エアプランツの基礎知識を学んで楽しく育てよう!長持ちする育て方のポイント
インテリアにおしゃれにグリーンを取り入れたい人々から人気を集めているエアプランツ。ユニークな見た目と管理のしやすさがポイントで、植物を育てるのが苦手な人でも気軽にインテリアに取り入れることができます。
エアプランツは、植物の中でもちょっと変わった特徴があり、お世話の仕方も他の植物とは違います。そんな不思議な植物・エアプランツについての知識や育て方のポイント、そして飾り方のアイデアをご紹介します。
- エアプランツに興味がある方
- 上手な育て方を知りたい方
- エアプランツをおしゃれに飾ってみたい方
目次
エアプランツとは
そもそもエアプランツは、パイナップル科の多年生植物チランジア属の仲間で、数百種類あると言われています。チランジアの中から市場に出回るようになった一部がエアプランツと呼ばれるようになったそうです。
その生息地はさまざまですが、代表的なのはアメリカ南部からメキシコに広がる砂漠地域と、ブラジル・コロンビアなどの熱帯雨林地域の2つ。いずれも植物にとっては苛酷な環境と言えます。
砂漠地域に育つものは銀葉種、熱帯雨林に育つものは緑葉種と呼ばれ、この2種類はそれぞれ見た目も好む環境も異なります。詳しくみていきましょう。
銀葉種と緑葉種
銀葉種のエアプランツは、白っぽい見た目が特徴的。これは、強い日光と乾燥という厳しい環境で生き抜くために、水を取り込む器官であるトリコームと呼ばれる無数の毛で覆われているためです。銀葉種でよく見られる品種には、エアプランツの代表格とも言えるキセログラフィカや、葉がカールしたりシュッと伸びたりするストレプトフィラ、人気のジュンセアやイオナンタなどがあります。
一方、緑葉種は熱帯雨林に生息しているためトリコームは少なく、葉はつやつやとした緑色です。銀葉種とは逆の湿度の高い環境を好み、日差しには弱い種類です。3色の花が咲くトリコロール、まだら模様の葉が長く伸びるブッツィー、そしてブルボーサ、ブラキカウロスなどが有名です。
エアプランツは種類が豊富
生息地によって特徴や生態の異なるエアプランツですが、非常に種類が多い植物でもあります。先ほどもお伝えしましたが、エアプランツはチランジアの一部の通称です。チランジアの中のどこまでをエアプランツと呼ぶかという明確な線引きもありません。そう考えると、チランジア自体は数百種類存在するため、エアプランツの種類も相当な数になるでしょう。
実際、日本の市場に出回っているエアプランツはほんの一部にすぎません。やはり日本の気候と生息地の気候が異なりますので、すべてのエアプランツを日本に持ち込むことは難しいのかもしれませんね。
エアプランツは「着生植物」
エアプランツの基礎知識としてあまり知られていないのが、エアプランツが「着生植物」であるということです。生息地では、エアプランツの多くは樹木などに種が貼り付付き、根を伸ばして自身を固定します。これを着生(ちゃくせい)と言い、中にはサボテンや岩などに着生するものもあります。
エアプランツの根は「気根」と呼ばれます。一般的な植物の根は土の中で伸び、栄養や水分を吸収する働きをしますが、エアプランツの根はそのような働きはしません。ただ単に他の自然物にくっつくためだけの役割と言われています。
ですが、園芸店によっては、根を伸ばして着生させた状態で販売されていることもあります。
エアプランツの育て方
エアプランツは空気中の水分を吸って育つ植物と言われ、それがこの通称の由来でもあります。でも、本当に空気中の水分だけで育てることができるのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
エアプランツの生息地である熱帯地域は湿度が高いので、空気中の水分を十分に吸収して育つことができます。また、砂漠でも日中と夜間の気温差により発生する霧から水分を補給できるので育つのです。
水やりも含め、エアプランツを順調に育てるために知っておくと役立つポイントがいくつかあります。1つずつご紹介します。
独特の水やりの仕方がポイント
エアプランツは根が土に埋まっていないので、水やりの方法は独特です。基本的には「ミスティング」と「ソーキング」の2種類の方法があります。
まず、「ミスティング」は、霧吹きを使って行います。葉全体にいきわたるようスプレーしましょう。頻度は週2回ほどです。また、水やりをする時間は夕方以降が原則です。なぜなら、エアプランツは昼間は気孔が閉じていて水分を吸収できないからです。
次に「ソーキング」ですが、こちらはエアプランツを水に浸して4~6時間ほど置いておく水やり方法です。乾燥している時期のみ、月1回ほど行います。水温が低すぎるとエアプランツにとって負担になるので、常温の水を使うようにしましょう。
害虫にも注意
エアプランツは害虫がつきやすい植物ではありませんが、乾燥した時にハダニなどが発生するケースもあります。ハダニは多湿に弱いですので、霧吹きで水を吹きかけることが予防になります。虫を見つけたときには、歯ブラシなどでこすり落としてください。
また、外に出しておくと外にいる虫に葉を食べられることもあります。基本的には室内で管理し、インテリアとして楽しみながら育てることをおすすめします。
置き場所や管理のコツ
エアプランツが育つ上で「風」は大事な要素です。特に水やりの後は蒸れることがないよう、風通しのいい場所で乾かしましょう。また、乾燥させ過ぎない、冷暖房の風を直接当てないようにするなどの配慮も必要です。飾るときには、室内で自然の風が通る場所を選ぶといいでしょう。
エアプランツは原産地が温かい場所なので、寒すぎる場所は苦手です。年間通して室内の程よく明るく温かい場所で管理しましょう。なお、直射日光は葉焼けする可能性があるので、レースのカーテン越しぐらいがちょうどいいとされています。
エアプランツがインテリアに向いている理由
エアプランツは管理がラクで見た目も個性的であることから、インテリアとしてよく使われています。加えて、土が要らないことも、気軽に取り入れやすい理由です。
土が必要な植物のデメリットは、土を室内に置くことによる衛生面の心配とインテリアとしての自由度の低さがあげられます。一方、エアプランツは、適度な水やりは必要なものの、置いても吊るしても貼り付けても飾れるので、さまざまな飾り方を楽しめるのが大きなメリットです。
エアプランツのおすすめの飾り方
5〜6㎝の小型種から80㎝を超える大型種まであるエアプランツ。ユニークなルックスですから、極端なことを言えば、置いておくだけでも存在感のあるインテリアになります。ですが、せっかく飾るのですから、もう少し手を加えて、よりおしゃれにしてみましょう。
ここでは、他の植物ではできない、エアプランツならではの飾り方をご紹介します。
ハンギング
エアプランツに麻紐などを巻いて、天井やカーテンレールから吊るしてみましょう。おしゃれなうえに、光・水・風というエアプランツにとって理想的な環境が整って一石二鳥です。長く伸びるウスネオイデスなどの品種だと、大きくボリュームのあるものに成長させることもできます。
ブリキや陶器などの器に入れて、マクラメ編みをした紐で吊るすのも、ナチュラルな雰囲気が出ておすすめです。また、スタイリッシュな感じが好きな人は、アイアンで作られたハンギングフレームを使うと、おしゃれ度が高まります。
ガラスに入れて
ガラスの器の中にカラーサンドや小石も一緒に入れて飾ると、爽やかなインテリアになります。置くだけでなく、ハンギングできる器もありますので、器選びも楽しんでください。1つだけでなく、高低差をつけて2つ3つと飾るのも素敵です。
大きめの器にエアプランツを2、3種類配置するのもいいですね。さらに、小さなフィギュアや雑貨も一緒に入れると、オリジナルの世界観も楽しめそうです。
流木などと合わせて
少し凝ったインテリアにしたい場合は、流木やウッドチップ、石などと合わせてディスプレイするのはいかがでしょう。夏には貝殻や白い砂、冬には赤い小物というように、添えるものを変えると季節感も出ます。
また、もともとの特徴を生かして、自然素材に着生させるのもいいですね。エアプランツが安定するように小さな穴をあけ、ワイヤーやひもなどで固定すると、自然に着生します。根が伸びてくると、エアプランツはより生育しやすくなり、大きくなる可能性が高まります。
まとめ
エアプランツの基本情報や育て方のポイント、飾り方のアイデアをお伝えしてきました。
エアプランツの生態や基礎知識を押さえておくと、育てることを楽しみつつ、インテリアに上手に取り入れることができそうですね。グリーンを使った遊び心のある部屋づくりを楽しみたい人には、ぴったりな植物だと言えるでしょう。
さらに、インテリア雑貨や小物と一緒に飾ると、ワンランク上のおしゃれな部屋を目指せそうです。たくさんの種類のエアプランツがありますので、好みの形や色のものを探してみてください。
- エアプランツは種類が豊富で、管理が楽なので育てやすい植物
- 水やりや害虫のこと、置き場所など、基礎知識を持って育てよう
- 土が要らない特長を生かして、おしゃれに飾って楽しもう