花の癒し効果をインテリアデザイナーが解説。季節感を感じるインテリアのポイント
記事の監修
齋藤 由理佳
インテリアコーディネーター ・DIYアドバイザー・整理収納アドバイザー
DIYを取り入れたインテリアコーディネートや収納、雑貨アレンジを得意としてます。
日本には四季があり、季節によって異なる花を楽しめるのは素敵なことですよね。花を見て多くの人が「キレイ」「可愛い」「美しい」と感じるのではないでしょうか。花をもっと身近に感じられると、毎日の生活をより豊かなものにすることができます。そこで花をより楽しむため、インテリアに季節を感じられる花を取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、美しいものを見ると、心が洗われる…花にはそんな癒し効果があると考えられています。 では、具体的にどのような癒し効果があるのでしょうか。
今回は、花を飾る癒し効果について、そして季節感ある花を使ったインテリアのコツを詳しくご紹介します。
- 花をより楽しみたい方
- 花に癒されたい方
- インテリアに季節感を取り入れたい方
目次
目で見て癒される花の色彩
まず、花には様々な色があります。真っ赤なバラや黄色の向日葵、紫のあじさい…様々な色彩を持つことが花の魅力でもあります。 そんな花の色彩には、カラーセラピーと似た効果があると言われているのです。真っ赤や鮮やかな黄色を見ると心が躍り元気が出る、白い花を見ると邪気がなくなり神聖な気持ちになります。そのように、花の持つ様々な色によって人の心が癒されるのです。
自分のために花を選ぶとき、似たような色ばかりを選んでいることに気付いた経験がある人もいるのではないでしょうか。単に好みなだけでなく、その時に求める色は、選ぶ人の心情を表しているのかもしれないですね。だから、元気のないときには鮮やかな色の花を飾ると心が前向きになれる効果があるのです。
季節感を出す花の使い方とは
花屋さんの店頭には、その季節の旬の花が並んでいます。もちろん、年中栽培されているような花もたくさんありますが、季節感のあるインテリアにするなら、旬の花を選ぶのが一番の近道です。テーブルに一輪の季節の切り花を飾るだけでもその季節らしい雰囲気のお部屋になってしまうのが、花の持つ不思議な魅力ですね。そして、さらにちょっとした工夫を加えるだけでもっと季節感が出るのです。
例えば、先ほどの切り花で考えれば、花瓶の素材でも季節感が出ます。ガラスでできた花瓶は涼やかな雰囲気、濃色の陶器の花瓶には温かで重厚なイメージを感じませんか。涼やかなものは春や夏に、温かなものは秋や冬に使うと、季節の花も馴染みやすくなります。また、その花と花瓶の雰囲気に合わせてファブリックなども選べると理想的なインテリアになりますね。
ただ、季節感をより楽しくために取り扱いに注意が必要なものもあります。それはプリザーブドフラワーです。プリザーブドフラワーとは、特殊な加工が施され、生花のような美しい外観を持ちながら枯れることはなく、水やりの必要が無い、プレゼントアイテムとして大変人気のある商品です。手間がかからず便利なプリザーブドフラワーを長く楽しむためにも注意点を良く把握して季節感のあるインテリアを楽しみましょう。
- 可燃性のため火気厳禁
- 高温多湿、直射日光、乾燥し過ぎの場所での保管は避ける
- プリザーブド溶液は親油性のため、油性塗料やニス、プラスチックなど直接触らない
では、次に四季のインテリアのポイントを見ていきましょう。
花が豊かな春のインテリア
春のインテリアとしては、明るい色合いの花を取り入れるのがおすすめです。春に出回る花の代表としてはチューリップ、冬から逞しく咲き誇っているパンジーやビオラ、ジュリアンなどがあります。切り花として部屋に飾るならチューリップがおすすめです。ポップで明るいイメージの部屋になるでしょう。また、和のインテリアを楽しみたい人には桃や桜の枝も素敵ですよ。
春は花だけでなく草木も新芽が出て豊かに育つ季節です。部屋の中にグリーンを飾るのも、春の訪れを感じるインテリアになりますね。観葉植物の鉢を置いたり、リースを作って飾るのもおすすめです。春の花は色とりどりで花だけで十分美しいので、その花が引き立つようあえて色味を抑えたシンプルな部屋作りをするといいでしょう。
今人気の白木の家具や籐の小物類の中にパステルカラーのチューリップを飾った韓国インテリアは春らしいインテリアですね。
- 明るい色合いの花を取り入れる
- 部屋の中にグリーンを飾ると春の訪れを感じる
- 花が引き立つよう色味を抑えたシンプルな部屋作り
明るく涼しげな夏のインテリア
夏と言えばひまわりです。他の季節にひまわりを飾ると違和感があるほど、夏の花というイメージが強いですね。また、初夏にはアジサイ、夏から秋にかけてはアサガオも見ごろです。インテリアに取り入れるなら、ひまわりの切り花をガラスの花瓶に入れて目立つ場所に飾るだけで、十分夏を感じられます。
また、ドウダンツツジなどの枝ものを大きなガラスの花器と共に飾っても涼し気です。
また、白やブルーの花も涼しげで夏にぴったりです。切り花に限らず、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーなど夏らしい涼しげなフラワーアイテムを置いておくのも素敵ですね。ガラスの容器だけでなく、籐の器も夏らしい雰囲気がでます。透明の花瓶なら、青や水色のビー玉を沈めても可愛いインテリアになりますよ。花瓶の周りに貝殻やサンゴなどを置くのもおすすめです。
実りの秋のインテリア
秋は、それまでのポップな黄色、涼しげなブルーの雰囲気とはガラッと変わり、赤や橙のイメージです。花だけでなく実や枝などを取り入れることで、秋らしいインテリアになるでしょう。また、籠やドライフラワーと一緒に飾るとより秋らしくなります。
春や夏は花と一緒にグリーンも飾っていましたが、秋はグリーンは控えめに、ドングリや松ぼっくりをたくさん使ったリースなどのアイテムがおすすめです。秋色アジサイ、チョコレート色のバラなど、ちょっとくすんだ色合いの花を実と一緒に飾って落ち着いた秋のインテリアを楽しみましょう。ファブリックも淡い色よりは濃く深い色のものに変えていくと馴染みます。
シックな冬のインテリア
そして、冬にはより温かい雰囲気の部屋づくりをしていきましょう。12月に入ると、クリスマスが近いということでお部屋の中もクリスマスのインテリアに変えていくのも素敵ですね。赤や緑のクリスマスカラーや、濃紺などを合わせてシックなお部屋にしましょう。花は赤いバラ、クリスマスローズなど冬らしい花を選んで下さい。色とりどりの花を選ぶよりは、一色や同系色に絞って選ぶとインテリアにマッチします。
そして、秋に引き続き実や枝を飾るのもおすすめです。観葉植物も秋が終わって冬にはインテリアに合うので目立つように飾ってOKです。ポインセチアも仲間入りさせると、さらに冬・クリスマスらしさが出ますね。重厚感を意識して、暗めの色合いのテキスタイルや雑貨などを使うことで、赤いバラやポインセチアを引き立たせるとシックに決まります。
また、陶器や木などのコンポートにリースとキャンドルを飾ったり、シダとキャンドルで作ったアレンジメントを使ってクリスマスのテーブルコーディネートを演出してもいいですね。同じアレンジメントを使っても、あわせるキャンドルの色やテーブルクロス・センタークロス、食器等で色々なテーブルコーディネートを楽しむ事ができます。
お正月には、松や梅、千両といった枝ものを飾ると新年を迎えるためのインテリアになります。そして、球根を育てるのもお勧めです。少しずつ育っている姿を見る度に、春が待ち遠しくなります。
- 赤いバラやポインセチアは温かい雰囲気を演出してくれる
- クリスマスのインテリアに合わせるなら一色や同系色の花に絞って選ぶと良い
花の香りで癒される
花の癒し効果は見た目からだけではありません。花のもう一つの特徴と言えば、香り。花の香りをモチーフにした香水やボディケア商品が多いのも、花の香りが好きな人が多いからなのではないでしょうか。
特に、バラは香りの良い花の代表ですよね。バラの香りに包まれた暮らしがしたいということで、庭にバラの花をたくさん育てている人もいるくらいです。 嗅覚からの情報は脳に伝わりやすいため、いい香りを感じると、全身がリラックスできます。香りによってリラクゼーション効果をもたらすことで人気のアロマテラピーと似た効果が期待できるというわけですね。
花瓶一つ分の花にも癒し効果が
花の癒し効果を得るためには、庭中を花で埋め尽くしたり、いつも部屋にたくさんの花を飾らなければならないと思う人もいるかもしれません。飾るスペースの問題もありますし、費用もかかるので、現実的には不可能な人も多いです。しかし、花瓶一つ分だけでも効果はあるのです。 花の癒し効果に関する研究は過去に様々発表されており、中には中学校の教室で花瓶に花が飾られている時と飾られていない時の心の変化について調べたものもありました。
その結果、たった一つの花瓶の花でも、癒し効果があるということがわかったのです。花がたくさんあれば、もちろんより美しさを感じるでしょう。しかし、たった一輪であっても、花があることで癒される人は多いのではないでしょうか。
まとめ
花は見た目から感じる美しさ、香りによって高い癒し効果があることをお伝えしてきました。ただ単に花が好きだから、育てたり買ってきて飾ったりしているという人も、知らず知らずのうちに花に癒されながら暮らしているのかもしれませんね。花の癒し効果を知ることで、今後どんな色を選べばいいか、考えるヒントになるのではないでしょうか。また、季節の花を飾ること、それを引き立たせるアイテム選びとファブリックとの調和を意識することが、季節感の感じられるインテリアづくりに繋がります。
インテリアはベースカラー・アソートカラー・アクセントカラーで成り立っていますが、季節の花の色をアクセントカラーに取り入れる事によって、花に癒されつつ、インテリアも素敵になると思います。
ここでご紹介したことを参考にしつつ、ぜひご自分のセンスを生かした部屋づくりを楽しんで下さいね。季節によって表情の違うお部屋とお花に囲まれて、さらに素敵な日々になるはずです。
一輪からでも効果があるので、ぜひ花を暮らしに取り入れて心穏やかに過ごしましょう。
- 季節によって花を変えて、毎日の生活を楽しもう
- 花は見た目から感じる美しさ、香りによって高い癒し効果がある
- 季節の花と花を引き立てるアイテムの調和が季節感の感じられるインテリアになる
記事の監修
齋藤 由理佳
インテリアコーディネーター ・DIYアドバイザー・整理収納アドバイザー
DIYを取り入れたインテリアコーディネートや収納、雑貨アレンジを得意としてます。