シルクジャスミンの育て方とは?上手に育ててお部屋を癒し空間にしよう!
光沢のあるシルクのような葉っぱで知られるシルクジャスミン。美しい花を咲かせ、豊かな香りがするのも特徴です。上手に育ててお部屋に飾れば、癒しとリラックスをもたらしてくれるインテリアグリーンとして楽しむこともできますよ。
そこで今回は、シルクジャスミンの育て方についてご紹介します。飾り場所や育てる際のポイントなど、基本的なことを中心にお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- シルクジャスミンの育て方について学びたい方
- おすすめのインテリアグリーンを知りたい方
- 育てやすい観葉植物をお部屋に取り入れたい方
目次
シルクジャスミンとは
シルクジャスミンは濃い緑色をしたツヤのある葉っぱが特徴で、夏には爽やかな香りがする白い花を咲かせ、秋には赤い実をつけるなど、一年を通して様々な表情を楽しむことができる観葉植物です。常緑性の植物で、主に東南アジアや中国、台湾、沖縄諸島などの熱帯地域や亜熱帯地域に自生しています。比較的育てやすく、お部屋に飾る観葉植物としても人気ですが、枝をよく伸ばし生長するため、庭木や生垣としても植えられている植物です。
日本では別名「月橘(ゲッキツ)」とも呼ばれており、花が月夜に甘い柑橘系の香りを漂わせることがゲッキツと呼ばれる由来とされています。最近では、花屋さんだけでなく100円ショップなどでも苗が販売されていますので、わりと身近な存在として育てることのできる植物といえるでしょう。
シルクジャスミンの花言葉は?
シルクジャスミンの日本での花言葉は、「純粋な心」。真っ白な花が集まって咲く姿にちなんでつけられたそうです。また、海外では「穏やか」という花言葉がつけられています。どちらにしても、ポジティブな意味合いの強い花言葉を持っていることから、シルクジャスミンは大切な人に贈る花としてもおすすめですよ。
目でも香りでも楽しむことができる素敵なプレゼントになりますよ。
ジャスミンの風水的意味・効果は?
風水では、シルクジャスミンは「恋愛運」に効果的といわれています。特に、東や東南の方角に置くと効果的だとされています。また、幹や葉っぱが上向きにつくことから、「陽の気」を帯びて、元気を与えてくれることが期待できるでしょう。気分が落ち込んでいる時や何か悩みを抱えている時には、お部屋にシルクジャスミンを飾ってみるといいかもしれませんね。
- 矮性ゲッキツ・・・シルクジャスミンの中でも小型のものを選んで品種改良をした品種
- オオバゲッキツ・・・別名「カレーリーフ」とも呼ばれ、葉っぱからスパイシーな香りがするのが特徴
- ムルレイヤ パニクラタ オンファロカルパ・・・シルクジャスミンの変種で、台湾の一部地域にのみ自生する
シルクジャスミンの育て方
シルクジャスミンは管理が難しい植物ではないため、観葉植物初心者の方でも安心して育てることができますよ。飾り場所や水やりの頻度などの基本的なポイントを抑えながら育ててみましょう。ここからは、シルクジャスミンを育てる上での基本情報や注意したいことをお伝えしていきます。ぜひ、シルクジャスミンをお世話する際に役立ててくださいね。
飾り場所
シルクジャスミンは日当たりのよい環境を好むため、できるだけ太陽の光が届く場所に飾るようにしましょう。ただし、日差しの強くなる夏場は、直射日光に当たり続けると葉焼けを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
また、シルクジャスミンは耐陰性のある植物ですが、あまり暗い室内では生育が悪くなり葉っぱが落ちてしまいます。お庭などの屋外で育てる場合はもちろん室内で育てる場合も、夏を除いては太陽の光が当たる場所で育てるようにしましょう。
紫外線の量が変化してしまい、シルクジャスミンの生育にとってあまりよくありません。なるべく一つの場所を定位置にして育てるようにしましょう。
温度
シルクジャスミンは、もともと温暖な気候を好む植物です。耐陰性はありますが、基本的には5℃以上をキープできる環境で育てることを心がけましょう。本来は東南アジアなどの温暖な地域に自生している植物のため、5℃以下の環境になると、落葉してしまうなどの影響が出てきます。
普段屋外で育てる場合も、秋冬は霜や低温から守るために室内で育てるようにしましょう。適切な温度環境を守ることで、健康的に成長し、美しい花と豊かな香りを楽しむことができますよ。
冬の窓際は、冷え込んで気温も下がっています。冬場は暖かい場所に飾るようにしてください。
ただし、暖房の風が直接当たると乾燥の原因にもなるため、その点にも注意が必要です。
水やり
シルクジャスミンは春夏が生育期です。春夏の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、たっぷりと水を与えるようにしましょう。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になってしまいます。水を与えた後は、受け皿に溜まった水を捨てることを忘れないようにしましょう。
秋冬は生長が止まり、休眠期となります。秋頃からは、土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりの回数を減らしていきましょう。冬は、土の表面が乾いてから2~3日後に水やりを行う程度でOKです。乾燥気味に育てることで、根腐れ予防にもなります。ただし、秋冬は水を控えることで乾燥しやすくなるため注意が必要。霧吹きを使ってこまめに葉水を行ない、葉っぱの乾燥を防ぐのも忘れないようにしてくださいね。
- 春夏(生育期)・・・土の表面が乾いたらたっぷり水を与える
- 秋冬(休眠期)・・・土の表面が乾いてから2〜3日後を目安に水を与える
肥料
シルクジャスミンに肥料を与える際には、植え替えの時期に長期間かけてゆっくりと効く「緩効性肥料」を与えるのがおすすめです。緩効性肥料は、基本的には土に混ぜ込んでおくだけでOK。他に余分な作業は必要ないので、ガーデニング初心者の方や植物を育てるのに自信がないという方でも簡単にできますよ。
土に肥料を混ぜ込んでいない場合には、置き肥や液肥を与える方法もあります。置き肥の場合は、生育期となる5月頃から秋前の時期を目安に、2ヶ月に一度のペースで与えましょう。液肥を与える場合には、水に薄めたものを2週間に一度のペースで与えます。
液肥は効きが早い分、与える間隔も短くなります。日頃のお手入れとしての負担が大きくなってしまうという方は、はじめにお伝えした植え替えのタイミングで土に肥料を混ぜて与える方法が最適かもしれませんね。また、冬場は生長が止まる時期となるため、肥料は与えないようにしましょう。
かえって根っこを傷めてしまう原因にもなります。
剪定や植え替えは必要?
シルクジャスミンが生長して、枝が伸びすぎていたり、株が大きくなってきたりしたら、剪定や植え替えをしてあげましょう。剪定を行うことで、健康で美しい状態のシルクジャスミンを長く楽しむことができますよ。上手に選定や植え替えを行うためのポイントと、増やし方について見ていきましょう。
剪定のポイント
シルクジャスミンの剪定に最適な時期は、5~8月の生育期の頃です。気温が下がる冬場は、せっかく出てきた新芽が寒さなどで枯れてしまう場合もあるので剪定を行うのは避けましょう。生育期の期間であれば、どの場所を剪定しても切り口下の節目から新芽が出てきてくれますよ。
傷んでしまった葉っぱや伸びすぎてしまった枝葉は、しっかりとカットしておきましょう。細かい枝葉や葉っぱも剪定してあげてくださいね。あまりにスッキリした状態を見ると、剪定しすぎてしまったかも…と心配になるかもしれません。ですが、シルクジャスミンは生育旺盛な植物なため、生育期にしっかりと枝葉が伸びてくれます。萌芽力も強い植物なので、思い切って短く剪定してみましょう。
植え替えのポイント
鉢植えでシルクジャスミンを育てる場合には、2~3年に一度、植え替えをしてあげましょう。鉢の中が根っこでいっぱいになっているようであれば、植え替えが必要なサインとなります。
シルクジャスミンの植え替えのタイミングは、剪定の時期と同じく生育期の期間。ただし、真夏の暑い時期は植物に負担がかかりやすくなるため、緊急性を要する場合以外は避けるようにしましょう。また、冬場は成長が止まっているため、同じく植え替えは控えてください。植え替えを行っても、根がうまく活着しなかったり、体力を消耗してシルクジャスミンが枯れてしまう恐れがあります。
上手な植え替えのポイントは、古い土を1/3くらい落として、根鉢をあまり崩さないようにすること。植え替え後は、たっぷりと水を与えてあげましょう。
遅くとも9月初旬には終わらせておくようにしましょう。
- 根詰まりの防止
- 腐ってしまった根っこや古い根っこを除去するため
- 土の栄養分の改善
- 土の中にある老廃物や有害な微生物を除去するため
増やしたい時には?
剪定や植え替えを行うだけでなく、育てているシルクジャスミンを増やすことも可能です。生育期である5~8月頃に「挿し木」を行うのがおすすめですよ。剪定した枝を使うとより効率的です。増やすのは難しいようにも感じられますが、挿し木の手順は意外とシンプル。基本的な手順を見ていきましょう。
挿し木の手順
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STEP. 1
枝を10~15cm切り取る
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STEP. 2
枝先の葉を1/3ほど残し、他の葉っぱは切り落とす
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STEP. 3
育苗ポットに湿らせた赤玉土を入れ、枝を挿す
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STEP. 4
1~2ヶ月で発根し、新芽が生えてくるのを待つ
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STEP. 5
新芽が生えてきたら、鉢や地面に植え替える
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STEP. 6
完了
注意したい病気やトラブル
シルクジャスミンを育てる際に注意しておきたい病気やトラブルについてもお伝えしておきましょう。万が一病気を発症してしまった際にも、対処法などをわかっていると安心ですよ。
特にシルクジャスミンなどの観葉植物で起きやすいトラブルは「根腐れ」や「根詰まり」です。早めの対応が予防につながりますので、定期的に鉢や根っこの状態を確認してあげるようにしましょう。また、病害虫も観葉植物にとっては天敵となります。日頃からこまめに植物の状態を観察しておき、植物の変化に気づけるようにしておきましょう。
根腐れや根詰まりをはじめ、よく起こりやすいトラブルと対処法について詳しく見ていきましょう。
根腐れ
シルクジャスミンに水を与えても土がなかなか乾かず、1週間以上湿った状態が続いていたら、根腐れを起こしている可能性があります。根腐れを発症していると、水を与えてもうまく吸い上げることができなくなるなど、生育のうえでも不具合が出てくるため早めの対処が必要です。
根腐れが起きてしまった際には、まずは土の環境を変えてあげることが大切です。鉢から植物を抜いて、土を交換しましょう。土の環境を一度リセットさせることで、根腐れの再発予防や水はけをよくしてくれる効果が期待できます。
土を替えたら水を少量与え、風通しがよく明るい場所で1週間ほど様子を見てみましょう。また、傷んでいる根っこや葉っぱは取り除いてあげることも大切です。一部のみで根腐れを起こしているようであれば、元気な部分を切り取り、挿し木にして発芽させて回復させることもできますよ。
シルクジャスミンに下記のような症状が見られたら、根腐れを起こしている可能性があります。異変がないか観察してみましょう。
- 水やり後1週間以上経っても土が湿っている(雨天時除く)
- 水を与えても元気がない
- 幹がブヨブヨとして柔らかく
- 葉っぱがよく落ちる(落葉)
- 葉っぱの色が変色する
- 土にカビが生えている
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根っこがいっぱいになってしまうことが原因で起きる症状です。特に生育期の時期は、一気に生長し根っこが伸びることで、根詰まりが起こりやすくなります。すぐに枯れてしまう…ということはありませんが、放置しておくのはよくありません。
シルクジャスミンを植えている鉢の底から根っこが出てきたり、鉢にヒビが入ったりしてしまったら、根詰まりを起こしている可能性があります。また、水を与えてもなかなか水が浸透していかない場合も、根詰まりしているかもしれません。根詰まりしているかもと感じたら、現在の鉢より一回りほど大きなサイズの鉢に植え替えてあげましょう。植え替えの時期は、前述のように春から夏頃のタイミングが最も適しています。
- 鉢底から根っこが出てくる
- 鉢にヒビが入る
- 水を与えても、水の吸い上げが悪くなる
- 葉っぱが黄色く変色する
葉焼け
シルクジャスミンは日光を好む植物ではありますが、強い日差しを浴びすぎると「葉焼け」を起こすことがあります。葉っぱが傷んで一部が茶色くなってしまったり、色素が抜けて白くなってしまったりするのが、葉焼けによる症状です。
葉焼けを起こしていることに気づいたら、なるべく早く置き場所を検討しなおしましょう。葉焼けを起こさないためにも、真夏の日差しが強い時期は直射日光に当てるのは避け、室内のカーテン越しの光が当たる場所(明るい日陰)などに移動させましょう。
また、葉焼けを起こしてしまった葉っぱは、残念ながら元に戻ることはありません。変色してしまった部分の葉っぱをカットして、新しく葉っぱが生えてくるのを待ちましょう。葉焼けは、起こしてしまってからでは修復が難しいため注意が必要です。葉焼けが起きないよう、日差しが強い時期は早めに飾り場所の環境を確認するようにしましょう。
病害虫
葉っぱの裏に小さな虫がついていたり、葉っぱに斑点や傷などが見られたりしたら、「ハダニ」が発生している可能性があります。繁殖力が強い害虫のため、見つけたら早めに対処しましょう。そのまま放置しておくと、蜘蛛の巣のような糸を張りながら大量に増殖してしまうこともあります。発見したら、まず傷んでいる葉っぱをカットし、葉っぱの表や裏、付け根部分などを水で洗浄したうえで、殺虫剤などを噴射しておきましょう。
もう一つ気をつけておきたい害虫が「カイガラムシ」で、ジメジメとした埃っぽい場所を好みます。葉っぱ自体が小さいシルクジャスミンは、カイガラムシが発生すると大変です。駆除が難しいだけでなく、ベタベタになってしまった葉っぱをきれいにする作業も必要になります。
まずは、発生しないように日頃から葉水をこまめに行いましょう。カイガラムシを見つけたら、幼虫の場合は殺虫剤を使えば問題ありません。しかし、成虫になると殻が硬くなり殺虫剤があまり効かないため、歯ブラシなどを使って優しくこすり取るようにしましょう。
普段からこまめに葉水を行い、シルクジャスミンの葉っぱなどの様子をしっかりと確認しておきましょう。
病害虫は葉っぱの裏側に発生することが多いため、葉水は葉っぱの表側、裏側にどちらにも行うようにしてください。
まとめ
今回は、シルクジャスミンの育て方について詳しくお伝えしました。シルクジャスミンは、花屋さんなどで気軽に入手することができ、比較的育てやすい観葉植物です。また、艶のある緑の葉っぱだけでなく、夏には白い花や香りを、秋冬には赤い実をつけるなど、1年を通して様々な表情を見せてくれるのも魅力。
強い日差しや低温、病害虫などに注意しながら育てれば、健康な状態を維持して長く楽しむことができます。シルクジャスミンの上手な育て方をおさえながら、お部屋に癒しを与えてくれるインテリアグリーンとして大切に育てていきましょう。
- シルクジャスミンは日当たりの良い環境を好む植物だが、夏の日差しは強すぎるため葉焼けを起こしやすくなる。真夏は室内の柔らかな光で育てよう
- 生育期の時期に剪定や植え替えを行うことで、健康で美しい状態のシルクジャスミンを長い期間楽しむことができる
- ハダニやカイガラムシなどの病害虫を防ぐためにも、水やり以外にこまめな葉水を行うことが大切。発生すると駆除が大変なため、日頃のお世話や観察が大切