元気な株に育てたい!観葉植物の水やりのポイントとは

ご自宅はほっと一息つける場所。観葉植物を置いて、癒しの空間を作っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。インテリアプランツの緑は目に優しいだけでなく、心も和ませてくれますね。せっかくご自宅に迎え入れた観葉植物ですから、みずみずしく元気な状態を長く続けたいもの。そのためには、適切な水やりが欠かせません。

そこで今回は、観葉植物の水やりについて詳しくお伝えします。一般的な観葉植物のほか、多肉植物やエアプランツの水の与え方もまとめています。どうぞ最後までお読みください。

この記事はこんな人におすすめ

  • どんなふうに水やりをすれば観葉植物がよく育つか知りたい方
  • 季節ごとの水やりの仕方を知りたい方
  • 観葉植物を育てるのに役立つ便利なアイテムに興味がある方

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目次

そもそも水やりはなぜ必要?

そもそも水やりはなぜ必要?
具体的に植物の中で水はどのような役割を果たしているのでしょう。うまく水やりができないとどんなことが起こるのかまとめました。

植物は主に根から水分と養分を取り込んでいます。土の中の養分は水に溶けることで根から吸収できるようになっているため、土の中に水がないとせっかくの栄養を吸収できません。さらに、水が不足すると細胞の中に蓄えられていた水分が外へ出てしまうため、細胞が干からび、やがて死滅してしまいます。

また、水不足は光合成にも影響を与えます。植物は葉で行われる光合成によってエネルギーを作り出しますが、太陽の光と二酸化炭素があっても水分がなければ光合成ができません。すると、葉緑素が減ったり分解されたりして葉の色が悪くなり、その後乾燥した葉は落ちて、枯れてしまうのです。

毎日水を与えていればいい?

毎日水を与えていればいい?
水を与えすぎるのも植物にダメージを与えることになります。鉢の中の土が乾燥すると土の中に空間ができ、そこに酸素が入ります。ですが、土が乾き切らないうちに水やりをすると、その空間ができないため酸素不足に。その結果、根が呼吸できずに弱り、やがて細胞が壊死します。さらに、壊死した細胞を餌にする細菌が増殖して、根を腐らせてしまうのです。

植木鉢の置き場も大事
日当たりや風通しが悪いと水分が蒸発しにくいため、根腐れを起こします。
湿気が多いとカビが生える危険性も高まるので、空気が循環するように環境を整えましょう。

土の状態をよく観察し、適切に水やりをすることが植物の生命線なのです。

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水やりはタイミングが大事

水やりはタイミングが大事
水やりはどの植物も同じタイミングで行えばいいわけではありません。品種や株の大きさ、栄養状態などによって異なるので、それぞれの株の状態を見ながらタイミングよく水やりをしましょう

種類によって大きな差
例えば、ミントは水を好む植物なので、水やりの頻度は高くなります。
一方、同じハーブでもローズマリーは乾燥に強い植物。
表土が完全に乾いて白っぽくなるまで待ってから水やりをすると、丈夫に育ちます。

水やりは土が中までしっかり乾燥したときに行うことが大事です。とはいえ、表面だけでなく中がどれくらい乾いているかは、見た目ではわかりにくいですね。そこで、土の乾き具合や水やりのタイミングを知る方法をお伝えします。

土が乾いたことを確かめる方法

土が乾いたことを確かめる方法
まずおすすめなのが、鉢を抱えてみることです。水をあげる前と後ではかなり重さが変わります。最初は少し難しいかもしれませんが、何度か繰り返すうちに、どれくらい軽くなったら水やりのタイミングなのかがわかるようになりますよ。

もっと手軽に確認したい方は、割り箸や綿棒を使いましょう。植木鉢の半分ぐらいの深さまで挿しても先が湿っていないようであれば、水やりをしてください。なお、割り箸を使う場合は、先が細いものにしましょう。太いものだと根を傷つける可能性が高まります。

便利な水やりチェッカーも販売されています。植木鉢に挿しておくと土の中の水分量を色や数値などで示してくれるので、水やりのタイミングを計ることができます。園芸品店やホームセンター、100円ショップなどで販売されています。

デザインで選ぶ
水やりチェッカーの中には、先端にミツバチなどがデザインされていて、水分量をLEDライトの色や点滅スピードで知らせてくれる商品もあります。
また、鳥の形になっていて、土が乾燥すると笛が鳴るものもありますよ。

観葉植物の葉をよく見る

観葉植物の葉をよく見る
土だけではなく、観葉植物の葉を観察すると水やりのタイミングを知ることができます。以下のような状態になっていたら、すぐに水をあげましょう。

水切れのサイン

  • 葉にハリがない
  • 葉の色艶が悪い
  • 下を向いている葉がある
  • 葉先が内側にカーブしているものがある

元気なときとの差に気づけるかどうかがポイントです。普段から株の様子をよく見て、育ててくださいね。

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1回に与える水の量

1回に与える水の量
観葉植物の水やりは、土が乾いたときに鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと与えるのが基本です。一度にたくさんの水をあげることで、土の中の二酸化炭素が押し出され、新鮮な空気を取り込むことができます。根が呼吸できるようにするためにも水の量は大事なポイントです

量は変えずに頻度で調節する
季節に関わらず、1回に与える水の量は同じにしてください。
生長スピードが遅い休眠期だからと少量しか水を与えないと、上記の点に加え、土の中に水が行き渡らないため十分な水を根が吸収できません。
水やりの頻度だけを変えるようにしましょう。

また、受け皿に溜まった水はその都度捨ててください。そのままにしておくと、鉢の中の湿度が高い状態が続いてしまいます。加えて、害虫や菌が発生することもあるので、注意しましょう。

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水やりの時間帯

水やりの時間帯
エアコンを使用するなどして一年中快適な温度を保っている場合を除き、観葉植物の負担にならないよう、水やりの時間は季節によって変える必要があります。比較的気候が穏やかな春と秋は、午前中に水やりをしましょう。一方、夏は気温が上がっているときに水やりをすると、土の中の水の温度が上がり、蒸れてしまうかもしれません。日中は避け、午前9時頃までか日没以降にあげるようにしてください。

放置していた水は避けて
夏の間、容器に入れたまま庭やベランダに置きっぱなしにしていた水は、温度が高くなっていることがあります。
根にダメージを与えるので、使わないようにしましょう。

また、観葉植物は冬が苦手です。気温が低い時間帯に水やりをしたり、冷たい水を与えたりすると、根を弱らせてしまいます。水の温度は15〜20℃を目安にして、日中の暖かい時間帯に水やりをしてください。

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葉水も有効

葉水も有効
葉水とは、葉に霧吹きで水を噴霧することです。通常の水やりに加えて葉水を行うことで、植物にとってよりよい環境を整えることができます

空気が乾燥していると、葉にある気孔から水分が蒸発します。ですが、葉水を定期的に行うと観葉植物の周囲に適度な湿度が保たれるため、乾燥によって観葉植物が枯れることを防げるのです。

また、葉についた埃やゴミを洗い流すこともできます。美観を保てるのもメリットですが、葉がきれいだと光合成をしっかりと行えるので、生長の促進にもなります。さらに、ハダニやカイガラムシといった葉につく害虫予防にもつながります。

葉面洗浄剤
観葉植物の葉の表面の汚れを取り、埃もつきにくくなる商品が販売されています。
植物の種類によっては使用できない場合もありますが、興味のある方は検討なさってみてはいかがでしょう。

葉水のやり方

葉水のやり方
基本的には毎日1回行ってください。乾燥しがちな場所であれば、朝と夕方の2回した方がいい場合もあります。置き場所や株の状態に合わせて頻度は調節してください。

葉水をするときは、霧吹きを使って葉の表と裏に水を吹きかけましょう。裏側にはかけにくいですが、小さい鉢なら持ち上げて、下からかけると作業しやすいです。大きな株の場合は、1枚ずつめくりながら丁寧に行ってください。葉の表にかけるときは、株から少し離して空間に数回シュッと噴霧し、満遍なく全ての葉に行き渡るようにしてください。特に乾燥が気になるときは、葉だけでなく茎や枝にも吹きかけることをおすすめします。

霧吹き選び
毎日のことなので、霧吹きは使い勝手のいいものを選びましょう。
トリガー部分が硬いと、指が疲れたり、狙ったところに噴霧しにくかったりします。
おしゃれなデザインのものや、1回で長い時間水が出る商品もあるので、お好みのものを探してみてください。

葉水の注意点

葉水の注意点
水の中のカルキなどのミネラル成分によって、葉に白い跡が残ることがあります。放置してしまうと取れにくくなるので、気づいたときに濡れたタオルなどで拭き取るようにしましょう。また、かける水の量が多すぎると、葉につく水垢が多くなったり、水が滴って床に落ちることがあります。適量を心がけてください。

観葉植物の生育期である4〜10月は、水に液体肥料を混ぜて葉水をすると生長が促進されます。ただ、分量が多すぎると逆に株にとって負担になるので、説明書に書かれている指示に従って希釈しましょう。なお、肥料を含んだ水が床に落ちてしまった際はすぐに拭き取ってください。

外に出してジョウロを使う
日光が好きな観葉植物であれば、たまにはベランダや庭に出してジョウロでたっぷり葉に水をかけるのもおすすめです。
ただし、暗い室内からいきなり明るい外に出したり、直射日光に当てたりすると、短時間でも葉焼けを起こす可能性があります。
段階的に室内の明るい場所に移してから外に出したり、強い日差しは避けて日陰で行うなどしましょう。

それではここからは、一般的な観葉植物とは水やりの仕方が異なる多肉植物とエアプランツの水やりについてお伝えします。

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多肉植物の水やりの仕方

多肉植物の水やりの仕方
多肉植物は葉などに水分を蓄えています。ですから、一般的な観葉植物と同じペースで水を与えていると、水分が多すぎて株を弱らせてしまいます。多肉植物の場合は乾燥気味に育て、葉にシワが出てきたら鉢底から溢れるくらいにたっぷりと水やりをするのを基本にしましょう

多肉植物には3つの生育型があります。よく生長する生育期と休眠期では、水やりの頻度を変えて育ててください。

生育型別水やりの頻度

  • 春秋型…春と秋は頻繁に。夏は月に3〜4回、冬は月に1回、または、断水しましょう。
  • 夏型…夏は週に1〜2回、春と秋は土の表面が完全に乾いてから3〜4日後に。冬は断水してください。
  • 冬型…秋と春は頻繁に、冬は月に3〜4回を目安にしてください。夏は月に2〜3回にしましょう。

多肉植物の葉水の仕方

多肉植物の葉水の仕方
乾燥が気になる時期には葉水で水分を補いましょう。特に、エアコンを使う時期は部屋の中が乾燥しがち。葉にハリがないときに葉水を行うと元気になることがあります。逆に、湿度の高い梅雨の間は控えましょう。

梅雨が過ぎて夏に葉水を行うときは、朝や夕方にしてください。気温が高い日中だと、葉に残った水が熱を帯びて、葉が変色することがあります。葉水のあとは、多肉植物を風通しのいい場所に置いて乾かしましょう。水の量があまりに多いと乾燥するのに時間がかかってしまうので、株全体が適度に湿る程度になるよう、噴霧する際に調節してください。

室温を考慮して
5℃を下回るような場所では葉水は行わないようにしましょう。
葉に残った水で一層温度が下がり、株にダメージを与えることがあります。

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エアプランツにはミスティング

エアプランツにはミスティング
エアプランツは、水分を吸収する器官「トリコーム」が表面をびっしりと覆っている「銀葉種」と、トリコームの数が少ない「緑葉種」に分かれます。銀葉種は乾燥に強く湿度に弱い特徴を持っています。一方、緑葉種は乾燥に弱いため、銀葉種よりも頻繁に水を与える必要があります。

エアプランツは土に根を張っているわけではないため、一般的な水やりとは異なり、霧吹きを使ったミスティングで水分を与えます。株の状態に合わせて、週に2回程度行いましょう。株全体に行き渡るように水をかけたら、蒸れないように風通しのいいところで乾かしてください。なお、昼間は気孔が閉じているため、夕方以降に行いましょう

乾燥しているときにはソーキング

乾燥しているときにはソーキング
通常はミスティングだけで事足りますが、ひどく乾燥しているときにはソーキングを行いましょう。やり方は、器に水を張り、エアプランツ全体を水につけます。4〜6時間を目安にしてください。株の根元に水が残ると、蒸れて株が弱ることがあります。水から上げたら逆さまにして振り、水分を飛ばしておきましょう。その後、風通しのいい場所に置いて乾燥させます。

ソーキングした方がいいとき

  • 株が全体的にカサカサしている
  • 乾燥して葉先がカールしている
  • 長期間留守にしていてミスティングができなかった

水の中に液体肥料を混ぜるのも効果的です。分量を守って使用しましょう。また、水温が極端に高かったり低かったりすると株に負荷がかかります。常温の水を使用することをおすすめします。

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長期間留守をするときの水やり

長期間留守をするときの水やり
出張や旅行などで家を空けるとき、水切れにならないか気になりますよね。植物の種類や環境によって差はありますが、一般的に数日であれば、あまり問題ないとされています。

1週間程度になる場合は、出かける直前にたっぷり水やりをしておきましょう。なお、夏の室内は高温になるので、風通しのいい日陰に移動させておいてください。

10日を超える場合は、誰かに水やりをお願いした方がいいでしょう。あるいは、園芸品店などで販売されている給水グッズを使用することをおすすめします。なお、休眠期であれば、2週間程度空いても問題ないでしょう。

自動で水やり
水の量や水やりの間隔を設定できる自動水やり機が販売されています。
一度に複数の鉢に吸水することが可能なものもありますよ。
長期で留守にするときには利用を検討してみるのもいいかもしれません。

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観葉植物の根腐れの対処法

観葉植物の根腐れの対処法
水やりをしたときに土に水が染み込みにくい場合や、数日経っても土がなかなか乾かないときには、根腐れしているかもしれません。そのまま放置していると症状が進み、根から茎、葉へと菌が広がってしまうことに。すると、茎がぶよぶよしたり、葉が黒ずんだり、また、土から異臭がすることもあります。

根腐れを起こしても早期であれば回復が期待できます。できるだけ早く対処して、被害が広がらないようにしましょう。具体的な対処の方法をご紹介します。

準備するもの

  • 根腐れした観葉植物
  • 園芸用ハサミ(消毒済みのもの)
  • スコップ
  • 新しい植木鉢
  • 鉢底石
  • 観葉植物用培養土
  • 根腐れ防止剤

  • STEP. 1

    鉢から観葉植物を抜いて根を乾燥させる

     

    直射日光を避け、風通しのいい場所で根を乾燥させます。

    過度に根が湿っている場合は、新聞紙などでやさしく押さえて水分を取りましょう。

  • STEP. 2

    変色した根を切り取る

     

    黒ずんだ根を消毒済みのハサミで切ります。

    少しでも残っていると菌が再び増殖するので、全て取り去りましょう。

    変色した葉があれば、それも切っておきます。

  • STEP. 3

    新しい土に植える

     

    植木鉢に鉢底石を入れた後、観葉植物用の培養土を加えます。

    あらかじめ、根腐れ防止剤を土に混ぜておきましょう。

    鉢の中央に観葉植物を置いたら土を追加し、株を安定させてください。

  • STEP. 4

    水やりをする

     

    2、3日経ってから水を与えましょう。

  • STEP. 5

    完成

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まとめ

観葉植物には水が必要不可欠。植木鉢の中の土がしっかり乾燥したら、鉢底から水が出るくらいたっぷりの水をあげましょう。どれくらい乾燥しているかを確認するには、植木鉢を持ち上げて重さをチェックしたり、割り箸などを土に挿してみたり、水やりチェッカーを使用したりといった方法があります。また、葉の状態もよく観察しましょう。通常の水やりに加えて、葉水も行ってください。埃などが取れて見た目が美しくなるだけでなく、乾燥や虫の被害を防ぐこともできます。

多肉植物やエアプランツも、季節や個々の植物の状態に合わせて水のやり方を調節してください。また、長期間留守にするときは状況に合わせて対応しましょう。残念ながら根腐れが起きてしまった場合には、回復できるようにできるだけ早期に対処してください。

適切な水やりを行って、日々癒しを与えてくれる観葉植物との暮らしを楽しんでくださいね。

この記事のまとめ

  • 観葉植物には、土がよく乾燥してから水をたっぷり与えるのが基本
  • 葉水も毎日行うと、観葉植物にとってよりよい環境が保てる
  • それぞれの株の状態を観察して、適切なタイミングで水やりをしよう

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