花屋の経営を長く続けるコツとは?大事な在庫管理の方法もご紹介
長年の夢を叶えて花屋を始めることができたとしても、長く続けていくのは決して簡単ではありません。開業するにあたっては経営のポイントをしっかり押さえておく必要があります。さまざまな方向から検討し、工夫を重ねていきましょう。
今回は、自分のお店を持ちたい方に向けて、長く続けるための基本的な経営のヒントをご紹介します。大事なデータとなる在庫管理についても合わせてお伝えしますので、独立・開業を検討している方は、参考になさってください。
- 将来自分で花屋を開きたい方
- 花屋を長く続けるポイントについて知りたい方
- POSシステムについて知りたい方
目次
長く続けられる店にするには
生花店に勤め仕事が身に付いたり、花の資格を取得できたりすると、自分の店を持ちたいと思う方は多いでしょう。しかし、残念ながら2年後も経営を続けられている店舗は2割ほどに止まるといわれています。長くお店を続けるためには、常にお客様に訴えかけることと効率的な経営が欠かせません。
開業前からできるのは、ホームページやSNSで商品や店舗の魅力をアピールすることです。花は見た目に華やかで、目に留まりやすいというメリットがあります。繰り返し投稿し、興味を持ってくれる方を地道に増やしていきましょう。また、フライヤーを作って近隣に配布するのも、地元に生花店が開店することを伝えるいい方法です。
開業後もさまざまな努力が必要です。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
客単価を上げる仕組みを作る
一人でも多くのお客様に来店してもらうことも大事ですが、加えて客単価を上げる方法も考えましょう。例えば、部屋に飾る花2~3輪を買おうと訪れたお客様が思わず手に取りたくなるような、小ぶりでセンスのいい花束を店頭に並べてみては。さらに、手頃な価格の花瓶も傍に置いておくと、合わせて購入してもらえるかもしれません。
花苗を扱っている店舗では、まとめて買った方がお得になる料金システムを導入していることが多いです。また、有機肥料や植木鉢、鉢皿なども一緒におすすめすると、追加で買ってもらえる可能性もあります。一つひとつは少額でも、積もり積もれば大きな差を生みます。お客様の購買意欲をくすぐる仕組みを作ってください。
さりげない声かけも経営の安定に一役買います。
お得意様を獲得
売り上げを伸ばすためには、新規のお客様だけでなく継続的に受注できるお得意様の存在も重要です。実際、地域の学校や近隣の企業とのつながりがあって、卒業式や入学式、入社式などの花を毎年受注している生花店は少なくありません。また、ブライダル専門の生花店は特定の結婚式場と提携しており、顧客を紹介してもらえるシステムができているケースがあります。
注文を受け続けるためには、毎回お客様の要望に応え、高い品質を保つことが必須です。簡単なことではありませんが、地域に根ざして信用を得ることで、安定した経営を続けられます。そのためにも技術とセンスを磨き続けることは欠かせません。
お客様と相対する時間は短いですが、いい形でコミュニケーションが取れるように努めましょう。
オリジナリティを出す
生花店はとても多く存在します。その中で営業を続けるためには、独自の特徴があることが大切です。例えば、珍しい花を取り扱っている、お店の雰囲気も商品もおしゃれ、アレンジメントのデザインが素晴らしいなど、「この花屋で購入したい」と思えるようなポイントがあることで、安定した顧客数が望めます。
万人受けする店は代わりがきくので、他の店にお客様が流れてしまうこともあります。一方、きらりと光る個性のある店舗には、多少遠くからでもわざわざ足を運んでくれる、あるいはその店を選んで注文してくれるお客様がつきます。一度買ってみて満足なさると、また購入してもらえる可能性は高いです。このように、オリジナリティのある店の方が固定客を獲得しやすいのです。
広く知ってもらうためには、SNSを利用するだけでなく、雑誌やwebメディアに掲載してもらうことも効果的。まとまった費用はかかりますが、アピールする力は大きいので、検討してみてはいかがでしょう。
「はなのわ」のショップページへの掲載は完全無料ですので、ご希望の事業者様はぜひチェックしてみてくださいね。
売れ筋を見極める
一般的に、5月の母の日は年末と並んで1年で一番花が売れるといわれています。また、送別会や卒業式がある3月には、普段花を買わない人も花屋を訪れます。
このような稼ぎ時に売れ筋の商品を十分に揃えているかどうかは、売り上げを大きく左右します。さらに、流行の色を使ったり人気のスタイルに仕上げたりすれば、お客様の印象に残り、次の機会にも利用してもらえるかもしれません。常にお客様が求めるものを考え、先回りして人気の商品を準備するようにしましょう。
また、色数が少ないものやグラデーションが印象的な商品がよく出回る時期もあるようです。
立地によっても売れる商品は異なります。高級住宅街が近ければ、単価が高くても品質のいい花が売れるでしょう。一方、一人暮らしの20代、30代の方が多く住むエリアであれば、おしゃれなキッチンブーケなどが売れ筋になるのではないでしょうか。ターゲットとなる層に合わせた商品を揃えることも、経営を安定させるポイントです。
在庫管理は経営の要
店内にある全ての花の種類や数、そして販売可能時期などを把握するのが在庫管理です。生花店では売れ残って廃棄する花の量をできるだけ減らすことが、利益を上げるための基本。仕入れと販売のバランスを見極めるのが経営の要といえます。
人気の花ばかりを意識してバラエティに欠ける仕入れに終始すると、商品が面白みのないものになってしまうかもしれません。豊かな品揃えでありつつ、販売できるだけの量を仕入れるためには、在庫管理が大事なデータになります。ここからは、在庫管理が重要である理由と、おすすめの在庫管理法についてご紹介します。
無駄を減らして利益を上げる
店舗で販売するだけではなく、ネットショップも一緒に運営している生花店は多くあります。両方を合わせた在庫をしっかり管理できていないと、品切れを起こしてしまい、せっかく受けた注文に対応できなくなる可能性があります。そうなると、信用を失うことにもなりかねません。また、実際に必要な数よりも多くの花を連日仕入れていては、経営がうまくいかなくなるのはいうまでもありません。
ですが、適切に在庫管理ができればそのような状況を回避できます。また、販売期限が迫っている花をセール品にしたり、ドライフラワーになっても飾れるスワッグにしたりして、廃棄率を抑え、利益を出すこともできるでしょう。感覚ではなく数値として目に見える形にすることで、無駄を減らすことができます。
そのうえ正確でもあるので、一層効率的に仕事ができるでしょう。
POSシステムを活用する
店舗で商品の管理やマーケティングに必要な情報を把握できるのがPOSシステムです。POSはPoint Of Salesの略で「販売時点情報管理」と訳されています。コンビニエンスストアやスーパーマーケットに始まり、近年はさまざまな小売業でも取り入れられるようになりました。
POSシステムがあれば、レジ精算や在庫管理がスムーズにできるだけでなく、いつ、どの商品が、いくらで、どのような顧客に購入されたかといった情報を収集できます。これなら売れ筋の花やアイテムを把握できますね。また、顧客の情報管理、ポイントカードやダイレクトメールの発行にもPOSシステムが役立つので、リピーターのお客さまへのプロモーションも行えます。
そのようなPOSシステムを活用すれば、経営に必要なあらゆるデータの管理がスムーズにできるのです。
POSシステムにはいろいろなバージョンがありますが、生花店の場合は小売業向けに開発されたものがおすすめ。パソコンだけでなく、スマホやタブレットで使えるタイプもあります。複数のシステムソリューション企業で取り扱われているので、導入を検討してはいかがでしょう。
まとめ
花屋を続けていくためには、花が売れる時期や人気の花の把握、客単価を上げる、お得意様の確保、選ばれる店づくりなど、さまざまな努力が必要です。これから花屋を始めようとしている方は、無理のない経営ができるよう、いろいろとシミュレーションしながら考えてみてくださいね。
また、無駄を減らしつつ、お客様のニーズに合った商品の提供をしていくためにも、在庫管理を徹底するのも大事なことです。POSシステムを使えば、仕入れの効率化やプロモーションにも役立ちます。開業する際には導入を検討してみてはいかがでしょうか。
- 花屋を長く続けるには、絶え間ない経営努力が必要
- 適切な仕入れと在庫管理で、廃棄処分にする花を減らすように努めよう
- POSシステムによって、効率よく仕事を進めることが可能になる