女性憧れの職業。花屋の一日の仕事内容ってどんなもの?
記事の監修
「花屋の朝は早い!」なんて言葉も聞かれますが、花に囲まれているお仕事ということもあって、華やかに見える花屋という職業。そんな花屋さんの仕事内容は穏やかでストレスなんてなさそう!と思われるかもしれませんが、実はとても大変な仕事なのです。
そこで今回は、花屋の主な仕事内容についてご紹介していきます。花屋さんになりたいと憧れを持つ方は、特に必見です!
- 花屋の仕事について気になる、興味があるという方
- 花屋に憧れがあり、これから花屋を目指したいと思っている方
- 基本的な花屋の仕事についてや、最近の花屋事情などについて知りたい方
目次
花屋のスタートは早朝から!
花屋の朝は早いという言葉通り、花屋さんは朝早くから行動しなければなりません。というのも、花屋で販売されているたくさんのきれいな花は、魚屋や肉屋、八百屋などの小売店と同じように、市場で買い付けてくるのです。特に切り花は鉢植えに比べて鮮度が落ちやすいため、毎日新鮮な花を仕入れるために早朝から市場に出向かなければならないのです。
さらに、花の仕入れが終わったら、お店に並べる前に水揚げという作業を行います。一般的な花屋の開店時間は10時前後のことが多いですが、開店前に仕入れ、水揚げといった作業を行っているわけですね。もちろんそれだけでなく、お客様が商品を見やすいようレイアウトしたりと、開店準備は大忙しなのです。
意外と力仕事が多い
大量に花を買い付けに行き、お店に着いたら水揚げ作業を行います。つまり、花を運んだり水の入ったバケツを運んだりと、運ぶ作業が多いのも花屋の特徴です。花屋というとフラワーアレンジメントや花束を製作するイメージを持つ方が多いかもしれません。確かにそのような作業も行いますが、重い鉢や大きなアレンジを持ったりと意外と力仕事が多い職業でもあるのです。
そのため、花屋さんになりたいと思っている方は、花に関する知識だけでなく体力をつけておいたほうがいいでしょう。また、市場への買い付けや花の配達には車が必須ですので、自動車の運転も大切な仕事の一つですね。
花の鮮度を保つ「水揚げ」は欠かせない仕事
切り花をお店に出す前に必ず行う水揚げは、花の鮮度をキープするために行う重要な作業です。茎をカットし水を吸い上げやすくするというのが基本ですが、花によっては切り口に熱を加えるなど方法を変えることもあります。
効率的な水揚げの方法はそれぞれの花によって異なりますので、専門的知識を元に花に合わせた水揚げを行い、鮮度をキープする必要があるのです。お客さんの手元に届くまで新鮮な状態を保つようにするためにも、しっかりと水揚げに関する知識を身につけておかなければならないのですね。
切り花だけでも仕入れと水揚げを毎日行う必要がありますが、花屋さんには花苗も販売されていますよね。切り花ほどの頻度ではなくてもやはり仕入れは行いますし、土に水をあげて乾燥させないようにする必要もあります。また、長持ちさせるために花がら摘みなどのお手入れも行っています。
このように、開店前から閉店後まで、お店にあるすべての花に目を配らせているのです。
接客や販売をする
花屋として営業しているのですから、接客や販売ももちろん大切なお仕事です。花を買いにくるお客さんに対してサービスを提供しなければいけませんし、仕入れた花をどんどん売っていかなければいけません。この接客・販売に関する仕事は、私たち一般人が花屋に足を運べば目にすることができる内容ですので、何となくどんなことをやっているのかは想像できるのではないでしょうか。
また、接客や販売はお店だけではありません。ご依頼があれば出張先での花の生け込みやお客様のお庭の植え込み等の仕事もあります。
花屋になる人は、花が好きであること、花に関する専門知識を備えていることは当然ですが、コミュニケーションスキルも求められるのです。花の専門家かつ接客業であるということを忘れてはなりません。技術や知識を元に、コミュニケーションを上手に取ることができて初めて、客のニーズに応えられるといえるでしょう。
またあの花屋に行きたいと思ってもらえるには、花の品揃えだけでなく気持ちのよい接客ができることが大切です。また、どうすればお客さんに買ってもらえるかという、販売のスキルも欠かせません。購買意欲を搔き立てるレイアウトや価格設定を行うことも、花屋に求められる仕事なのです。
客のニーズに応えられる技術や知識は不可欠
花屋さんは接客技術はもちろん、花に関する技術や専門知識も日々磨いています。お客さんは、花屋で働いている人はすべて花のプロだと思っています。用途に合わせたおすすめの花や、予算に合った花束を求めたりすることはもちろん、花苗であれば育て方なども相談されるでしょう。
そのため、店で取り扱う花の知識はしっかりと備えておかなければなりませんし、予算に合わせて花束を作る際の花の選び方・まとめ方のセンスを学んでおくことも大切ですね。
また、花言葉を気にして選ぶ人も少なくないため、花言葉についても勉強しておいた方がいいでしょう。
例えば昔はフラワーギフトといえば花束が主流でしたが、扱いにくいというデメリットから、最近はフラワーアレンジメントの方が人気です。また、プリザーブドフラワーなど生花を加工して保存性を高めた花材も普及してきました。
このように、流行や風潮に合わせて店で取り扱う花の内容を変えていくということも大切です。店を存続させるには、ニーズに合った花についての勉強も欠かせません。
今の時代はやっぱりこれ!ネットショップ販売
花屋として働く場は、実店舗に限りません。最近では、花のネットショップも増えてきました。実店舗を持たないため家賃がかからないなどのメリットもあり、ネットショップとして花屋を開業する人も多くなってきているのです。
また、お客さんにとっても花屋に足を運ぶ必要がなく自宅などでゆっくり商品を選べる、いつでも購入できるといった利便性から、ネットショップの利用も広まってきています。
最近では皆さんもスマホやパソコンなどから様々な商品を注文することの方が増えているのではないでしょうか。実店舗を構える花屋も、より売り上げをアップさせるためにネットショップを併せ持つケースが多くなっているようです。
ネットショップの場合は、お客さんと対面することはなくwebで注文を受け付け、注文に合わせた商品を用意、配送するまでが主な仕事の流れとなります。質問や要望などもメールでのやり取りで対応します。
実店舗のようなニーズに合わせたサービスは難しいため、アレンジメントなど決まった商品を用意し販売するという方法が主流となっているようです。
HP作成や宣伝など知られざる仕事も
ネットショップを開くのに欠かせないのがホームページの作成です。また、amazonや楽天などの大手ECサイト(モール型ショップ)に出店するというのも売り上げにつなげる方法として考えられるでしょう。また、適時ホームページの更新や宣伝も行うことが求められます。何も変化がなければお客さんも飽きてしまい、他のお店に流れてしまうからです。
ホームページでおすすめの商品を伝えたり、季節の花をトップページに掲載するなどして、定期的に変化を与えることも重要な仕事といえるでしょう。
ただ、実際はホームページ作成に関しては専門知識がない、手が回らないという人も多く、外注で作るケースも珍しくありません。
実店舗も持つ場合はネットショップの宣伝もしやすいですが、ネットショップ一本で営業を行う場合は、宣伝がかなり重要となってきます。ただホームページを作る、大手ECサイトに登録するというだけでは集客にはなりません。
お店や商品を知ってもらうために、各サイトへの広告や情報の掲載、ワークショップの開催、イベントへの参加など、幅広い宣伝活動が必要となるでしょう。
独立するならお店の経営に関する仕事も
社員やパート・アルバイトとして花屋に雇用される場合は、店の経営に関する仕事は特にありません。ですが、独立して自分で開業するとなると、さらに経営のための様々な仕事を行うことになります。開業届の作成提出など開業に関する手続きをはじめ、実店舗を構える場合は物件探し、契約、設備の用意、商品の在庫管理なども必要になります。ネットショップのみの場合も、作業台やフラワーキーパーなど花を管理する設備は必要になるでしょう。
さらに、独立すると納税も自分で行う必要がありますので、伝票整理や確定申告書の作成提出など、事務的な仕事も適時行わなければなりません。
花に関わる以外の業務も多い
特に独立すると、店の経営がうまくいかなければ花屋を続けることはできません。頑張って自分のお店を持つことができても、それを存続させることは簡単ではないのです。
店の規模によってはスタッフの雇用も行うことになるかもしれません。スタッフのシフトを考えたり、オーダーのブーケ・アレンジの完成度をイメージしたりスケッチしたり、花の仕入れ予約をしたりとさまざまな仕事があります。
花に関わる仕事だけでなく、幅広い業務をこなす必要があると覚えておきましょう。
まとめ
花屋の仕事は意外と力仕事や立ちっぱなしの作業が多く、体力は必須です。また、接客販売スキルが求められるなど、ただ花が好きというだけでは務まらないこともおわかりいただけたのではないでしょうか。開店前から閉店後まで、やらなければならないことはたくさんあるのですね。
しかし、好きなものに関わる仕事というのはとても貴重ですし、やりがいを感じられるはず。花屋を目指す方は、ぜひ計画を立ててできることから取り組んでみて下さい。
- 花屋の仕事は体力勝負。接客販売スキルや専門知識、センス、技術など求められるものは多い
- ネットショップの場合は実店舗と仕事内容が異なる。パソコンと向き合う作業や宣伝活動も重要な仕事
- 開業する場合はさらに店の経営に関する仕事を行う。開業はできても営業を続けることは簡単ではない
記事の監修
松山市のフラワーデザイン事務所で勤務。その後母がしていた花屋を継ぎました。
花屋を始めて23年。誰もが笑顔になれる、愛される花屋を目指しています。