おしゃれな観葉植物のある暮らし!パキラの育て方をご紹介
部屋の中に緑があると気持ちが安らぎますね。観葉植物をインテリアに取り入れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。卓上に飾る小さなものから大きな鉢植えまで観葉植物にはたくさんの種類がありますが、どの品種を選ぶかも大事なポイント。できればあまり手がかからず、元気に育ってくれるものがいいですね。
そこで今回は、初心者の方にも育てやすい「パキラ」についてお伝えします。基本的な育て方や元気に生長させるポイントをご紹介しますので、観葉植物選びの参考になさってください。
- 観葉植物に興味がある方
- どの観葉植物がいいか迷っている方
- パキラの詳しい育て方を知りたい方
目次
観葉植物の中でも人気のパキラ
パキラは、明るい緑色で光沢のある瑞々しい葉を持つ常緑の観葉植物です。きれいに葉脈が入ったボート形の5〜7枚の葉が中央から広がっています。ひとつの植木鉢に1株が植えられているもののほか、複数の幹が伸びているものもあり、インテリアグリーンとして高い人気を誇っています。
パキラは乾燥や病害虫に比較的強く、また日があまり当たらないところでも育つほど生命力が強い植物。このことから「快活」という花言葉がつけられました。そしてもうひとつ「勝利」という意味も持っています。これは、ある村人がパキラを育てて貧困に打ち勝ち、財を成したことに由来しているといわれています。
「Money Tree(発財樹)」という別名もあるくらいで、特に仕事運や金運アップにいいそうですよ。
気の入口といわれる玄関に置くと、プラスの運気を集めることができるそうです。
パキラの種類
パキラは20種類ほどあるといわれていますが、日本でよく見られるのはパキラ・グラブラという品種です。グラブラよりも葉が丸みを帯びているパキラ・アクアティカも一部流通しています。また葉に白い斑模様が入っているものはミルキーウェイと呼ばれています。
メキシコなどの亜熱帯で自生しているパキラは、10mを超える高さまで生長します。一方、日本で観葉植物として販売されているものは1m前後のものが多いようです。中には約10㎝のミニサイズもありますよ。
形は独特で、細く長いたくさんの雄しべが伸び、それを支えるように外側にカーブした花びらがついています。
日本で一般的に販売されているのは挿し木で増やしたもののため、残念ながら年月が経っても花は咲かないことが多いようです。
商品はバラエティ豊か
パキラは贈答用に使われることも多いため、素敵なデザインの鉢が使われている商品もあります。高級感のある陶器製のものやカラフルな植木鉢、またナチュラル素材のバスケットや帆布のように見えるおしゃれな鉢カバーなどが使われているものも。同じ植物でも鉢や鉢カバーによって雰囲気がガラッと変わるので、選ぶのも楽しそうですね。
土がないので害虫が発生する心配がほとんどなく、匂いもありません。
パキラは背の高さや枝の曲がり具合、葉の数など、個体差が大きいです。また茎が膨らんでいるタイプもあれば、数本が絡まって三つ編みのようになっているものもありますね。デザインにこだわりたい方は、実物を見て購入できる生花店やDIYショップなどでの購入がおすすめ。一方、ネットショップでは生産者から直接購入できるケースもあります。状態のいい株を割安で手に入れられるかもしれませんね。
また、100円ショップでも小さなサイズの株が販売されています。小さい鉢のままだと根詰まりするかもしれないので、早めに少し大きな植木鉢に植え替えると、生長が期待できますよ。
編み込みパキラを作ってみよう
茎の部分が編み込まれているパキラは「編み込みパキラ」や「ねじりパキラ」という名前で販売されており、幹が1本だけのシンプルなものよりも高価な場合が多いです。一体どうやってあの形になったのか疑問に思ったことはありませんか?実は、園芸のプロでなくても意外と簡単に作れるんです。
編み込みパキラを作るのは、生育期である5〜7月が適しています。それ以外の時期だと株の体力が弱まっているため、うまく育たないかもしれません。パキラは若くて幹が柔らかい樹高30㎝ほどのものを準備しましょう。剪定で切り取ったものや、挿し木をして根が生えたものも使えます。
編み込みパキラの作り方
- 30㎝ほどのパキラ3本
- 植木鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
- 清潔なハサミ
- 紐または結束バンド
-
STEP. 1
寄せ植えする
植木鉢に鉢底ネットと鉢底石、観葉植物用の土を入れ、10〜15㎝ほど間隔を空けて3本のパキラを植木鉢に植えてください。
三角形になるように配置しましょう。 -
STEP. 2
三つ編みをする
きつく編むと生長したときに折れやすくなるので、緩く編み込みます。
生長するにつれて幹が太くなって隙間は埋まってくるので、最初はスカスカでも構いません。
下の方の葉が多いと蒸れる原因にもなるので、ハサミで切り落としておきましょう。 -
STEP. 3
上部を縛る
編み終わりの部分を紐か結束バンドで外れない程度に緩く縛っておきましょう。
必要であれば支柱を立てて固定してください。 -
STEP. 4
完成
パキラの育て方
パキラは観葉植物の中でも比較的簡単に栽培できます。頻繁に水やりをする必要がないので、留守がちな方にも無理なく育てられるでしょう。また生長のスピードが早いため、樹形の変化も楽しめます。生育しやすい環境を整えて、元気な株を長く育てられるといいですね。
ここからは、パキラの基本的な育て方をご紹介します。鉢を置く場所や水やり・追肥の仕方、また剪定をして形を整える方法もお伝えしますので、パキラを育てることをイメージしながらお読みくださいね。
育てる場所
パキラは風通しと日当たりのいい環境を好みます。ですが、直射日光は強過ぎるため、明るい窓際やレースのカーテン越しの柔らかい光が当たる場所を選びましょう。耐陰性もあるので、明るい室内であれば問題なく育ちます。
なお、西日は避けた方がいいので、日光浴をさせる場所には注意してください。
また、春や夏には庭やベランダなど屋外でも育てられますが、パキラは寒さに弱い植物です。10℃以上をキープする必要があるため、秋には室内へ移動させましょう。冬は冷気が入り込む窓際から離し、明るく、且つエアコンの風が直接当たらない場所で育ててください。
水やり
パキラの生育期は春と夏。この時期はよく水を吸収するので土が乾くのが早いです。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底からあふれるくらいにたっぷりと水を与えましょう。一方、秋や冬は土の表面が乾いてから2、3日待って水やりを。気温が下がる夕方以降に水を与えると根の状態が悪くなることがあるので、午前中か午後の早い時間にしましょう。
水分が蒸発せずにジメジメした状態が続くと、株が弱ってしまいます。風通しがいい場所を確保できない場合は、扇風機やサーキュレーターを使うなどして、空気を循環させましょう。
そんなときは葉の状態をよく観察しましょう。
少ししおれてきたかなと感じたら水をあげてください。
肥料
パキラは肥料がなくても育ちますが、大きくしたい場合は4〜10月に観葉植物用の肥料を与えましょう。固形タイプか液体タイプのどちらか使いやすい方を選んでください。
緩効性の固形タイプの置き肥を使用する場合は、2か月に1回土の上に置きましょう。水やりのたびに少しずつ溶け出し、効果が長い期間持続します。一方、液肥は即効性がある液体の肥料で、水で薄めて使用します。2週間に1回くらいのペースで与えてください。なお、商品によって使用頻度に多少の差があります。それぞれの説明書に従ってくださいね。
活力剤単独ではなく、肥料を使用したけれども効果が感じられないときに加えてください。
剪定
枝葉が伸びたまま剪定をしないでおくと、通気性が悪くなって株が蒸れたり、病害虫が発生しやすくなったりします。パキラは5〜7月が剪定に向いている時期。株に元気があるので、カットしてもすぐに芽が出てきます。
切る際には成長点を意識しましょう。成長点は幹や枝の少し膨らんだところにあります。横長に入っている茶色い傷のように見えるところよりも2㎝ほど上でカットすると、その膨らんだところから新芽が出てきます。またそれ以上枝葉を伸ばしたくない箇所は、成長点ぎりぎりのところで切りましょう。新芽が出にくくなり、株の形が整うことにもつながります。
ただ、幹の部分を切るような大きな剪定はパキラにとって負担となるので、5月になるまで待ちましょう。
パキラが枯れる原因
普段どおりに育てていたのに株が弱ってしまった、ということがあるかもしれません。葉の色や幹の状態などを日頃から観察しておくと、小さな変化に気づけます。早く対処すれば手間もあまりかからず、元の状態に戻せますよ。
購入時には茎が太くてしっかりしているか、葉が瑞々しくてハリがあるか、色は薄くないかを確認しておきましょう。
さらに新芽が出ていれば理想的です。
ここからは、パキラに起こりやすい不調をご紹介します。ほかの種類の観葉植物にも応用できるので、参考になさってください。
根詰まり
パキラの生長にともない、根もぐんぐん伸びます。そのままにしておくと、やがて鉢の中が根でいっぱいになってしまうことに。すると新しい根が伸ばせなくなり、古い根ばかりでは水分や養分を十分に吸い上げられなくなるため、葉や茎がシワシワになって、やがて枯れてしまうのです。
根が植木鉢の底から出てきてしまったら、植え替えのサイン。ひとまわり大きくて新しい土の入った鉢に移すことで、根詰まりは解消できるでしょう。また1〜2年に1回のペースで生育期の5〜9月に植え替えるようにすると、根詰まりを起こさず、いい状態を保てますよ。数日水やりを控えて、乾燥している状態で行ってください。
植え替えの仕方
- ひとまわり大きな植木鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
- 清潔なハサミ
- シャベル
-
STEP. 1
新しい植木鉢に土を入れて準備する
植木鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れたら、観葉植物用の土を植木鉢の下から1/3くらいまで入れます。
-
STEP. 2
元の植木鉢からパキラを取り出し、古い土と根を落とす
植木鉢からそっとパキラを出したら、株のまわりについている土の1/3程度をやさしくほぐして落としましょう。
その際、黒くなっている根があれば、ハサミで切り落としてください。 -
STEP. 3
新しい植木鉢にパキラを移して、水やりをする
新しい植木鉢の中心にくるようにパキラを置き、土を足します。
植木鉢の縁から2〜3㎝下あたりまで隙間なく土を入れたら、たっぷり水を与えましょう。 -
STEP. 4
完成
栄養分などを吸い上げる力が弱くなっているので、植え替えのときに取り除きましょう。
白い新しい根が伸びるスペースを確保することにもつながります。
極端に長い根も切り落としておくと、樹形が整いますよ。
根腐れ
水やりをしすぎたり水はけが悪い土で育てていると、根が腐ってしまいます。すると水分や養分を根から吸い上げることができなくなるため株全体が弱り、葉が落ちたり、幹の下の方が柔らかくなったり、腐敗臭がしたりします。また土がなかなか乾かないため、表面にカビが生えることもあります。
腐敗臭がしても、まだ葉が元気なうちは、土を乾燥させて日が当たる場所に移動させることで対処できます。ですが、水を与えているにもかかわらず葉が萎れてきた場合は、すぐに植え替える必要があります。寒い時期に行う場合は、パキラに負担にならないよう、室温を25℃程度に保ってください。
通常の植え替えと同様に、新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石、新しい土を入れたら、パキラを元の植木鉢から抜きます。悪くなって黒ずんでしまった根は全て取り除き、元気な部分だけを新しい土に植え直してください。このとき、カットした根の量に合わせて葉も減らすと、生育しやすくなります。その後10日〜2週間ほど経って新芽が生えてきたら、無事に育っている証拠です。
触ってみて固く、切り口が白ければ、引き続き育てられる可能性があります。
切り口を1〜2時間水につけたあと、清潔な土に挿してください。
順調に進めば、1ヶ月ほどで発根するでしょう。
水枯れ
パキラは頻繁に水やりをしなくても育ちますが、あまりに水が不足すると水枯れを起こします。症状としては葉にシワが寄り、下を向いてきます。さらに悪化すると葉が茶色くなり、落ちることもあります。
水枯れになったら、すぐに水をたっぷりあげましょう。土が乾燥しすぎて水が浸透しない場合は、バケツに張った水の中に植木鉢をしばらくつけておくと、しっかり吸水できます。心配な場合は、土に割り箸を挿してみてください。抜いて見ると、土の中のどこまで湿っているか確認できます。
そのままにしていると、害虫が発生する原因になります。
日照不足
日照不足になると茎が細く伸び、葉の色は薄くなって弱々しい姿になってしまいます。このように徒長してしまうと、すぐにでも日当たりのいい場所に移してあげたくなりますが、急に強い日光が当たる場所に置くと葉焼けを起こしてしまいます。
変色した部分は光合成ができなくなり、残念ながら回復することはありません。
清潔なハサミで葉焼けを起こした部分を切り取ったら、その後はカーテンで遮光するなどして、光量を調節して育ててください。
急激な変化はパキラにとって負担になるので、数日かけて部屋の中の明るい方へ少しずつずらして行って、環境に慣れさせながら十分な日が当たる場所へ移動させましょう。また徒長がひどいようであれば、成長点を残して剪定してください。切り取った茎は挿し木することも可能です。
害虫
パキラにつく虫として挙げられるのは、ハダニ、コナカイガラムシ、アブラムシ、コバエ、アリなどです。また害虫の排泄物などを栄養とするカビが広がり、すす病を引き起こすこともあります。
害虫を見つけたら、すぐにウェットティッシュで拭き取りましょう。またパキラを鉢ごとすっぽり水に沈める方法も有効です。しばらく放置すると、虫が水の表面に浮かんでくるので、掬い取って捨ててください。害虫が発生しないようにするためには、ジメジメした環境に置かないことが大事です。日当たりや風通し、水やりの仕方などを見直し、乾燥気味に育てるようにしましょう。
できれば毎日、表だけでなく葉の裏面にもしっかりかけて、瑞々しい状態を保ちましょう。
まとめ
パキラは樹形が美しく、また比較的育てやすいことから人気がある観葉植物です。サイズや枝ぶりのバラエティも豊かで、選択肢が多いのも魅力的ですね。生長していく姿を見るのも楽しそうです。
パキラは日当たりと風通しのいい場所に置き、乾燥気味に育てましょう。水やりの回数は少なくて済むので、留守がちな方にもおすすめです。1〜2年に1回を目安に植え替えをすると、根詰まりせず順調に育てられるでしょう。もし水枯れや根腐れ、害虫といった問題が起きても、丈夫な品種なので早めに対処すれば回復が十分期待できます。お好みの株を選んで、緑のある暮らしを楽しんでくださいね。
- パキラは縁起のいい観葉植物で、贈答品としてもよく選ばれている
- 日当たりと風通しのいい場所で乾燥気味に育てると、よく生長する
- 比較的育てやすいパキラを暮らしに取り入れて、観葉植物のある生活を楽しもう