贈る相手を意識して。大切な人に贈る花束の選び方
記事の監修
普段お世話になっている方や遠くに住んでいて頻繁に会うことができない友人、大切な家族など、あなたの周りにいる大切な人々。そんな人たちに、感謝の気持ちをこめて何かプレゼントを贈りたいなと思った時におすすめなのが「花束」です。花束は定番のフラワーギフトですが、選び方がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、花束を選ぶ際のポイントについてじっくりとご紹介していきます。花束をオーダーする際の金額の目安や、花束を贈る上でのタブーなど、知っておいて損のない内容です。相手のことを思いながら行う花選びの時間を、ぜひ楽しんでみてくださいね。
- シーンに合わせた花束の選び方を知りたい方
- 贈る相手に負担にならない花束選びをしたい方
- 花束を選ぶ上での基本的なポイントやタブーを知っておきたい方
目次
花束選びの基本
贈り物として花束を選ぶとき、どんなことを意識して花束を選びますか?なんのイメージも持たずにプレゼントを選ぶのは難しいですよね。相手のことを想いながら、「どんなものなら喜ぶかな?」「どんなものが似合うかな?」と想像しながら選ぶようにするといいでしょう。花束を選ぶ際も同様に、大まかなイメージの枠組みがあると選びやすくなりますよ。
また、相手に合うものを選ぶのはもちろん、予算やTPOに合わせた花束選びも重要です。まずは、花束にはどんな種類があるのか、具体的な金額に合わせた花束のボリュームイメージをご紹介します。参考にしてみてくださいね。
花束にはどんな種類がある?
花束とひとくくりにしていますが、実はいくつかの種類があります。花束の形状によっても雰囲気が異なるので、イメージや予算に合うものを選んでみましょう。花束の種類をいくつかご紹介していきます。
ラウンドブーケ
ラウンドブーケとは、その名の通り丸いフォルムをしたブーケのことをいいます。形自体はシンプルなので、合わせる花の種類によってイメージを変化させることが出来ますよ。ロマンティックやクラシカル、モダンなど贈る方のイメージに合わせて花屋さんに相談してみてくださいね。
小ぶりなフォルムでかさばらないので、食事会や発表会などの席や電車移動がある場合などにぴったりです。予算は1000円〜5000円程で作成可能。リーズナブルな価格帯から作成することができるので、プレゼントと共にラウンドブーケを添えるのもおすすめです。
シンプルなデザインが華やかなドレスを引き立ててくれますよ。また、まるいフォルムが可愛らしさを演出し、どの方向からも花が綺麗に見えるのも特徴です。
ワンサイドブーケ
ワンサイドブーケとは、片側に花が見えるように作られた花束のことをいいます。一般的にみなさんがイメージする花束はこちらになるかと思います。片側部分がラッピングペーパーや透明のフィルムに覆われていて、持ち運びもしやすいタイプになります。切り花の長さがあり、華やかでボリューム感もあり見栄えも良い花束のため、お祝いごとに贈る花としても人気です。
予算は5000円から10000円程で作成可能です。華やかなイベントごとや歓迎会や送別会などのお祝いの席にはワンサイドブーケがおすすめです。
スワッグ
近年人気が急上昇しているのがスワッグです。スワッグとは、束ねた花を逆さにして飾って楽しむもので、インテリアとしても人気の高いアイテムです。飾るだけで部屋の雰囲気も華やかになるのでおすすめですよ。手軽でおしゃれなのも高ポイントですね。
生花を使ったフレッシュスワッグは、風通しの良い場所に飾っておけば自然とドライフラワーになります。長きに渡り花を楽しむことができますね。生花とドライフラワーでは花束の雰囲気が変化していくので、違う表情を味わうことができるのもおすすめのポイントです。また、生花をスワッグにして楽しみたい場合は、ドライフラワーになりやすいお花を選んだ方がより綺麗に楽しめるため、購入時にスワッグにしたいことを伝えるのがおすすめです。
用途に合わせた予算目安
次に、花束の予算についてのお話になります。どのくらいの予算のものをオーダーするのかで、花束のボリューム感が異なってきます。花束を渡すシュチュエーションを考慮しながら、予算を決めていきましょう。予算別での花束イメージをご紹介していくので、参考にしてくださいね。
1000円〜2000円の場合
堅苦しくなく、気軽な気持ちで贈る花束であれば、1000円〜2000円代の花束がおすすめ。他のプレゼントに添えるように一緒に花束も贈れば、相手の嬉しさも倍増します。たとえ花束が大きくなくても、「花をプレゼントされる」ことはとても嬉しい気持ちにさせてくれますよ。
また、子どもが家族やお友達に花をプレゼントしたいという時にも、このくらいの予算がいいでしょう。少額であれば、子供のお小遣いでも花束を購入することができますよね。自分で花を選びながらの花束選びは、子どもながらにとても嬉しいものですよ。
コンパクトサイズのミニブーケは、可愛らしさを演出することもできます。お祝いごとがなくても、日常での感謝の気持ちを花束に表してプレゼントするのも素敵です。何気ない瞬間にも贈ることができます。
3000円〜5000円の場合
お祝い事などに贈る花束であれば、3000円〜5000円代が相場となります。ボリューム感もあり、見た目も華やかな花束となります。この金額の予算であれば、先にご紹介したワンサイドブーケがぴったりです。誕生日や記念日などのお祝いの席にはボリューム感のある花束はとても映えますよ。
また、会社の歓送迎会など大人数で花束を贈る場合や、新居やお見舞いの際に贈る花束もこのくらいの予算の花束がおすすめです。小さすぎず適度なボリューム感を与えてくれるのが3000円〜5000円の予算で作ることができる花束です。
5000円以上の場合
舞台などで渡すお祝いの花束や開業の際に贈る花束は、5000円以上が相場となります。5000円以上の花束になると、手で持つのは大変なくらいの大きな花束になるので、インパクトもあります。大きな舞台上で渡してもボリューム感があり、とても華やかさのある花束になりますよ。
プロポースなどの大切なイベントや記念日の時にも大きな花束はぴったり。何年経っても忘れられないような、嬉しい贈り物になりますね。ただし、5000円以上の予算の花束を贈る場合、持ち運びはかなり大変になります。その点のみ考慮が必要になるので覚えておきましょう。
花束を選ぶ上でのマナー
花束を贈る際には知っておきたいマナーもあります。せっかく花束を贈ったのに、相手を嫌な気持ちにさせてしまっては意味がありません。花束を贈る際の最低限のマナーは知っておきましょう。
特に、お見舞いで贈る花束に関しては細心の注意を払いましょう。病気の時には物事をマイナスに捉えてしまいがちになります。また、年配の方は特に昔からのしきたりや考えを気にする方も多くいらっしゃいます。相手の方の気持ちにも配慮しながら花束選びをしてみてくださいね。花贈りの際のマナーや注意点をご紹介していくので、参考にしてください。
外で花束を渡す際
自宅ではなく外出先で花束を渡す場合には、花束を渡した後のことも考えておく必要があります。たとえば、荷物が多くて花束を持つのが大変になってしまったり、うまく花束を持ち帰ることができずせっかくの花が傷んでしまった…ということも。
そんな時には、花束と一緒に持ち帰り用の紙袋なども準備してくことをおすすめします。持ち手付きの袋があれば、花束を持ち帰るのもそこまで大変ではないですよ。相手にも余計な心配を与えなくて済みます。また、花束のボリュームについても考慮しておきましょう。
大きな花束は華やかですが、電車に乗ったり長距離の移動がある場合には持ち運びが大変になってしまいます。渡す場所も気にかけつつ、予算も含めて花束の大きさも考えておきましょう。
お見舞いに渡す際
お見舞いの際に花を贈る場合には、いくつかのタブーマナーがあることを意識しましょう。最近では、花の持ち込みがNGの病院も増えてきています。まずは入院されている病院が花の持ち込みがOKであるかどうかを確認しておきましょう。
花の持ち込みがOKだった場合、花を選ぶ際にもっとも避けるべきなのは「鉢植え」の花を贈ることです。花や植物が土に根を下ろしている様子は、「根付く」=「寝付く」という言葉を連想させると言われています。病気や入院が長引くことを連想させてしまい、縁起がよくないと言われているので鉢植えを贈ることは避けましょう。
また、赤いお花は「血」を連想させるためよくないとされています。
花はそれぞれに強いメッセージ性を持っています。特に入院されているなど、相手がデリケートになっている時には、より慎重な花選びを心がけましょう。
- 菊・・・葬式の際に用いるため
- シクラメン・・・「死」や「苦」を連想させるため
- アジサイ・・・枯れて朽ち果てる様子が縁起がよくないと言われているため
- 椿・チューリップ・・・花蕾が落下してしまう様子が縁起がよくないと言われているため
入院されている方へのお見舞いの花を選ぶ時には、花瓶の用意や定期的な水換えは大変かな…と思い、「水換えの必要がない花を選ぶ」という意識も大切です。その場合は、鉢植えの花やタブーな花を避けることはもちろん、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーなど、お手入れが比較的簡単なものを選ぶのがおすすめです。
相手の負担にならない花束選びのコツ
せっかく花を贈るのであれば、贈る相手にも喜んでもらえると嬉しいですよね。そのためには、相手の負担にならない花選びが重要になります。花が好きな方なのか、普段はあまり花と接しない人なのかでも選ぶ花も変わってきます。相手の好みはもちろん、生活習慣や環境を意識しながら花を選ぶと、きっと花を贈る相手にも喜んでもらえるでしょう。
一見、難しく感じる花束選びですが、あまり難しく考えすぎずに、花を贈る相手の普段のライフスタイルをイメージしながら選んでみましょう。具体例を挙げながらご紹介していきます。
花を普段から飾る人に贈る場合
普段から花に触れる機会が多い方へ贈るのであれば、きっと花の水替えなどの花のお手入れも楽しんでいただけるはずです。そんな方には、上でご紹介したようなラウンドブーケやワンサイドブーケなどの花束がおすすめ。お気に入りの花瓶に合わせて、花を飾ることを楽しんでくれますよ。
花を飾ることに慣れていない人に贈る場合
花を飾ることにあまり慣れていない方には、飾りやすいコンパクトなサイズの花束を贈ったり、花束と共に花器やその代わりになるようなものも一緒に贈ることで、花を飾ることをより身近に感じてもらうことが可能です。
花器は、花瓶のような重厚感のあるものではなく、気軽に使えるようなものを選ぶのがおすすめです。また、普段からあまり花を飾る習慣がない方には、花瓶以外の用途でも使えるものを選ぶのが良いですよ。ブリキのバケツやメイソンジャーなどは、インテリア雑貨としても多用できるのでおすすめのアイテムです。
花束の代わりにアレンジメントを贈った方がいい場合も
その他にも、普段あまり花を飾る習慣がない方にとっては、定期的な水替えや花を飾るために必要な花瓶の選定などが、負担に感じてしまう可能性があります。その場合には、花器にすでに入っているようなアレンジメントタイプを贈るのがおすすめ。贈った花をそのまま飾れば良いだけなので、花に慣れていない相手にも負担なく花のある暮らしを楽しんでいただくことができます。
鉢花は正しく育てることで、可憐な花を長く楽しむことができますよ。
花束をオーダーする際のコツ
ここからは、花束をオーダーする際のポイントをご紹介します。花束を購入する際、どんなことを伝えたら良いのか迷ってしまったことや、自分のイメージしていた花束と出来上がった花束のイメージが異なっていた…という経験はありませんか?
花屋さんに花束をオーダーする場合、必ず伝えておくべきいくつかのポイントがあります。せっかく贈る花束なので、贈る相手に喜んでもらえるようにイメージした花束を届けたいですよね。花屋さんにとっても予算や色のイメージ、どんなシーンで贈るのかなどを聞いておくと、作成する花束のイメージもしやすいはずです。
いつまでに必要かを伝える
まずはいつまでに必要なのかを伝えます。当日のオーダーの場合はすぐに持ち帰りたいのか、後で引き取りに行くのかなども伝える必要があります。日にちだけでなく、時間帯もしっかりと伝えてください。
また、母の日や父の日、クリスマスなどのイベント時期や入学式や歓送迎会の多い春の時期には、花の注文自体が多いことが予想されます。当日の予約や急ぎの依頼には対応してもらえない場合もあるため注意しましょう。
具体的な予算を伝える
次に、予算を伝えましょう。予算に応じて花束のイメージも異なってきます。具体的な予算を伝え、花屋さんと共に花束のイメージをかたちにしてみてくださいね。
自分のイメージしているボリューム感の花束が、予算内で叶うかどうかもオーダーする際に確認しておくと良いですよ。花屋さんに直接訪れて予約をしている場合は、「この予算だと、どのくらいの大きさの花束になりますか?」と目でも確認しておくとイメージしてた花束と違った…ということが少なくなるでしょう。
電話で花束をオーダーする場合にも同様に、予算に応じたサイズを具体的に聞いておくことをおすすめします。
花束を贈る目的を伝える
どんなシーンで贈る花束かを伝えておくことも重要です。記念日や誕生日などのお祝いごと、ピアノやバレエなどの発表会、新築や開業のお祝い、プロポーズ、お見舞いのお花など具体的な目的を伝えておくと、花屋さんも作成する花束のイメージがよりしやすくなります。
どんな目的で花束を贈るのかを伝えておくと、花のマナーについてのアドバイスもしていただけるので、タブーな花束のオーダーを回避することもできます。
花束のイメージを伝える
具体的な花束のイメージを伝えることも忘れてはいけません。どんなカラーをメインにした花束が良いのか、どんな種類の花を入れたいかなど花屋さんと共に花束のイメージ像を作り上げていきしょう。
花の種類はあまりよくわからないという方でも、イメージしているカラーや、好きなかカラーはありますよね。カラーだけでも伝えておくと、花束の方向性も決めやすくなりますよ。「季節の花を入れて欲しい」などの要望もあれば伝えておきましょう。季節の花が入っていると、四季も感じられるのでおすすめです。
また、実際に花屋さんに出向いて花束をオーダーしている場合には、花を見ながら決めることもできます。花屋さんには、その時期の旬のお花や、おすすめの花がたくさん並んでいるので、よりイメージしやすくなりますね。
より多くの情報やイメージを伝えておくことで、花屋さんも具体的なアドバイスを添えることができます。
相手のイメージを伝える
花を贈る相手のイメージを伝えておくことも大切です。両親、彼や彼女、友人、子供、年配の方など、贈る相手の性別や年代を把握していると、花屋さん側もどんな花束が良いのか提案しやすくなります。
また、相手の雰囲気や好みなども伝えておくといいですよ。可愛らしい雰囲気の人、大人っぽい人、クールな雰囲気の人など、具体的な相手の雰囲気を伝えておくと、花束のテイストも決めやすくなります。
花束を渡すタイミングを伝える
花束を「いつ」渡すのかも実は重要なポイントなんです。花束を購入して、すぐに渡すのか、その日の夜に渡すのか、次の日に渡すのかどうかは、人それぞれですよね。仕事や用事の都合もありますので、オーダーした花束をすぐに相手に渡すことができる人ばかりではありません。そこで重要になるのが、花束を渡すタイミングを花屋さんに伝えておくこと。
花にはそれぞれ、綺麗に花を咲かせる時があります。花屋さんはそれを熟知しているため、「いつ花束を渡すのか」を事前に知っていれば、その時に一番綺麗に咲く花をセレクトしれくれますよ。
まとめ
今回は、花束を選ぶ際のポイントや失敗しない花束のオーダーのポイントについてご紹介しました。花束にはいくつか種類もあり、同じ予算・同じ花を使っても出来上がる花束のイメージは異なります。相手がどんな花束だと喜んでもらえるのかを考えながらオーダーしてみてくださいね。また、花贈りに関するマナーも大切ですので、これを機にぜひ覚えておきましょう。
花束は、贈るのも贈られるのも幸せな気持ちにしてくれるプレゼントです。花束を贈るまでのストーリーやバックグラウンドもあり、大切な思い出にもなります。相手のことを思いながら満足のいく花束選びをして、素敵な時間に華を添えてくださいね。
- 花束をオーダーする際には、予算・カラー・贈る相手についてなどを花屋さんに伝えておく
- お見舞いに贈る花は、花贈りのマナーを考慮して慎重に
- 花束のオーダーは前日までに。急ぎのオーダーはNG
記事の監修
大手生花店での勤務・パリでの修業を経て、UTSUWA FLOWERのストアマネージャーに就任。
大手アパレルの展示会装飾なども手掛ける。