飽きずに美味しい!豆乳を使ったヘルシーなダイエットスープ3選
記事の監修

松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。
豆乳は、植物性の大豆たんぱくでできているため、牛乳よりも脂肪分の少ないヘルシーな食材です。今回は、豆乳を使ってダイエット中の方もバランスよく、美味しく飽きずに召し上がれる豆乳のスープを3つご紹介します。
忙しくて料理するのが苦手な方にも、栄養バランスの気になる方にも簡単に作れる方法をお伝えします。
- 豆乳を使ってヘルシーなダイエットをしたい方
- 豆乳についての基礎知識を詳しく学びたい方
- 毎日でも満足できる豆乳スープレシピを作りたい方
目次
豆乳の栄養素
豆乳は、水でふやかした大豆をすりつぶして煮詰めた後に、ガーゼなどでこしてできた飲み物です。豆乳には、何も加えていない「豆乳」と豆乳に植物油脂や砂糖類、塩などを加えて加工した「調整豆乳」があります。他にも「豆乳飲料」と呼ばれる果汁やコーヒーなどが入ったものもあります。それぞれ含まれる物によって栄養価に若干の違いがあります。
ここでは、大豆の栄養素で特徴のあるものをピックアップしてご説明します。
大豆たんぱく
豆乳に含まれるたんぱく質は、植物由来の大豆たんぱくです。
大豆たんぱくは、動物食品のたんぱく質と比べて低カロリーで基礎代謝を活発にする作用があります。特に肉食に偏りがちな方は、牛乳の代わりに豆乳を利用するとヘルシーな食事になります。
不飽和脂肪酸
豆乳の脂肪は「悪玉(LDL)コレステロールを抑える効果や過酸化脂質の発生を予防する効果がある」と言われている不飽和脂肪酸が多く含まれています。この不飽和脂肪酸とは、脂肪酸の中でも炭素に二重結合をもち、その結びつく部分によってn-3系やn-6とわかれていきます。
レシチン
豆乳には「レシチン」と呼ばれるリン脂質の一種が多く含まれ、脳や神経細胞に多く細胞膜のもととなっています。
このレシチンには、悪玉コレステロールを減少させる、血中のコレステロールを下げる、乳化作用で血流の流れをよくする働きがあります。そのため、このレシチンが多く含まれている豆乳を毎日摂ることで、下記の効果が期待できます。
- 学習力や記憶をよくする
- 睡眠の質を高め安眠につながる
- 肝臓を保護する
- 脂質を代謝させダイエット効果を上げる
大豆イソフラボン
大豆からつくられる豆乳には、大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンは、女性ホルモンに近い働きをすると言われているので髪や肌の美しさを保ち、丈夫な骨をつくるなど女性には欠かせないものです。
更年期の時期は、女性ホルモンが不足しがちなので、若さを保つためにも積極的に摂っていきたい栄養素です。
大豆サポニン
「サポニン」とは、植物の根や茎などに含まれる苦みのある油成分で、安定した泡を作るのが特徴です。油と水を結びつける天然由来の乳化剤とも言われています。
特に大豆に含まれる「大豆サポニン」には、脂肪の吸収をおさえる働きや、抗酸化作用があるとも言われています。大豆サポニンは、大豆よりも豆腐や豆乳、高野豆腐などの大豆加工食品に多く含まれているため、普段の食事に豆乳を加えていくのが上手にとるための決め手です。
ダイエットにおすすめな豆乳スープの作り方 3つのポイントとは?
豆乳を使ってダイエットをしたい方は、豆乳スープがおすすめです。大豆の臭みが苦手で「飲みにくい」と感じる方も他の食材を使ったレシピであれば美味しく召し上がれます。スープならちょっと小腹のすいた時にも満腹感を得られるのでおすすめです。
それでは豆乳を利用して、ヘルシーな豆乳スープを作るためのポイントを3つご紹介します。
ポイント1 PFCバランスを意識したメニュー
ダイエットを意識したときには、低カロリーな食材と共に、食事のバランスも大切です。
ダイエットを意識した食事のバランスでは、P(protein)たんぱく質・F(fat)脂質・C(carbohydrate)炭水化物のバランスを20%:30%:50%に近づけていくのが理想的と言われています。豆乳には質の良いたんぱく質が多く含まれているので、PFCのバランスを良くする他の食材も積極的に取り入れていきましょう。
特に、豆乳と相性が良いものとして不足しがちなビタミンやミネラルを多く含んだ野菜や海藻類を一緒に摂るのがおすすめです。
ポイント2 「まごわやさしい」の食材でヘルシーに
「まごわやさしい」の言葉をきいたことはありますか?
これは、ま(まめ)・ご(ごま)・わ(わかめ)・や(やさい)・さ(さかな)・し(しいたけ)・い(いも)の食材を指します。いろいろな食材を組み合わせて、主食、主菜、副菜を基本に、バランスのとれた食事にするためにも意識をして摂っていくのにも覚えやすいキーワードです。これらの食材を上手に使ってヘルシーな料理を作っていきましょう。
- ま(豆・穀物類)… たんぱく質・マグネシウムが豊富
- ご(ごま・種実類)… 抗酸化栄養素・ミネラルが豊富
- わ(海藻類)… カルシウム・マグネシウムが豊富
- や(野菜)… ビタミン・食物繊維が豊富
- さ(魚介類)… たんぱく質・オメガ3脂肪酸が豊富
- し(きのこ類)… ビタミンD・ムコ多糖類が豊富
- い(根菜類)… 食物繊維が豊富
ポイント3 豆乳の特徴を活かした調理法
豆乳の特徴としては、「にがり」を加えることで酸などで固まる性質があり、豆腐ができます。酢やレモン汁を加えると固まるため、この特徴を生かした台湾の朝ごはん「鹹豆漿(シェントウジャン)」などを作ることができます。豆乳をクリーミーにするには、片栗粉やコーンスターチでとろみをつけると上手に仕上がります。
また、調整豆乳は大豆臭が少なく飲みやすいのが特徴です。豆乳が苦手な方は、調整豆乳を試してみるのもよいかもしれませんね。
他にも豆乳飲料には、バナナやイチゴなどのフルーツの味や、コーヒーや紅茶などと割ったものがあります。豆乳飲料には、甘さを加えてあるものもあるのでプリンやお菓子作り、甘いスープを作るのにも向いています。
- 豆乳… 大豆固形分が8%以上(大豆タンパク質3.8%以上)
- 無調整豆乳… 大豆固形分が6%以上(大豆タンパク質3.0%以上)
- 豆乳飲料… 大豆固形分2~4%以上(大豆タンパク質0.9~1.8%以上)
それぞれの特徴を生かして、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料と選んでみてくださいね。
豆乳を使ったヘルシーなダイエットスープ 3選
それでは、豆乳を使って、ヘルシーでバランスの良いスープレシピを3選ご紹介します。
① カリフラワー豆乳スープ
カリフラワーライスを使って作るレシピです。低カロリーでボリュームのあるカリフラワーで満腹感がある一品です。
- 豆乳・・・500cc
- カリフラワーライス・・・1カップ
- ココナッツオイル・・・小さじ1
- 塩こしょう・・・適量
作り方
-
STEP. 1
鍋にカリフラワーライスと豆乳を入れる
-
STEP. 2
豆乳を温め、塩コショウで味を整える
豆乳を温め、沸騰直前になったらゆっくりかき混ぜます。
焦げ付かないように温め、塩コショウで味を整えます。
-
STEP. 3
ココナッツオイルを入れる
-
STEP. 4
器に盛り付ける
器に盛り付け、飾り用の茹でたカリフラワーを入れます。
最後にブラックペッパーをふります。
-
STEP. 5
完成
② 具沢山の豆乳みそ汁
先ほどご紹介した「まごわやさしい:ま(豆乳・味噌)・ご(ごま)・わ(昆布)・や(玉ねぎ・かつお菜・大根)・さ(にぼし)・し(しいたけ)・い(かぼちゃ)」の食材をたっぷり使った味噌汁は、出汁の半分を豆乳に変えて、優しい味に仕上げています。
- 豆乳・・・200㏄
- 水・・・500㏄
- にぼし・・・6尾
- 昆布・・・5cm
- 大根・・・40g
- かぼちゃ・・・20g
- しいたけ・・・1枚
- 玉ねぎ・・・1/4個
- かつお菜・・・1枚
- 白ごま・・・少々
- 味噌・・・20g
作り方
-
STEP. 1
出汁を作る・野菜を一口大に切る
鍋に水を入れ、煮干し、昆布を入れて一晩おきます。
かぼちゃ、玉ねぎ、かつお菜、大根、しいたけは、食べやすい大きさに切っておきます。
-
STEP. 2
野菜に火が通るまで茹でる
前日から水につけておいた昆布は、一旦とりだして食べやすい大きさに切っておきます。
かつお菜以外の野菜を出汁に入れ、沸騰するまで強火、その後、中火から弱火にして、野菜が柔らかくなるまで煮込みます。
-
STEP. 3
豆乳とかつお菜を入れる
野菜が柔らかくなったら、豆乳とかつお菜を加えて強火で煮て、沸騰直前で火を止めます。
かつお菜がしんなりしたら味噌を加えて、ゆっくり混ぜます。
豆乳と味噌を入れた後は、沸騰させず、沸騰直前で火を止めると綺麗に仕上がります。
-
STEP. 4
器に盛り付ける
器に盛り付け、ごまをかけます。
-
STEP. 5
完成
③ 豆乳クラムチャウダー
忙しい朝にも、仕事帰りでもサッと作れて満足感のあるクラムチャウダーは、便利な冷凍食品を上手に利用しましょう。
豆乳クラムチャウダーにパスタを加えると美味しいスープパスタにもなるのでおすすめですよ。
- 豆乳・・・300㏄
- 水・・・200㏄
- 冷凍野菜ミックス(人参、ブロッコリー、カリフラワー)・・・200g
- 冷凍海鮮ミックス(えび、いか、貝)・・・100g
- 玉ねぎ・・・中1/2個
- じゃがいも・・・1個
- オリーブオイル・・・小さじ2
- 固形ブイヨン・・・1個
- 片栗粉・・・大さじ2
- 塩・コショウ・・・適量
作り方
-
STEP. 1
じゃがいもと玉ねぎを切る
じゃがいもは、皮をむいて8等分に切ります。
玉ねぎは、皮をむいて4等分に切ります。
-
STEP. 2
切った野菜と冷凍海鮮ミックスを炒める
鍋に、オリーブオイル、玉ねぎ、じゃがいも、海鮮ミックスを入れて、油が絡まる程度に炒めます。
-
STEP. 3
水を加えて、冷凍野菜ミックスを入れて煮込む
「STEP. 2」の鍋に、水と冷凍野菜ミックス、固形ブイヨンを入れて、中火で煮込みます。
-
STEP. 4
豆乳を加える
じゃがいもに火が通ったら、「STEP. 3」の鍋に豆乳を入れて、沸騰直前で火を止めます。
-
STEP. 5
とろみをつける
水(大さじ2)で溶いた片栗粉を「STEP. 4」にまわし入れ、優しくかき混ぜます。
再度火をつけ、かき混ぜながらとろみがついたら器に盛りつけます。
-
STEP. 6
完成
まとめ
いかがでしたでしょうか。
豆乳は、たんぱく質が豊富で満足感のある飲み物です。ダイエット中の方は、豆乳を毎日の食事に上手に取り入れながら、健康的でバランスの良い食事を心がけてくださいね。
記事の監修

松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
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