スワッグは壁にかけるだけ?花瓶を使っておしゃれに飾ろう
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社での設計・設計監理等の経験を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など
花や葉を束ねて作る壁飾り、スワッグ。花束を逆さにしたような形のものをよく見かけますね。ボリュームのあるものはリッチな雰囲気、縦長の細身のデザインならスタイリッシュな感じがします。また、小ぶりなスワッグを麻紐などでいくつか繋げたガーランドは、ナチュラルなテイストで可愛らしさも感じられ人気です。どのスタイルのスワッグも、インテリアのおしゃれなアクセントとなっています。
壁を飾るものというイメージが強いスワッグですが、実は花瓶を使った飾り方も素敵です。合わせる花瓶によって印象が変わるところが興味深く、他のインテリアアイテムと合わせるとおうち空間の楽しみ方、演出方法が増えます。
そこで今回は、スワッグを花瓶に入れて飾るおすすめの方法をご紹介します。花材別の特徴や飾るときの注意点などもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
- スワッグの飾り方のバリエーションを増やしたい方
- あまり手間をかけずに花のある暮らしを楽しみたい方
- 小物を使って部屋のデコレーションを変えてみたい方
目次
スワッグはバリエーション豊か
スワッグは、ヨーロッパでは古くから「魔除け」あるいは「幸運を呼ぶもの」として飾られてきました。元々はクリスマスの頃に壁に掛けるものでしたが、次第にそれが季節を問わずに飾るようになり、今ではおしゃれなインテリアアイテムとして広まっています。
現在のスワッグは、季節の花を束ねたり、ユーカリやミモザなど1種類の花材でまとめたり、ワイルドフラワーを加えておしゃれな雰囲気を高めたりと、デザインの幅が広がっています。リボンで束ねているものが多いですが、ほかにも自然素材のラフィアや麻紐を使っているもの、また、ラッピングペーパーでふんわりと覆われているものもあり、個性豊かです。
花瓶に飾るときも壁を背にするようにして飾ると、立体的で美しいフォルムを楽しめます。
使用されている花材の種類によって、スワッグの見た目の印象は大きく変わります。ここからは、それぞれの花材の特徴とともにお伝えしましょう。
ドライフラワー
スワッグに多用されているドライフラワー。落ち着いた色合いがアンティークな雰囲気を醸し出し、木製の家具との相性もいいです。目を引くルックスのワイルドフラワー(プロテアやバンクシアなど)も多く、おしゃれな花材です。
最近はドライに加工する方法が工夫され、生花のときに近い美しい色合いを残している花が多くあります。また、きれいに着色された鮮やかな色のドライフラワーも登場し、選択できる色が増え続けています。また、ユーカリやラベンダーをはじめとして、自然の香りが残っているものもあります。近くを通るたびにほのかないい香りに癒されそうですね。
スワッグの中に入れると、花や葉を使ったものとはまた違った面白みのある作品になりますね。
プリザーブドフラワー
生花に特殊な加工をし、美しさを長く保てるように保存液と着色液を吸収させています。淡い色からビビッドなものまでさまざまなカラーバリエーションがあり、しっとりとした生花の質感を保っているのが特長。強い光や湿度の高い場所、そして埃を避けられれば、年単位で長く楽しめるというメリットがあります。
多くのプリザーブドフラワーは茎の部分が短く小ぶりです。そのため、スワッグにする際にはドライフラワーやアーティフィシャルフラワーと合わせて作って、ボリュームを出すことが多いです。
カーテンや吊るしている服が風に揺れてプリザーブドフラワーに触れることがないよう、飾る場所には気をつけましょう。
アーティフィシャルフラワー
生花によく似せて作られた造花です。100円ショップで販売されるようなカジュアルなものがある一方で、生花と見間違うほど高品質なものも増えています。また、花びらにラメをつけたり、生花にはない色やサイズのものなどもあり、フラワーディスプレイには欠かせない花材といえます。
丈夫で、ときどき埃をはらう程度のお手入れで何年も飾れるので、インテリアに取り入れるのにはぴったりの花。色味も種類も豊富で、スワッグの花材としても人気です。茎などにワイヤーが入っているものが多いため、花の向きや蔓の流れるようなラインなど、好きなように形づくることができます。
花びらに皺を寄せて、端はちぢれさせるなど、本物のドライフラワーにそっくりです。
スワッグを花瓶に飾るメリット
壁に花を飾ることが随分ポピュラーになってきたとはいえ、部屋全体のバランスを見ながら、ちょうどいい場所に設置するのは少しハードルが高いのではないでしょうか。特に、ほかに何も壁に掛けていない場合、ひとつだけスワッグを飾ると、かえって寂しい感じになってしまうかもしれません。ですが、花瓶に挿して家具の上に置くと、スワッグだけが目立ってしまうことはありません。微妙な位置の調整も簡単にできますね。
さらに、小さなスワッグをいくつかまとめて花瓶に挿せば、それぞれ単独のときとは全く違ったイメージになります。ボリュームも出てリッチな雰囲気で飾れますよ。
もともと壁を飾るものとして作られたスワッグですが、花瓶を使って飾るメリットはほかにもあります。ご紹介しましょう。
壁に穴を開けずに飾れる
スワッグを飾りたい気持ちはあっても、壁に穴を開けることに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。また、賃貸物件のため壁掛けできない場合や、掛けられるスペースが限られている場合もありますよね。ですが、花瓶を使えばお気に入りのスワッグを簡単に部屋に飾ることができます。ある程度高さのある場所を選べば、壁を花で飾る雰囲気も楽しめるでしょう。
受け取った方が、お住まいの状況や好みに合わせて、スワッグを壁に飾るか花瓶に挿すかを選べます。
花瓶はスワッグに使わなくても他の花を飾るのに役立ちますし、他とは一味違った印象的なプレゼントになるでしょう。
さまざまな飾り方ができる
花瓶にもいろいろなタイプがあります。透明のガラスの器や陶磁器、また、スリムで背の高いもの、ころんと丸い形のもの、凝った形のもの、柄が入っているものなど、デザインはさまざま。スワッグとどの花瓶と合わせるかで全体の印象もサイズ感も変わります。ひとつのスワッグで何タイプもの楽しみ方ができそうですね。
また、花瓶に飾れば家中あちこちに移動させるのも簡単。場所が変わるだけで気分転換になります。それに、以前から持っていたインテリアグッズと組み合わせると、新鮮な発見があるかもしれません。
抜いた数本はまた束ねて、あるいは1本ずつ別の花瓶に挿してもいいですし、マスキングテープで壁やウッディなボードなどに貼り付けてディスプレイすることもできます。
花瓶に飾るときに気をつけること
割れる素材のものも多い花瓶。特に、背の高い花瓶や大きなスワッグを飾る場合は、花瓶が倒れないようにしたいものです。窓際などの風の通り道、そして人が通る導線上、また小さな子どもの手が届く高さには置かないようにしましょう。また、花瓶だけでなくスワッグ自体にもあまり触れない方が花材が長持ちします。そのため、意図せず手が届いてしまうような場所に飾るのも避けた方がいいでしょう。
多少の揺れにはびくともせず、剥がすときは跡形もなくきれいに取ることができるので、おすすめです。
また、花瓶の中に油粘土を袋ごと入れておくと錘(おもり)になり、倒れにくくなります。
ほかにも、花材の種類によって気を付けたいポイントがあります。スワッグをできるだけ長く楽しむためにも、下記の注意点をしっかりとおさえておきましょう。
立てて飾るのに向かない花
ドライフラワーの中には、立てて飾るのに向かない花もあります。例えば、ラナンキュラスのように花が大きくて茎が細いものは、花の重みでだんだんと茎が曲がってきてしまうかもしれません。もしそうなったら、一旦スワッグから取り除き、花が下に来るように吊るして飾りましょう。なお、かすみ草やスターチスも茎は細いですが、花自体が小さく軽いため、茎が曲がることなく花瓶にも飾れます。
個性的な見た目のキングプロテアや色がきれいなケイトウもおすすめです。
プリザーブドフラワー(茎も生花由来の場合)も同様です。茎が曲がってきた場合は、吊るして飾る方法に変更してください。アーティフィシャルフラワーの場合は、ほとんどの花材の茎にワイヤーが入っているので、長く飾っていても重さで茎が曲がることはないでしょう。
飾る場所にも気をつけて
ドライフラワーとプリザーブドフラワーは、直射日光や強いライトの光を浴び続けると褪色が進みます。また、エアコンの風が直接当たると、乾燥しすぎて花びらがひび割れたり、ぽろぽろと落ちてしまい、また管理、片付けが大変になるため、風向きには配慮が必要です。さらに、湿度の高い場所ではカビが生える可能性も。このような場所は避けて飾り、少しでも長く楽しめる方法を採用しましょう。
アーティフィシャルフラワーはあまり場所を選びませんが、直射日光が長時間当たり続ける場所は避けた方が、本来の色合いを長く楽しめます。また、液体がつくと染みになることがあるので気をつけましょう。
カメラ用のブロワーを使ったり、ドライヤーの冷風を少し離れたところから優しく当てたりして、ときどき埃を払いましょう。
花瓶と組み合わせておしゃれに飾ろう
スワッグを選ぶときは、好みのデザインであることも大事ですが、色使いも大きなポイント。インテリアに使われている色と大きくかけ離れていない色合いのものを選びましょう。スワッグを飾る部屋の壁や床、大型の家具、ソファ、カーテン、カーペットなど、比較的大きな面積を占めるものと色やトーンを合わせると、違和感なくマッチします。
どんなふうに飾りたいかも予めよく考えておくと、スワッグを選びやすくなります。自然に部屋に溶け込む感じにするのか、視線を集めるフォーカルポイントにして目立出せるのかなど、いろいろとシミュレーションしてみるのも楽しそうですね。また、季節を意識して色合いやデザインを変え、季節ごとのインテリアを楽しむのも素敵です。ときには自分で作ってみるのもいいかもしれませんね。
必ず目を通し、納得できるものを選びましょう。サイズの確認もお忘れなく。
ここからは花瓶の材質ごとの特徴や飾るときのポイントをお伝えします。スワッグとの組み合わせを考える際の参考になさってください。
手軽で合わせやすいガラスの花瓶
どんな花材にも合うのは透明のガラスの花瓶。シンプルな円筒形のシリンダー型を使えば、束ねた紐やリボンまで見えておしゃれです。また、あまり大きくないスワッグなら丸い球型の花瓶はいかがでしょう。真っ直ぐではなく、少し傾けて飾る感じもアクセントになります。
同じガラス製で、色がついているものもあります。ブラウンは落ち着いたおしゃれな雰囲気になるうえ、幅広い色味の花に対応できます。グリーンのものにはユーカリなど葉ものが多く入ったスワッグが似合いそうです。また、夏には青や白の花が入ったスワッグをブルーのガラスの花瓶に挿すと、涼しげな雰囲気になりますね。
また、100円ショップで売られているボトルを使うのもおすすめです。
色の組合せが楽しい陶磁器の花瓶
色・形・大きさ・デザイン・柄、どれをとってもバラエティ豊かな陶磁器の花瓶。スワッグとの組み合わせの妙を楽しみましょう。合わせやすいのはシンプルなデザインで単色、無地のもの。スワッグと色味が似ているものもいいですし、あえて反対色を選ぶのも面白そうです。ドライフラワーにはベージュやブラウン、カーキなどのアースカラーもいいですね。
また、個性的な形をしているもの、モチーフがあちこちに配置されているもの、あるいは、複数の色で塗り分けられているデザイン性の高い花瓶なら、スワッグと一緒に飾った時のオブジェとして存在感が増すのではないでしょうか。
花瓶の中で雑菌が発生する心配もなく、清潔に保てます。
異素材を組み合わせたものも魅力的
ガラスやアイアン、木などを組み合わせて作られた花器も販売されています。特にガラスはほかの素材との相性がよく、乾燥させた植物の蔓を編み込んで装飾したものや、黒やブラウン、ゴールドなどにペイントされたアイアンの枠の中にセットされた商品もあります。
また、木製の花瓶は天然の模様や色合いを生かしたデザインが多く、独特の風合いを持っています。ガラスの花瓶と組み合わせたものや、アイアンのパーツに木の器が乗っているものなど、ほかの素材と組み合わせた芸術的な作品がいくつもあります。
個性的な花瓶とスワッグを合わせると、アートな雰囲気の空間ができあがるかもしれません。インテリアとしての花を飾る楽しみが広がりそうですね。
サイズをチェック
「気に入って購入したものを部屋に飾ってみたけれど、サイズが合わずしっくりこない…」という経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。お店で見るときと自宅とでは、大きさの感覚が一致しないことがあります。あらかじめ飾る場所を決め、サイズを測ってから選ぶと間違いありません。
スワッグや花瓶を購入する際は、この比率を目安にして選ぶことをおすすめします。
基本の形に慣れたら、花瓶と花材の比率を自分好みに変えてみてくださいね。
ほかのものと組み合わせて更におしゃれに
花瓶に挿したスワッグをひとつ飾るのもいいですが、いろいろなものと合わせてディスプレイ空間を作ってみませんか?例えば、アートポスターの横に置くだけでもおしゃれ度がぐっと高まります。流木と並べるのも素敵ですね。ほかにも、写真立てやライト、貝殻、木の実、オブジェといったインテリア小物と一緒に飾るのもおすすめです。さらにお互いの魅力が引き立つでしょう。
また、花瓶をいくつか並べて、それぞれに小さなスワッグを飾るのもおすすめです。スリムな花瓶にスリムなスワッグを挿して並べてみたり、高さの違う花瓶を使って高低差をつけたりするのはいかがでしょう。同じ形の色違いの花瓶を置くのもおうち空間の楽しみ方、演出方法が増えますね。季節や気分に合わせてときどき並べ方や色使いを変えると、楽しみながら居心地の良い空間を作れそうです。
まとめ
スワッグと花瓶を組み合わせると、何通りもの飾り方を楽しめます。ドライフラワーやプリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーといった花材それぞれの特徴を踏まえて、お気に入りのスワッグを選び、適する場所に飾って長く楽しみましょう。
花瓶に挿せば、壁に穴を開けずにスワッグを暮らしに取り入れられるうえ、水が不要でお手入れが楽。家の中をあちこちに移動させることもできるため、さまざまなインテリアアイテムと合わせて、ちょっとしたディスプレイスペースを作り出すこともできます。材質やデザイン、色合い、サイズなど、さまざまなバリエーションの花瓶と合わせて、素敵なインテリアを完成させましょう。
- スワッグにも花瓶にも多くの選択肢があり、組み合わせることでさまざまな飾り方を楽しめる
- 花瓶に挿したスワッグは、花材に合わせた場所に飾ることできれいな状態を長く保てる
- ほかのインテリアのアイテムと組み合わせたり、飾り方を工夫したりして、スワッグのある生活を楽しもう
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社での設計・設計監理等の経験を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など