くの場面で活用されることが期待されます。
- フラワーボックス・・・ボックス型のアレンジメント。ギフトにも人気があります
- ブーケ・・・ウェディングブーケ、記念日のプレゼントなど特別なブーケによく使用されています
- リース・・・壁掛けインテリアとして長く飾ることができます
プリザーブドフラワーについての資格とは?
プリザーブドフラワーについて「より深く知りたい」「勉強したい」という方の中には、プリザーブドフラワーに関する資格を取得したいと考えている方もいるかと思います。現在、プリザーブドフラワーに関する資格は数種類あり、取得方法や内容も少しずつ異なります。そのため、自分が理想とする内容の資格を選んで取得することが大切です。
まずは、プリザーブドフラワーに関する資格にはどのようなものがあるのか把握し、自分にはどの資格が必要なのかを見極めることから始めましょう。ここからは、プリザーブドフラワーに関する資格とはどのようなものなのか、また取得するメリットなどを中心にご紹介していきます。
プリザーブドフラワーの資格は国家資格?
結論からいうと2021年現在、プリザーブドフラワーに関する国家資格はありません。主なプリザーブドフラワーに関する資格は、民間スクールの認定資格と呼ばれるもののみとなっています。この認定資格というのは、スクール(団体)の講座を受講することで資格試験を受ける権利を得られたり、ディプロマが発行されるというものが多いのが特徴です。講座の受講も含まれるため、資格取得までに数ヶ月を要します。
フラワー装飾技能士は、日本でフラワーデザインに関する唯一の国家資格となります。1級〜3級まであり、3級は誰でも受験することが可能ですが、1級・2級を受験する際には条件によって実務経験が必要な場合もあります。
プリザーブドフラワーに関する資格を持つことでのメリット
プリザーブドフラワーなどの花に携わる仕事に就く場合、必ずしも資格を求められるわけではありません。しかし、資格を持つことで様々なメリットが生まれるのは確かです。資格を持っているフローリストやデザイナーは、職場からもお客様からも「知識を持っている」ということで信頼されやすくなります。自分自身でも資格を所持することで自信がつきますし、仕事へのモチベーションも上がりそうですよね。
では、資格を取ることには具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
花に関する知識が身に付く
資格試験を受験するにあたり、プリザーブドフラワーをはじめ、花やフラワーデザインなど花にまつわる様々なことを学びます。そのため、花に関する知識が格段に上がることは間違いありません。生花やプリザーブドフラワーといったそれぞれの花に対する適切な扱い方や、花を長持ちさせるための最適な環境など、役立つ情報も学べます。
ご自身が花を扱う際に役立つだけでなく、お客様や一緒に働くスタッフへの具体的なアドバイスもできるようになるでしょう。花に携わる仕事に就きたいと考えた時に、資格試験のために勉強して得た花の知識はとても役立つものになりますよ。
色彩や配色のテクニックが身に付く
プリザーブドフラワーに関する資格取得のための学びでは、花の知識だけではなく、色彩や配色に関する知識も身に付きます。フラワーデザインを仕事にする場合、カラーに関する知識があるとアレンジメントや花束を仕立てる際に役立ちます。
闇雲に色を合わせてしまうのではなく、理念を持ってカラー配色された花束やアレンジメントは、目を惹くものになりますよ。お客様にもきっと喜んでいただけることでしょう。また、花束やアレンジメントのデザインや組み合わせの相談を受けた際にも、的確なアドバイスをすることができます。
仕事に結びつきやすい
将来、プリザーブドフラワーの教室を開きたいと思っている方の場合、資格を取得していると教室の開校やフラワーアレンジの講師の仕事に結びつきやすくなります。資格を取得しディプロマ(証明書)が発行されることで、資格を発行している団体認定の教室を開校することができるようになるのが一般的です。
プリザーブドフラワーを扱う仕事に就きたい方や花に携わる仕事に就きたいという方は、資格を取得しておいた方が将来的なビジネスプランにおいて選択肢が広がりますよ。せっかく資格を取得するのであれば、その資格を仕事に活かすことができると嬉しいですよね。
資格を取得するための講座費用や試験料、維持費は各運営団体によって異なります。資格取得を考える際には、費用についても比較検討することをおすすめします。
主な資格
ここからは、プリザーブドフラワーに関する資格にはどのようなものがあるのか、詳しくご紹介していきましょう。現在ではプリザーブドフラワーに関する資格が多数ありますので、その中でも人気の高い資格をピックアップしてご紹介します。
費用だけでなく資格を取得するまでの流れや、資格を取得する上で学べる内容などは各資格ごとに異なります。資格取得を考え始めている方は、どんな資格がありどんな知識が身につくのかを、まずはしっかりと確認しておくことが大切になります。
(※以下の資格に関する情報はいずれも2021年7月時点のものです。)
①FDAプリザーブドフラワーライセンス1級・2級
FDAプリザーブドフラワーライセンス1級・2級の資格は、フラワーデコレーター協会(FDA)が発行しています。フラワーデコレーター協会(FDA)は、フラワーデコレーションを普及し、フラワーデコレーションの技術向上をもって文化に寄与する目的で設立された任意団体です。
FDAプリザーブドフラワーライセンス1級・2級だけでなく、フラワー業界で必要な知識と技術を判定する各種認定試験の実施、ライセンスの認定、指導者の育成などの活動を行っています。FDAプリザーブドフラワーライセンスでは、「プリザーブドフラワーの基礎知識」、「資材や道具の使い方」、「色彩の知識」、「配色テクニック」、「基本テクニック」などを身につけることができます。
「プリザーブドフラワーの色合わせが難しく、作品がワンパータンになってしまう」「コサージュとして身につけていたプリザーブドフラワーの色が服に染み付いてしまったがどうしたら良いの?」といった悩みも、資格取得に向けた学びの中で知識を身につけることで解決できるようになりますよ。
FDAプリザーブドフラワーライセンスを取得することでプリザーブドフラワーの基礎からカラーコーディネートまでを学ぶことができます。また、プリザーブドフラワーの教室を開くことができるようになるので、教室の開校を目指している方にはとくにおすすめの資格です。
- 認定試験受験料・・・1級:10080円(税込)/2級:7840円(税込)
- 認定登録料・・・1級:17510円(税込)/2級:14250円(税込)
- 年会費・・・1級・2級:6600円(税込)
参照元: フラワーデコレーター協会(FDA)
②JPFDディプロマ資格
JPFDディプロマ資格は、日本プリザーブドフラワー協会(JPFD)が発行しています。日本プリザーブドフラワー協会は、上質なプリザーブドフラワーの普及や技術とセンスの向上を目的として活動している団体で、プリザーブドフラワーの新しいデザインを常に探求しています。2000年4月にプリザーブドフラワー専門の協会として設立され、今では業界のトップ団体となっています。
全国にある教室で全国統一のカリキュラムコースを受講したのち、JPFDディプロマ資格を取得することが可能となります。JPFDディプロマ資格を取得することで、プリザーブドフラワーならではの基礎を含む技術やセンスを学ぶことができますよ。JPFDディプロマ取得者は、段階を踏んで登録教室や認定教室の開校をすることも可能になります。
日本プリザーブドフラワー協会では、ディプロマ資格取得のための講座の他にも様々な講座があります。花の基本ををはじめテーピングやワイヤリングなどのフラワーアレンジの技術、プリザーブドフラワーの歴史などについて学ぶことができる「ウォーミングアップコース」や、開花の技術を学ぶことができる「開花クラス」などもあり、花に関する様々な技術や知識を習得することが可能です。
講座が細かく分かれているので、自分の学びたいジャンルを選択することができます。
- 受講料・・・242000円(税込)※花材費用込みとなります。カリキュラムは全部で12単位
- 認定教室開校講座・・・77000円(税込)※レッスン料・花材・資材費込みとなります。
参照元: 日本プリザーブドフラワー協会(JPFD)
③FEJプリザーブドフラワー資格
FEJプリザーブドフラワー資格は、フラワーエデュケーションジャパン(FEJ)が発行しています。フラワーエデュケーションジャパンは、大人の女性に合わせたシンプルでおしゃれなフラワーデザインに力を入れているのが特徴です。また、資格取得後やコース卒業後のバックアップ体制が充実しているのもポイント。資格取得後にも勉強会が開催されたり、教室運営や販売活動に関してのアドバイスをもらえたりするため安心です。
FEJプリザーブドフラワー資格の他にも「プリザーブドフラワーアドバイザー検定」や「プリザーブドフラワー技能講師検定」、「プリザーブドフラワーウェディングブーケプロフェッショナルコース」など、プリザーブドフラワーに関するものだけでも6つものコースから選べます。
教室の開校や講師を目指す方はもちろん、プリザーブドフラワーの販売をしたいという方やウェディング関係のお仕事に就きたい方など様々なジャンルでの活躍が期待できます。
FEJプリザーブドフラワー資格は、プリザーブドフラワー資格コースを受講することで、受験資格が得られます。FEJプリザーブドフラワーコースは8単位あり、プリザーブドフラワーのあらゆる技術や知識を習得できるようになっています。試験は3月・7月・11月の年に3回、全国各地で実施されます。試験に合格すると、協会よりディプロマ証が発行されます。
- コース受講料・・・165000円 ※花材費込みとなります。
- 試験料・・・11000円 ※ディプロマ発行料込みとなります。
- 試験花材費・・・6600円〜8800円程。※個人差あり
- 年会費・・・認定会員:5500円/年 ライセンス会員:16500円/年
体験講座を開催しているところもあるので、気になる場合は参加してみるとイメージもつかみやすいですよ。
※上記に記載している受講料や受験料、内容についてはいずれも2021年7月現在のものとなります。
料金や内容は変更となる場合がございます。各HPにて金額等の確認をするようにしてください。
資格取得後、どのような活動をしていくのか
プリザーブドフラワーに関する資格の取得後は、どんな活動をしている方が多いのでしょうか?せっかく時間や費用をかけて取得するものなので、資格を仕事などに繋げていけると嬉しいですよね。資格やディプロマを取得することを検討する際にも、取得した後のことを見据えておくとよいでしょう。
ここからは、プリザーブドフラワーに関する資格を取得することで、どのような活動をすることができるのかご紹介します。資格を取得した後の活動をご自身でもイメージしてみましょう。
教室を開く
資格を取得することで、団体(協会)認定のプリザーブドフラワー教室を開校することができるようになります。それぞれの資格を発行している団体の認定校として開校することができるので、個人で教室を開くよりも信頼度がアップします。自宅で教室を開いている方も多いので、将来は自宅で仕事をしたいと考えている方は、教室の開校を目指すのがおすすめですよ。
プリザーブドフラワーのアレンジの仕事
プリザーブドフラワーに関する知識や技術を活かして、プリザーブドフラワーのアレンジメントに関する仕事に就くことも可能です。花屋さんでの勤務やウェディング専門のブーケ作製、フラワーギフトを制作する仕事のほか、百貨店などの店舗やホテルでのフラワーディスプレイをする仕事など、プリザーブドフラワーのアレンジの仕事は多岐にわたり需要があります。そのため様々なシーンで活躍することができるでしょう。
お店や会社などに所属している方もいますが、独立してフリーランスとして活動している方も多いですよ。
アドバイザーとしての仕事
アドバイザーとしての仕事は、花屋さんで働いている場合や教室を開いている場合にとくに役立ちます。資格取得のために勉強した知識を活かして、プリザーブドフラワーについての正確な情報をお客様や生徒さんにお伝えすることができますよ。
プリザーブドフラワーの正しい保管方法やアレンジメントの仕方などを分かりやすくお客様へ伝えることにより、安心して購入していただけます。教室に通っている生徒さんにも的確なアドバイスができますので信頼に繋がるでしょう。
資格取得後の活動イメージもしやすくなるので、目標にしている方がいたらチェックしてみてくださいね。
まとめ
今回は、プリザーブドフラワーに関する資格について詳しくご紹介しました。プリザーブドフラワーに関する資格は複数あり、それぞれの特徴や資格の取得方法はそれぞれ異なります。
プリザーブドフラワーの資格を取得してどんなことをしていきたいのか、目標や計画を明確にしておくと、どの団体が発行している資格が自分には適しているのかもわかってきます。もちろん、資格取得までの道のりやかかる費用などもしっかりと把握した上で資格取得を目指すことが大切です。
プリザーブドフラワーに関する資格がないと仕事に就けないというわけではありませんが、資格を持つことでより有利になることはもちろん、自信にも繋がります。自分自身のステップアップにもつながるので、気になる方はぜひ挑戦してみてくださいね。
- 2021年現在、プリザーブドフラワーに関する資格は国家資格のものはなく全て民間スクール(団体)の認定資格である
- 基本的には、講座を受講することで受験資格やディプロマ取得に繋がるため、資格取得までに数ヶ月は必要となる
- 資格を取得後は、団体認定のプリザーブドフラワー教室を開校できるほか、アドバイザーやアレンジメントなどの仕事に活かすことができる
記事の監修
「アンティーク ローズ」主宰
高級プリザーブドフラワー アーティスト
ブライダルのフラワーデザイナーとして4000組以上の会場装花を行ってきた私が、現在はプリザーブドフラワー専門のデザイナーをしています。
お花のデザインを通して、毎日を彩り、美しさを届けること、笑顔と愛を沢山の人に届けることが、私の使命だと確信しています。
私は、肩書きこそフラワーデザイナーですが、お花のデザインを作ってるのではなく「ありがとう」のきっかけを作っています。お花が導く「ありがとう」の種まきが、今の社会に大切な事だと思っています。