花瓶を上手に使おう!簡単なのにおしゃれに見える花の飾り方
記事の監修
赤田 加奈子
プロインテリアアドバイザー
インテリアショップに勤務し、サイズオーダーに対応した高級家具の販売を担当。
家具・インテリアに関する知識と経験を深める。
その後、フリーライターとして独立。
家具販売や接客経験を活かした、インテリア・住宅関連の執筆を主体に活動中。
お花を飾る際は、花の種類や色選びももちろん重要ですが、おしゃれに見せるポイントは花瓶です。ただ生けるだけでも、花瓶の選び方次第でセンスある空間を演出することができますよ。花瓶をインテリアの一部として活用してみませんか?
そこで今回は、おしゃれな花瓶の選び方と簡単なのにハイセンスに見える飾り方をご紹介していきます。花を生けてもなんだかしっくりこない、ワンパターンな飾り方になってしまう…とお悩みの方も、花瓶を上手に使えるようになれば花を飾ることがより楽しくなります。記事後半では、さまざまな花材と花瓶の組み合わせ方もご提案します。花と花瓶のある暮らしを楽しみましょう。
- 花瓶の上手な選び方を知りたい方
- 簡単に花をおしゃれに飾りたい方
- 花の飾り方がワンパターンになりがちの方
目次
花瓶の基本の選び方
花瓶にはさまざまなサイズ、形状があります。見た目が好みの花瓶を選ぶことは大切ですが、使いやすさも重要です。おしゃれでも使い勝手が悪いと、花を生ける気が起きず、仕舞いっぱなしになってしまうかもしれません。
まずは、扱いやすくお手入れも簡単な2種類の花瓶を揃えましょう。この2種類を使いこなせるようになったら、さらにデザイン性の高い花瓶に挑戦するといいでしょう。
ひとつは持っておきたい!シンプルなガラス製花瓶
シンプルなデザインのガラス製花瓶は、透過性があり花の種類を選ばないのが魅力。光を反射して明るさを出してくれますし、花を瑞々しく見せてくれるので、ひとつは持っておくと便利です。カラーガラスも素敵ですが、クリアガラスの花瓶はどんな花とも相性がよく、インテリアにも馴染みやすいため特におすすめです。
水や茎の状態もよく見えるため、花の全体像を楽しめるのもガラス製花瓶ならでは。花だけでなく庭で摘んだハーブや剪定した枝などを無造作に生けるだけでも様になりますよ。
花瓶の内側についた汚れが見えやすいため、自然ときれいにしようという気持ちになりますし、水の濁りもすぐにわかります。
水を取り替える頻度が自然と上がるため、見た目にも花にとっても良好な状態を保ちやすいでしょう。
ガラス製の花瓶には、凝ったデザインのおしゃれなものがたくさんあります。たとえば、球状やひょうたん型といった形状がユニークなもの、切子や模様入りのもの、すりガラス製のものなどさまざま。花を生けることに慣れてきたら、デザイン性の高いガラス製花瓶にチャレンジしてみましょう。
一輪挿し
花を少しだけ飾りたい場合や、いろいろな場所に飾りたい場合に便利なのが一輪挿しです。咲き終わりの花束から元気な花だけを残したいときや、庭やベランダで育てている植物を花がら摘みしたときにも、一輪挿しにちょこっと飾るとおしゃれです。ガラス製のシンプルな花瓶とともに、一輪挿しを2~3個常備しておくと花を気軽に飾れますよ。
一輪挿しは、デザインも非常に豊富です。とっくりのような形のものや、細長い試験管のような形のものなどもおしゃれで人気です。また、ミニリキュールなどの小瓶を一輪挿しとして代用することもできます。後ほどご紹介しますが、一輪挿しに限らず花瓶は素材によって印象がかなり変わります。そのため、花瓶を選ぶ際は形状とともに素材も意識しましょう。
汚れがこびりつかないうちに、こまめに水を取り替えて洗浄しましょう。水筒のパーツを洗う道具などを花瓶専用にして使うのもおすすめです。
花と花瓶はバランスが重要
花瓶にはさまざまなサイズのものがありますが、実際に生けるときには花とのバランスが重要になります。花瓶の口から出ている花の長さと花瓶のサイズが1:1になるように生けるのが基本です。つまり、バランスよく花を生けると全体の高さが花瓶の約2倍になります。あまり大きすぎる花瓶を選ぶと使い勝手が悪くなる可能性があるため、実際に飾る花とのバランスをイメージしながら選ぶと失敗しにくいでしょう。
あくまでも1:1は花瓶と花との黄金比率であり、絶対ではありません。全体のバランスや好みに合わせて、1:1.5や1:2など自由にアレンジしましょう。また、口が広すぎる花瓶は生けたときに花が広がってしまい、おしゃれに見えにくい場合があります。ミニブーケなどをそのままの形で生けたい場合は、口が狭めのものやくびれのあるものを選ぶのがおすすめです。
置くだけで空間が映える!おしゃれな花瓶とは
花を生けるだけで、あるいは何も生けなくても置いておくだけで空間映えするおしゃれな花瓶をご紹介していきます。花瓶をオブジェとしてインテリアに取り入れる感覚で活用してみましょう。ここでは、素材別に花瓶の特徴やおすすめの使い方をお伝えします。ご自身の好みのものやお部屋に馴染みそうなものを選び、存在感を楽しんでくださいね。
陶器製のシックな花瓶
陶器製の花瓶は個性的なデザインのものが多く、花との組み合わせが難しいことも。どのようなものを選べばいいかわからない場合は、白い陶器の花瓶がおすすめです。透明のガラス花瓶と同様に花の色や種類を選ばないため、簡単におしゃれな雰囲気を演出できます。
黒や茶、紺など濃色の陶器製の花瓶は、シックな印象をもたらします。特に、高級感や重厚感を求める方におすすめです。また、陶器はヨーロッパのものと日本のものとで印象が異なるため、お部屋のテイストに合わせて選択しましょう。模様の入っているものや取っ手のついたもの、形がユニークなものなど個性が強めな花瓶を使う際は、あえて白い花や小花、葉物といった控えめな植物を生けると花瓶の魅力が引き立ちますよ。
好みのサイズ、形で口を少し狭めて作れば、味のある自分だけの素敵な花瓶ができますね。
陶器の花瓶はガラス製のものは異なり、透過性がありません。陶器の花瓶を使う際は、茎の傷みや水の汚れに気付きにくいことを頭に置いてこまめにお手入れしましょう。
ナチュラルな木製花瓶
食器にも木製のものがあるように、花瓶にも木を用いたデザインのものが販売されています。木製の花瓶はナチュラルな雰囲気を演出できるため、あたたかみのあるインテリアが実現しますよ。木製花瓶は表面にウレタン加工や漆加工が施されているものも多いですが、長期間水と触れているとどうしても傷んでしまいます。そのため、水を入れる部分はガラスや陶器で作られたものがおすすめです。
特にドライフラワーは、ナチュラルな木製花瓶と相性抜群です。
竹籠の中にガラスの花器が入ったものや、木のフレームに一輪挿しがはめ込まれたものなど、木製花瓶はデザインもさまざま。使い込むうちに木材の味が出てくるため、変化を楽しめるのも魅力です。枝ものや実ものとの相性もよいため、木との組み合わせを楽しみながらおしゃれに飾りましょう。
アンティークなブリキ製花瓶
鉄鋼をスズ(錫)メッキしたブリキ製の花瓶は、古道具好きの方に人気が高くさまざまな形状のものが販売されています。花瓶に限らず、ブリキ製のピッチャーやジョウロに花を生けてもおしゃれです。アンティーク調のお部屋にはもちろんナチュラルテイストやモノトーンテイスト、和室に飾っても素敵です。
ブリキのレトロな雰囲気には、グリーンやドライフラワーなどナチュラルな印象の植物がよく合います。また、ピンク色のバラのような可愛らしい印象の花を合わせると、ほどよく甘さをやわらげておしゃれにみせられますよ。甘辛コーデをイメージして、ブリキと合わせる花を選ぶのも楽しいですね。
雑貨屋さんのほか花屋さんや100円ショップでも販売されているので、探してみてくださいね。
デザイン性の高い個性的な花瓶
簡単におしゃれに見せたいなら、個性の強い花瓶を選ぶのも一つの方法です。アート作品のようなユニークな形状の花瓶は、存在感が強くお部屋に置くだけで目を引きます。木材×ブリキやガラス×陶器といった異素材を組み合わせたものや、真っ赤やツートンカラーなど色で個性を出しているものもおすすめです。
デザイン性が高く個性の強い花瓶を置く場合は、部屋をスッキリとシンプルにしておくことがポイント。まわりに物が多いと、せっかくの花瓶の魅力が目立たなくなり、ごちゃついた印象を与えてしまいます。花瓶に限らず、個性的なデザインの雑貨を飾る場合は、ものを減らして部屋をシンプルにすることが、おしゃれに見せるコツです。
ビビッドカラーの場合は白い花、ツートンカラーの場合はグリーンのみというように花の個性を控えめにしましょう。また、花瓶と同系色の花を選ぶとバランスが取れて空間に馴染みやすくなりますよ。
意外と使える!生活雑貨や空き瓶
市販の花瓶にこだわらず、生活のなかで出た空き瓶や使わなくなった雑貨(バケツやコップ、ジョウロ)などに花を生けるのもおすすめです。特に、輸入食品の空き缶やワインの空き瓶は、ラベルもおしゃれなものが多いですよね。ミニリキュールの空き瓶は、一輪挿しに最適です。
生活雑貨や空き瓶を活用すると、インテリアに抜け感が出て素敵に見えますよ。空き缶や空き瓶は飽きたり、汚れが目立ってきたりしたら気軽に捨てられます。リサイクルの一環として、捨てる前にお試しで花を生けてみてはいかがでしょうか。
飾り方でおしゃれ感を演出!花材別テクニック
花を飾るというと生花を生けるイメージが強いですが、花材によって使える花瓶も飾り方も変わります。生花は水がないとすぐに傷んでしまうため、花瓶に生けて飾るのが基本です。一方、ドライフラワーやアーティフィシャルフラワーのように水のいらない花材なら、使える花瓶の種類も飾り方も選択肢がかなり広がります。
ここからは、花瓶を用いたおすすめの花の飾り方を花材別にご紹介します。
生花の場合
生花は水が必須のため、安定した場所に置いて飾るのが基本です。吊るす、掛けるといった飾り方も不可能ではありませんが、落下するリスクがあるためあまりおすすめできません。ただし、小さな一輪挿しなら落下してもダメージを最小限に留められます。どうしても壁に掛けて飾りたいなら一輪挿しを選択し、強度のある壁にしっかりと固定しましょう。
生花を生けることに慣れていない場合、いきなり複数の花を使おうとするとアレンジのハードルが高くなってしまいます。まずは小さな花瓶に1~2本を生けることから始め、慣れてきたら数種類の花を組み合わせてアレンジしましょう。また、茎の長さを変えて花に高低差をつけると、バランスよく飾ることができます。ガラス製の花瓶なら中が透けて見えるため、夏場はビー玉を沈めると涼しげな雰囲気が出て素敵ですよ。
茎が短くなったら花弁の部分だけを器に浮かべると、最後まで美しい姿を楽しめますよ。
ドライフラワーの場合
生花を乾燥させたドライフラワーは、素朴な風合いが魅力です。水がいらないため紙袋や木箱などに挿して飾ったり、スワッグのように吊るして飾ったりすることも可能。植物の蔓で作ったカゴやアイアンフレームにドライフラワーを挿せば、簡単におしゃれな雰囲気を演出できます。
茎の長いドライフラワーなら、束ねて花瓶に挿すのも素敵です。花びらにアロマオイルを染み込ませたポプリをガラスや陶器の器に入れて飾れば、香りも一緒に楽しむことができます。
アーティフィシャルフラワーの場合
アーティフィシャルフラワーとは、まるで本物の生花のように精巧に作られた造花のことです。アーティフィシャルフラワーは水もお手入れがも不要のため、花瓶の素材を選ばず飾り方のバリエーションも豊かです。花瓶に挿して生花のように飾りたい場合は、茎が隠れる陶器製や木製、ブリキ製などの花瓶を選ぶといいでしょう。
また、アーティフィシャルフラワーはドライフラワーと同様に軽いため、壁や天井から吊るしても飾っても安全です。フェイクグリーンをポットやバケツに挿して、ハンギングするのもおしゃれですよ。
埃が溜まらないようにだけ気を付ければ、部屋中どこでも気軽に飾ることができます。
並べて飾ろう!おしゃれなお花コーナー作り
花瓶を上手に使っておしゃれに見せる方法の一つが、「並べるテクニック」です。花瓶を一つだけ置くのではなく、いくつか集めて置くことでお花コーナーのような素敵な場所ができあがります。ここからは、花瓶の簡単でおしゃれな並べ方をご紹介していきます。
一輪挿しを並べて楽しむ
大きな花瓶を並べて飾るのはハードルが高い…という方でも、一輪挿しなら気軽にコーナー作りができます。試験管タイプの花瓶が木製や鉄製のフレームに入ったものなら、一つ置くだけでお花を並べて飾れます。また、異なるデザインの一輪挿しを並べて置くのも可愛らしいですよ。お花だけを並べて飾っても素敵ですが、グリーンを間に挟むと抜け感を演出できます。ミニリキュールの瓶にドライフラワーを挿して並べて飾っても可愛いですよ。
一輪挿しを並べるだけだとちょっと物足りないな…と感じたら、お花と一緒に雑貨をディスプレイしてみてはいかがでしょうか。キャンドルやアクセサリー、フォトフレームなどの雑貨を組み合わせて飾るパッと目を引く素敵なコーナーに仕上がります。
高低差や異素材の組み合わせ
花瓶を並べる際には、高低差を意識するとよりおしゃれにディスプレイできます。背の高い花瓶と低い花瓶とを組み合わせて置くと、自然と高低差が出ます。しかし、同じような高さの花瓶しかない場合は、台を置いて高さを出すといいでしょう。また、陶器とガラスのように異なる素材の花瓶を並べて置く場合は、同じ色で統一したり高さを合わせたりすると統一感を出しやすいです。
さらに、家具やカーテン、雑貨との色合わせも意識すると、よりまとまりのあるおしゃれな空間になります。花瓶と雑貨を同系色でまとめたり、カーテンをはじめとしたファブリック類と同じ色合いの花瓶を選んだりすることで、インテリアに一体感をもたせられます。また、ナチュラルカラーや白で統一されたシンプルなお部屋の場合は、あえて鮮やかな色の花瓶を飾って遊び心を加えるのもおすすめです。
簡単に、奥行きと高さのある素敵な空間演出ができますよ。
まとめ
花をおしゃれに飾るには、花瓶の選び方と置き方を工夫することが大切です。花瓶は色や形、サイズ展開が豊富なだけでなく、さまざまな素材で作られています。シンプルで使いやすいガラス製の花瓶で上手に花を生けられるようになったら、陶器製や木製、ブリキ製などにも挑戦してみましょう。花瓶として販売されているものに限らず、食器や生活雑貨、空き瓶などに花を生けたり挿したりするのも楽しいですよ。
また、生花は水が必要ですが、ドライフラワーやアーティフィシャルフラワーなら水が不要なため、紙袋や木箱といった花瓶以外のものを使って飾ることも可能です。花材に合わせて花瓶を使い分けることで、飾り方の幅が広がります。花を飾ることに慣れたら、複数の花瓶を並べて楽しむのもおすすめです。自分なりのこだわりのある、おしゃれな空間をぜひ作ってみましょう。
- 花瓶には置くだけでおしゃれに見えるものも多い。まずはお気に入りの花瓶を見つけよう
- 花材によって使える花瓶は異なる。水が不要な花材なら飾り方の幅が広がる
- 花瓶を並べて飾る際は、高低差を意識するとおしゃれに見える。部屋の統一感を出すには色合わせが重要
記事の監修
赤田 加奈子
プロインテリアアドバイザー
インテリアショップに勤務し、サイズオーダーに対応した高級家具の販売を担当。
家具・インテリアに関する知識と経験を深める。
その後、フリーライターとして独立。
家具販売や接客経験を活かした、インテリア・住宅関連の執筆を主体に活動中。