ダイエット茶の効果を味方に!上手に痩せるための選び方や注意点
記事の監修
中島 優季
管理栄養士
大学院卒業後、化粧品会社にて勤務。
スキンケアやボディケア、ベビーケアについての知見を深める。
その後、子育てを機に独立。
現在は2児の母として子育てに奮闘する傍ら、管理栄養士の資格を活かしてフィットネスジムでの栄養指導を担当するほか、専門家として食や健康、美容に関する記事執筆・監修を手がけるなど活躍の場を広げる。
この秋、仕事や家事・育児などに忙しい現代女性に向け「自分自身を労う」をテーマにセルフケアに特化したSNSを始動。
ダイエットを成功させたい時、食べ物だけでなく飲み物にも気を配りますよね。そこで注目したいのが、ダイエット茶です。上手に痩せるためには、ダイエット茶を味方につけるのも効果的です。ですが、どのような飲み物がダイエットをサポートしてくれるのか、詳しくはわからない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ダイエットに嬉しい効果をもつ「ダイエット茶」についてご紹介します。ダイエット茶とはどのようなものか、上手に痩せるために役立てたい成分や選び方、飲み方についてまとめています。また、誤った選び方や飲み方をしないために気を付けたいことも、併せてお伝えします。
- ダイエット茶とはどのようなものか知りたい方
- ダイエット茶の効果や飲み方を知り、ダイエットに役立てたい方
- 上手に痩せるためにできることを探している方
目次
ダイエット茶とは
いわゆるダイエット茶とは、ダイエットのサポートが期待できるお茶のことを指します。必ずしもダイエット茶という名称で販売されているわけではなく、たとえば脂肪の吸収を抑える働きをもつ成分を含むお茶や、むくみ解消につながる成分を含むお茶などの種類があります。そのため、ダイエット茶とひとまとめにしていますが、その種類はさまざま。一種類の茶葉もあれば、数種類をブレンドしたものもあります。
ここでは、ダイエット茶として販売されているものに限らず、ダイエットを助ける効果が期待できるお茶を複数ご紹介します。それぞれの特徴を知り、好みや目的に合わせて選ぶといいでしょう。
ダイエット茶の種類と特徴
ダイエットにおすすめのお茶として取り上げられることが多いものには、プーアル茶、ルイボスティー、杜仲茶、ごぼう茶、黒豆茶などがあります。それぞれの特徴や期待できる効果をまとめました。
- プーアル茶:茶葉を微生物の力で発酵させた中国茶。脂肪吸収を抑制する重合型カテキンを含む。
- ルイボスティー:南アフリカのマメ科の植物が原料のノンカフェインのお茶。便秘解消効果が期待できる。
- 杜仲茶:中国原産の高木(杜仲)の若葉からできるノンカフェインのお茶。基礎代謝を高め、体内の脂肪を消費しやすくする効果が期待できる。
- ごぼう茶:ごぼうを焙煎して作られるノンカフェインのお茶。むくみ解消や糖の吸収を抑える効果が期待できる。
- 黒豆茶:黒豆が原料のノンカフェインのお茶。むくみ解消や体脂肪の燃焼をサポートする効果が期待できる。
上記のようなお茶を複数ブレンドしてダイエット茶として販売されている例もあります。また、緑茶や烏龍茶にもダイエットに役立つ成分が含まれていて、その成分を強化した商品は特定保健用食品(トクホ)として取り扱われています。
一般的なお茶との違い
一般的なお茶とダイエット茶の違いは、明確にはありません。しかし「ダイエット」に効果的な成分を含んでいるものや、ダイエットのサポートが期待できるお茶のことをいわゆる「ダイエット茶」として販売されています。
ダイエット茶の効果が期待できる成分
ダイエット茶には、お茶の種類によって異なる成分が含まれています。ここからは、代表的な成分と期待できる効果をご紹介していきます。目的に合った成分を含むお茶を選ぶために、参考になさってください。
ポリフェノール
お茶の苦みや渋みとなる成分で、強い抗酸化作用をもちます。そのため体の免疫力アップやアンチエイジングにも効果的です。ポリフェノールにはたくさんの種類がありますが、一部のポリフェノールは脂肪の吸収を抑制したり、体脂肪の消費を促進してくれるなどダイエットに嬉しい効果をもたらします。例えば、その例としてカテキン・サポニン・杜仲茶配糖体などがあります。
カテキン
カテキンはポリフェノールの一種で、緑茶に多く含まれる成分です。抗酸化作用のほか、血中コレステロールの低下や抗菌作用などさまざまな効果をもっています。ダイエットにおいては、一定量のカテキン摂取により、脂質代謝・エネルギー消費が高まり、体脂肪の燃焼をサポートします。食後、腸からの糖質の吸収を抑える作用もあるため、食事の前や食事中に飲むのもおすすめです。
※参考サイト:公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「カテキンの種類と効果と摂取量」
サポニン
サポニンもポリフェノールの一種で、黒豆茶やごぼう茶に多く含まれます。脂肪の蓄積を抑える効果や、脂肪燃焼をサポートしダイエットに役立ちます。血流改善や免疫力向上などの効果も期待でき、昔から漢方薬などにもサポニンを含む生薬が多く使われてきました。現在でも多くの研究が進んでおり、これからもその健康効果が明らかになってくるかもしれませんね。
※参考サイト:公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「サポニンと効果と摂取量」
杜仲葉配糖体
杜仲茶には、ゲニポシド酸やアスペルロシドなどの杜仲葉配糖体が含まれています。これらには多くの健康効果があることがわかっていて、ダイエットに役立つ作用として、基礎代謝の上げ脂肪の燃焼をサポートする効果や、内臓脂肪の低減などが知られています。杜仲葉配糖体の効能については研究が進められていて、アスペルロシドが抗肥満に役立つこともわかったそうですよ。
※参考サイト:日本杜仲研究会「杜仲の多岐にわたる健康効果」
その他
ポリフェノール以外にも食物繊維やミネラルなど、ダイエットに嬉しい効果を期待できる成分もあります。
例えば、ごぼう茶にはイヌリンという水溶性の食物繊維が含まれており、便通改善に役だつほか、糖質の吸収を抑える効果も期待できます。
また、お茶にはミネラルも含まれます。特にミネラルの一つであるカリウムは、緑茶や烏龍茶、ルイボスティーなどに豊富に含まれます。カリウムにはむくみ予防効果が期待できますので、ダイエットしやすい体質に整えるためにもぴったりです。
ダイエット茶の効果的な飲み方
ダイエット茶は、ただやみくもに飲めばいいというものではありません。サポート効果を得るには、正しい飲み方を心がけることが大切です。誤った飲み方では、ダイエットどころか体調を崩してしまうことにもなり兼ねないため、上手な取り入れ方をおさえておきましょう。ここからは、ダイエット茶のおすすめの飲み方をご紹介していきます。
少しずつこまめに飲む
ダイエット茶は、一度に大量に飲むのではなく、少しずつこまめに飲む摂り方が望ましいです。一度にたくさん飲んでも、成分によっては持続作用のないものもあります。習慣的に飲み続けることによって効果が得られやすくなりますので、ダイエットの強い味方になってくれるでしょう。
また、ダイエット茶によっては摂取上限量や目安量が記載されているものもありますので、必ずチェックして適量を飲むようにしてくださいね。
一度に過剰摂取するとトイレが近くなるだけでなく、神経が興奮状態になるなど、健康によくない影響が出てしまうため注意が必要です。
常温やホットがおすすめ
特に夏場など気温が高いときは冷たいものをガブガブ飲みたくなりますが、胃腸を冷やすと内臓の働きが低下し、体が「冷え」の状態になり、基礎代謝が低下してしまいます。つまり全身の代謝が落ちてしまい、痩せにくくなってしまうのです。逆に、体温が高い人は基礎代謝も高い傾向にあります。身体を温めるよう心がけると全身の代謝が促され、ダイエット効果も高まります。そのため、ダイエット中の飲み物としては、ダイエット茶以外にものも含め基本的には常温以上の温度がおすすめです。
茶葉タイプのダイエット茶の場合は、煮出したものを保温性のあるポットや水筒に入れておくと、しばらくは温かい状態で随時飲めるため便利ですよ。
一度や短期間では効果が期待できない
ダイエットは継続が大切といわれますが、ダイエット茶も同様です。効果を得るには、短期間では不十分ですので、習慣的に飲むようにしましょう。適切な食事管理や運動を続けるとともに、ダイエットに役立つ成分を含むお茶を選ぶことで、より効果が期待できます。
ダイエット茶の選び方
ダイエット茶にはさまざまな種類があることをお伝えしましたが、選ぶ際はどのようなことを意識すればいいのでしょうか。ダイエット茶をどうやって選べばいいかわからない…という方のために、上手に選ぶコツをご紹介します。毎日飲み続けることも考えて、ご自身に合ったお茶を選びましょう。
目的に合わせて選ぶ
お茶にダイエットのサポートを期待する際、どんな効果を得たいかによって選び方が変わってきます。脂肪を分解しやすくしたいのか、便通を改善したいのか、代謝を高めたいのか、目的によって摂取したい成分を含むダイエット茶を選ぶといいでしょう。また、夜寝る前に飲むならカフェインを含まないお茶がおすすめです。目的だけでなく、飲む時間帯や飲み方も考えると選びやすくなりますね。
たとえば、黒豆茶とルイボスティーをブレンドしたものなど飲みやすく人気があります。さまざまな成分を同時に摂取できますので、気になる方は試してみてくださいね。
飲みやすさで選ぶ
成分や効果だけでなく重要なのが飲みやすさです。毎日続けていくのに、味が好みではないお茶を選んでしまったら辛いですよね。ダイエット茶のなかには、クセが強いと感じるものや独特な香りがするものもあります。味や香りの好みは人それぞれですので、試してみないとわからないところ。いきなり大容量の商品を購入するのではなくお試しサイズを選ぶといいかもしれませんね。お店によっては試飲できる場合もありますので、味を確かめてから購入するのもおすすめです。
続けていくのに無理のない価格帯であることも、選び方の重要なポイントです。
高価なものほどダイエットに役立つとは限りませんので、飲みやすさに加えて購入のしやすさも視野に入れるといいでしょう。
数種類を組み合わせて選ぶのもおすすめ
ダイエット茶は飲み続けることが大切なので、飽きないものを選ぶことも大切です。一種類のお茶では飽きてしまうかも…という方は、好みのお茶をいくつか用意しておき、好みで選び分けるのもいいでしょう。カフェイン入りのものとノンカフェインのものを時間帯や気分によって選ぶのもおすすめです。数種類のお茶を少しずつ購入して、さまざまな味を試しながらご自身の好きなお茶を見つけていくというのもいいかもしれませんね。
ダイエット茶を選ぶ際の注意点
ダイエット茶を飲み続けることで効果が得やすくなる反面、選び方や飲み方によっては健康を害するケースもあり得ます。そのため、ダイエット茶を取り入れる際には、十分な注意が必要です。そこで、ダイエット茶を選ぶ際に気を付けておきたいことをまとめました。健康的に痩せるためにも、ぜひご留意ください。
ダイエット茶に潜む下剤成分に注意
お通じをよくする効果があると謳うダイエット茶には、ゴールデンキャンドルやセンナなどの下剤成分が含まれている場合があります。便秘を改善するには役立ちますが、飲みすぎるとお腹が緩くなってしまうかもしれません。また、日常的に飲み続けることで腸の働きが低下していく可能性も。下剤成分を含むダイエット茶は、習慣的に飲むのではなく便秘が気になるときに一時的に飲む程度にとどめた方がいいでしょう。用法・用量は必ず守りましょう。
医薬品との飲み合わせに注意
お薬を飲んでいる方は、ダイエット茶との飲み合わせに問題がないか確認が必要です。ダイエット茶に限らず、健康食品には飲み合わせによって医薬品の作用を過剰にしてしまったり、逆に弱めてしまったりするものがあります。そのため、医薬品を服用している場合は、ダイエット茶を飲む前に飲み合わせについて医師や薬剤師に相談するようにしましょう。ダイエット茶を飲んでいる方が医薬品を服用することになった場合も同様です。
入手経路に注意
ダイエット茶には海外で製造販売されているものも多いため、注意したいのが入手経路です。必ず信頼できるルート、ショップで入手するようにしましょう。海外から個人輸入する方もいらっしゃいますが、日本では安全性や有効性が確認されていない成分を含む商品も珍しくはありません。ダイエット茶に含まれる成分が明記されていない商品もあり、注意が必要です。個人輸入した健康食品により健康被害が発生した事例も報告されています。ご自身の健康を守るためにも、入手経路には十分注意しましょう。
ダイエット茶だけで痩せるのは難しい!食事や運動も重要
ダイエット茶は、ダイエットをサポートしてくれる心強い存在です。しかし、ダイエット茶を飲んでいれば必ず痩せられるというものではありません。いくらダイエット茶を飲み続けていても、高カロリーな食事ばかりで運動不足の生活では、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り続け、結果的に太ってしまいます。
ダイエットの基本は、摂取エネルギーを抑えて消費エネルギーを増やすこと。栄養バランスの整った低カロリーの食事を規則正しく食べ、適度な運動を取り入れることが大切です。身体を温めて血の巡りをよくし代謝を高めたり、腸内環境を整え便秘を予防解消したりすることも、ダイエットに役立ちます。それらの習慣に加えてダイエット茶を取り入れれば、効率的かつ健康的に痩せることができるでしょう。
まとめ
ダイエット茶には、ダイエットをサポートする成分が含まれています。プーアル茶やルイボスティー、杜仲茶、ごぼう茶などが代表的で、数種類の茶葉をブレンドしたものもあります。また、一般的に飲まれる緑茶や烏龍茶などの成分を強化したお茶も、「トクホ」として販売されておりダイエット茶として飲まれています。いずれもダイエットに役立たせるには、適切な食事管理や運動と併用して飲むことが大切です。
ただし、下剤成分を含むお茶や飲みにくいお茶もあるため、健康的に毎日飲めるものを正しく選ぶ必要があります。そして、ダイエット茶だけでは痩せられないということも覚えておきましょう。食事の内容や食事リズムの見直しや適度な運動を取り入れることがダイエットには欠かせません。ダイエット茶は、あくまでもサポート的な存在として役立てましょう。
- ダイエット茶にはさまざまな種類があり、含まれる成分によって期待できる効果は異なる
- ダイエットを助ける効果を得るには、飲みやすいダイエット茶を選び正しい飲み方を心がけよう
- ダイエット茶だけでは痩せられないため、食事内容・食生活の改善や運動も取り入れることが大切
記事の監修
中島 優季
管理栄養士
大学院卒業後、化粧品会社にて勤務。
スキンケアやボディケア、ベビーケアについての知見を深める。
その後、子育てを機に独立。
現在は2児の母として子育てに奮闘する傍ら、管理栄養士の資格を活かしてフィットネスジムでの栄養指導を担当するほか、専門家として食や健康、美容に関する記事執筆・監修を手がけるなど活躍の場を広げる。
この秋、仕事や家事・育児などに忙しい現代女性に向け「自分自身を労う」をテーマにセルフケアに特化したSNSを始動。