おしゃれなリースを手作りしよう!花材別の作り方をご紹介
壁やドアを花で飾るアイテムといえば、真っ先に思い浮かぶのはリースではないでしょうか。特にクリスマスの時期は緑や赤をメインカラーにしたものをよく目にしますが、リースは季節を問わず飾れるもの。使われる花材もデザインもさまざまで、また、存在感もあり、インテリアを華やかに彩ります。
インターネットで検索すると、たくさんのおしゃれなリースの画像が見つかりますね。素敵な作品を見ているうちに、「自分の好きなように手作りできたら」と思ったことがある方も多いのでは。そこで今回は、リース作りに挑戦してみたい方に向けて、花の種類別の比較的簡単な作り方をご紹介します。ご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
- いつか自分でリースを作ってみたいとお考えの方
- リース作りにはどんな道具が必要か知りたい方
- ハンドメイドが好きな方
目次
リースとはどんなもの?
今ではインテリアのアイテムとして馴染み深いリース。始まりも終わりもない円の形から「永遠」の象徴とされ、古くから愛情や幸福がずっと続くことを願って飾られてきました。また、玄関のドアに掛けるのは「魔除け」の意味もあるとか。外出した家族の身に何の災いも起きず、無事に帰ってくることを願って飾るのだそうです。
今では円形のほかにも馬蹄型や三日月の形のクレッセント型、また、ハートや星の形のものも見かけるようになりました。使用される材料は花や葉、枝、実、蔓などの植物に加え、リボン、いろいろな形のピック、小さなぬいぐるみなどさまざま。ナチュラルな雰囲気を高めるラフィアを結びつけたものも人気がありますし、華やかにキラキラ光るパーツやLEDライトをつけたものもあります。デコレーションの幅は広がる一方です。
光が通って透明感が感じられるデザインで、中にメッセージも入れられるため、プレゼントとしても人気です。
リース作りに必要なアイテム
リースを見れば使われている材料はわかりますが、道具となると具体的に何が必要なのかは想像しにくいもの。また、使用する花材や作り方によっても変わるので、準備しづらいですよね。そこで、ここではリース作りに使われる基本的なアイテムとして、リースの土台と花材を固定するものを2種類ずつご紹介します。
記事の後半では花の種類別の作り方をご紹介していますので、ご自分が作りたい花材に合わせて準備なさってください。どれも手芸用品店やDIYショップ、100円ショップ、ネットショップなどで手に入ります。
土台になる天然素材のリース
リース作りで土台としてよく使われるのは、天然素材で作られた円形のもの。細かい枝が飛び出ているひげづるや、数本の柳の枝をからめて作られたものなどがあり、サイズは直径10㎝のものから30㎝を超えるものまでさまざま。色味はブラウンが多いですが、グレーや白に着色されたものも販売されています。
天然素材のため、正円ではない場合があります。花材をうまく組み合わせることで、きれいな形のリースに仕上げることはできますが、慣れないうちは店頭できれいな形のリースを選んで購入することをおすすめします。
エレガントな雰囲気に仕上がりますし、花材との色合わせも楽しめますよ。
フローラルフォーム
リースの形をしたオアシスとも呼ばれる土台のことです。大きく分けると、吸水できる生花用と、それ以外の花材に使用するドライ用の2種類があります。
生花用のフローラルフォームには、プラスチック製の受け皿がついています。リースをつくる際には一旦受け皿を外し、水を張ったボウルなどにフォームを浮かせて吸水させます。上から水をかけたり、フォームを押さえつけたりせず、そのまま自然に吸水するのを待ちましょう。このフォームは一度乾くともう水を吸収できなくなるので、リースを飾っている間は毎日水を足してください。
ドライフラワー、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーなどの花材で作る場合は、ドライ用のフローラルフォームを使用します。セックと呼ばれる比較的柔らかいものや硬いポリスチレン製のものなど数種類ありますが、一般的には、茎があまり強くないドライフラワーやプリザーブドフラワーには柔らかいフォームを、アーティフィシャルフラワーの場合は硬いものを使います。パッケージに使用可能な花材が記載されているので、確認してから購入しましょう。
軽くて手頃というメリットもありますが、花材が入っていない部分が白く目立ってしまうという弱点も。白いリースを作るとき以外は、避けた方が無難です。
リースワイヤー
土台になるリースに花材を固定するのに使う細い針金です。小分けにした花材を土台に添わせるように乗せたら、リースワイヤーを2、3回きつめに巻き付けます。位置を少しずらしてまた花材を乗せ、ワイヤーを巻くという手順を繰り返し、リースを覆っていきます。使い方が簡単でしっかり固定できる便利なアイテムで、通常はリースを一周するまで一度も切らずに使用します。
リースを作る際は、目立たないようにグリーンやブラウンのリースワイヤーを使用しましょう。
グルーガン
フラワーアレンジメントに限らず、ハンドメイドやDIYをするときに材料を固定するのに使うグルーガン。ホットボンドと呼ばれることもあります。ピストルのような形をした本体に、グルースティックという固形樹脂をセットし、コンセントに繋いで使用します。熱で溶けたグルースティックをグルーガンの先端から出すと、すぐに冷えて固まります。その性質を利用して接着・固定するものです。
高温用と低温用がありますが、ハンドメイドには低温用のミニグルーガンで十分事足ります。低温とはいえ、グルーガンの先端はとても熱くなっていますので、触らないように気をつけてください。また、温度が上がるまで数分かかるので、コンセントには早めに挿しておくといいでしょう。
素敵なリースを作るコツ
ハンドメイドの魅力のひとつは、自分の好きなようにデザインできること。花材・色合い・デザインなどいろいろとこだわって、お気に入りの作品を完成させましょう。好きなテイストのものばかりを集めて作るのもいいですし、季節に合わせて雰囲気を変えるのも素敵です。春はパステル系、夏はクールな感じ、秋は温かみのある色合いに木の実を加えたり、冬にはクリスマスらしくしたりして楽しむのもいいですね。
なお、できあがりのサイズをあらかじめ決めておくのは、意外と大事なポイントです。飾る場所を決めておいて、そのスペースにバランス良く収まる大きさを割り出しておきましょう。花材のボリュームも加わるので、土台となるリースの直径はその分小さいものを選んでください。
直径30㎝になるリースを作りたい場合は6㎝引いて、直径が24㎝前後の土台を選びましょう。
花材選び
あれもこれもとたくさんの種類の花材を使いたくなりますが、あまり多すぎると統一感が出にくくなるかもしれません。おすすめは3〜5種類。メインになる花、それより小さいサイズのもの、そして、スペースを埋めるのに役立つ花は必ず入れておきましょう。かすみ草や紫陽花のように、個々の花は小さいけれどボリュームのある花を小分けにして使うと、隙間が埋まるだけでなく華やかにもなります。
リースは円の内側や外側にも花材を配置するため、案外多くの花材を必要とします。購入の際は、土台となるリースを手に持って、花材の量が十分かどうか確かめながら選ぶことをおすすめします。
花材の量は半分ほどで済みますし、自分でリースを作る楽しさもしっかり味わえます。
デザインのポイント
大きな花から順に位置を決めていくと作りやすいです。花材の配置に迷ったら、同じ種類や色、サイズの花を三角形になるように置いてみましょう。収まりがよく、バランスが取れます。花は正面だけでなく上下左右に少し角度をつけて、あちこちを向いているようにすると、プロっぽいデザインになりますよ。
制作中はどうしても正面からばかり見がちになりますが、ときどき壁に掛けて、いろいろな方向から見てみましょう。すると、花材が足りないところや、逆にボリュームが出過ぎている部分がよくわかり、バランスを整えやすくなります。また、きれいな丸い輪郭にすることを意識しながら作ると、美しい作品に仕上がります。
そんなときは、ところどころに緑の葉を入れてみましょう。それぞれの花の色が際立つようになります。
ここからは、初心者の方でも比較的簡単にできる作り方を花材別にご紹介していきます。ぜひ参考にしながら作ってみてください。
生花を使ったリースの作り方
まずは、壁やドアに掛けられる円形リースの作り方です。壁掛けタイプのリースは、天然素材のリースの土台とリースワイヤーを使って作ります。花材がドライに変化していく過程も楽しめますよ。ドライになって茎が細くなっても抜け落ちないよう、花材を乗せるたびにリースワイヤーをしっかりと引っ張って固定してくださいね。
天然素材の土台を使った生花リースの作り方
- 好みの花材
- リースの土台
- リースワイヤー
- はさみ(ワイヤーも切れるもの)
- 麻紐
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STEP. 1
全ての花材を10㎝前後に切り揃える
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STEP. 2
リースワイヤーを使って花材を固定する
最初に土台のリースにリースワイヤーをしっかり巻き付けたら、10本前後の花材をまとめて土台のリースに乗せ、リースワイヤーをきつめに2、3回巻きます。次に、少し位置をずらしてまた花材を乗せて固定します。これを一周するまで繰り返しましょう。
最後の花材を留めるときは、最初に固定した花材の下でリースワイヤーを巻き付けるようにしてください。土台のリースが見えないように、裏側以外は全て花材でカバーするのがポイントです。
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STEP. 3
ワイヤーの処理をする
土台のリースの裏側にリースワイヤーを持ってきて、ゆるまないように土台のリースにしっかりからめてからカットします。先端は危ないので、土台のリースの内部に折り込みましょう。
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STEP. 4
吊り下げられるように裏に輪を作る
リースの裏の上部に麻紐を掛け、輪を作ってください。麻紐が通らない場合は、リースワイヤーを使いましょう。
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STEP. 5
完成
テーブルなどに置いて飾るテーブルリースも素敵です。こちらは吸水するフローラルフォームを使用して作ります。水をたっぷり含んでいるので、平らなところに置いて楽しみましょう。テーブルコーディネートにも使えますし、中心にキャンドルやライトを置くと、また一味違った趣に変わりますよ。
フローラルフォームを使った生花リースの作り方
- 好みの花材
- 生花用フローラルフォーム
- 花切りばさみ
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STEP. 1
フローラルフォームに吸水させる
水の中にフォームが全て沈んだら取り出し、受け皿に戻します。
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STEP. 2
バランスを見ながら花材を挿す
フォームが見えなくなるように、花や葉、実ものなどをアレンジしましょう。高低差をつけるとナチュラルな雰囲気になります。
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STEP. 3
完成
下記の動画では、フローラルフォームを使用した生花リースの作り方をご紹介しています。参考になさってください。
フローラルフォームはサイズや形にバリエーションがありますので、作りたいものに合わせて準備してください。花材は、あらかじめ水切りをして十分に水を吸わせておくのがポイント。そうすることで長くきれいな状態を保てます。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーのリースの作り方
くすんだ落ち着いた色合いが特徴的なドライフラワーと、小ぶりで上品な雰囲気が人気のプリザーブドフラワー。両方とも生花を加工した繊細な花です。独特の風合いを持ち、どちらか一方でも2種類を組み合わせてもおしゃれなリースができあがります。
先述のとおり、ドライ用の柔らかいフローラルフォームと木工用ボンドを使ってリースを作ることもできます。グルーガンと異なり、ゆっくり固まる木工用ボンドは修正しやすいのがメリット。ですが、茎が短い花材や木の実などのもともと茎がないものには、ワイヤーをかけたり、フローラルテープで巻いたりする処理が必要です。今回は、このような処理が不要で、比較的簡単に作れる天然素材のリースの土台を使った作り方をご紹介します。
天然素材の土台を使ったドライフラワー(プリザーブドフラワー)リースの作り方
- 好みの花材
- リースの土台
- グルーガンとグルースティック(または木工用ボンド)
- はさみ
- 麻紐(またはリースワイヤー)
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STEP. 1
花材を仮置きして、だいたいの配置を決める
全体のバランスをみながら置いていきましょう。切り分けられるものは小分けにして使用すると、ボリュームを調整しやすいです。
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STEP. 2
花材を接着する
位置が決まったら、花材の先端にグルーまたは木工用ボンドをつけ、土台に挿し込むようにして接着します。
花材を染めている染料が手についた場合は、その都度拭き取って、別の花材に色を移さないように気をつけましょう。
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STEP. 3
吊り下げられるように裏に輪を作る
リースの裏の上部に麻紐を掛け、輪を作ってください。麻紐が通らない場合は、リースワイヤーを使いましょう。
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STEP. 4
完成
下記の動画では、ドライフラワーリースの作り方をご紹介しています。参考になさってください。
松ぼっくりやドライにしたフルーツ、リボン、ラフィアなどを加えるのもおすすめです。小さなパーツはピンセットを使うと作業しやすいでしょう。完成後、ドライフラワー用の硬化剤をスプレーすると、型崩れしにくくなります。
アーティフィシャルフラワーを使ったリースの作り方
アーティフィシャルフラワーは生花によく似せて作られた造花です。丈夫で扱いやすいのが特長で、熱を持ったグルーを使用してもほとんど傷みません。そこで、直接花にグルーをつけて土台のリースに接着する作り方がおすすめ。茎は引っ張れば花の部分から抜けるものが多いです。抜けない場合はワイヤーが入っているので、針金が切れるペンチなどを使って切り落としましょう。
小花などは茎を2〜3㎝残してカットし、茎の先端にグルーをつけて土台に接着すると、高さが出てアクセントになります。また、アイビーなどの蔓ものの多くは茎の中にワイヤーが入っていて、好きなように角度をつけられます。流れるようなラインを作りたいときにおすすめです。
天然素材の土台を使ったアーティフィシャルフラワーリースの作り方
- 好みの花材
- リースの土台
- グルーガンとグルースティック
- はさみ(ワイヤーも切れるもの)
- 麻紐(またはリースワイヤー)
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STEP. 1
花材を仮置きして、だいたいの配置を決める
全体のバランスをみながら、個々の花材を置いていきましょう。
-
STEP. 2
花材を接着する
グルーガンを使って土台のリースにつけます。
グルーの量が多すぎると表から見えてしまい、仕上がりがきれいではなくなります。花と土台のリースが接触している部分をよく見極めて、グルーをつけましょう。
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STEP. 3
吊り下げられるように裏に輪を作る
リースの裏の上部に麻紐を掛け、輪を作ってください。麻紐が通らない場合は、リースワイヤーを使いましょう。
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STEP. 4
完成
アーティフィシャルフラワーの場合は、ポリスチレン製の固いフローラルフォームを使ってリースを作ることもできます。専用のナイフを使えば好きなサイズや形にカットできるため、デザインの自由度が高い一方、プリザーブドフラワーなどと同様に、花材に合わせた処理が必要になります。
今回はより簡単にできる天然素材のリースを使う方法をお伝えしましたが、もっと幅広いデザインの作品を作りたくなったら、レッスンに通ってワイヤリングやテーピングなどの技術を身につけてみてはいかがでしょう。リースだけでなく、アレンジメント作りもできるようになりますよ。
下記の動画では、ワイヤリングについてご紹介しています。参考になさってください。
まとめ
リースのデザインは多種多様。花材や形、色合いによって、さまざまなタイプがあります。制作する際は、あまり花の種類が多すぎると統一感がなくなるので、3〜5種類に抑えるのがおすすめ。道具は生花やドライフラワーなど使用する花の種類や作り方に合わせて準備しましょう。
できあがりのサイズやイメージが固まったら花材を調達し、全体のバランスをあちこちから見ながら作っていきます。デザインに正解はありません。ご自分の好きなように、センスを生かして、作ることを楽しんでくださいね。
- リースは形もデザインも花材もバラエティに富んでいる
- 花材やデザインによって、作り方や準備する道具に違いがある
- 気に入った材料を集めて、オリジナルのリース作りを楽しもう