インテリアにサボテンを加えよう!おすすめの種類とは

記事の監修

古川 まさ美

インテリアコーディネーター

プラン数1200件以上の豊富な実績で、インテリアのお悩みやお好みを引き出すコンサルティングが好評。あなたが主役になる住空間をつくる、リノベーションのプラン、内装コーディネートが得意。

令和4年度 キッチン空間アイデアコンテスト入賞。

個性的な見た目で人気のサボテン。一般的な観葉植物とはまた違った魅力があって、おしゃれなグリーンインテリアとしてお部屋を彩ります。姿形のバリエーションも多く、異なる個性を楽しむことができますね。また、片手に乗るような小さなものから人の身長を超えるほどの大型までサイズも豊富です。

サボテンは、園芸品店やホームセンター、100円ショップ、ネットショップでも販売されていますが、あまりに選択肢が多くて迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、サボテンの種類をタイプ別にご紹介します。ご自宅に置くならどんなものがいいか想像しながらお読みくださいね。

この記事はこんな人におすすめ

  • お部屋に緑の植物を置きたい方
  • サボテンに興味がある方
  • おすすめのサボテンの種類を知りたい方

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目次

サボテンとは

サボテンとは
サボテンは2,500種類もあるといわれていますが、そのほとんどの品種の原産地は南北アメリカ大陸とその周辺の島々。砂漠などの高温で乾燥した場所で生き抜くために、緑色をした茎の部分にたくさんの水分を蓄えられるようになっています

棘(とげ)は葉が変化したものだといわれています。その役割は第一に動物から身を守ること。砂漠のように乾燥した場所では、水分を蓄えたサボテンは動物にとって格好の餌となります。ですから、食べられないように棘が生えているのですね。さらに、棘には水分を吸収するという役割もあります。砂漠は昼夜で気温の差が激しく、霧や朝露が発生します。その水分を棘でつかまえ、体内に取り込んでいるのです。

棘はサボテンの特徴でもありますが、中には棘がない品種もあります。一方、全てのサボテンにあるのが「刺座(しざ)」。アレオーレとも呼ばれ、棘の付け根にある綿毛のようなもののことをいいます。この棘や刺座の形によっても、見た目の印象が大きく変わります。

インテリアにサボテンを加えよう!おすすめの種類とは

多肉植物とサボテンの違いとは?見分けるためのポイント

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サボテンと多肉植物の違い

サボテンと多肉植物の違い
サボテンの分類について考えるときに、よく話題になるのが「多肉植物との違いは何か?」ということ。サボテンは、園芸学上多肉植物とは別の独立したものとして扱われています。多肉植物もサボテンも見た目や性質はよく似ていますが、前述のようにサボテンには「刺座(アレオーレ)」が必ずあるのに対し、多肉植物にはありません。この刺座の有無が、サボテンと多肉植物の決定的な違いなのです。

刺座の有無で見分けられる!
サボテンと多肉植物を見分けたいときは、棘ではなく刺座があるかどうかチェックしましょう。

また、生育地や育て方にもやや違いがあります。サボテンが乾燥した高地(アフリカのサバンナ、メキシコなど)の限定された場所に自生するのに対し、多肉植物は世界中のさまざまな場所に生えています。サボテンは生育タイプが夏型(夏に育ち冬に休眠する)で乾燥や暑さに強く寒さに弱いですが、多肉植物は種類によって生育タイプが異なります。そのため、サボテンと多肉植物を同じように育てることは難しいと考えておいたほうがいいでしょう。

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サボテンをインテリアに取り入れるメリット

サボテンをインテリアに取り入れるメリット
サボテンの水やりの頻度は一般的な植物に比べて低く、また肥料を頻繁に与える必要もありません。あまり手間をかけずに育てられるのは嬉しいですね。

また風水では、鋭い棘があることから「邪気をよせつけない」「魔除け」として考えられています。玄関の外やベランダに飾るといいとされているほか、悪い気を外に出す役割のあるトイレに置くと、健康運アップに繋がるそうですよ。なお棘のないサボテンの場合は、観葉植物同様、あまり運気のことは気にせずに飾れます。

花言葉
サボテンは砂漠でもたくましく生長していくことから「枯れない愛」や「情熱」「熱い心」という花言葉を持っています。

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おしゃれな鉢を選ぼう

おしゃれな鉢を選ぼう
サボテンは個性的なフォルムをしているため、単独で飾ってもおしゃれ。同じ品種でも株によって見た目が大きく異なることもあるので、気に入ったものを探してみましょう。

また、小さな株を集めた寄せ植えも人気です。長方形や船形、あるいは円形の器に数種類のサボテンが植えられているもの、多肉植物とのコンビネーションが楽しめるもの、あるいはカラーサンドや動物のフィギュアと合わせてデザインされている商品もあります。デザイン性の高い鉢も多いので、楽しく選べそうですね。

原産地が南北米であることから、メキシカンなイメージの鉢や荒い作りの焼き物などに植えてみてもおしゃれです。砂漠のイメージで、乾燥した枝のオブジェやドライフラワーの鉢植えなどのそばにおいても、マッチしますよ。

インテリアに合わせて、植木鉢の色や雰囲気にもこだわってみませんか。モノトーンですっきりとした印象のお部屋なら、白・黒・グレーといった鉢にすると、サボテンの緑が生えます。明るくポップな感じならパステルカラーの植木鉢、インダストリアル系がお好きな方ならブリキの缶を使ったものもおすすめです。

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サボテンにはどんな種類がある?

サボテンにはどんな種類がある?
サボテンは刺々しい見た目のものはもちろん、表面がつるんとしたものや凹凸が目立つもの、おまんじゅうのような形など、とてもバリエーション豊か。「これもサボテン?」と驚くようなルックスのものもたくさんあります。

ここでは、柱サボテン、団扇サボテン、玉サボテン、星形サボテンの4種類に分けて、見た目の特徴やおすすめの品種をご紹介します。フォルムだけでなく名前にも個性がありますので、その点も楽しみながらお読みください。

柱(ハシラ)サボテン

柱(ハシラ)サボテン
柱サボテンは、柱のように太く上に向かって伸びていくサボテンの総称です。品種が多く、サイズも棘の形状もそれぞれに特徴があります。

よく西部劇で目にするような、太い幹の途中から短いカーブした茎が伸びているのは「弁慶柱(ベンケイチュウ)」。12mまで伸びることもあります。一方、棘がなくて日本でも地植えでよく育つのは「鬼面角(キメンカク)」です。また「ユーリキニア・カスタネア・スピラリス」はとても個性的な見た目。イモムシのような形でぐるぐると螺旋状に伸びていきますよ。

小型のものではセレウス属があります。細長い茎には棘がありますが、毛のように柔らか。柱サボテンらしい「ペルヴィアヌス」や岩のようにゴツゴツとした「ペルヴィアヌス・モンストローサ」など数種類あります。

綴化(テッカ)種
棘がない「竜神木(リュウジンボク)」は突然変異で形が変わった綴化種。
最初は細いのですが、生長とともに見た目がたくましくなり、まさに竜のように力強い姿になります。

団扇(ウチワ)サボテン

団扇(ウチワ)サボテン
団扇のように丸くて平たい茎が連なっているタイプです。とても丈夫で、年数を重ねると木化していき風格が感じられるようになります。

「金烏帽子(キンエボシ)」はその名のとおり烏帽子のような形の茎が連なっています。比較的生長が早く、60㎝ほどまで大きくなります。「白頭扇(ハクトウセン)」は、ウサギのような形をした小型でふわふわとした白い棘が特徴的な種。「バニーカクタス」とも呼ばれ、可愛らしくて人気があります。

対照的に黒っぽい姿をしているのが「墨烏帽子(スミエボシ)」。よく日が当たる場所で育てると、表面が黒味がかった色になっていきます。人が両手を挙げている様子に似ていることから「バンザイサボテン」とも呼ばれていますよ。

オプンチア属の「大丸盆(オオマルボン)」は、烏帽子とは異なる丸い形の茎です。ひとつの直径が30㎝を超えることもあります。

棘だけでなく毛にも注意
サボテンの毛が手などに付くと、痛くはありませんがチクチクします。
そのままにせず、しっかり洗い流しましょう。

玉(タマ)サボテン

玉(タマ)サボテン
その名のとおり、丸くコロンとした形が可愛らしいサボテンです。ひとつの鉢に1株育てるのはもちろん、小さなものを寄せ植えするのもおすすめ。丸い形に心が和みます。

棘がないロフォフォラ属の「烏羽玉(ウバタマ)」は「ペヨーテ」とも呼ばれる人気種。開花期には淡いピンクの花を咲かせます。「翠冠玉(スイカンギョク)」は生長すると刺座から白い綿毛が出てきますよ。こちらには白い花が咲きます。

対照的に、金色の棘が伸びている「金鯱(キンシャチ)」はサボテンの王様とも呼ばれる代表的な品種。上部にはクリーム色の綿毛が生えていて、そこに黄色い花を咲かせますが、20年以上経った株でないと見られないようです。

エピテランサ属は小型で群生します。白っぽい棘が全体を覆っていますが、触っても痛くないので扱いやすいです。「月世界」や「小人の帽子」といった品種があり、生長がとてもゆっくり。小さくて丸い形を長い間楽しめます。

強刺類とも呼ばれるフェロカクタス属は長い棘を持つ、ある意味サボテンらしい姿の品種。赤くてヘラのような形の棘を持つ「神仙玉(シンセンギョク)」や、黄色い巻き棘が美しい「金冠竜(キンカンリュウ)」などがあります。

自生できない種も
「緋牡丹(ヒボタン)」は全体が赤やオレンジ、黄色といった鮮やかな色をしています。
葉緑素を持たないため自身で栄養を作ることができず、単独では生育できません。
このため、柱サボテンの先端に接木(つぎき)して育てられます。

星型サボテン

星型サボテン
星の形のようになっている形状のサボテンは、アストロフィツム属で有星類ともよばれている品種が多いです。色や質感、棘の感じもさまざま。5つではなく、4つや6つに分かれているものもあります。

「鸞鳳玉(ランポウギョク/ランポーギョク)」は、その中でもスタンダードなタイプ。棘はなく、全体的に白っぽく見えます。交配が盛んに行われていて、ぼこぼことした形が面白い「亀甲ランポー」や、4つに分かれている希少種の「四角ランポー」などがあります。

よく似ている種も
ランポーよりも谷が深くくっきりとした形なのが「ヘキラン」です。
緑1色のもののほか、オレンジや白っぽい色が混じっているものもあります。
ランポーとの交配も行われているので、区別が難しくなっています。

白い斑点が入っていて、多角形で幹がねじれて伸びていく「般若(ハンニャ)」という品種も人気です。斑点がない「青般若(アオハンニャ)」や、黄色い棘を持つ「金刺般若(キントゲハンニャ)」もあります。

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サボテンの特徴別おすすめ品種

サボテンの特徴別おすすめ品種
スタンダードなサボテンも一般的な植物に比べると十分個性的ですが、さらに特徴が際立つ種類のものはいかがでしょう。思わずじっと見つめてしまうような姿の植物をお部屋に飾るのもいいですね。ここでは、普段の姿からは想像できないような花を咲かせる種類や、株全体が白い毛で覆われたサボテン、そして大きさに特徴のあるものをご紹介します。

印象的な花を咲かせるサボテン

印象的な花を咲かせるサボテン
コリファンタ属の「象牙丸(ゾウゲマル)」はゴツゴツとした茎を持ち、たくさんの棘が伸びています。ですが、その株のてっぺんに咲く花は白やピンクでとても華やか。大きいものでは直径が8㎝ほどにもなるそうですよ。

「シャコバサボテン」の花は赤・白・ピンク・オレンジといった鮮やかな色。長く伸びた何本もの葉茎の先に花をつけます。花の形は他のサボテンとは異なっていて、細い花びらが反り返ったように開きます。

花のつき方が特徴的なのは「白玉殿(ハクギョクデン)」。まるまるとした茎にはびっしりと白い棘が生えているのですが、冬から春にかけて、ぐるっと円を描くように小さな花が茎を一周しますよ。

ブラジリカクタスのパロディア属は、きれいな花を長く咲かせる種類。「雪晃(セッコウ)」は2週間もの間、赤や黄色の花を咲かせます。

大きく生長するエキノプシス属は花も大型。代表的な品種である「短毛丸(タンゲマル)」は直径10㎝にもなる白い花を、「金盛丸(キンセイマル)」は花びらだけでなく雄しべも雌しべも真っ白い花をつけます。

ふわふわの毛が魅力的なサボテン

ふわふわの毛が魅力的なサボテン
真っ白い毛や柔らかな棘に覆われている品種があります。そのひとつは「白楽翁(ハクラクオキナ)」。株全体をふわっと白い毛が覆っている様子がおじいさんの髭のように見えるので、翁という文字が名前に入っているといわれています。「玉翁(タマオキナ)」も同様に白く長い毛が株全体に生えています。どちらも小さくてピンクの花がまるで冠のように咲きます。

「白星(シラボシ)」は触っても痛くないくらいのふわふわとした棘が密に生えています。「うさぎのほっぺ」という可愛らしい名で呼ばれることもあるようです。子株が出てきて群生する特徴があるので、植え替えをしながら株が増えていく様子を楽しむこともできます。

「カルメナエ」も白くて柔らかい毛に覆われている丸いサボテン。ほかに黄色い毛の品種もあります。ホームセンターなどでも手に入る、身近な品種です。

「老楽(オイラク)」は毛が多いため、全体としてはふわっとした印象ですが、棘もしっかりあります。生長はゆっくり。細身で上に向かって伸びていく種です。

大きくなるサボテンの種類

大きくなるサボテンの種類
原産地では驚くほど大きく生長するタイプのサボテンもありますが、インテリアに取り入れる場合は植木鉢で育てて床置きし、お部屋のシンボルとして育ててみてはいかがでしょう。

先述の「竜神木(リュウジンボク)」は緑色と水色が混ざったような色合いと形が魅力的な柱サボテン。3月頃には白い花を、その後には赤い実をつけます。うまく育てると4〜5mにもなりますよ。

同じく柱サボテンの「武倫柱(ブリンチュウ)」は茎が太く、固い棘が伸びているタイプ。根に含まれているバクテリアの作用で、土だけでなく岩の上でも生長できる種なのだそうです。

玉サボテンの「玉翁(タマオキナ)」は高さ25㎝、直径50㎝に、また先述の「金鯱(キンシャチ)」は直径1mにまでなることも。団扇サボテンでは、ほとんど棘のない「大型宝剣(オオガタホウケン)」」は4〜5mに、「姫ウチワ(ヒメウチワ)」はなんと10mにまで生長するそうです。

ミニサボテン

ミニサボテン
直径6㎝ほどの鉢に植えられた小さなサイズのサボテンも可愛らしくて人気です。窓枠やキッチンカウンターなど、ちょっとしたスペースに飾るのにおすすめです。1つでも十分かわいいですが、数種類を並べてみるとインテリアのポイントになります。

玉サボテンのマミラリア属「グラシリス」の和名は「明日香姫(アスカヒメ)」。密集している短くて白い棘が可愛らしい株です。この棘を赤や青、オレンジなどに着色しているものも販売されています。また「月影丸(ツキカゲマル)」には白くてふわふわした棘と、先端が赤いフック状の2種類の棘が生えています。「銀手毬(ギンテマリ)」は群生しやすい品種。硬めの白い棘に覆われていて、むくむくと子株が出てきます。

ノトカクタス属のサボテンも同じく丸い形で白い棘に覆われていますが、特徴は花の色。白・黄色・ピンク・オレンジ・紫といった鮮やかな色でツヤと透明感のある花を咲かせます。真っ白い棘がきれいに並んだ「白閃小町(ハクセンコマチ)」やゴツゴツとしていて棘も強い「獅子王丸(シシオウマル)」などが人気です。

生長速度
通常、サボテンは1年で10㎝ほど大きくなりますが、ミニサボテンの場合は1年で1㎝ぐらいと生長がとてもゆっくり。
微笑ましい姿を長く楽しめそうですね。

インテリアにサボテンを加えよう!おすすめの種類とは

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サボテンの分類の仕方

サボテンの分類の仕方
サボテンは2500種類ほどあるといわれますが、資料によっては10000種類以上存在すると説明するものもあり、サボテンの種類の数え方や分類の仕方は、考え方によってもさまざまで混乱しがちです。これまで見た目の違いに注目してサボテンの代表的な種類をご紹介してきましたが、実際には数えきれないほどの種類のサボテンが存在します。

そこでここからは、サボテンの分類の仕方についての考え方をいくつかご紹介します。多様な分類方法があるうえ、どの分け方が正しいかは明確になっていませんので、参考程度にご覧ください。

亜科による分類

亜科による分類
サボテンを研究している専門機構では、サボテンを5つの亜科に分類しています。亜科とは生物分類学上の単位の一つで、必要に応じて科と属の間に設けられるものです。5つの亜科から、さらに連、属、種へと細かく分類されていきます。

サボテンの亜科

  • ペレスキア亜科(コノハサボテン亜科):低木のような珍しい姿形で、ブラジルやメキシコに自生
  • カクタス亜科(ハシラサボテン亜科):円柱状で棘なしのものも多く、上向きに生長する
  • マイフェニア亜科:小型で耐寒性や耐湿性が強く、群落をつくる特性がある
  • オプンチア亜科(ウチワサボテン亜科):楕円形や円筒状に連なる茎節が特徴的
  • ブロッスフェルディア亜科:世界最小のサボテンでキノコのような形状のブロッスフェルディア・リリプタナが属する

このような専門家による分類は、4つの亜科だったものが5つになったりと、発展途中かつ流動的です。研究者の見解も同一ではないため、統合や分割が繰り返され、今後も変化していくことが予想されます。サボテンのさまざまな分類の仕方の一つとして参考にしてみてください。

生育期による分類

生育期による分類
植物には生育期というものがあり、季節によって生長したり休眠したりします。高温な気候で育ち低温に弱いサボテンは生育期別にみると夏型に分類されます。サボテンと似た植物である多肉植物が夏型、春秋型、冬型の3種類に分けられるのに対し、サボテンの場合は夏型のみの1種類です

生育期別の3種類の特徴

  • 夏型:夏に生育、春秋は生育が緩やか、冬は休眠
  • 春秋型:春と秋に生育、夏は生育が緩やか、冬は休眠
  • 冬型:冬に生育、春秋は生育が緩やか、夏は休眠

休眠期に入った植物は生長が止まるため、生育期と異なり水やりなどのお世話を控える必要があります。サボテンと多肉植物を一緒に育てることは難しいと述べましたが、生育期が異なるものは育て方が違うからです。たとえば、夏型のサボテンと冬型の多肉植物を一緒に育てようとしても、生育期と休眠期が真逆のため、水やりの頻度などを合わせることができません。

サボテンと多肉植物を寄せ植えする場合
特に注意が必要なのが、寄せ植えです。
一つの鉢に生育期の異なる植物を植えると、休眠期の植物にも頻繁に水やりをすることになるなど、管理が難しくなってしまいます。
サボテンと寄せ植えする多肉植物は、必ず夏型のものを選びましょう。

見た目による分け方もさまざま

見た目による分け方もさまざま
サボテンを見た目の特徴で分ける場合も、考え方はさまざまです。この記事では、柱(ハシラ)サボテン、団扇(ウチワ)サボテン、玉(タマ)サボテン、星型サボテンの4種類に加え、印象的な花を咲かせるもの、ふわふわの毛を持つもの、サイズに特徴があるもの(大きいものと小さいもの)に分けてご紹介しました。

ほかにも、巨大な棘を持つ「強刺類」、質感がゴツゴツしている「牡丹類」、星を散りばめたような大きな刺座が特徴的な「有星類」というように、棘や刺座の大きさや、質感の違いなどによる分け方をする場合もあります

ユニークな見た目のサボテンの種類

  • 群生種:子株が群生しながら育つサボテン
  • 斑入り種:斑が入っている種で、入り方に個性が出る
  • 綴化種:生長点が帯状に広がっているサボテン
  • 石化種:怪物を意味するモンストローサという別名を持つような、珍奇な外見が特徴

サボテンの外見のどの部分に着目するかによって、分類の仕方は変わってきます。サボテンを見た目で選びたい場合は、ご自身の着目点をベースにするとピンポイントで好みの品種を見つけられるかもしれませんね。

増え続けるサボテンの種類

増え続けるサボテンの種類
サボテンの分類の仕方が考え方によって異なり変化するだけでなく、サボテン自体も種類が増え続けています。品種改良により新しいタイプのサボテンが誕生したり、突然変異で偶然生まれたりするため、今後も種類はどんどん増えていくでしょう。また、発展する研究に伴い、これまで知られていなかったものが新しく発見されることも予想されます。

サボテンの種類が増える理由
サボテンの種類が多く、さらに増え続ける理由には諸説ありますが、自家受粉をしないこともその一つと考えられています。
サボテンのほとんどは自家受粉をしないため、種子から別の株としか結実しない性質があるのです。
自分とは異なる遺伝子を持つ株との間にしか種子を付けないため、親と異なる姿形のサボテンが生まれやすくなります。この特性が、種類が増え続けていく原因といわれています。

現在すでに確認されているサボテンだけでもかなりの種類ですが、今後はどのように発展していくのか楽しみですね。

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元気な株を見分けるポイント

元気な株を見分けるポイント
サボテンを育てる場合は、好みのものを選ぶことはもちろんですが、できるだけ状態のいい元気な株を選び分けることも大切です。購入の際は、同じ種類のものが複数ある場合も、特に色艶がいいものを選びましょう。元気な株は表面にハリがあってふっくらしています。先端が細くなっていて弱々しい印象を受けるものは、日照時間が足りていないのかもしれないので、避けましょう。

変色していないかも大事なポイントです。根元付近が赤や茶色になっているときは根腐れが、全体が白っぽくなっている時は葉焼けが、棘の根元が黒くなっている場合は「すす病」が考えられます。また、カイガラムシやハダニといった害虫がついていないかも確認しましょう。

形についてはお好みのものを選ぶといいのですが、歪んでいないかや、植木鉢とのバランスが取れているかはチェックしておきましょうぐらぐらせず、しっかりと根を生やしているかどうかも見てください

元気なサボテンの特徴

  • 色艶がよく、表面にハリがある
  • 根元にも葉にも、全体的に変色がない
  • 形に歪みがなく、植木鉢とのバランスがいい
  • 根がしっかりと生えていて、ぐらつきがない

購入時期
高温多湿になる梅雨時はサボテンにとっては負担が大きく、問題が起きやすい時期。
サボテンを育てた経験がまだない方は、少し待って秋になってから購入なさった方が育てやすいかもしれません。

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サボテンの育て方

サボテンの育て方
元気なサボテンを購入したら、日頃からしっかり日に当て、風通しのいい場所で育てましょう。ただし直射日光には弱いため、長時間当て続けると葉焼けしてしまいます。遮光ネットなどを使うか、室内で育てる場合はレースのカーテンを引くなどして調整してください。

また、サボテンは寒さに弱いものが多いため、ベランダなど屋外で育てる際は注意が必要。気温が10℃を下回るほど寒くなってきたら、室内に移して管理しましょう。日当たりが不十分な場合は、LEDライトなどで光を補うことをおすすめします。

サボテンの生育期は春と秋です。この時期には土が乾いたら鉢底から溢れるくらい水をたっぷり与えましょう。また、夏は生育スピードがゆっくりになるので水やりも控えめに。そして冬は休眠するため、水やりは月に1回程度にとどめましょう。

水やりの時間帯
春と秋は午前中、夏は夕方から夜に行ってください。
真夏に気温が高いうちに水やりをすると、高温で株が蒸れることがあります。
冬は日中が適温のため、昼間に行いましょう。

植え替えは1〜2年に1度、3~4月に行うのが理想的です。その時期でなくても鉢底から根が飛び出したり、水捌けが悪くなったりしたら、ひとまわり大きなサイズの鉢に移してください。その際、緩効性の化学肥料をひとつまみ土に混ぜておけば、追肥の必要はありません。

インテリアにサボテンを加えよう!おすすめの種類とは

多肉植物の育て方とは?知っておきたい水やりのタイミングとカビや害虫の対処法

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まとめ

一般的な植物とは異なる興味深い姿や特徴を持つサボテン。個性的な見た目だけでなく比較的育てやすいという点でも、人気を集めています。柱サボテンや団扇サボテン、玉サボテン、星形サボテンといった形の違いのほか、棘や毛の形状、株の大きさにも多くのバリエーションがあり、選び甲斐があります。サボテンの分類の仕方にはさまざまな考え方がありますが、今後も研究の発展とともにサボテンの種類は増え続けていくでしょう。

それぞれの特徴を知った上でインテリアに取り入れる品種を決めたら、色艶のいい元気な株を手に入れましょう。サボテンはたくましい植物ですが、生育期(季節)に合わせてお世話の仕方を変えたり、生長に合わせて植え替えをしたりすることも大切です。サボテンの好む風通しと日当たりのいい場所を選んで、生長していく様子も楽しみながら育ててくださいね。

この記事のまとめ

  • サボテンには大変多くの種類があり、分類の仕方もさまざま。また、今後も種類が増え続ける見込み
  • 元気な状態を維持するには、風通しと日当たりのいい所で、季節に合わせた育て方をすることが大切
  • 自分好みの形や育てやすいサイズのものを選んで、サボテンを暮らしに取り入れてみよう

記事の監修

古川 まさ美

インテリアコーディネーター

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