観葉植物から出るコバエをなんとかしたい!対処法と予防法とは
気づかないうちに発生し、家の中を飛び回る小さな虫、コバエ。発生源はいくつかありますが、中には観葉植物の土から出てくる種類もいます。コバエは不快なだけでなく衛生面でも気になりますから、見つけたらすぐに駆除したいですね。また、コバエを増やさないためにも、発生や繁殖を抑えるための適切な対策を知っておくと安心です。
そこで今回は、コバエへの対処法と予防法をお伝えします。前半は一般的な種類、後半は観葉植物の土に発生するものについてまとめています。コバエを発生させないようにするためのポイントもお知らせしますので、どうぞ最後までお読みください。
- コバエで困った経験がある方
- コバエが発生しないようする方法を知りたい方
- コバエに悩まされずに観葉植物を育てたい方
目次
コバエとは
コバエは小さなハエの総称で、家の中で見かけるものは主にショウジョウバエ、ノミバエ、チョウバエ、キノコバエの4種類に分かれます。いずれもとても小さいので、開いたドアや窓だけでなく、エアコンの室外機、換気扇、網戸など小さな隙間からも家の中に入ってきてしまいます。
また、コバエは生ごみや排水溝、飲み残したアルコールなどのほか、腐敗したものからも発生。繁殖力が強いため、放っておくと大変な数になってしまう可能性もあります。
それぞれの種類の特徴や生態について、少し詳しく見てみましょう。
ショウジョウバエ
目が赤く体は黄色。体長は3mm弱で、主に生ごみに発生します。特に腐った果実を好むため、欧米ではフルーツフライとも呼ばれています。アルコールやみりん、酢にも寄ってきます。成虫の寿命は1〜2ヶ月ですが、1日に30〜50個、一生で数千個の卵を産みます。
ノミバエ
茶褐色で生ごみや腐った植物に発生します。背中がノミのように丸いことからノミバエと呼ばれるようになったそうです。体長は2〜4mm前後で、主にキッチンの中を音を立てながら俊敏に飛んだり歩き回ったりします。そのうえ、さまざまな食品や動物の糞の中に潜り込んで産卵するため、衛生面でも大きな問題があります。場合によっては食中毒の原因菌を運ぶこともあるので、発見したらすぐに駆除するのが賢明です。
チョウバエ
体は黒く、毛が密集しています。体長は5mm前後で、ほかのコバエよりも大きいのが特徴です。じめじめしたところを好み、浴室や洗面所、台所の排水口、あるいは下水管のヘドロから発生し、室内に侵入します。夜行性のため昼間は壁に止まってじっとしていることが多いです。幼虫である期間が約2週間と長いので、成虫になる前に退治するのが有効です。
キノコバエ
灰黒色で体長は1〜2mmほど。細長い羽と長い足を持っています。湿気があって暗い場所を好み、腐った植物や樹皮、腐葉土に豊富に含まれている有機物を餌とします。また観葉植物の茎にとまって養分を吸うほか、土に生える真菌類や花瓶の中の腐った水にも寄ってきます。
観葉植物の土から発生するのは、このキノコバエです。ほかの3種と異なり、一般的なコバエ対策が効かないこともあります。そのため、キノコバエはほかのコバエとは違うものとして認識しておいたほうがいいでしょう。
- ショウジョウバエ、ノミバエ、チョウバエ:生ごみや排水口などに発生する一般的なコバエ
- キノコバエ:観葉植物の土から発生するコバエ。ほかの3種類とは異なる対策が必要
そもそもなぜコバエは発生するの?
コバエは窓や小さな隙間から家の中に侵入するだけでなく、卵から孵化して繁殖する点が厄介です。ショウジョウバエは成虫になるまでわずか10日程度。ほかのコバエも1ヵ月程度で成虫になります。成長サイクルも早く、成虫になるとすぐに産卵するため、あっという間に増えてしまいます。1匹の成虫が複数回産卵する場合もあるため、たった1匹でも放置していると、いつの間にか数百匹~1000匹以上に増殖することがないともいい切れません。
コバエは種類によって好むものが異なるため、発生源もさまざまです。一般的には、気温20℃以上で高湿度の場所を好みますので、特に4~11月の気温の高い時期は気を付けましょう。
寿命が短いからと放置していると、繁殖が進み手遅れになってしまうかもしれません。
1匹いたら他にもいると考えて、増やさないための対策を実施することが大切です。
一般的なコバエ対策
家の中でコバエが発生しないようにするには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。コバエの発生を抑えるためには、餌となるものを溜めないことが最大のポイントです。また、どのコバエも湿度が高い場所を好むので、特に水回りは日頃から換気を心がけて湿気がこもらないようにしましょう。それでは、家の中の場所別に具体的なコバエ対策についてご紹介していきます。
キッチン
生ゴミにコバエがつかないようにするのがポイントです。調理の際に出た生ゴミは三角コーナーなどに入れたままにせず、ビニール袋に入れて口をしっかり縛って捨てましょう。また排水口のヌメリに含まれる油脂成分を餌にするコバエもいるので、こまめに掃除してください。さらに調味料から出る匂いが引き寄せることもあります。しっかり蓋をしたり、密閉容器を利用したりするのがおすすめです。
使った食器を長時間放置するのもコバエ発生の原因になります。早めに洗うようにしましょう。人が使ったものだけでなく、ペットの食器も同様です。また、アルコールやジュースの缶やびんは、そのまま放置したりせずに水ですすいでから捨ててくださいね。
浴室
浴室は1年中暖かく湿気もあるため、コバエが発生しやすい場所です。清潔に保ち、乾燥させるのが1番の対策です。垢や皮脂が残っているとチョウバエが寄りつきます。洗剤や塩素系漂白剤を使ってまめに掃除をしてください。バスタブを覆っているカバー(エプロン)が外せる場合は、定期的に外してきれいにしましょう。残り湯も溜めない方がコバエ対策になります。掃除をした後は、十分に換気してください。
バスタブと壁の隙間などにも高温のお湯をまんべんなくかけると退治できます。
なお、熱湯は床材や排水ユニットなどを傷めるので、使用しないでください。
網戸
網戸に穴が開いていたり、たるんで隙間ができたりしていないか確認してください。コバエは小さいのでそのままでも網戸をすりぬけることができますが、穴が開いているとさらに侵入しやすくなります。網戸の耐久年数は5〜10年といわれています。5年以上使用している網戸は張り替えを検討してもいいかもしれません。
ひとりで張り替えることも可能なので、コバエが頻繁に入ってくる場合は選択肢に入れてみてはいかがでしょう。
また、台風など天候が荒れたあとは、網戸が緩んだり歪んだりすることが考えられます。網戸と窓枠の間に隙間ができていないか確認しておきましょう。
家の外の水たまり
雨上がりにはバケツや植木鉢に水がたまることがありますね。放置せず、その都度流して乾かすか、濡れない場所に片付けておきましょう。庭の水たまりもコバエの発生源になります。箒などを使って中の水を出すようにしましょう。小さなものなら砂利を敷くことで改善できるかもしれません。
個人の手に負えない場合は、庭師やガーデニング業者、外構工事業者、リフォーム会社などに相談することも考えてみるといいでしょう。
また、雑草対策で防草シートを使用する場合は、水は通して光は通さないタイプのものを選んでください。水も通さないものだと、シートの上に水溜まりができてしまいます。
コバエが嫌う香りを使う
コバエはアロマオイルの香りが苦手だといわれています。ヒノキやペパーミント、ユーカリ、ゼラニウム、ローズマリー、ラベンダーなどのアロマオイルを使ってみましょう。窓際に数滴垂らしたり、部屋の中で香らせたりしておくと、コバエの侵入を防げるかもしれません。いい香りには人をリラックスさせる効果もあるので、一石二鳥ですね。
また、ハッカ油を窓辺などにスプレーするのも効果的。ドラッグストアやネットショップで購入できますよ。そのほかリモネンが含まれている柑橘系やクローブのエッセンシャルオイルを使うのもおすすめです。
このようにコバエが好むものを取り除くことで、家の中での発生はかなり抑えられます。こまめに掃除するなどして、コバエが好む環境にならないようにしましょう。
好物でおびき寄せる
コバエが嫌う香りを使う方法とは逆に、コバエの好む香りでおびき寄せて捕まえる方法もあります。コバエの種類によって引き寄せられるものは異なりますが、一般的には、めんつゆや酢、アルコールなどに効果が期待できます。
アルコールも、度数の高さではなく香りの強さで選びましょう。梅酒などもおすすめです。
飲み残しや賞味期限切れのものを上手に活用しましょう。
水とめんつゆ(または水と酢、水とアルコール)を1:1の割合で混ぜたところに食器用洗剤を数滴垂らしたものを、浅くて口の広い容器に入れましょう。それをコバエが発生しやすい場所に置いておくと、匂いに引き付けられたコバエが寄ってきます。コバエの体は油で覆われていますが、食器用洗剤に含まれている界面活性剤の作用で水をはじけなくなるので駆除できます。
さまざまな種類のコバエをおびき寄せたい場合は、めんつゆ、アルコール、酢をミックスするという方法もあります。この場合は、水は不要です。ただし、混ぜ合わせたものは匂いがよりキツくなるため、生活していて気になってしまうかもしれません。支障がないかどうかは、一度試してみてください。
コバエが獲れなかった場合も1週間を目安に交換しましょう。
観葉植物のまわりにコバエを見つけたときの対処法
それでは、ここからは観葉植物に発生するキノコバエ対策についてお伝えします。毎日生ごみの処理も水回りの掃除も換気もきちんとしているのにコバエが発生している場合は、キノコバエかもしれません。観葉植物のまわりを飛んでいるコバエがいないか確認してみましょう。
先述のとおり、キノコバエは土の中に卵を産みつけます。観葉植物を購入したときに既に土の中に卵がある場合も考えられ、完璧に侵入を防ぐことはなかなか難しいかもしれません。またキノコバエは産卵から1ヶ月程度で成虫となり、さらに数日経てば産卵し始めるため、大変なスピードで増殖してしまいます。キノコバエを1匹でも見つけたら、早めに対策を始めてください。
プランターや植木鉢が白っぽいものだと寄ってきてしまうので、黒っぽい色に変えるのもひとつの方法です。
キノコバエは直接人に害を及ぼすことはほとんどないとされています。しかし、人の顔に近づいてくるときがあり、場合によってはアレルギー性結膜炎を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
ここでは、キノコバエを見つけたときの3つの対処方法をご紹介します。参考になさってください。
ワンプッシュ式スプレーを使う
今まさに飛んでいるキノコバエを退治したい場合は、スプレータイプの植物用殺虫剤を使いましょう。直接吹きかけたり、観葉植物の土にスプレーしたりすると駆除できます。また窓やドアを閉めた状態で部屋の中で空間噴射すると、部屋全体に成分が広がり、2週間程度コバエの発生を予防することができる商品もあります。
なお、キノコバエには植物用のコバエスプレーでないと十分な効き目は期待できません。一般的なコバエ用ではなく、植物用と明記されている商品を選んでください。
また、魚や昆虫を含めペットを飼っているお宅での使用は注意が必要です。
皮膚が弱い方、喘息やアレルギーがある方がご家族にいらっしゃる場合も、取り扱いは慎重にしましょう。
置くタイプのもので駆除
植木鉢の中の土に挿して、土から出てきたコバエを捕まえる粘着剤が販売されています。匂いがありませんし、水やりも通常どおり行えるので、比較的使いやすいでしょう。ワンプッシュ式スプレーほどの即効性はありませんが、飛び回るコバエの数を徐々に減らせます。前述のめんつゆや酢、食器用洗剤を混ぜたものを置いておくのもある程度の効果は期待できます。
ハエ取りシートやハエ取りリボンも手軽で効果的です。ただし、粘着力が強いため、小さなお子さんやペットがいるご家庭では取り扱いに注意してください。
土を入れ替える
有機物は幼虫の餌になるため、腐葉土やバーク堆肥にキノコバエは産卵します。その深さは土の表面から3㎝ほど。ですから、4〜5㎝分の表土を取り除き、代わりに無機質の土(赤玉土・バーミキュライト・川砂、砂利など)を入れましょう。有機物がなくなれば幼虫が育つこともないので、予防にもつながります。
なお、作業をする際は、土の中にいるコバエが出てくる可能性があるため、屋外で行うことをおすすめします。また、土を入れ替えた後に肥料を使いたい場合は、化学肥料を選んでください。鉱物などの無機物を原料とし、窒素、リン酸、カリウムなどの無機養分を化学的に合成して作られた肥料です。油カスなどの有機肥料はコバエの好物のため、使用を避けましょう。
幼虫が農作物の茎や根を食害することもあるので注意が必要です。
また「キノコ」という名前が示すとおり、菌類も好物。
シイタケ栽培をしている場合も被害に遭う可能性があります。
観葉植物にコバエを発生させない方法
コバエは暗くてじめじめした場所を好みます。ですから観葉植物を置く場所は、日当たりと風通しのいいところを選びましょう。どうしても環境が整わない場合は、LEDライトを使って日当たりを補ったり、サーキュレーターを置いて空気を循環させたりするのもおすすめ。コバエ対策だけでなく、観葉植物が元気に育つためにも大事なポイントなので、是非日当たりと風通しは確保しましょう。
また、植木鉢の受け皿に溜まった水はすぐに捨てることを習慣づけてください。そのままにしておくとコバエだけでなく、カビも発生してしまうかもしれません。植物も傷んでしまいますので、雨の翌日などは水が溜まっていないかチェックしましょう。
ですが、暖房器具や加湿器のおかげで冬の室内でもコバエが過ごしやすい条件が整うことがあります。
ときどき窓を開けて換気を行うことは、キノコバエ対策にも有効です。
ほかにもキノコバエの予防に有効な方法があります。ここでは4つの対策をご紹介します。
ハイドロカルチャーにする
ハイドロカルチャーとは土を使わない栽培方法のこと。土の代わりに発泡煉石(はっぼうれんせき)とも呼ばれるハイドロボールを使います。ハイドロボールは粘土を高温で焼いたもので、たくさんの細かい穴が開いています。その中に取り込まれた酸素が植物に送り込まれるのです。
ハイトロボールは無菌で清潔。このため匂いもなく、コバエを含め害虫がほとんど寄ってきません。そのうえ洗って何度も使えるので、経済的。大きな観葉植物向きではありませんが、テーブルの上で育てられるくらいのサイズの植物に使ってみるといいかもしれません。
このため、鉢の中に老廃物が溜まってしまい、根腐れを起こすことがあります。
そうならないように、半年から1年に一度取り出して洗いましょう。
その際、根腐れ防止剤も入れると良好な状態を保てます。
表土に無機質な資材を使う
コバエが発生したときに4~5cm分の表土を無機質なものに入れ替える方法をお伝えしました。この方法は、コバエが発生しないようにするための予防にも役立ちます。最初から赤玉土やバーミキュライトなどを表面に敷いておくことで、キノコバエが卵を産み付けるのを防ぎましょう。肥料も同様に、無機養分を合成した科学肥料を用います。
土の管理を徹底する
基本的に土は乾燥気味に保つのがおすすめ。気温や湿度、日当たりを考えながら水やりの頻度を変えてください。心配な場合は水分計を使って、土の中の水分を確認するといいでしょう。なお、いつまでも土が乾かないときは、根腐れ、あるいは土が古くなって質が下がっていることが考えられます。状況を見て対応しましょう。
また、湿度の高い梅雨の時期はキノコバエが発生しやすくなります。梅雨に入る少し前から9月下旬頃までは、有機肥料ではなく化学肥料を使うようにしましょう。ただし、あまり長く化学肥料を使い続けると、土の中の微生物がいなくなり、土の保水力や保肥力が低下します。時期を見て有機肥料に切り替えてください。
選択肢に入れてみるのもいいですね。
また、観葉植物を育てるのに慣れてきたら、自分で土をブレンドすることに挑戦してみては。
コバエ対策だけでなく、通気性重視・保水性重視など、季節やご自宅の環境に合わせて最適な状態になるように工夫すると、植物を育てるのがもっと楽しくなるかもしれませんね。
木酢液(もくさくえき)を使う
木酢液は木炭を作るときに出る水蒸気を液体にしたもので、強い匂いがします。コバエはこの匂いを嫌う傾向があるため、土の表面に噴霧しておきましょう。コバエに限らず他の害虫にも効き目があります。
燻製のような匂いがするので、室内で使用する際は注意が必要ですが、化学薬品を使いたくない方にはおすすめの方法です。希釈濃度によって効果も匂いの強さも変わるので、説明書をよく読んで利用しましょう。
また、排水溝やゴミ箱に噴霧すると、消臭できるともいわれています。
窓からの侵入を防ぐ
外からキノコバエが入ってこないようにするには、網戸や窓ガラス用の市販の虫よけ商品がおすすめです。噴霧するもののほか、網戸に貼ったり、フックで吊り下げたりするタイプのものもあり、風を使って薬剤が拡散するようになっています。ご自宅の窓の状況に合った商品を選んでください。
また、キノコバエは飛ぶ力が弱いため、窓に向かって扇風機を回しておくだけでも効果があります。特に、大量発生する梅雨の時期の早朝から午前10時頃までがよく活動するので、この時間帯だけでも行ってみてはいかがでしょう。
逆効果かも!おすすめしないNGな方法
コバエは、適切な方法で駆除したり予防したりすることで、発生を抑えることができます。ただし、誤った方法で逆効果になってしまったというケースもあるため、注意が必要です。また、コバエの駆除により植物を枯らしてしまった事例も報告されています。大切な観葉植物を守りながら、お家を快適な状態に保つためにも、下記のような方法は避けてくださいね。
掃除機でコバエを吸ったあと放置
コバエを掃除機で吸うこと自体には問題ありません。吸い込む力でコバエが死ぬため簡単に駆除できますし、掃除をしながら卵も一緒に吸い込んで除去できます。ただし、コバエを掃除機で吸ったあとはすぐに処分することが重要。埃や髪の毛などのゴミは有機物が豊富なため、コバエが生きていたらゴミがエサになってしまいます。ゴミが溜まっていないからといってそのまま放置していると、掃除機の中で卵を産んで繁殖してしまうかもしれません。
そのため、掃除機でコバエを吸った場合はすぐに他のゴミと一緒に紙パックごと密封し、速やかに廃棄しましょう。ダストカップから直接ゴミを取り出すサイクロン掃除機の場合も、吸い込んだらすぐに中身を袋などに取り出して密封して処分することが大切です。
普段の掃除でも気付かない間にコバエの卵を吸い込んでいる可能性はあります。こまめにヘッドを洗浄して、清潔な状態を保っておくと安心ですね。
なお、虫取り用の専用ヘッドというものも販売されています。また、ヘッドを取り外してパイプで吸う方法も推奨されていますので、作業しやすい方法を見つけましょう。
園芸用以外の殺虫剤を使う
観葉植物に発生したコバエを駆除する場合は、必ず園芸用の殺虫剤を使用しましょう。コバエ駆除に適した殺虫剤はいろいろありますが、観葉植物には使えないものもあるため注意が必要です。適さないものを使った場合、効果を得られないどころか、観葉植物を枯らしてしまうこともあるかもしれません。
たとえば、キンチョールなどは有名な殺虫スプレーですが、植物用には作られていません。ピレスロイド系の成分が殺虫には有効ですが、植物には刺激が強いです。また、気化熱により冷たくなる性質もあり、いずれも観葉植物を傷める原因となるため使用を避けましょう。キノコバエ以外の生活の中で発生するコバエなどの虫に使ってください。観葉植物に発生するコバエに殺虫剤を使う場合は、事前に製品の表記をチェックしてくださいね。
キッチンなどで使うといいでしょう。
コバエの処理にも注意が必要
観葉植物にコバエが発生した場合は、土の処分にも注意が必要です。そのまま庭やベランダに放置していると、繁殖が進み大量発生してしまうかもしれません。コバエの発生源となった土は、殺虫剤を使うか、熱湯消毒を行うと卵を消滅させることができます。土は一般的に家庭ゴミとして回収してもらえないため、速やかに消毒して乾燥させてから再利用する方法がおすすめです。
日光による消毒方法もありますが、十分な熱が行きわたりにくいというデメリットも。熱湯消毒が確実です。
また、家の中で発生するコバエは水まわり付近に多いため、排水口やトイレにそのまま流してしまいがち。ですが、卵が排水管の中で孵化するケースもあるため、あまりおすすめできません。やはり、成虫も卵も袋に入れて密封した状態で捨てる方法で確実に取り除きましょう。
ほうきなどの道具を使った場合は、手間がかかりますが必ず付着物をすべて取り除いてから元に戻しましょう。
まとめ
コバエは体が小さいため、とても小さな隙間から家の中に侵入します。また、腐敗したものや飲み残したアルコール、排水溝のヌメリなどから発生するので、キッチンや浴室などはまめに掃除し、乾燥させておきましょう。庭などに水たまりを作らないようにすることもお忘れなく。
水回りを常に清潔にしているにもかかわらずコバエが発生する場合は、観葉植物の土に産卵するキノコバエかもしれません。1匹でも見つけたら、スプレー式の植物用殺虫剤を使ったり、土を入れ替えたりして駆除を始めましょう。キノコバエを発生させない環境作りも大切です。土を使わない栽培方法や季節に合わせた土づくり、コバエが嫌うものの利用などを検討し、観葉植物のある暮らしを楽しみましょう。
- 一般的にコバエは生ごみや湿気、排水溝のヌメリなどを好むため、常に換気や掃除を心がけよう
- 観葉植物の土の中から発生するコバエもいる。他のコバエとは対処法が異なるため注意が必要
- 市販の殺虫剤や身近なものを使ってコバエのいない環境を作り、観葉植物のある暮らしを楽しもう