Interview

齋藤 千果(さいとう ちか) 「UTSUWA FLOWER」ストアマネージャー

お花を通じて「心と心の橋渡し」をお手伝いできたら

第一京浜(国道15号)から小さな路地に入り、その突き当たりに建つ青色の壁面が印象的な隠れ家風の建物。
その1階にあるのが「UTSUWA FLOWER」(東京都港区芝)です。
この界隈にそれまでなかったお花屋さんがオープンしたこともあり、UTSUWA FLOWERはオフィス街のちょっとした話題に。

UTSUWA FLOWERでストアマネジャーを務める齋藤千果さんにお店やお花への思いを語っていただきました。


「器」のように人が集まり、なにかを届ける場所に

UTSUWA FLOWERは2020年1月末にオープンしました。当店の母体は大器株式会社といい、長くエネルギー供給事業に携わり、石油製品などを扱ってきました。そのほかさまざまな事業を手がけ、その1つとして胡蝶蘭や薔薇などを販売する通販も行ってきました。そのような下地からいつか実店舗のお花屋さんを運営するという企画が生まれ、1号店を大器本社がある芝に構えることになりました。

UTSUWA FLOWERの店名は大器の「器(Utsuwa)」から1文字をとっています。色々なものが彩りよく盛られる器のように、このお店が人の集まる場所になるように、という願いがこめられているんですよ。

この周辺にはお花屋さんがほとんどなくて、それまで近所の方々は品川や浜松町までお花を買いに行っていたそうです。オープン後はよく「近くにお花屋さんが出来たから嬉しい」と言っていただきましたね。

お客様の6、7割は女性ですが、会社にお勤めの男性もお昼休みにフラリと入ってこられることもあります。また、お花のほかコーヒースタンドも併設しているので、コーヒーだけ飲みに来られる方もいらっしゃいますね。


男性にもお花に親しみを感じていただきたいので「青色」をどこかに

お店が入居する3階建ての外壁を占める青色はUTSUWA FLOWERのテーマカラーです。お花屋さんといえばピンクやイエローなど暖色系のイメージをお持ちの方も多いと思いますが、うちはオフィス街で開店していることもあり、男性にも親しみやすいお花屋さんのカラーとして青色を用いています。外壁をはじめ、スタッフのエプロンやドアなどにもこの色を使っていますね。

この店舗は物件を探していた時に、ちょうど1階に空きが出ていたので借りることになりました。2、3階にお住まいの大家さんに1階部分の改装のほか、外壁をすべて塗り替えたいと相談したところ「好きにしていい」と快諾いただき、現在の青色の壁に。外壁の色を気に入ってくださった大家さんは時折、コーヒーを飲みにいらっしゃいますよ。

扱っている切り花は30〜40種。デイスプレイはお花のカラーに合わせたゾーニングを意識しています。フローリスト2名が毎朝5時に大田花き(東京都大田区)に行って仕入れる切り花はバラやカーネーションなどの定番商品やショップのテーマカラーである青色系統の花など。

そのほか「ショップに並んでいると素敵だな」と思えるお花をインスピレーションで選ぶこともあります。たとえば、ラナンキュラスも一般的な単色のものではなく、シックな紫色のグラデーションがかかった珍しい種類など、お店の客層に合いそうなものを見つけると仕入れることにしています。

ちなみに花束のラッピングにも青色は欠かせません。ラッピングする際にはペーパーを何枚も折りたたんでボリュームをだす手法を取り入れていますが、そのペーパーにもどこかに青色を入れてブーケが可愛くなりすぎす、クールさが引き立つように演出しています。


1日1輪、好きなお花を選べる「サブスクリプションサービス」や
お花を無駄にしないドライフラワー作り

1ヶ月1980円で1日1輪、特定のお花から好きなお花を選んでいただける「サブスクリプションサービス」はお母さんと一緒に来店した小さなお子さんが「今日はこの花がいい!」と選んでくれることもあります。

オンラインストアも運営していますが、近隣の方を対象に隔週でお花をデリバリーしています。自転車にのってお花をお届けするのですが、手から手へと渡した時にお客様の笑顔を見ることができて、こちらも幸せな気分になりますね。

お店の奥にある作業台では季節や行事にあわせて、オーダーが入ったフラワーアレンジメントを作ります。小さなものから大型のものまで、イメージに合わせて作っていくプロセスはとても楽しいです。

また私自身、「お花をできるだけ捨てたくない」という思いがあります。よって、余ったお花などは作業台のあるスペースの天井に吊るしてドライフラワーにしています。ドライフラワーはお花の色が落ちるという印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、薬品を使わず、手をかけて乾燥させることで美しい色を保てるんですよ。丹念に作ったドライフラワーはお客様からも「色がキレイ」という声をいただいています。


子どもの頃からたくさん美しいものに触れてほしくて

2020年10月から店内でワークショップをスタートさせました。参加者は最大8人まで。インスタや店頭POPで告知し、WEBで申し込んでいただきます。10月はハロウィンやスワッグ(壁かけ)などを、12月はクリスマスリースやお正月飾りなどを作る予定です。

ワークショップには子ども参加OKの回もあるので、ぜひ、お子さんを連れて来ていただきたいですね。幼い頃からお花にふれることで美しいものに対する感性も育まれるし、お花のある生活の楽しみを知ってほしいと思っています。


お花は「人と人との間にかかる心の橋渡し」
扱い方に神経質にならずに、気軽にお花を楽しんで

私は子どもの頃からお花が身近にある環境で育ちました。自宅の庭にはバラ、桃、桜が咲き、四季の移り変わりを感じたものです。何社かのお花屋さんで働いてフローリストの経験を積んで大器株式会社に入社し、UTSUWA FLOWERに関わることになったのは花に囲まれて育った子ども時代の影響を受けているのかもしれません。

時折、お客様から「お花をすぐに枯らしてしまうけれど、どうすれば長持ちしますか?」と尋ねられることがあります。お花によっては殺菌作用のある漂白剤をほんの少しだけ入れることをアドバイスする時もありますが、漂白剤は入れすぎるとお花が弱ってしまうこともあります。

もし、長く切り花を飾りたい時は思いきって茎を少しだけ残した状態でカットし、深めのボウルやガラス器に挿してみてはいかがでしょうか。水替えは毎日がベストですが、あまり時間がとれない場合は水が濁ると取り替えるようにするとよいでしょう。

切り花の扱い方が苦手…という方には鉢植えの花をおすすめします。新芽が出るなど、成長する過程が観察できると、いつもの生活に潤いがプラスされるはず。ウインターコスモスやゼラニウム、サンスベリアなどが育てやすいと思いますよ。

お花は「人と人との間にかかる心の橋渡し」をしてくれるもの。お花をもらうと幸せな気持ちになるし、贈った方も「ありがとう」と言われると、笑顔になりますよね。今後はここUTSUWA FLOWERで実績を作り、2号店の開店につながるよう、お客様にもお花にも誠実に向き合っていきたいと思っています。


齋藤 千果(さいとう ちか)

「UTSUWA FLOWER」ストアマネージャー

大手生花店での勤務・パリでの修行を経て、
UTSUWA FLOWERのストアマネージャーに就任。
大手アパレルの展示会装飾なども手掛ける。

UTSUWA FLOWER

東京都港区芝4-4-3

TEL:03-6435-0669

WEB

Instagram

ショップ掲載について

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