プロが教える観葉植物の育て方。初心者でも安心育てやすい観葉植物とは?
記事の監修
デザイン専門学校を卒業後、都心の小売店にて10年近く修行がてら従事。
その後インテリアコーディネーターの元で基礎を学び再び花業界に。10年近く大手生花店のブライダル装花・イベント装花などを経験し、2019年世田谷・二子玉川に「midorito」を開店。
観葉植物は、部屋の中に置いておくだけでインテリアとしてアクセントになりますし、植物は見ているだけで何故だか心が癒されるものです。また、殺風景な部屋でも観葉植物があるだけで明るく優しい雰囲気になりますよね。
ただ、観葉植物は飾りたいけど、植物のお世話や扱いになれていないとせっかく買っても枯らしてしまうのが心配…という方も多くいると思います。しかし、観葉植物は日常管理がしやすく、室内でも育てやすいのです。
そこで今回は、初心者でもこれさえ押さえておけば大丈夫!基本の育て方をお伝えします。
- 観葉植物を育ててみたい方
- インテリアにグリーンを取り入れたい方
- 観葉植物をいつも枯らしてしまうと悩んでいる方
目次
まずは初心者でも育てやすい観葉植物からから始めよう
観葉植物には様々な種類があり、個性豊かなものが多く、一度にいろいろな品種を集めたくなりますよね。しかし、寒さに強いものや弱いもの、日当たりを好むものや明るい日陰を好むものなど、育て方が異なるものを一度に育てるのは初心者には大変なことです。また、いきなり大きな観葉植物から始めるのも、あまりおすすめできません。好みで選ぶのもいいのですが、特に最初は育てやすさを考慮して選ぶようにしましょう。
- 同じ環境(室温や日当たりなど)で育てられる
- コンパクトでお手入れがしやすい
- 水やりや追肥の頻度が同じ
初心者におすすめの観葉植物は?
無理なく観葉植物を育てるには、最初から欲張り過ぎないことも大切です。そこで、まずは同じ環境で管理できる小さな観葉植物を2~3個程度育ててみることから始めてみましょう。
パキラやユッカ、テーブルヤシなどが初心者でも育てやすい定番の観葉植物として知られています。卓上サイズのものから育ててみましょう。小さなものでも枯らさずに育てることができればどんどん大きくなっていきます。植え替えが必要になるほど成長させることができたら、少しずつ種類を増やしていくといいでしょう。
観葉植物は正しい育て方を心がけていればとても長持ちします。うまく育てることができたら、自信を持って様々な観葉植物をインテリアに取り入れられるようになるでしょう。部屋の中にも外にもグリーンが増えていく楽しみを感じられますよ。お世話に慣れてきたら、大きなものや育てたことのない種類のものにチャレンジしてみてもいいですね。
水やりの仕方
観葉植物の栄養は日光と土、空気、そして水です。水やりのタイミングは、土が乾いて鉢を持った時に軽いなと感じたくらいのに行うといいでしょう。ただし植物によっては土の表面が乾いた時点で与えたほうがいいものもありますので、育てる前に確認しておくことが必要です。
土が乾いたら、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。鉢皿に溜まった水は必ず水やりの度に捨てて下さいね。観葉植物を風通しのよい適切な環境に置いておけば、土が乾くまで水やりをしなくても枯れることはほとんどありません。
枯らす原因の多くは水やりのし過ぎ!?
観葉植物を枯らしてしまう人の多くの原因は、意外にも水やりにあるのです。もちろん水やりが足りていないせいで枯れるというケースもありますが、よほど放置し過ぎなければ大丈夫なことがほとんど。水やりのし過ぎの方が観葉植物にとっては実はNGなのです。こまめな水やりはかえって枯れる原因になってしまうのです。
観葉植物は、世話をし過ぎないということも育て方のポイントです。お手入れが頻繁に必要ではないという意味でも、初心者にも観葉植物は育てやすいと言われているのです。ついつい一生懸命お世話をしてしまいがちになり、それが裏目に出てしまうケースがとても多いので気を付けましょう。
あまり頻繁に水やりをすると土が乾く間もなく常に鉢の中の水分が過剰な状態になり、根腐れを起こしやすくなってしまいます。水やりが多すぎると鉢の中がジメジメした状態になるので、かえって枯れる原因となってしまうのですね。
温度管理と日当たり・風通しに注意
観葉植物には様々な種類があり、品種によって好む環境は異なります。基本的には日差しが強すぎず、風通しの程よい場所が適切な環境と言われています。そのため、室内の明るい場所というのが観葉植物を育てる上で管理もしやすく、育てやすい場所と覚えておくといいでしょう。
観葉植物が大きくなってくると、インテリアとしては部屋が手狭に感じるようになるかもしれません。その場合は外に出して育てることもあるでしょう。屋外で観葉植物を育てることももちろんできますが、雨ざらしのまま放置しないことが大切です。特に梅雨の時期などは常に雨に打たれることになるので、水分過多な状態になりがちに。雨の多い時期に外に出す場合は、雨が直接当たらないよう軒下などに置くと安心ですね。
観葉植物の耐寒温度はそれぞれ異なりますが、基本的にあまりに寒い環境は苦手です。温かい時期は外に出しておいてもいいのですが、冬の間は室内に入れて温かい環境で育てると安心でしょう。寒いのが苦手で風通しのいい環境が好きな観葉植物は、人が過ごしやすい気候ですくすくと育ちます。人が快適と感じる環境を好むのです。
但し、寒暖差の激しい場所エアコンの風や隙間風が直接あたる所は避けましょう。
肥料の与え方
肥料は観葉植物に絶対に必要というわけではありませんが、葉に元気がなくなってしまったと感じたら使ってみてもいいでしょう。液体タイプや固形タイプがありますが、いずれにしても窒素・リン酸・カリウムという植物の三大栄養素が含まれる肥料を与えると効果的です。
- 5月~10月…1~2ヶ月に一度程度
- 11~4月…与えない
肥料の与え過ぎも枯らす原因に
肥料により観葉植物が元気になるケースもありますが、水やりと同様に与え過ぎると枯らす原因になることも。肥料がなくても観葉植物は育ちます。しおれてきたから肥料を…と安易に与えるのではなく、観葉植物が育つのに適した環境であるか確認することが大切です。
肥料を与えた方がいいかなと思ったら、その前に水やりや日当たり、湿度の確認や、必要に応じて植え替えをすることを考えてみましょう。湿気が多かった、日が当たり過ぎていたなど、発育不良を招くような原因が見つかるかもしれません。その原因となるものを解消すれば、肥料を与える前に元気になる可能性もあるのです。
植え替えは早めがポイント
観葉植物は、育ちやすい環境のもとで適度な水やりをしていればどんどん大きく育っていきます。それは、枝や葉、幹だけでなく根の部分も同じです。ついつい鉢から出ている部分だけに目が行きがちですが、実は大きくなるにつれ鉢の中は育った根っこで埋め尽くされていきます。観葉植物が大きく育つと、それまで納まっていた鉢では窮屈になってしまうのですね。そのため、一回り大きな鉢に植え替えることが必要になります。
観葉植物が大きく育っているのに小さな鉢のままにしておくと、根っこで鉢の中がパンパンになり十分な土が入るスペースも圧迫されてしまいます。観葉植物のサイズに合わない鉢で育て続けても、根っこから十分な栄養を吸収することができなくなり、必要な栄養分が観葉植物全体にいきわたらず発育不良を招きます。さらに、枯れる原因にもなってしまうのです。
また、観葉植物が順調に育ち大きくなってきたら、鉢と観葉植物のサイズのバランスが悪くなってくるはずです。バランスが悪くなると根っこに対して土の割合が減ってくるので、すぐに土が乾いて軽くなるというのも一つの目安になります。鉢が根っこで窮屈になってしまわないうちに、早めに植え替えるようにしましょう。
下記の動画は、観葉植物の植え替えをご紹介しています。参考にしてみて下さい。
まとめ
観葉植物を元気に育てるためには、水やりの仕方・温度管理・日当たりと風通し・植え替えを頭に置いておくのが基本です。基本的なお世話に加えて、必要に応じて葉への霧吹き、肥料なども考えるといいでしょう。お世話をし過ぎてもダメなので、ほどよい距離感で楽しく付き合って下さいね。
まずは無理のない数と大きさのものから始めれば、初心者でも元気に育てることができるはずです。まずは育てやすい定番の観葉植物から、植え替えが必要なほどの大きさまで育てることを目標に始めてみましょう。
- 初心者向けの観葉植物はたくさんある!最初は2~3個から育ててみよう
- 水やりのし過ぎや肥料の与え過ぎは枯らす原因に。ほどほどのお世話で十分
- 上手に植え替えをしながら、人間とともに育つ観葉植物との暮らしを楽しもう
記事の監修
デザイン専門学校を卒業後、都心の小売店にて10年近く修行がてら従事。
その後インテリアコーディネーターの元で基礎を学び再び花業界に。10年近く大手生花店のブライダル装花・イベント装花などを経験し、2019年世田谷・二子玉川に「midorito」を開店。