花屋になるには何が必要?独立・開業するにあたって準備すべきこととは
記事の監修
花が好きな方の中には「大好きな花に囲まれて仕事がしたい」「花屋になりたい」「自分のお店を持ちたい」など、花屋として独立や開業することを夢見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、それを実現するためには相当の準備が必要です。
花屋を開くとなると、花束やフラワーアレンジメントを作る技術や花に関する知識を備えておくことはもちろん、仕入れや花の管理方法、広告宣伝、経理など、ほかにも知っておくべきことがたくさんあります。そこで今回は、将来自分の花屋を持ちたい方に向けて、必要な準備や学んでおくと役に立つことをご紹介します。
- 将来、花屋を開業したいと考えている方
- 花屋を経営するのに取得しておいた方がいい資格に興味がある方
- 花屋を開業するのにはどんな準備が必要なのか知りたい方
目次
花屋になるために身につけるべきこととは
花屋で働いている人は誰もが短時間で花束やアレンジメントを制作できますね。また、花の種類や手入れの仕方など、大抵の質問には答えられます。花のプロとして仕事をするには、豊富な知識と技術が必要。自分で開業するならなおさらです。
ですが、最初から何でもできて何でも知っている人はいません。みんなコツコツと積み上げ、徐々に自信が持てるようになったはずです。それでは、具体的には何をどのようにして身につければいいのでしょうか。ここからは、知識と経験に分けてご紹介します。
花の知識
花屋を目指すなら、花について詳しくなっておいた方がいいことはいうまでもありません。花の名前や育て方、開花時期、管理の仕方、花言葉など、自分でできる限り学んでおくことが大切です。
図鑑や植物の育て方などの書籍、インターネットなどの情報から頭に入れたり、実際に花屋に足を運んで、見て学んだりしましょう。植物園や花のコンクールなどを見学するのもおすすめです。花屋になりたいということは、もともと花が好きなはずなので、苦にならず、楽しみながら学べるのではないでしょうか。
ですが、実物を使って花束を作ったりすれば、視覚・嗅覚・触覚も刺激されるので、比較的ラクに覚えられます。作品制作の腕も磨けるので、一石二鳥です。
花屋で経験を積もう
花屋に憧れてはいるものの、まだ具体的な仕事内容についてはよく知らないという場合は、まずは花屋でアルバイトさせてもらいましょう。実際に店舗で働くことで、客としてお店を訪れるだけでは分からない仕事内容も知ることができます。
接客したりアレンジメントを作ったりするのはもちろん、仕入れ先とのやりとりやお客様への対応、花の管理方法、特殊な商品の作り方など、実際にやってみて経験を積むことが財産になります。また、どの時期にどんな花が売れるのかといったことも、花屋の現場に出ると身体で覚えられます。実際に独立したとき、店舗で積んだ経験は大いに役立つでしょう。
実店舗でのやりとりの中からお客様の要望を引き出すコミュニケーション能力や、ほかのスタッフが作るものを見ることで商品のデザイン力が培えるでしょう。
開業にあたって資格は必要?
花屋になるためには、専門学校やフラワーアレンジメントスクールに通うのが、効率よく学ぶ方法といえます。知識や技術を身につけられるうえ、花に関する資格を取ることもできます。
在学中に花に関する資格を複数取得する学生も多く、就職率も高いです。
また、フラワーアレンジメントスクールの場合は、各協会が設けている資格取得を目指すコースで学べば、花の扱い方や作品制作についての基礎を網羅できます。
一方で、花屋の開業に際して資格は必要ありません。しかし、学んでおくと役に立つものはあります。それらの取得を検討してみるのもいいですね。いくつかご紹介します。
あると役立つ花の資格
フラワーアレンジメントなどの作品の作り方や、花に関する知識を身につけたことを証する資格は、数多くあります。そのひとつが日本フラワーデザイナー協会(NFD)の「フラワーデザイナー資格検定」です。 主催しているNFD公認のスクールでフラワーアレンジメントやブーケなどを作る技術や知識を学び、学科試験と実技試験に合格することで取得できます。
ほかにも、数多くの花の協会が検定試験を実施しています。試験内容や資格取得によってできるようになることに差がありますので、詳細は各協会のホームページで確認してください。
花の分野での最高峰の資格とされているため、取得には苦労を伴うかもしれませんが、取得しておいて損をすることはないでしょう。
花以外の資格も
花の資格ばかりに目が行きがちですが、実はそれ以外にも役に立つ資格は少なくありません。
色に関する検定
「色彩検定」や「カラーコーディネーター検定」があります。色の組み合わせ方を理論的に勉強することで、花選びやラッピングをするときに自信を持った選択ができるようになります。
リテールマーケティング検定
以前は「販売士」と呼ばれていた商工会議所の検定試験です。接客や店舗管理などに関する知識を得られます。いわば商売の基本を学べる内容です。
簿記
簿記を学ぶと会計の基本が理解でき、ビジネスに関する数字が読めるようになります。売り上げやコストなどを経営者の視点で考え、営業効率を上げられるようになります。
ほかにも、ガーデンデザインや鉢もののレンタルなども考えている方は「グリーンアドバイザー」、外国の方が多く住むエリアに出店したい場合は「英会話」なども学んでみてはいかがでしょう。
必須ともいえる運転免許
持っていると非常に便利な資格に運転免許があります。花屋は、仕入れに行ったりお客様のもとへ配達したりと、自動車を運転する機会が多い仕事です。また、車で花を運ぶのは想像以上に大変。荒い運転では商品を傷つけてしまう恐れがありますし、温度管理にも気を配らなければいけません。
運転できるスタッフを雇うのもひとつの選択肢ではありますが、商売が軌道に乗るまでは全ての仕事を自分ひとりで行うケースも少なくありません。ですから、運転免許は必須なのです。
運転が得意である必要はありませんが、どのような場所でも車で行ける、という事は必要です。配達などで、個人宅へ行かなければいけないこともありますので、ナビなどで、知らない道も走れる事は必要になると思います。
開業に向けての準備は入念に
独立して自分の花屋を持つには、花に関する豊富な知識や経験だけでなく、経営に関する知識も得なければなりません。起業した先輩に相談したり、ビジネス書やセミナーで勉強したりするのもいいでしょう。
また、開業にかかる費用は緻密に計算しておきましょう。実店舗を出すなら場所や広さを考えて賃貸料を調べ、加えて備品にかかる費用や水道代、光熱費、毎回の仕入れ費用などをできるだけ正確に把握してください。そのうえで必要な資金を計算し、融資を受ける場合はその準備についてもしっかり調べておく必要があります。
民間の銀行や信用金庫よりも審査基準が緩く、金利が低いとされています。
また、最近はクラウドファンディングで資金を募る方もいます。
まずは自分がどんなお店を持ちたいのかを深く考えることから始めましょう。イメージが湧かない場合は、既存の生花店をあちこち見て回ると、ヒントを得られるかもしれません。
開きたい花屋像を具体的に描く
たまたま前を通りかかった人が気軽に花を買えるような店を開きたいなら、賃料はかさみますが、人通りの多い場所に開店することを選ぶでしょう。また、ほかにはない特色のある店にするなら、その魅力をSNSなどで訴え、遠くからでもわざわざお客様に来てもらえる店作りを考えるといいかもしれません。
このように、お店のタイプによって立地、商品、宣伝の仕方などが大きく異なります。自分ならどんな花屋にしたいかをじっくり考えることが、理想のお店づくりの第一歩。そして要になります。
店舗型、ネットショップ、配達専門など、お店の形態もさまざま。また、中心となる価格帯、ターゲットにする顧客層も大きなポイントです。
開業が決まってからではなく、もっと早い段階から自分の作った作品をアップし、地道にファンを増やしていきましょう。
必要なものを準備する
お店のイメージが固まり、資金の準備も整ったら、実店舗を持つ場合は物件探しとホームページ作りを始めましょう。どちらも時間と手間がかかります。焦らずに進めてください。また、実店舗を持たない場合は特にホームページの果たす役割は大きいです。見やすく、わかりやすいユーザーフレンドリーなものを構築しましょう。
必要な備品や道具のリストアップも開始します。購入するものの内容と数を記録して、熟考を重ねましょう。フラワーキーパーなど大きな備品を設置する場合は、寸法を確認することも忘れないでくださいね。高額なものはレンタルや中古品も選択肢に入れるといいでしょう。
花市場、または仲卸業者から仕入れる方法があります。ほかにも花の生産者から直接仕入れることも可能です。
安くて品質のいい花を、無理なく安定して仕入れられるような相手を選びましょう。
まとめ
花屋を開業することは、決して簡単なことではありません。また、開業後にうまくいくかどうかも、やってみないとわからないのが正直なところです。でも、花が好きでどうしても花屋になりたいという強い気持ちがあれば、行動につなげられるのではないでしょうか。スムーズに開業できるように、着実に進めていきましょう。
専門学校などに通わず花屋のアルバイトから始めて、知識や経験を積んで花屋を開いた人も多いです。先輩に相談したり、専門家の意見を聞いたりしながら独立・開業し、理想の花屋を経営できるといいですね。
- 自発的に学び、現場で経験を積んで、花屋の開業に必要な知識や技術を身につけよう
- 花屋の開業に取得が必須の資格はないが、勉強しておくと役立つことはいくつもある
- 理想の花屋像をしっかりと描き、実現にむけて努力を惜しまず進もう
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