観葉植物でお部屋に南国の雰囲気を!オーガスタの育て方を知ろう
オーガスタといえば、大きな楕円形のグリーンの葉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。すっきりと洗練されたフォルムで、上に向かって伸びていく姿が印象的な人気の観葉植物です。卓上に飾れるものから人の身長を超えるほど高いものまでサイズ展開が豊富。飾りたいスペースに合うものを選べる点も嬉しいですね。お部屋に1鉢置くだけで明るい南国の雰囲気が漂うおしゃれなインテリアグリーンです。
スタイリッシュなオーガスタをお部屋に迎えたいけれど、お世話の仕方に不安があるという方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、オーガスタの育て方を詳しくご紹介します。トラブルへの対処法も併せてお伝えしますので、どうぞ最後までお読みください。
- 縁起のいい観葉植物を育ててみたい方
- あまり手のかからない植物を探している方
- お部屋をトロピカルな雰囲気にしたい方
目次
オーガスタはどんな植物?
オーガスタの原産地は南アフリカやマダガスカルなどの熱帯の地域。自生地では高さ10mを超え、葉のサイズも幅30㎝、長さ60㎝になることもあるのだとか。ですが、鉢植えで育てる場合はそこまで大きくなることはありません。ご希望の高さに調整可能です。
オーガスタの特徴のひとつは、葉が左右対称に伸びていること。これは、効率よく光合成をするためなのだそうです。日の光をたっぷり浴びることで、1年中美しい葉色を保ちます。
非常に大きく生長した株は、4月〜10月に紫がかったグレーの苞(ほう)をつけ、真っ白い花を咲かせます。細く尖った何枚もの花びらが直立する形で、この花の美しさからオーガスタは「天国の白い鳥」とも呼ばれています。観葉植物のサイズでは、残念ながら目にすることは難しいですが、植物園など大きな温室で育てられている株では開花することがありますよ。
鳥の顔のように見えるオレンジの花が印象的な「ストレリチア・レギネ」(別名:極楽鳥花)の仲間です。
花言葉と風水
美しい葉が上に向かって伸びていくオーガスタの花言葉は「輝かしい未来」や「あたたかい心」。どちらも明るいイメージで、結婚や出産、また、開業などのお祝いのプレゼントにもよく選ばれています。
加えて、風水では大きな葉は「人間関係を円滑にする」「人の輪を作る」「縁を結ぶ」と考えられています。また、「気の流れをスムーズにする」として、玄関に置くと良い気を呼び込むといわれていますよ。もちろん、人が集まるリビングにもうってつけです。
オフィスや店舗に置いて商売繁盛を願うこともあるようです。
購入時のチェックポイント
オーガスタは園芸店や生花店、ホームセンターなどで購入できます。また、ネットショップでもさまざまなサイズの鉢植えが販売されています。植木鉢の色や形のバリエーションにも富んでいるので、好みのものを探してみてはいかがでしょう。
実店舗に足を運んで選ぶ場合は、虫がついていないか、葉の色はきれいか、茎がしっかりしているかをチェックしましょう。また、植木鉢に対して株が大きいと、すぐに植え替えなければならなくなります。鉢と株とのバランスも見て、色艶のいい元気な株を選びましょう。
害虫が鉢の中に侵入しにくくなる効果もありますよ。
水はココヤシファイバーを持ち上げてからあげるようにすると、ココヤシファイバーの劣化を防ぐことができます。
オーガスタの育て方
観葉植物をうまく育てるためには、自生地の環境に近づけることが大事です。オーガスタは熱帯の乾燥地帯に自生する植物なので、暗くてジメジメした環境ではうまく生長できず、すぐに弱ってしまいます。まずは、家の中でオーガスタにとって居心地のいい場所を探しましょう。日差しの入り方や室温は時期によって変わるので、季節に合わせて家の中を移動させるのもおすすめです。室内に限らず、軒下やベランダなども活用してください。
それでは、ここから項目ごとに細かくお伝えします。ご自宅で育てるならどこに置けばいいかなど想像しながら、お読みください。
置き場所
直射日光を避け、明るく風通しのいい場所で育てましょう。耐陰性はありますが、光量が不足すると葉の色が悪くなったり、ひょろひょろと間延びした状態で育ったりすることがあります。室内では明るさが足りない場合は、日中は屋外に出すなどして明るさを確保しましょう。植物用のLEDライトで光量を補う方法もあります。
オーガスタが好むのは15〜30℃の温暖な環境です。40℃に迫るような真夏や、10℃を下回るような寒さは株にとって負担に。特に寒さには弱く、5℃以下になると枯れてしまうこともあります。必要であればエアコンを使うなどして温度管理をしましょう。屋外でも栽培可能ですが、気温が15℃を下回り始めたら室内に移動させてください。
刺激を与えない
オーガスタの特徴でもある大きな葉は、刺激を受けると割れるようになっています。これは自生地で強風を受けても茎が折れることがないように、力を受け流すための特性なのだとか。風だけでなく、人や物がぶつかったりすることがないよう、置き場所を選びましょう。
また、エアコンの風が直接当たると、株が乾燥してしまいます。室内で育てる際は、エアコンの風向きにも注意しましょう。
なお、割れた葉はそのままでも生長に支障はありませんが、気になる方は園芸用のハサミで丸くカットして、形を整えてもいいかもしれません。
水やりと追肥
生育期である5月〜10月は土が乾いたときにたっぷり水をあげてください。タイミングがわかりにくい場合は、水やりチェッカーを土に挿しておきましょう。土の中の乾き具合が表示されるので便利ですよ。水やりの際には鉢底から出るまで一気に水を流し込むと、土の中の酸素を入れ替えることができ、根が呼吸しやすい環境になります。また、受け皿に溜まった水はその都度捨てましょう。そのままにしていると根腐れや害虫が発生する原因になることがあります。
気温が10℃を下回ると休眠期に移行し、生長スピードがゆっくりになります。水やりは土の表面が乾いて3日ほど経ってから行ってください。また、冬に窓際に置いたままにしたり、暖房を切った後に水やりをしたりすると、株が冷え込んで傷んでしまうので気をつけましょう。
霧吹きを使って葉の表と裏に噴霧すると、埃などを落とすことができます。
また、害虫予防にもなるので、できれば毎日行ってください。
特に冬は根から水分を吸収する力が弱まっているので、葉水で葉を潤しましょう。
肥料は与えなくても問題なく育ちます。ただ、大きな株に育てたい方は、生育期の間だけ水に混ぜた液肥を2週間に一度を目安に与えましょう。また、緩効性の固形肥料は土の上に置くだけでいいので手軽に使用できます。いずれも説明書に書かれている頻度と分量を守って与えてください。
剪定
オーガスタは横に広がる植物ではないため、頻繁に剪定して樹形を整える必要はありません。ですが、日当たりが十分でなかったためにひょろひょろと茎が伸びたり、全体的に形が崩れてしまったり、また、葉が変色したりした場合には、剪定してから明るい場所に移して育てましょう。
剪定は株に回復力のある5月〜7月に行うのがおすすめです。まずは、外側にある古い葉からカットし、次に状態が悪い葉を切り取ります。オーガスタは茎が長く伸びていますが、茎の途中ではなく根元で切りましょう。ハサミでは切りにくい場合は、カッターを使ってください。切り口から雑菌が入ることがないよう、いずれも刃を消毒してからカットしましょう。
また、切り取った茎を「挿し木」しても、発根しないようです。
株を増やしたい場合は、後述する「株分け」を行いましょう。
植え替え
生長に伴い、植木鉢の中では根がどんどん伸びていきます。放っておくと、鉢の中が根でいっぱいになって根詰まりを起こします。特にオーガスタの根は肉厚なため、場合によっては植木鉢を割ってしまうことも。そうなる前に大きな鉢に移し、栄養たっぷりの新しい土を入れて、生長しやすい環境を整えましょう。
オーガスタの植え替えは1〜2年に一度、5月〜7月に行うと根付きやすいです。新しい鉢は1号(直径3㎝分)大きいものを用意しましょう。すぐに伸びるからと大きすぎる植木鉢を選ぶと、必然的に土の量も多くなります。すると、土の中の水分量が根が吸収できる量を上回るため、なかなか土が乾かず、根腐れを起こすことがあります。植木鉢のサイズはひとまわり大きいものに止めておきましょう。また、植え替え直後に肥料を与えると、かえって負担になるので控えてくださいね。
背が高くなるとバランスを崩しやすくなるので、安定するよう、ある程度重い材質のものの方がおすすめです。
植え替えの手順
植え替える際に土が湿っていると根に土がまとわりつき、その重さで根が切れてしまうことがあります。作業をする数日前から水やりは控え、土を乾燥ぎみにしておきましょう。
- オーガスタ
- 新しい鉢
- 鉢底石
- 観葉植物用培養土
- スコップ
- 園芸用ハサミ(消毒済みのもの)
- 先の細い割り箸
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STEP. 1
新しい鉢の準備をする
鉢底石を入れたら、培養土を下から1/3〜半分まで入れておきましょう。
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STEP. 2
オーガスタを植木鉢から抜く
株を傷つけないよう、優しく取り出してください。
根鉢をほぐしながら、古い土を1/3ほど取り除きます。
変色している根があればハサミで切り取りましょう。
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STEP. 3
新しい鉢に植えつける
植木鉢の真ん中に株を置いて、鉢の縁から3㎝ほど下まで土を追加します。
割り箸で土を数カ所突くと、隙間なく土が入って株が安定します。
その際、根を傷つけないように気をつけてください。
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STEP. 4
水やりをする
鉢底から水が出るまで、たっぷり与えましょう。
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STEP. 5
完成
その後、それまで使っていた鉢に新しい土を入れ、植え直してください。
株分け
オーガスタは2、3株をひとつの鉢に植えて販売されていることがあります。年月が経つとそれぞれの株が大きく生長し、植木鉢の中が窮屈に。根詰まりする前に、別々の鉢に植え替えるようにしましょう。
植え替えのときと同様、鉢から取り出したら土をほぐしながら株を分けます。根を傷つけないようにゆっくり進めましょう。その後、新しい鉢にそれぞれ植えつければ完成です。
また、子株が育ってきた場合も株分けしましょう。鉢から株を抜いたら、スコップなどを親株と子株の間に入れて割ります。あとは植え替えの手順と同様です。根付くまでは水切れしないように注意してください。
オーガスタは種から育てることも可能
既に根が出ている分、株分けの方が簡単ですが、オーガスタは種から育てることもできます。時間はかかりますが、育てる楽しみを一層強く味わえそうですね。種まきに適しているのは4月〜6月です。興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょう。
オーガスタの種にはオレンジ色のふわふわとした仮種皮がついています。まずは、それを手で丁寧に取りましょう。その後、小さな植木鉢に鉢底石と水はけのいい用土を入れ、種を蒔きます。種の上に1㎝ほど土を被せたら、暖かく明るい場所で水を切らさないように管理しましょう。
発芽まで早いものは2週間ほど、一般的には2〜3ヶ月かかります。残念ながら全ての種から発芽するわけではありませんが、環境を整えて、小さな芽が出るのを待ちましょう。生長に合わせて植木鉢のサイズを少しずつ大きくするのも楽しみになりそうですね。
トラブルの対処法
気をつけて育てていても、問題が起こることはあります。ですが、オーガスタはもともと丈夫な植物ですし、早めに対応すれば大事に至らずに済みますよ。日頃から株の状態をよく観察して、小さな変化にも気づけるようにしておきましょう。
トラブルの多くは、水やりの仕方と日照不足が原因のようです。オーガスタに起こりがちな問題をまとめましたので、参考になさってください。
葉が丸まる
強い日光に当てすぎたり、暗い場所から急に明るい所へ移動させたりしたとき、また、水不足でも外側の葉が丸まることがあります。置き場所や水やりを見直し、環境を整えましょう。
室内の暗い場所から日当たりのいいところに移すときは、日数をかけて少しずつ移動させましょう。
また、通常は新芽は丸まった状態から徐々に開いていきますが、なかなか開かず、破れてしまうことがあります。こちらの原因としては日照不足が考えられます。まずは、置き場所を見直しましょう。葉が丸まった状態があまりに長く続く場合は、湿らせたタオルなどで新芽を拭いてから手で少し開いてあげると、それをきっかけにしてうまく広がることがありますよ。
根腐れ
オーガスタは土が湿った状態が長く続くことを嫌います。比較的根腐れを起こしやすい植物とされていますので、通気性がいい状態を保つように心がけましょう。
「葉にシワが寄る」「葉が変色する」「新芽が枯れる」といったときは根腐れが疑われます。さらに症状が進むと、腐敗臭がしたり、土にカビが生えたりして回復が難しくなるので、できるだけ早く対処しましょう。
まずは、植木鉢から株を出します。次に、根についている土を落とし、根の状態を確認してください。変色したり弱ったりしている根があれば切り取って、新しい土に植え替えましょう。赤玉土を少し混ぜると、水はけがよくなりますよ。その後は水やりをしばらく控え、明るい日陰で様子を見てください。
素焼きやテラコッタの鉢は比較的通気性が高いので、オーガスタにはおすすめです。
害虫
2mm前後の小さな白い斑点のようなものを見つけたら、コナカイガラムシかもしれません。ほとんど移動しないため害虫とは気づきにくいのですが、放っておくと急速に数を増やします。ほかの観葉植物にまで被害が及んだり、排泄物によってスス病を引き起こしたりすることもあるので、早めの対処が必要です。
コナカイガラムシは濡れた雑巾で拭き取ったり、薬剤を散布したりして駆除しましょう。数が多く、ある程度場所が集中している場合は、枝ごと切り落とす方法も有効です。また、オルトラン粒剤を数ヶ月に一度土に撒くと予防できます。
その場合は、歯ブラシなどでこそぎ落としましょう。
このほか、葉に蜘蛛の糸のようなものがついていたり、葉の裏に小さな虫がいたりしたら、ハダニの可能性があります。すぐに薬剤を使用したり、シャワーで丁寧に洗い流したりしましょう。なお、日頃から葉水をしていると、ハダニは防げます。濡らしたキッチンペーパーなどで葉を拭くのも効果的ですよ。
まとめ
大きな楕円形の常緑の葉が美しく、トロピカルな雰囲気が漂うオーガスタ。日当たりと風通しのいい場所で乾燥気味に育てると、上へ上へと伸びていきます。ちょっとした刺激で葉が割れてしまう特性があるので、物や人にぶつかりやすかったり、強風が吹き抜けたりするような場所に置くのは避けましょう。
剪定はあまり必要ありませんが、徒長したときや古くなった葉が枯れてきたときには茎の根本からカットしてください。明るいイメージの花言葉を持ち、風水では運気アップも期待されるオーガスタ。上手に育ててインテリアグリーンとして活用しながら、素敵な暮らしを楽しんでくださいね。
- オーガスタは明るい場所で乾燥気味に育てよう
- 大型の株に育つと、白くて美しい花をつけることがある
- 子株がついたら株分けして増やすことも可能