花屋は儲かる?路面店を開くときのポイントとは
毎日きれいな花に囲まれる花屋の仕事。多くの人が憧れる職業ですが、念願叶ってお店を持てたとしても、長く続けていくことは簡単ではありません。花屋としての経験はあっても、経営のノウハウが身に付いていないと、立ち行かなくなってしまうケースは少なくないのです。
では、安定して利益を上げられる花屋にはどのような特徴があるのでしょう。また、どんな点に気をつけて物件を選べばいいのかということも、気になるところです。そこで今回は、路面店を構えて開業する際に知っておくと役立つ情報をお伝えします。将来、自分の花屋を開きたいとお考えの方は、参考になさってください。
- いつか独立して花屋を開業したいと思っている方
- どんな物件が花屋に向いているか興味がある方
- 花屋を長く続けられる秘訣を知りたい方
目次
繁盛する花屋の条件
花はイベントの時期によく売れるという特徴があります。母の日や父の日、クリスマス、あるいは送別会、卒業・入学シーズンなどに花をプレゼントする人は多いです。また、お盆やお彼岸には仏花が売れます。このように、年間通してどの時期にどんな花が売れるのかを把握しておくことは、花屋の仕事の基本といえるでしょう。
また、季節や流行を意識した商品を揃えることも重要です。旬の花や、流行色でラッピングした商品を店頭にディスプレイすると、店の前を通る人の目を引くことができます。頻繁に商品を入れ替えれば、より活気のある雰囲気を演出できるでしょう。
経営がうまくいっている店には、基本的な売れ筋の商品を揃えていることに加え、お客様を惹きつける理由があります。詳しくご紹介しましょう。
立地がいい
花屋の店頭に可愛らしい花を見つけ、思わず立ち寄ったという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。花は、誰かへプレゼントするときだけでなく、きれいな姿が目に留まって購入するケースも多いもの。ですから、日頃よく通る場所にある店を利用するお客様が多いのです。
そう考えると、駅前や商店街など、人通りが多いエリアに出店するのが大事なポイント。「このあたりで花屋といえばここ」と覚えてもらいやすくもなり、花が必要なときに迷わず選ばれる店になるでしょう。
場所によって異なる人の動きに合わせて、営業時間を決める工夫も必要です。
ニーズに合った商品が揃っている
開業する地域の特色も押さえておきましょう。おしゃれで高価なアイテムが売れるのか、親しみやすい雰囲気のものが人気があるのかなど、売れ筋の商品の傾向はエリアによって異なります。お客様の動向や好みを踏まえた店作りをすることが肝心です。
例えば、下町の商店街では、気軽に飾れる花や苗などを店頭に並べておくのはいかがでしょう。若い人が多く住むところなら、おしゃれで扱いやすく購入しやすい価格帯の商品の方が向いているでしょう。都会的な場所や高級住宅街の近くにある店では、比較的単価の高い商品を揃えるといいかもしれません。このように、エリアの雰囲気に合わせた品揃えができている花屋には、自然と人が集まるのです。
ときには外から客観的に店を眺め、初めてでも入りやすい店になっているかチェックするといいでしょう。
よく分析して無駄を減らしている
利益を上げるためには、経費をできるだけ減らし、無駄を発生させないことも大切です。いくら売り上げがよくても、仕入れにかかる費用や人件費、店の賃料などで差し引く分が多ければ、利益は少なくなります。細かく分析し、不要な部分をカットする賢い経営者の目線が必要です。
また、廃棄処分となる花を減らすことも花屋にとっては大事なポイント。ある程度の経験も必要ですが、日々仕入れを調整しながら、できるだけ売れ残りを減らす努力は欠かせません。
手間や技術はいりますが、商品の幅を広げることにもつながるでしょう。
独自のコンセプトがある
花屋が同じエリアに数軒ある場合に特に大事なのが、独自のコンセプトを持つことです。ほかの店舗では手に入らない商品を打ち出すことで、「ここでなければ」と考えて購入してくれる固定客を獲得することができます。例えば、「バラに特化してさまざまな品種を取り揃えている」「店構えや商品に独特のおしゃれな雰囲気がある」「ラッピングが特徴的」など、他とは違う点をアピールするのです。
SNSなどを使ってしっかりとオリジナリティを発信できていれば、例え一等地に店を構えていなくても、わざわざお客様が訪ねてきてくれます。単価が少し高くても、それに見合う価値を感じてもらえるでしょう。気に入ってもらえれば、自然と口コミが広がることも期待できます。
センスが感じられる商品を開発、投稿するだけでなく、撮影の仕方や画像の加工方法、また文章力を高めるなど、改善を重ねていく価値はあります。
花屋を出店するなら、こんな物件がおすすめ
多くのお客様に来てもらえるような魅力的な店にするためには、どんな物件を借りるかが大きなポイント。経営がうまくいくかどうかを左右するともいえるでしょう。広さや立地、賃料も含め、理想とする花屋のイメージを具体的に描いたら、物件探しを始めましょう。
インテリアにこだわりたい人は、内装設備が何もない「スケルトン物件」がおすすめ。工事の時間と費用はかかりますが、好きなようにデザインできます。一方、開業にかかる費用を抑えたい人は「居抜き物件」を探しましょう。インテリアの自由度は低くなりますが、残っている什器備品をそのまま利用できるので節約できます。
物件によってかなり幅がありますが、賃料の10カ月分前後が必要だと考えておくといいでしょう。
ここからは先述の「人通りの多い場所」に加えて、物件選びの際におすすめのポイントをご紹介します。
目に留まりやすい1階を選ぶ
カラフルで見た目が魅力的な花は、目に留まりやすいもの。店内に並べるだけでなくお店の外にも出しておけば、より強くアピールできますね。店の前を通りかかるたくさんの人にディスプレイを見てもらえるのは、やはり1階の物件。わざわざ階段を昇ったり、エレベーターを使ったりする必要がないので、気軽に立ち寄ってもらえるというメリットもあります。
ただ、場所がよければ当然賃料は高くなります。毎月払い続けることを考えると、高すぎるのは考えものです。主要な駅を避ける、大通りから1本入った場所にするなど、少し条件を緩めることも検討してください。
その場合は上記とは対照的に、完全予約制にして、ひっそりとした場所で営業することも可能です。
誰に気兼ねすることなく、理想どおりの形で仕事ができるのは、個人で開業する醍醐味です。
コンパクトなサイズ
店内が広いと動きやすいというメリットがあります。しかし、スペースがある程度お花で埋まっていないと、外から見たときに寂しい印象になります。あまり商品が並んでいないお店には、なんとなく入りづらいものですよね。だからといって、スペースを埋めるために大量の花を仕入れれば、廃棄率が高くなり経営を圧迫する可能性もあります。
そこで、初めて開業する際は「ちょっと手狭かな…」と感じるくらいのコンパクトな物件がおすすめ。無理に多くの花を仕入れなくても、店内に商品が豊富にあるような印象にディスプレイできるでしょう。経営が軌道に乗ったら、少し広い物件に移ることを検討してみてはいかがでしょう。
さらに、ドアや窓など前面がガラスになっている部分が多ければ、お客様に一層アピールできそうですね。
まとめ
繁盛する花屋は立地がいいだけでなく、その地域に合わせた品揃えや他店とは一味違う個性を持っています。さらに、どんな花がどの時期に売れるかを把握し、無駄のない経営をすることも、長く店を続けていくポイントです。儲かる花屋になるためには、勉強や経験を積み、さまざまな工夫を続けることが必要ですね。
店舗を借りるときには、1階にあるコンパクトなものがおすすめ。間口が広ければディスプレイの効果も高まります。より条件のいい物件はそれだけ賃料が高いので、無理なく支払えるかも重視して選んでくださいね。
- 顧客のニーズをつかみ、それに合った商品を揃えることが大事
- 花の売れ筋を分析し無駄を減らすなど、常に改善を重ねるのがポイント
- 自分の理想の店をしっかり思い描いて、お客様に魅力をアピールできる物件を選ぼう