エアプランツのおしゃれな飾り方とは?初心者にもおすすめの方法をご紹介
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社での設計・設計監理等の経験を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など
土がなくても飾ることができるエアプランツ。おしゃれなインテリアグリーンとしても注目が高まっているアイテムですよね。しかし、土がなくても飾ることができるため、一体どんな風に飾るのが正解なの?と取り入れ方に悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、エアプランツの飾り方についてお伝えします。エアプランツの種類や育て方、おしゃれに飾るためのコツなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- エアプランツの取り扱い方など基本的な知識を得たい方
- エアプランツのおすすめの飾り方を知りたい方
- エアプランツをはじめ、インテリアグリーンに興味がある方
目次
エアプランツとは?
エアプランツとは、土に植えなくても育ち、空気中の水分を取り込んで生長する植物のことをいいます。土が不要で場所を選ばずに飾ることができるため、インテリアグリーンとしても人気の高い植物です。
エアプランツの生長は、とてもゆっくり。一つの植物をじっくりと楽しみたいという方にもおすすめです。また、グリーンのイメージが強いエアプランツですが、生長して花を咲かせるものも多くあります。サイズは手に乗るような小さなものから、30㎝ほどの大きなものまで様々。一般的によく出回っているのは、手のひらサイズの15㎝程のものになります。
本来は雨が少ないとされる砂漠地帯や、濃霧が発生するような森林で、樹木や岩などに根を張って着生する着生植物です。
エアプランツに水やりは必要?
砂漠地帯など、自生できる場所で育っているエアプランツは、水やりなどをしなくても生息することが可能です。しかし、日本の環境下で育てる場合には、エアプランツにも水やりが必要となります。エアプランツの購入時に「水やり不要!」などのPOPを見かける場合もありますが、毎日ではなくても適度な水やりは必要と覚えておきましょう。
夜間になると気孔を開き、空気中の水分を取り込む性質があるため、水やりも夕方〜夜間に行うのが効果的です。
日が昇る頃にエアプランツが乾いている状態にするとよいでしょう。
水やりの仕方は?
エアプランツの場合は、ジョウロで水を与えるのではなく、霧吹きなどを使用して全体に水を吹きかけて水やりを行います。「ミスティング」ともいわれるこの方法が、エアプランツの水やりの基本です。
霧吹きでたっぷりの水を与え、エアプランツの株全体を十分に濡らすのがポイント。ミスティング後は、内側までしっかりと乾かすようにしてください。乾燥しきっていないと、エアプランツが蒸れたり、カビが生える原因となるので注意しましよう。
乾燥している季節には水やりの回数を増やし、逆に梅雨時など湿気が高い時期や活動の鈍る冬は水やりの回数を減らすなど、環境に合わせて調整することが大切です。
ミスティングとは別でソーキングを行う
日頃のお手入れとしてミスティング(霧吹きでの水やり)を行う他に、月に1回程度「ソーキング」を行うことで、よりエアプランツを長く楽しむことができます。ソーキングとは、バケツなどの容器に室温と同じくらいの水温の水をたっぷりと張り、その中にエアプランツを浸し直接水分を吸収させる方法のことをいいます。ソーキングを行うことによって、ミスティングでは行き届かない株の内部にまで、水分を浸透させることできます。
ソーキングが終わった後はしっかりと水を切り、風通しの良い場所に置いてエアプランツを乾燥させましょう。株の部分に水をためないことが大切です。
ソーキングが長すぎると、根腐れの原因となります。4〜5時間を目安に行いましょう。
ミスティングとソーキングはどちらも必要
エアプランツの水やりは、ミスティングだけ、あるいはソーキングだけでOKではありません。日頃のお手入れの中で、どちらの作業も取り入れながら水分を補うことが大切です。日常的にエアプランツの状態を確認し、普段はミスティング、月に1回程度ソーキングというお手入れを併用していきましょう。また、エアプランツの乾燥がひどい場合は、応急処置的にソーキングで復活させられます。
エアプランツの好む環境
エアプランツは湿気が多く蒸れやすい場所や、日差しが強い直射日光の当たる場所が苦手です。そのため、風通しが良く、直射日光の当たらない場所に飾るのがおすすめです。また、エアコンの風が直接当たる場所も、エアプランツが乾燥し過ぎるため避けましょう。
そのほかに、空気の流れが少ない瓶の中に入れて飾る場合や、熱のこもりやすい場所に飾る場合には、時々瓶の中からエアプランツを出すなどの工夫が必要です。
また、梅雨時期は日照不足になりやすいです。晴れているときは、エアプランツを窓際など日光が当たる場所に移動させておくと元気に育てられます。
エアプランツの飾り方
ここからは、エアプランツのおすすめの飾り方についてお伝えしていきましょう。土がなくても育つことができるエアプランツだからこそ、様々な飾り方を楽しむことができます。お部屋におしゃれなグリーンを取り入れたい方は、ぜひ参考にして飾ってみてください。
エアプランツには霧吹きを使うミスティングや、月に1回程度で行うソーキングが必要不可欠です。高すぎる場所に吊るすと、取り出しにくく、日頃のお手入れがしにくいかもしれません。おしゃれさを重視するだけでなく、ストレスなく普段からお手入れをしやすいような場所を選ぶことも、エアプランツの飾り方のポイントとなります。
吊るす
エアプランツは風通しの良い場所を好むため、吊るして飾るのがおすすめです。ハンギンググリーンは、心地よい空間を彩るアイテムにもなりますよ。エアプランツを吊るして飾る方法はいくつかあります。壁に穴を開け難い賃貸物件でも、簡単に掛けて吊るせます。吊るす飾り方について、詳しく見ていきましょう。
カーテンレールの一部を利用
例えば、ウスネオイデスのような比較的ボリュームのあるエアプランツであれば、わざわざ吊り下げるものを準備しなくても、カーテンレールの一部にそのまま吊り下げて飾ることが可能です。S字フックなどを用意すれば、エアプランツを簡単に掛けることができます。ダクトレールやピクチャーレールなどがある場合にも、そのままエアプランツを掛けるだけでおしゃれなインテリアグリーンとして楽しめますよ。
ヒンメリ
北欧フィンランドの伝統的な装飾品である「ヒンメリ」とエアプランツを組み合わせて、おしゃれな装飾品として吊るして飾るのもおすすめです。ヒンメリは、真鍮や木などで作られています。部屋の雰囲気に合わせて素材を選んでみましょう。また、ヒンメリ自体も竹ひごなどでDIYが可能です。お手持ちのエアプランツのサイズに合わせてものを作ってみるのもおすすめですよ。
モビール
動く彫刻といわれている「モビール」を使った飾り方もおすすめです。ゆらゆらと揺れるのが心地よいモビールは、エアプランツを組み合わせることで、ナチュラルインテリアとして仕上がります。小さめのエアプランツをいくつか使ったモビールは、どんな空間にもマッチします。そっと佇んでくれるような、心地の良いインテリアグリーンとなるでしょう。
モビールに近いアイデアで、流木とエアプランツを組み合わせた飾り方も人気です。流木インテリアはおしゃれ上級者というイメージが強いですが、取り入れ方は至ってシンプル。自然のアイテムを掛け合わせることで、よりナチュラルなインテリア雑貨に仕上がりますよ。
壁に掛ける
エアプランツを壁に掛けて楽しむこともできます。アートに近い感覚で、エアプランツを堪能することができますね。壁に飾る場合には、一つではなく複数で飾るとおしゃれにまとまりますよ。エアプランツを壁に掛ける飾り方では、下記のような雑貨と組み合わせる方法がおすすめです。
フォトフレーム
フォトフレームとエアプランツを組み合わせて、壁掛けできるインテリア雑貨にDIYすることで、素敵なディスプレイアイテムになります。おすすめは、フレーム内にエアプランツを装飾するアイデア。簡単なアレンジではありますが、ボリューム感のあるインテリアグリーンに仕上がります。フレームを使った飾り方では数多くのデザインができるので、DIY好きな方に特におすすめです。
ウッドパネル
ウッドパネルであれば、パネルにエアプランツを取り付けるというワンアクションで素敵なインテリア雑貨になりますよ。パネルに取り付けることで支えができるので、留め金具がなくても立てかけて飾ることも可能です。
アイデア次第で様々な飾り方を楽しむことができるので、オリジナリティ溢れるデザインを探してみてはいかがでしょう。
ガーランド風
ロープや麻紐を使ってエアプランツを等間隔に括り付け、ガーランドのように壁に飾るのもおすすめです。麻紐などは100円ショップでも購入できます。簡単に紐のみでDIYすることができる飾り方のため、気軽にできますよ。長さの調整もできるので、どんな場所の壁にもエアプランツを飾ることができますね。
縦型のガーランドと横型のガーランドでも印象が違うので、取り付け方を変えるだけでも簡単に部屋の雰囲気を変化させることができます。
トレイに置く
エアプランツは、吊るしたり壁に掛けたりするだけでなく、トレイなどに置いて飾ることもできます。この場合、DIYなどの作業も特に必要ありません。飾り方に迷ってしまうという方は、まずはお気に入りのトレイにエアプランツを置いてみるところから始めてみてもいいでしょう。
平皿におくだけでなく、ちょっと深さのあるグラスなどに入れて飾るなど、トレイの形状や素材を変えるだけでも雰囲気が大きく変化します。室内のインテリアのテイストや飾るエアプランツに合わせて、トレイ選びも楽しんでみてくださいね。
- ガラス素材・・・清潔感があり、爽やかな空間に
- 石や陶器素材・・・インダストリアル・モダンな空間に
- 木の素材・・・ナチュラルな空間に
テラリウムにして飾る
エアプランツを使用した、テラリウムを作って飾るという方法もあります。小さなボトルの中に様々な世界観を閉じ込めたテラリウムは、思わずずっと眺めていたくなるようなインテリアグリーンになりますよ。自宅用はもちろん、おしゃれなプレゼントとしてもおすすめです。
ボトルのデザインによっては、置いて飾るだけでなく吊るして飾るなど、様々な飾り方ができるのも魅力。飾り方の幅を広げたいなら、ボトル選びにこだわってみてはいかがでしょう。
ワイヤーを使う
ワイヤーを使って、エアプランツ専用のホルダーを作るというアイデアもおすすめです。ワイヤークラフトと聞くと一見難しそうにも感じますが、意外と簡単に作成することができますよ。
何より、既製品ではないためそれぞれのエアプランツのサイズに合ったものを作ることができるというのは嬉しいですよね。コツさえ掴んでしまえば、吊り下げタイプや置き型タイプなど、お好みの形状のホルダーを手作りすることもできるようになります。ワイヤーとエアプランツの他に、クリスタルも組み合わせれば、素敵なサンキャッチャーも作ることができますよ。
- ぐるぐるタイプホルダー・・・初心者向け
- ハンガータイプのホルダー・・・初心者向け
- かごタイプのホルダー・・・上級者向け
石を使う
石を利用してエアプランツを飾る「エアプランツストーン」についてもご紹介しましょう。エアプランツストーンとは、エアプランツを石に着生させたもののことをいいます。
お好みの石を用意し、そこにテグスなどを使ってエアプランツを固定し、しばらくそのままおくだけでOK!しっかりと固定することで、エアプランツを着生させることができます。ただし、置いておく期間は最低でも1〜2ヶ月ほど必要となるため、根気よく待ちましょう。石にしっかりと根が張れば完成です。個性的なオブジェに仕上がりますよ。
固定している期間も水やりは必須なので、忘れないように定期的にミスティングを行うようにしましょう。石だけでなく、流木などにも同様に着生させることができます。ちょっと変わった方法でエアプランツを飾りたいという方におすすめです。
- エアプランツ
- お好みの石
- テグス
初心者におすすめのエアプランツ
これまでエアプランツの様々な飾り方をご紹介してきましたが、うまく飾るにはエアプランツの選び方も重要です。ここからは初心者にもおすすめのエアプランツについてお伝えしていきましょう。エアプランツは種類豊富ですので、どんなものがあるのか知っておくと選びやすくなりますよ。
エアプランツには、大きく分けて「銀葉種」と「緑葉種」の2種類があります。エアプランツの表面には、「トリコーム」と呼ばれる白い細かな毛がついています。このトリコームが長く、白っぽく見えるエアプランツを銀葉種、トリコームが短く緑色に見えるエアプランツを緑葉種と呼びます。
- 銀葉種・・・比較的、乾燥に強く日光を好む
- 緑葉種・・・比較的、乾燥に弱く日光を苦手とする
銀葉種から3種類、緑葉種から1種類、おすすめのエアプランツをご紹介していきます。
ハリシー
銀葉種のハリシーは白銀色の葉っぱが放射状に広がっているのが特徴で、見た目もとても美しいエアプランツです。生長がゆっくりですが、丈夫なので育てやすいエアプランツといわれています。ハリシーは普及種ですが、CITESⅡ(ワシントン条約付属書Ⅱ)に登録されているため、自然下では絶滅状態のエアプランツとなっています。大きく生長すると赤色の花を咲かせ、一味違った雰囲気も楽しむことができますよ。
イオナンタ
銀葉種のイオナンタは、お店などにもよく出回っている定番のエアプランツです。主にメキシコやグアテマラが原産で、日本では花屋さんだけでなく100円ショップなどでも見かけることが多々あります。乾燥に強く、エアプランツ初心者の方でも育てやすい品種といえます。また、葉っぱの色が赤色など紅葉したように変色するので、色の変化を楽しむこともできますよ。
- 春・秋・・・4日に1回程度
- 夏・・・2日に1回程度
- 冬・・・月に1回程度(生長が止まるため)
ウスネオイデス
銀葉種のウスネオイデスは、エアプランツの中でもボリューム感があり、インテリアグリーンとしても人気の高い品種です。長くふわふわとした細長い葉っぱが垂れ下がった姿が特徴的です。壁や天井に吊るして飾るだけでも空間をおしゃれに演出してくれますよ。
ウスネオイデスは水が不足すると葉っぱがカサカサになり、茶色く変色して枯れてしまいます。葉っぱが細く水を溜め込むことが難しいため、霧吹きを軽くかけたくらいでは、すぐに水が蒸発してしまいます。水やりの際には水が滴るくらいたっぷりと霧吹きを掛けてあげましょう。
お風呂場であれば、水が滴るのも気になりませんよ。
アエラントス
緑葉種のアエラントスはエアプランツの中でも耐寒性が強く、初心者でも育てやすいです。寒さに強い品種のため、温暖な地域であれば屋外で育てて越冬することも可能です。「空中の花」という意味を持つアエラントスは、開花時期にはピンク色の花苞から鮮やかな青紫色の花を咲かせます。花を咲かせた姿もまた魅力的ですよ。
まとめ
今回は、初心者の方にもおすすめなエアプランツの飾り方や、水やりなどの基本的なエアプランツの育て方について詳しくお伝えしました。様々な飾り方を知ることで、インテリアグリーンとしての楽しみ方の幅も広がります。DIYなどで少し手を加えることで、グリーンとしてだけでなくインテリア雑貨としても様々な飾り方ができるようになり、よりおしゃれな空間を楽しめますよ。
最近では花屋さんだけでなく、100円ショップでも見かけることの多いエアプランツ。ワイヤーなどで簡単にスタンドなどを自作することも可能なので、ぜひオリジナルのエアプランツの飾り方を見つけてくださいね。
- エアプランツは土がなくても育てることができるため、吊るす、壁に掛ける、置くなど、飾り方のバリエーションが豊富
- エアプランツには、「銀葉種」と「緑葉種」の2種類がある。それぞれの種類ごとに、適した環境で飾ること
- 数日に1回程度のミスティングと、月に1回程度のソーキングを行うことで、エアプランツをより長く楽しむことが可能
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社での設計・設計監理等の経験を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など