エアプランツはどんな植物?基本の育て方を知ろう
土がなくても育つ「エアプランツ」。一般的な観葉植物とは異なる自由度の高い飾り方を楽しめる植物です。また、特徴的な見た目から、おしゃれなインテリアプランツとして人気がありますね。
ご自分のお部屋にも取り入れてみたいとは思うけれど、どんなふうに育てればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、エアプランツの育て方についてお伝えします。良い株の選び方やディスプレイの仕方もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
- ちょっと変わった植物を育ててみたい方
- エアプランツの育て方を知りたい方
- おしゃれなグリーンインテリアに興味がある方
目次
エアプランツとは
エアプランツは、ハナアナナス属のなかで空気中の水分を葉の上で結露させて取り込む植物のことをいいます。チランジア(ティランジア)とも呼ばれていて、交配種まで含めると1,500種類以上あるそうです。
自生しているのは比較的標高の高い乾燥した場所で、昼夜の温度差があるので朝露や夜霧が発生します。その水分を吸収するために葉の表面にあるのが「トリコーム」という器官です。これがびっしりと表面を覆っていれば全体が白っぽく見えるため「銀葉種」、逆に少ないと葉の本来の色がわかる「緑葉種」と呼ばれます。
中には根を発達させず、地面を転がりながら生長する品種もあります。
エアプランツには葉の形が直線的なものやカールしたもの、ヒモのように細いものなど、さまざまなタイプがあります。土が不要なので、そのまま置いたり、吊るしたり、ボードなどに着生させたりと、さまざまな飾り方が可能です。
エアプランツのメリット
エアプランツは一般的な植物と異なり、土に植えなくても空気中の水分を取り込みながら育ちます。土が不要なため、さまざまな飾り方ができるインテリア性の高さと、衛生的であるという2点が大きなメリットです。
記事の後半で詳しくお伝えしますが、土に植え込む必要がないことから、好きなところにそのまま置く、吊るす、着生させるといった多様な飾り方を楽しめます。また、鉢植えにありがちな倒して室内を汚してしまう、虫がわくといった心配もありません。小さなお子様やペットと暮らすお宅でも、安心して飾ることができるでしょう。
そのため、一つの植物を長く楽しみたい場合や剪定などのこまめなメンテナンスが難しい場合にも、育てやすい植物です。
エアプランツの花言葉と風水
エアプランツには、「不屈」という花言葉があります。苦難に負けないという意味の言葉ですが、土がなくても空気中の水分を吸収したくましく育つ習性が、その由来だそうです。何か目標に向かって努力されている方へ、応援の気持ちを込めてプレゼントするのも素敵ですね。
また、葉の先端が尖っている見た目から、風水では邪気を払うものともいわれています。観葉植物では、ユッカやヒイラギの魔除け効果が有名ですが、エアプランツにも悪い気を払う効果が期待できますよ。部屋の入口(ドア付近)、窓の近くなど、外気が入りやすい場所に飾ると悪い気の侵入を防ぎ運気を高めると考えられています。
エアプランツが枯れないよう、適切なお世話を行うようにしましょう。
良い株の選び方
エアプランツは園芸店に限らず、ホームセンターやインテリアショップ、100円ショップなどでも販売されています。店頭でエアプランツを選ぶ際は、株の状態をしっかりチェックしましょう。きちんと管理して育てられた元気な株でないと、残念ながら購入後すぐに枯れてしまうことがあります。
まずは葉の色を見ましょう。変色やくすみがなく、株全体がきれいな色をしているものを選んでください。適度な重みがあるかどうかもポイントです。水分が足りないと乾燥しすぎて株が軽くなります。ひどくなると表面にシワが寄ったり、触るとスカスカ、あるいは柔らかくなったりすることもあります。最後に葉の裏側もよく見て、害虫がついていないかも確認してください。
大きな株の方が強くて育てやすいため、エアプランツを初めて育てる方にもおすすめです。
エアプランツの育て方
エアプランツは基本的にはあまり手間をかけずに育てられる植物です。とはいえ、エアプランツが自生している地域と日本とでは湿度も温度も違うので、多少の配慮が必要です。また、水やりの仕方は一般的な観葉植物と大きく異なります。問題なくエアプランツを育てられるように、育て方のポイントを押さえておきましょう。
水やりの後はしっかり乾燥させてください。
一方、緑葉種は銀葉種に比べて乾燥と強い光に弱いです。
水やりの頻度を上げ、強い光は避けるようにしましょう。
それでは、ここからはエアプランツの基本の育て方をご紹介します。なお、品種によって多少の違いがあるので、詳細は購入時に確認なさることをおすすめします。
エアプランツを育てるのに向いている場所
風通しが良く、明るい場所を選びましょう。育ちやすい温度は20〜30℃。10℃以下になると生長が止まってしまうので、冬は室内で育ててください。窓際は意外と冷え込むので少し離れた場所にしましょう。
明るい場所を好むとはいっても、直射日光が当たると葉焼けする可能性があります。レースのカーテン越し、あるいは部屋の中ほどなど、柔らかな光が当たるところに置いてください。
また、元々は乾燥している場所で育つ植物のため、じめじめしている場所は苦手です。自然に換気できる場所が理想的ですが、空気が循環しない場合はサーキュレーターや扇風機を利用しましょう。エアコンの風が直接当たり続ける場所も、乾燥が急速に進んで株を弱らせるので避けてください。
葉焼けから守る方法
葉焼けは葉緑素が強い光によって破壊されることで起こります。エアプランツはトリコームによって直射日光や照明から自らを守っていますが、あまりに光が強いと黄色く変色し、ひどい場合はその後枯れることがあります。レースのカーテンや遮光ネット(遮光率30〜50%)を活用し、光量を調節しましょう。
光量のギャップが大きいと植物には負担になるため、梅雨の時期や冬場もできるだけ明るい場所で管理するようにしてください。
葉焼けを起こしてしまったら、すぐに遮光率を上げたり、場所を移動したりして、当たる光を少なくしましょう。また、葉焼けした直後は株が弱っています。肥料を与えるとかえって負担になるので、そのまま様子を見ましょう。
残念ながら一度変色した部分は回復しませんが、エアプランツは生命力が高いので、株の大部分が弱ってしまわない限りすぐに枯れることはありません。早めに対処すれば、その後も栽培を続けられるでしょう。
水やりの仕方
エアプランツは植木鉢や地面に植えられている植物とは異なり、土がありません。このため水やりの仕方も特殊です。エアプランツの水やりは、基本的に2種類の方法で行います。ひとつは霧吹きで株全体に水をかける「ミスティング」。もうひとつは水を張った器の中にエアプランツを浸す「ソーキング」です。
ミスティングは週に2回ほど、葉全体に水がかかるように散布してください。エアプランツは昼間は気孔が閉じていて水分を吸収しないので、夕方以降に行いましょう。なお、あまり水の量が多いと、乾くのに時間がかかって株が腐ってしまうことがあります。適量を心がけてください。
ソーキングは、ミスティングだけでは水分量が足りないときに行います。目安としては月に1回ほどですが、梅雨の時期や株が乾燥していないときは行う必要はありません。逆に、家を長期間空けていた場合など、水分が不足しているときにはソーキングが効果的です。
やり方は、常温の水にエアプランツを4〜6時間すっぽり浸すだけです。水から上げたら、しっかり乾かします。特に根元に水が溜まりやすいので、逆さにしてよく水を切りましょう。
なかなか乾かない場合は、扇風機の風を優しく当てるのもおすすめです。
病気や害虫
エアプランツは比較的丈夫な植物ですが、トラブルの心配がないわけではありません。枯れる原因として一番多いのは水やりの仕方によるものです。ミスティングの回数が少なすぎると株にハリがなくなり、シワが寄ったり、葉が内側にカーブしたりします。そうなったときにはすぐにソーキングをしましょう。
そのため、古い葉だけが上記のような状態になっているのなら問題ありません。
新しい葉にハリがなくなっている場合は水切れが考えられます。
逆に水を与えすぎていつまでも水分が蒸発しないと、株が蒸れてしまいます。特に気温が高い夏場は1日で弱ってしまうこともあるので、気をつけましょう。
また、害虫の被害に遭うことは比較的少ないですが、ハダニやカイガラムシがつくことがあります。葉が斑点状に黄色く変色していたら、害虫を疑いましょう。放っておくと、カイガラムシの糞が原因となる「黒カビ」が発生することもあります。虫を見つけたら水で洗い流したり、専用の薬剤を使ったりして、すぐに対処してください。
肥料や剪定は必要?
エアプランツは基本的には肥料を与えなくてもいい植物とされています。ですが、生長を促したい場合は、春や秋の生長期にミスティングする際に水に液体肥料を混ぜて与えましょう。ソーキングする水に肥料を加えてもOKです。ただし、濃度が高すぎると苔が生えることがあるので、薄めにしてください。
また、剪定も頻繁に行う必要はありません。ただし、細い葉が垂れて伸びていくタイプのエアプランツについては、葉が増えすぎて内部まで水分が届きにくくなったり、逆に蒸れたりして変色することがあります。その場合は変色した部分を切り取りましょう。通気性もよくなるので、育ちやすくなります。
根腐れした場合の対処法
一般的な観葉植物の場合は土に埋まっているため、水の与えすぎなどが原因で根腐れを起こすことが少なくありません。土のないエアプランツはその心配はないように思われがちですが、根元の基部に水が溜まった状態が続けば同様に根腐れを起こすこともあります。水の溜まりっぱなしにより基部がふやけ、悪化すると細胞が死んでしまい根元から葉が崩れていきます。
そうならないようにするためにも、水を溜めっぱなしにしないことが大切です。根腐れに早い段階で気付くことができたら、復活させられるかもしれません。まずは傷んでいる部分をカットし、風通しの良い場所に移動させて十分に乾燥させましょう。根元がふやけてしまっていたら、水やりはしばらく控えるのが原則。様子を見て、初根剤を与えてみてもいいかもしれません。
根元に水気が残ってしまっている場合は、ソーキング後と同様に逆さにして水気を逃がすようにしましょう。
特に、湿度の高い梅雨時は根腐れを起こしやすいため注意が必要です。前述の通り梅雨時のソーキングは控え、サーキュレーターなどで空気を循環させるなどの工夫で乗り切りましょう。
エアプランツを育て始める時期は?
エアプランツは一年中購入できる植物のため、どの季節からでも育て始まることはできます。ただし、初めて育てる場合は失敗を避けるためにも、エアプランツにとって快適な気温である春か秋(外気温15℃以上)に始めるのがおすすめです。
基本的には室内での管理ですが、それでも梅雨時や真夏、真冬に始めると気温や湿気の調整が難しくなります。まずは春や秋に育て始めて、お世話に慣れてきた頃に温湿度調整に工夫が必要な季節を迎えるのがいいでしょう。
エアプランツを育てる際の注意点
ここまでは、エアプランツの育て方の基本的なことについてお伝えしてきました。エアプランツを育て慣れていないと、うっかり弱らせる原因となるようなことをしてしまいがち。エアプランツにとって快適な環境を保つことが、健康に育てるためにはとても重要です。
ここからは、特にやってしまいがちなNG行為をピックアップしてお伝えします。エアプランツを大切に育てていたつもりが、気付かないうちに傷んでしまっていた…とならないよう、ぜひ注意しながらお世話をしましょう。
- 濡れたまま風通しの悪い場所に放置する
- 水やりをソーキングのみで済ませる
上記の2点はエアプランツが枯れたり腐ったりする代表的な原因です。もう少し詳しく見ていきましょう。
濡れたままにしない
エアプランツをミスティングやソーキングで水分補給した後は、風通しの良い場所でしっかり乾かすことが大切です。十分に乾いていない状態で元の場所に戻してしまうと、水気が溜まったままになり抜け切りません。特に、容器の中に入れて飾る場合は、しっかりと乾かしてから戻さないと傷んでしまいます。
大きく口の開いた容器を用いて、密閉しないようにしましょう。
乾いていないエアプランツを容器に入れるのは避けてください。
飾る場所によっては、通気性が十分に確保できていない場合もあります。容器に入れていない場合でも、湿気のこもりやすい場所に置くと水気が抜けきれず傷んでしまうかもしれません。元々飾っていた場所の通気性が問題なければ乾かしながら飾れますが、そうでないなら、水やり後のエアプランツはしばらく乾燥させてから戻すようにしましょう。
ソーキングのみはNG
エアプランツの水やりは、基本的にはミスティングで行います。忙しくてこまめなミスティングが難しい場合は特に、頻度が少なくてもソーキングでたっぷり水分補給すれば大丈夫と考えがちに。ですが、育て慣れていないうちからソーキングのみで水やりを行おうとするのはおすすめできません。
ソーキングは、あくまでもエアプランツに水分を補うための応急処置的なものです。株全体が萎れかけて弱っているときや、水やりができなくて乾燥しすぎてしまった場合にのみ、ソーキングを行うようにしましょう。
4~6時間が目安とお伝えしたように、6時間を超えない程度に引き上げることが大切です。
このようなソーキングの注意点を十分理解していないうちに行うと、傷める可能性があるため気を付けましょう。
エアプランツを育て慣れてきた人の中には、ミスティングを行わずソーキングのみで数年もお世話している方もいらっしゃるようです。ただし、元々水中で生きている植物ではありませんので、できるだけ原産地での水分の摂り方に近付けてあげるのが理想的。ソーキングのみでの水やりは、手の負傷や多忙など事情がある場合のみにすることをおすすめします。
エアプランツの寿命
エアプランツは長く育てていると、きれいな花を咲かせます。花が咲き半年~1年ほど経つと、寿命を迎えます。花が咲くためには株が充実している必要がありますので、小さなものでは花が咲くまでにもかなり時間がかかるのだとか。一般的なエアプランツでも、4~5年ほど育ててやっと花が咲くまでになるそうですよ。
種類や株の状態によっても寿命は変わりますが、上記のことから目安は育て始めてから4年半~6年程度経った頃と考えていいでしょう。エアプランツを長く育てたい場合は、根腐れなどを起こさないようメリハリのある水やりや風通しをよくしておくことをを心がけましょう。また、親株が寿命を迎えても、子株を育て続けることができます。
生育期に日光に当てたり液肥を与えたりしながら育てていくと、株が大きくなり花が咲きます。
また、花が咲けば種が採れます。ただし、花が咲き種が採れるまで時間がかかりますし、種まきからエアプランツを増やすのは初心者の方にはちょっと難しいかもしれません。そこで、簡単にエアプランツを増やす方法をご紹介しましょう。
エアプランツの株を増やす方法
エアプランツは、元の株の根元についた子株を取って育てる「株分け」で増やせます。状況によって異なりますが、ひとつの株に1〜5つの子株がつくといわれています。
株分けの仕方は簡単で、親株の根元と子株をしっかり持って、ゆっくり倒しながら外すだけです。子株がまだ小さいときに分けてしまうと、自力で生長できずに枯れてしまうことがあります。親株から外すのは、子株が親株の半分〜2/3まで大きくなった頃に行いましょう。
株分けすることで風通しがよくなりますし、子株はほかの株に邪魔されることなく、のびのびと生長できるようになります。また、親株は子株に栄養を分けているので、子株を外すことでエネルギーを温存できるようになります。寿命を伸ばすことができるかもしれませんね。
この状態の方が環境の変化に強く、育てやすいといわれています。
特にイオナンタやブッツィーなどはクランプしやすい種で、大きく育てることも可能です。
小さい株を飾りたいときは株分けし、長期間に渡って栽培して株を大きくしたい場合は群生させましょう。
エアプランツのおしゃれな飾り方
エアプランツは独特の見た目で人気の植物。お部屋に飾れば、観葉植物とも多肉植物とも異なる、エアプランツならではの面白さが味わえますね。
園芸店でもボードなどに着生させた商品が販売されていますが、自分で作ることも可能です。それに、株分けした小さなサイズのものを小物と合わせてディスプレイするのも楽しそうですね。ご自宅のインテリアに合うようにこだわって、おしゃれな飾り方をしてみましょう。
ここからは、おしゃれな飾り方のアイデアについてお伝えします。エアプランツを使った素敵なインテリア作りの参考になさってください。
置いて飾る
小さなトレーや木製の器などに小さなエアプランツをいくつか並べるだけでも絵になります。出窓やサイドテーブルの上に置くと、ちょっとしたディスプレイコーナーになりそうですね。夏は貝殻やヒトデ、秋は松ぼっくりなど、季節感のある小物と合わせるのもおすすめ。浅いバスケットにドライフラワーと一緒に飾るのもおしゃれです。
シルバーのほかゴールドやブラック、ピンク、ブルーなど色のバリエーションがあり、中には高低差がつけられるものもあるので、お好みで選んでみてはいかがでしょう。
また、カラフルに飾りたい場合はガラスのボトルにカラーサンドを入れ、その上に置くのはいかがでしょう。明るい雰囲気になりますよ。気軽に移動できるので、お部屋のあちこちに移動させて楽しむのもいいですね。
ボードや岩に着生させる
木製の板や流木などにエアプランツを固定すると、壁にも飾れます。根を張って株が安定すると、より生長が促されるというメリットもあります。既に着生させた状態で販売されている株もありますが、自分で作ってみるのも楽しそう。ボードに小さな穴を開けて、株を細いワイヤーなどで巻きつけるだけでできあがりますよ。
ここでは岩に着生させる方法をご紹介します。手作りするときの参考になさってください。
岩に着生させる方法
- エアプランツ
- 岩
- テグス
- はさみ
- 麻紐
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STEP. 1
岩の向きを決める
エアプランツを置けるくぼみや凹凸があり、かつ置いたときに岩が安定する向きを探します。
根がしっかり岩と接するように配置しましょう。
隙間がある場合は麻紐を丸めて置くと、角度を調整できます。
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STEP. 2
テグスで固定する
位置が決まったら、エアプランツが動かないようにテグスを巻きます。
ぐらぐらすると着生しにくいので、しっかり留めましょう。
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STEP. 3
完成
吊るす
細いラインが印象的で、モビールのように吊るして飾る人気のアイテム「ヒンメリ」。これに小型のエアプランツを乗せると、ゆらゆらと揺れる様子が素敵なインテリアになります。通気性もいいので安心して飾れますね。
また、紐を使った「マクラメ」や、ワイヤーで作られたおしゃれなハンギング用アイテムもたくさん販売されています。インテリアの雰囲気に合わせて選んでみてはいかがでしょう。2つ、3つと高低差をつけて飾るのもおしゃれですね。
口が大きく開いたガラスの器に入れて吊るすのも、光を通してきれいです。そのまま入れるのもいいですが、白い砂やバークチップの上にエアプランツを乗せるのもおすすめです。前述のように、器に入れてエアプランツを飾る場合は、通気性を確保するために蓋を閉めずに置いておきましょう。
両端に紐をつけた細い棒に掛けて吊るすだけで、おしゃれなインテリアになりますよ。
人気の品種
初めてエアプランツを育てる方におすすめの品種をご紹介します。
「エアプランツ(チランジア)の王様」といわれているのは「キセログラフィカ」。比較的大きく、くるんとカーブした葉が美しい銀葉種です。同じく銀葉種で生長が早いのは「イオナンタ」。細長い葉がすっと伸びていきます。紫の花を咲かせるものや白い花のもの、また葉がピンクになるものなど、さまざまなタイプがあります。トリコームがとても長い「テクトラム」はふわふわとした姿で優しい雰囲気を醸し出します。ソーキングはせずにミスティングだけで育てられますよ。
一方、緑葉種の定番である「ブラキカウロス」は薄い葉が放射状に伸びます。開花時には赤く染まりますよ。生長が早い種がお好みの方におすすめです。カラフルな花を楽しみたい方は「キアネア(ハナアナナス)」を育ててみては。鮮やかなピンクの花序の下から紫の花が次々に咲きます。1ヶ月ほど鑑賞できますよ。個性的な見た目のものがお好きな方は壺型の「ブルボーサ」はいかがでしょう。うねった葉が伸びてきます。子株がつきやすいので、増やす楽しみもある種です。
ご自宅でどんなふうに飾りたいか、どんな植物を育てたいかを考えて、お好みのものを選んでくださいね。
まとめ
ほかの観葉植物とは大きく異なる姿と生態を持つエアプランツ。土が不要なので、そのまま置いたり、木や岩に着生させたり、吊るしたりと、さまざまな飾り方ができる点も魅力のひとつです。日当たりと風通しのいい場所で乾燥気味に育てるのがポイント。水やりは、霧吹きを使うミスティングと水に浸すソーキングで行います。病害虫にも比較的強く、また子株を出すので株分けして増やすこともできます。
あまり手間をかけずに栽培できるため、初心者の方にも育てやすいでしょう。水気を溜めないようにすることが大切なので、水やりをしたらしっかりと乾かしてから飾るようにしましょう。株を購入する際には葉の色がきれいで、ある程度重みのある、元気なものを選んでください。ご自宅に飾って、素敵なインテリアプランツを育てることを楽しんでくださいね。
- エアプランツは、日当たりと風通しの良い場所で乾燥気味に育てるのが基本
- 水やりをしたあとは、通気性を十分に確保して水分が蒸発しやすい環境を整えることが大切
- 土が不要な利点を生かした飾り方をして、エアプランツのあるおしゃれな暮らしを楽しもう