ブーケとはどんなもの?お部屋に飾るブーケと結婚式のブーケを詳しくご紹介
フランス語で「花束」という意味のブーケ。いくつもの花材を組み合わせることによって、ナチュラル、可愛らしい、エレガントなど、あらゆるテイストに仕上げることができます。最近は気軽に花を飾れるように、生花店の店頭で可愛らしいサイズのブーケが販売されています。また、ブーケといえば結婚式で新婦が持つものを真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。
そこで今回は、インテリアブーケとウェディングブーケの2種類についてお伝えします。それぞれのデザインの種類も詳しくご紹介しますので、どうぞ最後までお読みください。
- 花を暮らしに取り入れたい方
- 切り花のお手入れの仕方を知りたい方
- こだわりのウェディングブーケを持って結婚式に臨みたい方
目次
ブーケと花束の違いとは
ブーケのお話の前に、まずブーケと花束の違いについてお伝えしましょう。先述のとおり、言葉の意味としては「ブーケ」と「花束」は同じということになりますが、日本では両者の間に少し違いがあるようです。
花束は茎が長い状態で束ねられていて、デザインに前後があるもののこと。正面からはきれいな花が見えるようになっていて、背面はラッピングペーパーでカバーされています。一方、ブーケは花束ほど茎が長くなくてコンパクト。デザインに前後はなく、どの角度から見てもきれいな花を楽しめます。
ブーケにはあまり見られない、しっかりした枝ものが花束には使われることがあるのも、このことと関係しているのかもしれませんね。
たくさんの人の前で渡すようなシーンでは、大きくて見栄えがする花束が向いています。逆に、あまり大袈裟にならない方がいい場合や、気軽なプレゼントとして花を贈りたいときにはブーケがおすすめです。
花束とブーケの違いがわかったところで、ここからはブーケについてお伝えしましょう。
インテリアブーケとウェディングブーケ
私たちが生花店などで購入するブーケは、家で飾ることを目的とした「インテリアブーケ」と呼ばれるものです。季節の花や色合わせを楽しむことができ、生活に彩りを加えてくれます。アーティフィシャルフラワーなどの生花以外の花材で作られた、長く飾れるものもありますよ。
一方、結婚式で新婦が持つのは「ウェディングブーケ」。ドレスのデザインや新婦の希望に合わせて作り上げられた特別なものです。純白のドレスに合わせて白とグリーンで作られたデザインのほか、カラードレスに似合うカラフルなブーケも多いです。
それでは、ここからはまず身近なインテリアブーケについてご紹介します。花を長く持たせる方法についてもお伝えしますので、参考になさってください。
生花のインテリアブーケならではの良さとは
ブーケのほかに生花店で人気の商品といえば、フラワーアレンジメント。器の中にセットした吸水フォームに花を挿して作られています。きれいにデザインされていてすぐに飾れる点はブーケと同じなのですが、違うのは材料費。ブーケは花器などを使用せずに済む分、花にお金をかけることができるメリットがあります。
また、フラワーアレンジメントは器のサイズによって飾れる場所がある程度決まります。一方、ブーケはあまり大きくないため、広いところはもちろん、ちょっとした空間にもさりげなく飾れます。
ほかにもブーケ特有の良さがあります。ご紹介していきましょう。
飾るときに花の量や長さを調節できる
ブーケはラッピングを外すとそのまま花瓶などに生けることができます。手軽に飾れるのは嬉しいポイントですが、加えて、解くことも可能。飾りたい場所に合わせて花のボリュームを変えて楽しみましょう。
例えば、食卓にブーケの半分の花を、残りは別々に一輪挿しに生けて、玄関やキッチンなどに飾ってみてはいかがでしょう。あちこちに花を飾ると、家の中が明るく華やかな雰囲気になりそうですね。
その後、割り箸の先に布を巻き付けて輪ゴムでとめたものを入れて、傷つけないように優しく洗いましょう。
最後によくすすぎ、乾燥させてください。
日々のお手入れで、花を長く持たせることができる
きれいに咲いている花を長持ちさせるには、花瓶の中の水を清潔に保つのが大事。夏は毎日、冬でも2、3日に一度は水を替えましょう。その際、水に浸かっていた部分の茎や花瓶の内側もきれいに洗うと、雑菌の繁殖を抑えられます。水切りも毎回行えば、花が水を吸い上げやすくなりますよ。
切れ味の悪いハサミを使うと、茎の中の導管が詰まってしまい水が上がらなくなる可能性があるので、よく切れるハサミを使ってください。
また、水の中に切り花の延命剤を入れると一層長持ちします。表示されている分量を守って使用しましょう。
インテリアブーケの種類
生花店の店頭には、プロのフローリストがセンスを生かして作ったミニブーケがよくディスプレイされていますね。おしゃれに束ねられたカラフルな花が500〜1,000円ほどで購入できます。小さなものなので、花瓶でなくグラスやカップに生けても素敵です。料理にも使えるよう、ハーブが入ったキッチンブーケもありますよ。
ほかにもさまざまなブーケが販売されています。珍しいタイプもご紹介しますので、どんなものか想像しながらお読みくださいね。
花瓶いらずのスタンディングブーケ
生花のブーケは帰宅後すぐに花瓶に生ける必要があります。プレゼントする場合は、相手の方が花瓶を持っているかどうか気がかりなものですが、その心配がいらないのがスタンディングブーケです。
花に必要な水分はもちろん、栄養や抗菌剤も含んだゼリーが器の中に入っています。その器ごとラッピングされていて、飾る際はそのまま置くだけでOK。栄養たっぷりの水分を吸収するため、花が普段より長持ちするケースもあるそうです。水替えも不要なので、受け取った方の負担にならないプレゼントとしてもおすすめです。
フルーツや野菜を使ったブーケ
フルーツブーケとは、きれいにカットされたフルーツがスリムな器からあふれるようにアレンジされたもの。カラフルで目新しいので、プレゼントにしても喜ばれるのではないでしょうか。旬の果物が使われることが多いため、季節感も出ます。
サイズもさまざまあり、大きなものはパーティにもおすすめ。星の形にカットされたフルーツや、チョコレート、グミなどが加えられたものもあります。食べるのがもったいなくなりそうですね。
また、野菜を中心にハーブやエディブルフラワーなどで作られているのがベジブーケです。美容や健康志向の方へのプレゼントにいかがでしょう。瑞々しい野菜本来の色や形、また、花とは違う趣のデザインで、なにより、飾ったあとは丸ごと食べられるのが魅力です。ペットへのプレゼントにもよさそうですね。
生花以外の花材を使ったブーケ
インテリアのアイテムとして長く飾れるものといえば、アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワー、ドライフラワーなどで作られたブーケ。生花同様に花瓶に飾ったり、そのまま家具の上に置いたりして、手軽に花を暮らしに取り入れられます。お手入れはときどき埃を払う程度で済むので、あまり手間がかからないのも嬉しいですね。
また、おしゃれな写真を撮りたいときには小道具としても使えます。単色のものも素敵ですし、カラフルなブーケなら置き方によって違う色を見せることができて便利。花があるとそれだけで様になりますし、少しぼかした感じで撮影すると一層素敵に映ります。
生花にアレルギーがある方へのプレゼントにもいかがでしょう。
高温多湿や強い光を避けて飾れば、数ヶ月から、環境によっては数年飾ることも可能です。
おしゃれに見える花器選び
どの色の花とも合うのは白い花器ですが、緑やグレー、ベージュも比較的多くの色と合います。また、同じ花でも黒い花器に挿すとガラリと印象が変わり、スタイリッシュな雰囲気に。逆に、ポップな感じにしたいときは明るく淡い色の花器を選ぶと、花が主役になりながら全体に軽やかな雰囲気を作り出せます。
基本的には花の色と器の色を合わせると素敵に見えますが、お手持ちの花瓶の中に合うものがない場合は、紅茶の缶やコーヒーカップなどを使ってみてはいかがでしょう。何色も使って描かれていることが多いので、花と合わせやすいですよ。
見た目の印象を簡単に変えられます。
バランスの取り方
ブーケ(花瓶の口から花の先端まで)と花瓶の高さのバランスが良く見える比率は1:1が基本。ですが、少し背の高い花瓶しかない場合は、細いリボンを花瓶に巻くとバランスが取れます。デザインのアクセントにもなりますね。
また、風が通り抜ける場所は花瓶が倒れる可能性もあるので、避けた方がいいでしょう。
続いて、ウェディングブーケについてお伝えします。インテリアブーケとはまた違った趣がありますよ。最近の披露宴の中で行われるイベントについてもご紹介します。
華やかで美しいウェディングブーケ
ブーケはウェディングドレスとともに新婦を美しく見せる大切なアイテム。上質な花だけを使用し、どこから見ても美しく、そして、決して型崩れなどしないように、フローリストが技術とセンスを生かして丁寧に制作しています。ウェディングブーケが比較的高額なのは、こういったことが理由なのですね。
また、アーティフィシャルフラワーの品質が向上し、近くで見ても生花と遜色ないほどに美しくなっているため、造花ブーケの人気も高まっています。前撮りにも結婚式当日にも使えるほか、思い出の品として結婚後何年も飾っておくことができますよ。さらに、個性的なデザインの花材が多いドライフラワーや、一部にプリザーブドフラワーを使ったブーケも数多く販売されていて、ウェディングブーケの選択肢は広がる一方です。
中世ヨーロッパでは、プロポーズする際に男性が女性のために野の花を集めて花束を作って贈っていたとされています。
女性は返事がYESのときには、受け取った花束の中から花を一本抜き取って、男性の胸元に挿したとのこと。
それがブーケとブートニアの由来となっているそうです。
ウェディングブーケの種類
日常では目にする機会が多いとはいえないウェディングブーケ。ここからは、たくさんあるデザインの中から基本の形のものをご紹介します。新婦の雰囲気やドレスとの相性も考えながら選ぶと素敵ですよ。
ラウンドブーケ
上から見ると円、横から見るとドーム型の丸いブーケで、ウェディングブーケの定番です。華やかさに加え可愛らしさがあり、どんなシルエットのドレスともよく合います。小さめのサイズであれば、レストランウェディングやガーデンウェディングなどにもおすすめです。
キャスケードブーケ
キャスケードには「小さな滝」という意味があり、上から水が流れ落ちるように縦に長い形になっています。格調高く、大人っぽい印象のブーケなので、すっきりと縦のラインが強調されたスレンダーなドレスと相性がいいです。特に、トレーン(引き裾)の長いドレスなら、とても印象的な立ち姿になるでしょう。
ティアドロップブーケ
涙の雫の形をモチーフに作られたもので、キャスケードブーケよりも下の方が細くなっているものを指します。使用する花の数が多く、豪華で高級感のある仕上がりに。中には、クリスタルなどのきらきら光るパーツを入れて作られたものもありますよ。
クラッチブーケ
多くのウェディングブーケは持ち手の部分をリボンで装飾していますが、クラッチブーケはそのリボンがないタイプのもの。切り揃えられた茎がそのまま見えるデザインです。可愛らしい雰囲気の花を集めた場合は、緑が背景に見えるガーデンウェディングにぴったり。一方、カラーリリーなどすっきりとしたフォルムの花だけで作られたものなら、都会的な雰囲気に。大人っぽいデザインのドレスに合います。
メリアブーケ
たくさんの花びらが重なっている「椿」を意味する「カメリア」が語源になっています。1輪の花のまわりに花びらを1枚ずつ加えていく「メリア」という手法で、大きなひとつの花ができあがります。豪華な見た目でとても印象的。すっきりとしたデザインのドレスにぴったりです。
形を変えて楽しまれているブーケトス
新婦がトスしたブーケをキャッチした女性は次に結婚できるといわれ、結婚式のイベントとして親しまれてきたブーケトス。ですが、ブーケ目がけて走ったりせずに済むよう、最近は代わりにブーケプルズを行うことが増えています。
これは、花嫁が持つたくさんのリボンの中の1本だけがブーケに繋がっていて、それを引いた参加者にブーケをプレゼントするというもの。ブーケに繋がっていないリボンの先にもちょっとしたプレゼントをつけておくと、参加者全員が楽しめますね。
また、未婚の女性だけでなく、もっと多くのゲストに参加してもらおうと趣向を凝らしたイベントもあります。そのなかから3つをご紹介しましょう。
キャンディブーケトス
花ではなく、キャンディで作られたブーケを投げます。キャンディに限らず、いろいろな種類のお菓子の詰め合わせを作ってトスするケースもあるそうですよ。小さいお子様にも喜ばれそうですね。
パラシュートベア
バズーカのような形をしたエア式クラッカーの中にクマのぬいぐるみが入っています。上に向けて新郎新婦がクラッカーを放つと、パラシュートをつけたクマがふわふわと降りてきます。可愛らしいぬいぐるみの様子に、みんな笑顔になりそうですね。
ブロッコリートス
新郎が未婚の男性ゲストに向かってブロッコリーを投げます。受け取った人が次に結婚できるという点もブーケトスと同じです。ブーケのように華やかに飾り付けたブロッコリーが使われることもあるそうです。
ウェディングブーケをオーダーする方法
せっかくの結婚式。ほかにはないデザインのブーケを持ちたい方はオーダーメイドで作ってもらってはいかがでしょう。ウェディングに関連する雑誌やカタログ、画像などを参考にして、具体的にイメージしてから注文するとスムーズに進み、希望に沿ったブーケができあがります。
のちのち問題にならないように、早い段階でウェディングプランナーの方に確認しておきましょう。
オーダーメイドブーケは、結婚式の2ヶ月以上前から注文を受け付けるところが多いようです。状況によっては希望の花材が準備できない場合があるので、そのときには代わりにどの花を入れるかなど、綿密に打ち合わせしておくと安心ですね。
まとめ
インテリアブーケとは、どの角度から見てもきれいな花が見えるように束ねられたものです。そのまま飾ったり、一度解いて別々の器に生けたりして、気軽に花のある暮らしを楽しめます。花器との色合わせで遊んでみるのもいいですね。
また、ブーケと聞くとウェディングブーケを思い浮かべる方も多いでしょう。さまざまな種類のものがあるので、ご自分の好みやドレスのデザインも考えながら選んでください。オーダーメイドの場合は時間の余裕を持って注文し、しっかりと打ち合わせすることをおすすめします。
- インテリアブーケはコンパクトで飾りやすいため、暮らしに取り入れやすい
- 生花以外の花材で作られたものもあり、インテリアブーケの選択肢は広がっている
- 好みに合った美しいウェディングブーケを持てるよう、打ち合わせは綿密に