緑のある暮らしがしたい!おすすめの観葉植物を飾って、素敵な空間を手に入れよう
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。
植物は私たちの気持ちをリラックスさせてくれる大事な存在。公園や道路傍の植え込み、また職場に置かれている植物を見て、少し気持ちが和んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。また、ご自宅に観葉植物を飾っている方も多いでしょう。背が高くて存在感があるもの、窓際で光を受けているもの、小さなスペースにちょこんと飾られているものなど、さまざまな種類がありますね。
そこで今回は、これから観葉植物を暮らしに取り入れたい方向けに、比較的育てやすい品種をご紹介します。飾る場所や植物の種類別のおすすめのものをお伝えしますので、どうぞ最後までお読みください。
- 観葉植物の購入を検討している方
- 育てやすい観葉植物の種類を知りたい方
- 留守がちで、観葉植物を育てられるか不安な方
目次
観葉植物とは
観葉植物は葉の色や形を鑑賞するために育てられている鉢植えの植物のことで、主に室内で栽培されているものを指します。多くは熱帯や亜熱帯原産ですが、日本に自生している温帯植物も含まれます。その種類は大変多く、多肉植物やサボテン、苔類、また食虫植物も入っていますよ。
個人のお宅以外にもホテルのロビーやデパート、飲食店、オフィス、美容室、インテリアショップなど、さまざまな場所で目にしますね。園芸品店や生花店、ホームセンター、またネットショップなどで購入できるほか、リースも広く利用されています。
観葉植物を部屋に置くメリット
観葉植物はあまりインテリアのテイストを選ばず、すんなり馴染むので、どんなインテリアテイストの部屋でも取り入れやすいです。観葉植物を1つ置くだけで殺風景な空間が明るく、お洒落な空間になりますよ。お部屋の一角に置くだけでなく、家具の上に並べたり、上から吊るしたりと、飾り方を工夫するのも楽しいものです。
観葉植物が人気を集める主な理由の一つが、その自然な緑色。安らぎや穏やかさを象徴する色でもあり、見ているだけで心が休まり、リラックスできるでしょう。また、目の疲れも癒すといわれています。夏の強い日光やパソコンやスマホを見続けたあとは、観葉植物を眺めながら、ほっと一息つくのもいいですね。
さらに生きている植物を育てていると、嬉しい変化に気づく機会が増えます。少し大きくなったり、新芽が出たり、花が咲いたり、日々お世話をしている植物の生長を感じられると、嬉しい気持ちになるものです。
ただし、元気に育っていることが大事なので、観葉植物にとって居心地の良い環境を整えましょう。
観葉植物を買う前に押さえておきたいポイント
観葉植物は一度購入したらそれから長い間栽培し続けることになります。無理なく育てるためにも、ご自身の住環境や生活スタイルに合った品種を選んで、植物のある暮らしを楽しめるといいですね。ここからは、植物選びのポイントをご紹介します。実際に店頭で植物を選ぶ前に知っておくと役立つ情報をまとめました。ご自宅で育てるならどんな品種がいいか考えながらお読みくださいね。
置き場所を決めておく
まずはどこに観葉植物を置くかを決めましょう。窓際で日がさんさんと降り注ぐ場所なら日光を好む品種を、あまり光が届かないところであれば日陰でも育つ耐陰性のあるものを選ぶ必要があります。また、風通しがいいことは必須条件。どうしてもそのような場所を確保できない場合は、サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させましょう。
サイズも大事なポイントです。部屋の大きさに対して植物が大きすぎると圧迫感が出ますし、小さすぎると寂しい感じになるかもしれません。目安として、6畳前後の部屋なら3〜5号、10畳以上であれば8号ぐらいの植木鉢を置くと、部屋全体のバランスが取りやすいでしょう。
1号を3㎝と考えるので、5号の鉢であれば直径15㎝になります。
育てやすい品種を選ぶ
植物の種類によって、水やりや追肥の頻度が変わります。植物の世話にあまり慣れていない方や家を空けることが多い方は、乾燥に強い品種を選ぶのがおすすめです。また一度害虫が発生してしまうと、駆除や処理に手間がかかります。虫がつきにくい品種を選び、風通しのいい場所で栽培するようにしましょう。最初に害虫対策を講じておくといいですね。
土がないため害虫の発生が抑えられますし、うっかり倒してしまっても家具を汚す心配がありません。
水がこぼれることもないそうですよ。
ペットを飼っているお宅は要注意
品種によっては、ペットが口にすると下痢や嘔吐、呼吸困難などの症状が出るものがあります。ペットを飼っている場合は、購入する前に必ず確認しておきましょう。例えペットの手が届かない場所に観葉植物を置いていたとしても、葉が床に落ちてしまう可能性もあります。以下のものは避けるに越したことはありません。
- 犬…ポトス、ディフェンパキア、ドラセナ・マッサンゲアナ(幸福の木)、アロエ、スパティフィラム、カラジウム、アイビー
- 猫…ポトス、ディフェンパキア、ドラセナ・マッサンゲアナ(幸福の木)、アロエ、スパティフィラム、カラジウム、モンステラ、多肉植物
上記以外でも、ユリ科やスミレ科の花やハーブの中にもペットにとっては有毒なものがあります。園芸品店の方に尋ねるなどして、安全な品種を選んでくださいね。
家の中のどこにどんなふうに植物を飾る?
観葉植物は、品種によってそれぞれ生育に適した環境が異なります。飾りたいスペースに適応し、且つインテリアとしても引き立つような株を選べるといいですね。ここからは、家の中の場所別に、どのような観葉植物が向いているか、そしておすすめの飾り方も合わせてご紹介します。ご自宅の間取りを思い浮かべながらお読みくださいね。
玄関
風水では玄関は気の入口と考えられていて、観葉植物を置くと運気が上がるといわれています。きれいなグリーンを置くことで、気持ちのいい空間をつくれるといいですね。ドアを開けてすぐに目に入るところにホッとできるような可愛らしい雰囲気のものを飾るのもいいですし、存在感のある大きなサイズの植物を置くのも素敵です。
広めの玄関であれば、スツールやフラワースタンドを置きその上に観葉植物を飾るのもおすすめですよ。
玄関に窓がない場合は、耐陰性のある品種を選びましょう。直射日光が全く入ってこなくても、植物用のライトを使うと光合成の補助ができます。また、品種によってはLEDライトや昼光色の電球で事足りる場合もあります。
そのような品種は、週に2~3回ベランダなどに出すようにしましょう。
リビング
リビングではさまざまな置き方ができます。大きな鉢を床置きにしてシンボルツリーにしたり、上から吊るしてみたり、スタンドを使ってディスプレイしたりと、飾り方を工夫して楽しめますね。
TVの横に大きめの観葉植物を置いたり、TV台の上に小さめの観葉植物を置くと、TVの無機質な印象を植物が和らげてくれますよ。
窓際にはよく太陽の光が届きますが、直射日光は苦手な品種が多いです。レースのカーテン越しの光が当たるようにし、ときどき鉢の向きを変えて、株全体に満遍なく光を当てましょう。また、冬になると窓際から冷気が入り込むので、暖かい場所に移してください。
おすすめはゴールドクレストやパキラ、蔓性のアイビーなど。
ウッドパネルなどと組み合わせると、一層素敵なスペースになります。
ダイニング・キッチン
限られたスペースなので、小さい鉢を使っておしゃれにディスプレイしてみてはいかがでしょう。同じデザインの植木鉢を等間隔で2~3個並べるとおしゃれですね。また、上から吊るして飾るのもおすすめ。ダイニングの照明にダクトレールを使用している部屋であれば、レールに取り付けられるフックを活用して観葉植物を上から吊り下げることができますよ。場所を取らず、ナチュラルな雰囲気を楽しめます。
土の入った植木鉢を置くのに抵抗がある方は、ハイドロカルチャーなどを使った水耕栽培を選択肢に入れてみてはいかがでしょう。ガラスの器に色のついたジェルを入れて育てる方法もあります。ヒヤシンスやチューリップなどの球根も、おしゃれな容器で育てると素敵なインテリアになりますよ。
おすすめの大型の観葉植物
一般的に、7号以上の鉢が大型とされています。インテリアの中でもパッと目を引く存在になりますね。あなたならどんな雰囲気のものを選びますか?
オリーブ
「平和の象徴」とされているオリーブ。大型のものは暑さにも寒さにも強いので、庭やベランダでも育てられます。5〜6月には白い花を咲かせますよ。湿度が高い場所は苦手なので、空気がよく循環するところを選んで置きましょう。
エバーフレッシュ
連なっている細長い葉が、日中は開き、日が暮れると閉じるという「睡眠運動」をする面白い植物です。「歓喜」や「胸のときめき」という花言葉があることから、新築祝いのプレゼントに選ばれることもあります。人との出会いを運んでくる植物とも呼ばれています。
パキラ
美容室やカフェなどでよく見かける観葉植物です。1本の幹だけでも素敵ですが、複数本の幹が編みこまれた苗木も魅力的です。生長が早く剪定にも強いので、思い通りの樹形に育てて、おしゃれなインテリアグリーンにしましょう。
ユッカ・エレファンティペス
大きくなると幹が象の足のように見える植物です。「青年の木」という別名は、シャープな剣のような形の葉を上に向かって伸ばしている姿が、未来へ向かって進んでいく青年をイメージさせることからつけられたそうです。葉が横に広がることがないので、狭いスペースでも育てられます。
自分で大きく育てたい方向けの観葉植物
観葉植物の中には、片手に乗るようなサイズから数年のうちに大きく生長する品種があります。植え替える手間はかかりますが、育てる楽しさを味わえるものを集めました。
モンステラ
特徴的な大きな葉が目を引く、人気のある植物です。成長するにつれて葉の縁から切れ込みが入ったり、穴が開いたりします。これは原生地である熱帯雨林のジャングルで、下に生えている葉にも光を当てることができるようにするためだという説があります。大きな葉に毎日霧吹きなどで水をかけると、乾燥を防ぐうえに害虫予防にもなりますよ。
シェフレラ(カポック)
おしゃれで柔らかな印象を持つカポックは、暑さと乾燥に強く、耐陰性まである丈夫な品種です。葉は開いた手のように広がっていて、つやつやしています。緑一色のほか、斑入りのものもあります。脇芽が多く出てくるので、適宜摘み取って好みの形に育てましょう。
サンスベリア・トラノオ
縞模様の入った尖った葉が上に向かって真っ直ぐに伸びるサンスベリアは、人気の植物。中でもトラノオ(虎の尾)という勇ましい名の品種は、魔除けのためにベランダや玄関に置くこともあるそうです。乾燥に強い多肉植物のため、水やりの回数が少なくて済みますよ。
フィカス・エラスティカ
和名では「インドゴムノキ」とも呼ばれます。光沢があって分厚い大きな葉が印象的で、濃い緑のもののほか斑入りの品種もあります。小さな鉢から大型のものまでありますが、お好みの大きさのものから始めてみましょう。目安として1年に15㎝ほど大きくなるようです。
さりげなく飾れる中型の観葉植物
5号・6号サイズの鉢だと、サイドテーブルの上に置いたり、植木鉢スタンドに乗せたりしておしゃれに飾れます。植木鉢や鉢カバーのデザインに凝ってみるのもいいですね。
フィカス・ベンジャミンバロック
くるんとカールした小さな葉が連なっている植物で、比較的新しい品種です。葉はきれいな緑色ですが、新芽はライトグリーンでつやがあり、印象的な姿をしています。花言葉は「家族の絆」「夫婦の愛」。家族が集うリビングにぴったりですね。
シーグレープ(ハマベブドウ)
大きくて丸い葉が可愛らしいシーグレープ。枝がうねるように伸び、全体のフォルムが変わっていくのも楽しめる植物です。ブドウのような見た目の食用の実をつけることもありますよ。
フィカス・ジン
ゴムの木の仲間で、肉厚で大きな葉が伸びています。1枚1枚異なる緑と黄緑の模様が入っているのも興味深い点。もし葉が傷んでしまったら、切り取りましょう。新芽が出る力が強いので、元の姿に戻りやすいです。
アガベ
細長い肉厚の葉が伸びているアガベ。多肉植物特有のぷにぷにとした触感で、表面はしっとりとしていています。生長速度はゆっくりですが、新芽が出てくる様子などを楽しみながら育てられます。子株が出てきたら、株分けして増やすことも可能です。
小さな鉢でおしゃれに飾れる観葉植物
3・4号の植木鉢は直径10㎝前後。キッチンカウンターの上や出窓に並べたりすると可愛らしいですね。小さな鉢で売られていても、中にはぐんぐん大きくなるものもあるので、ミニサイズのままキープできるかお店の方に確認してから購入することをおすすめします。
ガジュマル
「精霊が宿る木」とも呼ばれ、神聖で縁起のいい植物です。生長がゆっくりなので小型のまま長く楽しめますよ。幹の形が独特で、ふたつとして同じ形のものがないといわれているので、お好みのものを探してみるのも面白そうです。
ペペロミア
丸みがある葉が可愛らしい植物です。種類が豊富で葉の模様や色、生長の仕方にもバリエーションがありますが、明るい葉色の「ジェミニ」、葉がプラスチックのような感触になる「アングラータ」、スイカに似た縞模様の「アルギレイア」などが人気です。
アジアンタム
小さな扇状の葉がふんわりと広がるアジアンタムは、耐陰性が高い植物。窓際を避けて室内で育てましょう。「フレグランス」などの横に広がるタイプと、コンパクトにまとまる「モノカラー」といった品種があるので、飾る場所に合わせて選んでください。
テーブルヤシ
その名のとおり、テーブルの上で気軽に育てられるテーブルヤシは、和風あるいはアジアンテイストのインテリアによく合います。葉が増えてきたら横に広がりますが、その茎の根本からカットすれば大きなサイズにはなりません。
ハンギング向きの観葉植物
小ぶりの植木鉢を吊り下げて飾ると、空間に動きが出て素敵なインテリアになりますね。マクラメハンギングの中に植木鉢を入れて飾ったり、おしゃれなハンギングプランターを使ったりして楽しみましょう。
ポトス
黄緑の明るい色合いの葉が伸びる蔓性のポトス。耐陰性もあるので、窓際だけでなく部屋の中でも元気に育ちます。ボリュームが出過ぎたら茎をカットして挿し木や水挿しをすれば、増やすこともできます。
ペペロミア
人気のペペロミアの中でも垂れ下がるタイプの「イザベラ」や、大きな丸い葉が可愛らしい「イデス」はハンギング向きです。もし日照不足で徒長してしまっても、細い茎を切ればそこから新芽が出るので形を整えやすいです。
アイビー
小さな5方向に広がる葉を持つアイビー(ヘデラ)は蔓性の植物。品種が多く、ライトグリーンやグレーのもの、斑入りやマーブル模様のものもありますよ。繁殖力が旺盛で室内でも屋外でもよく育ちます。
グリーンネックレス
グリーンピースのような玉状の葉が下に向かって伸びていきます。秋には白い小さな花を咲かせますよ。寒さには比較的強いので、関東以南であればベランダでも冬を越せます。おしゃれなインテリアプランツとして人気があります。
エアプランツ
土が不要でゆっくりと育つエアプランツは、とても軽いためハンギングに向いています。プランターなどに入れて吊るすだけでなく、ワイヤーや流木に引っ掛けたり、板に留めつけて壁掛けにしたりと、ほかの植物にはできない飾り方ができるのも魅力。エアプランツ自体が個性的なフォルムをしているので、シックなテイストやインダストリアルな雰囲気のインテリアにもマッチします。
まとめ
観葉植物には大変多くの種類があり、サイズや形、好む環境もそれぞれ異なります。ご自宅で無理なく栽培できる品種を選んで、育ててみてはいかがでしょう。観葉植物を見て癒され、育てる喜びを感じられるかもしれません。
床置きしたり、スタンドを使ったり、いくつか並べてみたり、吊るしたりと、飾り方も工夫するとインテリアとしても楽しめます。おすすめの品種を参考に、暮らしに観葉植物を取り入れてみてくださいね。
- 観葉植物は膨大な選択肢の中から選べる
- 観葉植物を育てることでリラックスでき、生長に喜びを感じられる
- 無理なく育てられてインテリアに合う品種を選んで、緑のある暮らしを楽しもう
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。