長持ちする玉ねぎの保存方法とは?保存する際のポイントもご紹介
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。
炒めたり煮たり、そのまま生でサラダにしたりと様々な調理法がある玉ねぎ。玉ねぎは万能な野菜のため使用頻度も多く、家庭での常備率も高いのではないでしょうか?しかし長持ちする玉ねぎの保存方法がわからないという方もいることでしょう。
そこで今回は、玉ねぎの保存方法について詳しくお伝えします。玉ねぎは常温で保存?それとも冷蔵保存?と悩んでしまう方や、玉ねぎを保存する際の注意点などについて知りたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
- 玉ねぎを長持ちさせる方法を知りたいという方
- 玉ねぎの正しい保存方法を知りたいという方
- 野菜の保存方法など野菜に関する知識を深めたいという方
目次
玉ねぎを保存するのに適した環境とは?
玉ねぎを保存する際に気をつけなければいけない点は「湿度」と「気温」になります。玉ねぎは、高温多湿な環境に弱いと言われています。湿気が多い場所や明るい場所に置いておくと発芽することもあるので注意しましょう。また、高温な場所で保存していると、カビの発生にも繋がり玉ねぎの腐敗を早めてしまいます。
玉ねぎの最適な湿度は65〜70%ほどとなっており、他の野菜に比べると低いのが特徴です。冷蔵庫の野菜室の湿度は90%前後となるので野菜室での保管が不向きなこともわかります。
また、玉ねぎは収穫後に保存期間を伸ばすためにある程度乾燥させてから出荷しています。しっかりと乾燥させることで、長い期間保存ができるようになるのです。
玉ねぎを保存する場合には、高温多湿な場所は避けて日の当たらない涼しい環境で保存するようにしましょう。
- 高温な場所は避ける
- 湿度に弱いため、湿気の多い場所は避ける
- 乾燥させて保存することで長期保存につながる
玉ねぎは基本は「常温保存」
一般的に野菜類は冷蔵庫の野菜室などで保存することを推奨する場合が多いですが、玉ねぎの場合は湿度が高くなる冷蔵庫での保存はあまり向いていません。冷蔵庫ではなく、湿気が少なく直射日光の当たらない場所で常温保存するようにしましょう。
また、玉ねぎを常温保存する場合には、保存に向いている玉ねぎを見極めることも重要になります。玉ねぎがしっかりと乾燥しているのか、玉ねぎに傷がついていないかなど、保存する前にまずは玉ねぎの状態を確認しておくことで、長期保存にもつながりますよ。
- 玉ねぎがしっかりと乾燥しているか … 乾燥していると長期保存できる。
- 玉ねぎに傷がついていないか … 傷があるとそこから腐敗してしまう。
- 芽が出ているか、根が伸びていないか … 芽や根が伸びていると、そこから栄養が奪われて味が落ち始めてしまう。
- 玉ねぎの先端が硬くしまっているか … 先端が柔らかいと腐敗している可能性が高い。
- 新玉ねぎや紫玉ねぎではないか … 新玉ねぎや紫たまねぎの場合、水分量が多いため常温保存には不向き。
ただし、夏場は「冷蔵保存」で
玉ねぎは基本的には常温での保存を推奨していますが、例外もあります。気温が高くなる夏場は、常温保存では傷みやすくなるため冷蔵庫で保存するようにしましょう。
玉ねぎは一年中出回っている野菜ではありますが、本来は冬場の野菜となります。保存に適している温度も0度〜5度と低いのが特徴です。気温や湿度が高くなる夏場は玉ねぎが傷みやすくなるため、冷蔵庫で保存することを意識しましょう。
「冷凍保存」は可能?
玉ねぎは、常温保存や冷蔵保存だけでなく、冷凍での保存も可能です。冷凍保存する場合には、玉ねぎを丸ごと保存するだけでなく、使いやすい大きさにカットして保存しておくと調理の際にさっと使うことができるので便利ですよ。
カットしておくだけでなく、加熱処理した玉ねぎを冷凍保存しておくと、調理の際の時短にもつながるのでさらに便利です。忙しくて料理する時間がなかなか取れないという方に特におすすめの保存方法です。
- 様々な料理に使えるので便利
- 冷凍することでたまねぎの甘みが増す
- 火が通りやすく、時短にも繋がる
長持ちする玉ねぎの保存方法とは?
ここからは、長持ちする玉ねぎの保存方法について具体的にお伝えしていきましょう。常温保存、冷蔵保存、冷凍保存に分けておすすめの保存方法をご紹介しています。
「畑で取れた玉ねぎがたくさんある」、「日頃忙しいので、調理時間を短縮させたい」…など様々なシチュエーションがあるかと思います。いくつかの方法をご紹介しているので、ご家庭に合った玉ねぎの保存方法を取り入れてみてくださいね。
常温保存① 吊るして保存
玉ねぎを常温保存する場合には、吊るして保存する方法がおすすめです。玉ねぎを腐敗させてしまう一番の原因は湿気になります。吊るして干す場合には、「風通しがよく、直射日光の当たらない場所」に保存することを意識しましょう。具体的には、ベランダや軒下などに吊るすと良いでしょう。
玉ねぎを吊るす際には、専用の野菜ネットやみかん用のネット、ストッキングなどを使用するのがおすすめです。野菜ネットは最近では100円ショップなどでも簡単に手に入れることができますよ。吊るして保存した場合、約1ヶ月〜2ヶ月ほど保存が可能となります。
数珠繋ぎのように吊るす、ストッキングを利用する場合には、一つずつ入れて結び目を作って連ねていくと重なり合うこともなく、使うときにストッキングをハサミでカットして使用することもできるので便利です。
ただし、どうしても濡れやすい場所に玉ねぎを吊るしている場合などは、雨の日は室内や雨の当たらない場所に移動させるようにしましょう。
常温保存② カゴに入れて保存
玉ねぎを吊るして保管する場所がないという場合には、カゴなどに入れて常温保存することも可能です。カゴに入れて保存する場合にもやはり注意しておきたいのは「湿気」です。風通しが良く比較的涼しい場所に保存するようにしましょう。
カゴに入れて保存する場合は、新聞紙を用いて玉ねぎを一つずつ包んでから保存するのがポイントです。カゴがない場合は、ダンボールや紙袋などに入れて保管するのもよいでしょう。
ビニール袋に入れた状態のまま保存すると湿気がこもりやすくなり、玉ねぎが腐敗してしまう原因となります。
面倒に感じてしまうこともあるかもしれませんが、一つ一つ新聞紙に包んで保存することが長持ちさせるための秘訣となりますよ。
冷蔵保存① 新聞紙に包んで保存
上記でも少しお伝えしたように、夏場などの気温が高いときには、常温保存ではなく冷蔵保存を心がけましょう。玉ねぎを冷蔵保存する場合にも、常温保存と同様に新聞紙に包んで保存しておくことが大切です。
冷蔵庫の野菜室は、メーカーによって多少異なりますが60%〜90%の高湿度の機能を備えているものもあります。新聞紙に包むという一手間を施すことによって、玉ねぎを湿気から守ることができますよ。
玉ねぎは冷蔵庫で保存した場合、約1ヶ月の保存が可能となります。湿気に気をつけながら、冷蔵庫保存を上手に活用するようにしましょう。
新聞紙には、湿気を吸い取ってくれる効果があります。
玉ねぎの保存以外にも根菜類やネギやなすなど、様々な野菜や果物の保存をする際にも新聞紙は大活躍。ぜひ上手に活用してくださいね。
冷蔵保存② 使いかけの玉ねぎの保存
使いかけの玉ねぎは、冷蔵庫での保存がおすすめです。半分にカットした玉ねぎは、どうしても切り口から傷みやすくなります。使いかけの玉ねぎを保存する場合には、ラップなどでしっかりと密閉させた状態で冷蔵庫で保存するようにしましょう。
ラップがない場合にはジッパー袋に入れて保存するのもOKです。使いかけの玉ねぎの場合は、常温保存はNGとなるので注意しましょう。
また、使いかけの玉ねぎの場合、日にちが経つと水分がなくなりスカスカになり、旨味も無くなってしまいます。丸ごと保存しているものに比べて鮮度も落ちてしまうので、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
冷凍保存① 丸ごと保存
玉ねぎは、冷凍での保存も可能です。保存方法自体もとてもシンプルなので、たくさんの玉ねぎがあり、常温保存しておく場所がないという場合には、冷凍保存にするのもおすすめです。
丸ごとの状態で冷凍保存をする際には、まずは皮をむき、頭と根の部分を切り落とします。さらに上下に十字の切り込みを入れておくのがポイントです。その後、一つ一つラップで包みさらにジッパー袋に入れて冷凍保存しましょう。冷凍保存の場合、約1ヶ月保存が可能となります。
丸ごと冷凍保存した玉ねぎは、スープなどに使用するのがおすすめです。凍ったままお鍋で煮れば、甘くてトロトロなスープを作ることができますよ。そのほかにも電子レンジで温めるだけで簡単にできる「レンジ蒸し」も忙しい時の一品におすすめです。冷凍した丸ごと玉ねぎを耐熱皿に乗せてレンジで数分温め、ポン酢などの調味料をかければ完成という簡単な工程で、ボリュームのある一品になりますよ。
解凍して使用したいという場合には、冷蔵庫で3時間ほど解凍しておけば、包丁でもカットして調理することができます。
逆にサラダなどに使用するのは不向きとなります。
冷凍保存② カットして保存
玉ねぎを冷凍で保存する場合には、くし切りや微塵切り、薄切りなどにカットした状態で保存しておくと、料理に使う時にすぐに使えて便利。保存期間も約1ヶ月あるので、大量に購入しておき、事前にいくつかのカットをして冷凍保存をしておくと料理の時短にもつながります。
カットしたものを冷凍保存する場合のポイントは、「水気を切り、しっかりと空気を抜いて保存する」こと。ジッパー袋に入れて平にした状態で冷凍保存しておくとよいでしょう。
玉ねぎは冷凍することで、細胞が壊れ、味が染み込みやすくなります。凍ったまま調理可能で、使いたい分量だけ袋から押し出して使うことができるのも便利です。また小分けにラップで包んでおくという方法もおすすめです。この場合は、使う分ごとに分けてラップで包んで、密閉容器に入れて冷凍保存しておくのがよいでしょう。
- 微塵切り・・飴色玉ねぎ
- くし切り・・煮物・炒め物・スープ
- 薄切り・・飴色玉ねぎ、炒め物・スープ
冷凍保存③ 熱して保存
炒めた玉ねぎを冷凍保存するというのも日頃忙しくて調理時間を短縮したいと考えている方などにはおすすめです。一度炒めることで玉ねぎの甘みも増し、時短だけでなく料理においてもプラスの働きをしてくれますよ。
炒めた玉ねぎは、粗熱をとってから冷凍保存することを忘れないようにしましょう。シッパー袋に入れて保存する、製氷用のタッパーに入れるなどの方法で保存しておくと、オニオングラタンスープやカレーを作る時に必要な分だけ取り出すことができるので便利です。
- 玉ねぎのピクルス
- マリネ
新玉ねぎや紫玉ねぎは冷蔵庫保存で
玉ねぎの保存の基本は「常温保存」とお伝えしましたが、実は「冷蔵保存」が向いている玉ねぎの種類もあります。
新玉ねぎや紫玉ねぎは水分量が多く、常温保存してしまうと皮にぬめりが出て傷みやすくなるため、「冷蔵保存」をするようにしましょう。新玉ねぎや紫玉ねぎを保存する場合にも、一つ一つ新聞紙に包んでから紙袋などの袋に入れて保存するのがおすすめです。新玉ねぎは水気がつくとさらに傷みやすくなります。
新聞紙に包む前にまずは水洗いをし、土を落として水気をしっかりと拭き取っておくことを忘れないようにして下さいね。
通常の玉ねぎに比べると少し保存期間は短くなるため早めに使い切るようにしましょう。
皮は剥いて保存した方が良い?
玉ねぎを常温保存する場合、基本的には皮は剥かずにそのまま保存するのが良いとされています。皮を剥いてしまうと、水分が抜けやすくなり乾燥して傷みが早まります。
使いかけのもので、すでに皮を剥いた状態の玉ねぎを保存する場合には、ラップなどに包んで乾燥から守って保存するとよいのですが、玉ねぎをそのまま常温で保存する場合には、皮は剥かずに保存するようにしましょう。
玉ねぎから芽が生えてきたら?
玉ねぎを保存している間に「玉ねぎから少しだけ芽が出てきてしまった」という経験がある方もいるかもしれません。玉ねぎの場合は芽が出てきてもそのまま使うことができます。また、玉ねぎの芽を食べてしまっても「体に悪い影響が出る」ということはないので安心してくださいね。
しかし、芽が出てきてしまった状態の玉ねぎは風味や栄養が落ちてしまうため、なるべく芽が出てくる前に使い切るのがよいでしょう。芽が伸びきってしまった玉ねぎでも、汁物や炒め物に使えば美味しく食べることができます。
また、芽を取り出す場合には、皮を剥いた玉ねぎを半分にカットし、芯の部分をくり抜くようにして芽の部分を取り除きましょう。取り除いた芽は、土に埋めて栽培することもできますよ。
温度や湿度が低く、光の当たらない場所や光の通さない箱の中に入れて保存することで、芽が生えるのも防ぐことができます。
腐ってしまった玉ねぎの見分け方とは?
玉ねぎは中心部から腐敗していくので、腐っているかの判断をするのが難しい場合もあります。吊るして常温保存する場合などは、約1ヶ月〜2ヶ月という長い保存期間となるため、腐っているかの判断に迷う場合もあるかもしれませんね。玉ねぎが腐っているのかどうかの見分け方としては、触った感触や匂いなどから判断します。
触ってみて、ブヨブヨとした感触する、変な臭いがするなどの状態であれば腐っている証拠です。そのほか変色などしている場合にも食べるのは避けましょう。
まとめ
今回は、長持ちする玉ねぎの保存方法についてお伝えしました。玉ねぎの保存方法はいくつかあります。
吊るして保存する「常温保存」を基本とする玉ねぎですが、カットしたものや加熱処理した玉ねぎを「冷蔵保存」や「冷凍保存」しておくこともおすすめです。家事や育児、仕事が忙しくて、料理時間はなるべく簡潔に済ませたいという方には、使いたい時にさっと使うことができる玉ねぎの冷蔵・冷凍保存は便利な食材になることでしょう。
湿度や温度など保存する環境に気をつけながら、様々な玉ねぎの保存方法を試してみて下さいね。
- 玉ねぎを保存する時に注意しておきたいのが「湿度」と「温度」。基本的には、風通しがよく直射日光の当たらない場所に玉ねぎが重なり合わないよう保存させるのがよい
- 玉ねぎは基本的には常温で保存させるのがよい。ただし、新玉ねぎや紫玉ねぎは水分量が多く腐敗しやすくなるため、一つ一つ新聞紙に包んで冷蔵保存するのが最適
- 玉ねぎの冷蔵保存や冷凍保存は、甘みが強くなり煮込み料理など様々料理に使うのに便利。環境や用途に合わせた玉ねぎの保存方法を取り入れるのがよい
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。