プリザーブドフラワーの飾り方を知りたい!インテリアに素敵に取り入れる方法とは
記事の監修
古川 まさ美
インテリアコーディネーター
プラン数1200件以上の豊富な実績で、インテリアのお悩みやお好みを引き出すコンサルティングが好評。あなたが主役になる住空間をつくる、リノベーションのプラン、内装コーディネートが得意。
令和4年度 キッチン空間アイデアコンテスト入賞。
特殊な加工を施して、生花の美しさを長く楽しめるようにしたプリザーブドフラワー。上品な見た目と鮮やかな色合いが印象的な人気の花です。きれいな状態が長く続くため、プレゼントにもよく選ばれていますが、飾られる環境によっては短期間で劣化してしまうこともあります。
そこで今回は、プリザーブドフラワーの美しさを長く楽しみながら、素敵にインテリアに加える飾り方をご紹介します。扱い方やおすすめの商品もお伝えしますので、どうぞ最後までお読みください。
- 手軽に花のある暮らしを楽しみたい方
- プリザーブドフラワーの扱い方を知りたい方
- プリザーブドフラワーを使ったアイテムにはどんなものがあるか興味がある方
目次
プリザーブドフラワーの特徴
プリザーブドフラワーは生花から色素を抜き、染料と保存料を吸収させた花。この方法により、生花のような瑞々しさと柔らかさを長い間保てるようになります。また、染料を使うためカラーバリエーションが豊かなのも魅力のひとつ。生花にはない色や、1輪の中に何色も入ったものも見られます。
プリザーブドフラワーは一般的に小ぶりなものが多いため、販売されている作品は小ぢんまりとした上品なものが中心です。また加工に手間がかかっているため、比較的単価が高い花といえます。プリザーブドフラワーだけでボリュームのある作品を作ると高額になってしまうため、大きなサイズの作品はドライフラワーやアーティフィシャルフラワーと合わせて作られることが多いです。
プリザーブドフラワーはどれくらいの期間飾れる?
ダメージを与えないように気をつけて飾っていても、時間の経過とともに花びらの色が抜けて白っぽくなったり、半透明になったり、ハリがなくなったりします。また、埃をはらわずにいると、見た目が損なわれるとともに花が弱ります。残念ながら、プリザーブドフラワーが劣化すること自体は避けられません。
逆に淡い色の花は、半年以上経つと徐々に褪色が感じられるようです。
プリザーブドフラワーは、管理の状態にもよりますが、数年持つといわれています。ただ、美しい色と形を保てるのは1、2年といったケースが多いです。どのタイミングで処分するかはお好みによりますが、一般的には花びらにシワが寄ったり、色がくすんできたりしたら、別のものに変えることを検討するタイミングだといわれています。
プリザーブドフラワーを飾るときのポイント
きれいな花を見ることにはリラックス効果があるといわれています。プリザーブドフラワーも、目にする機会の多い場所に置いて楽しみましょう。ソファに座ったときの目線の先にあるスペースや玄関の靴箱の上など、ふとしたときに視界に入るところに飾ると、ほっと心が和みそうです。
プリザーブドフラワーは繊細な花のため、取り扱いには気を配る必要があります。きれいなので触ってみたくなるかもしれませんが、刺激は花にとって大敵。また、染料が染み出して手につく可能性もあるので、見るだけにしておきましょう。
ここからは、プリザーブドフラワーを飾るときに押さえておきたい基本的なポイントをお伝えします。飾り方を見直すと、より長く美しい状態を保てますよ。大事なのは乾燥と湿気、強い光、そして埃を避けることです。詳しく見ていきましょう。
乾燥
花びらが乾燥すると劣化を早めます。特にエアコンの風が直接当たる場所に置くと、花同士が擦れて傷んだり、ぽろっと落ちたりすることがあるので避けてください。また、アレンジメントを移動させる際も、強い風が当たることがないようゆっくりと行いましょう。
湿気
プリザーブドフラワーを湿度の高い場所に置くと、色素が滲み出て色移りすることがあります。特に結露が発生する冬の窓際や、加湿器の蒸気の近くなどは避けて飾るのがポイント。梅雨の時期はエアコンやサーキュレーターを使用するなど、湿度の調整をしてください。また、染料が滲み出た状態で洋服や家具などに花が触れてしまうと、シミになることがありますので注意しましょう。
強い光
プリザーブドフラワーは直射日光に当たると色が褪せやすくなります。また、スポットライトの強い光も影響を与えます。暗いところの方が色味は長く保てますが、せっかくの美しい見た目を楽しめるよう、窓やライトから離れた明るい場所に飾ってください。棚の中など、直接光が当たらない場所を選ぶのもいいですね。
埃
ケースがない場合はどうしても埃がつきます。日頃からドライヤーの冷風を優しく当てたり、うちわで扇いだりして、埃が溜まらないようにしてください。既についてしまった埃は、カメラのお手入れに使われるエアブロワーを当てると、ピンポイントで飛ばすことができます。またメイク用の柔らかなブラシで優しく取るのもおすすめです。
ケースから出して飾る?
プリザーブドフラワーのアレンジメントは、柔らかな素材でできたクリアケースに入った状態で販売されていることが多いです。ご自宅に持ち帰ったあと、そのまま飾るかケースから出すか迷うという方もいらっしゃるようです。
基本的にはお好きなように飾っていただいていいのですが、前述のとおりプリザーブドフラワーにとって埃は避けたいもの。花自体が汚れないよう、またお手入れのしやすさも考えて、ケースのまま飾るのもひとつの方法です。一方ケースから出すと、プリザーブドフラワーの瑞々しさや花1輪1輪の美しさを堪能することができます。こまめに埃をはらう手間はかかりますが、魅力を十分に味わえるよう、ケースから出して飾るのもおすすめです。
お客様がいらっしゃるときなど場を華やかにしたい際には、よく見える場所に飾ってはいかがでしょう。
プリザーブドフラワーを使ったアイテムとその飾り方
プリザーブドフラワーを使った商品は、デパートや専門店、一部の生花店、インテリアショップなどで販売されています。実物を見て購入したい場合は、実店舗に足を運んでみましょう。一方、プリザーブドフラワー専門のフローリストが運営しているネットショップやハンドメイドのサイトでは、数多くの作品の中から選ぶことができます。店舗によってはオーダーメイドで作ってもらうことも可能なので、検索してみるのもいいかもしれません。
年月が過ぎてプリザーブドフラワーが弱ってしまっても、作品によっては新しい花で作り替えることが可能です。色合いやデザインが変われば気分一新。新鮮な気持ちで飾れますよ。興味がある方は専門の業者に相談してみてください。
それでは、ここからは作品の紹介とおすすめの飾り方をご紹介します。ご自宅に飾るならどのタイプがいいか考えながらお読みくださいね。
ボックスアレンジ
箱の中いっぱいにプリザーブドフラワーが配置されたものです。蓋を開けたときに目に飛び込んでくる鮮やかな色が印象的。華やかなので、お祝いのプレゼントとして贈られることも多いです。
正方形のものが定番ですが、細長い長方形や円、ハートの形、また分厚い本を開いたようなデザインのボックスもあります。黒1色だと中に入っているプリザーブドフラワーの色が引き立ちますが、あえてボックスと花の色味を揃えて統一感を出したり、柄の入ったものでデザイン性を高めている商品も増えています。
ボックスアレンジは、中身がよく見えるように角度をつけた飾り方がおすすめ。蓋を伏せて置いて台にするといいですよ。また立てて壁際に置いたり、ベッドサイドのテーブルの上にキャンドルやランプ、洋書などと組み合わせてたりして飾るのも素敵です。
花器を使ったアレンジメント
プリザーブドフラワーの可憐なイメージを活かし、上品な花器を使った作品が多く販売されています。陶器やガラスの器であればハイヒールやピアノ、ハートの形のもの、また細いアイアンで形作られた宝箱や馬車、ゆらゆら揺れるスタンドタイプなどの花器も人気。小ぶりなものが多いので、ちょっとしたスペースに飾れます。デスクの上や棚の一角などに置けば、無機質な空間もエレガントな雰囲気に変わるでしょう。
もう少しカジュアルな感じがお好みであれば、ナチュラル素材のバスケットのものがおすすめ。そのほか竹を編んだ和のテイストのものも素敵です。和室にぴったりですし、お正月に玄関に飾るのもいいですね。
ポップな雰囲気を出せますし、鮮やかなプリザーブドフラワーの色味ともよく合います。
うっかり倒したり落としたりしても器が壊れる心配がないのも嬉しいメリットです。
ガラスドームアレンジ
ガラス製のドーム型の蓋でプリザーブドフラワーを覆っている作品です。花に埃やゴミがつかないので汚れず、劣化するスピードを遅くできます。また日頃のお手入れが楽なのも嬉しいですね。台座までガラス製のものもありますが、木製やプラスチック製などもあり、それぞれ違う雰囲気を楽しめます。
鏡にプリザーブドフラワーが映って一層華やかに見えますよ。
蓋に付いているつまみは丸いシンプルなもののほか、ウサギやクマ、天使などの形のものもあります。そのままでも可愛らしいのですが、リボンを巻くとまた印象が変わって長く楽しめそうです。せっかくのガラスの器なので、やわらかな光が当たる場所に飾ってみてはいかがでしょう。夜には細い紐状のLEDライトを巻いてライトアップする飾り方も素敵ですよ。
フラワークロック
掛け時計・置き時計の文字盤の周りにプリザーブドフラワーがあしらわれています。全体にお花がぎっしりと入っている豪華なものや、一部に上品にデザインされている商品などがあります。毎日見る時計が美しく華やかだと、豊かな気分で過ごせそうですね。
形は円形、四角形などのほか、二面になっていて広げて置くタイプも人気。少しかしこまったお礼のギフトや結婚祝い、退職祝いなどに使われることも多いようです。プリザーブドフラワーの色味がインテリアとマッチしていると素敵ですね。
ブリザードフラワーは、鮮やかな色のものが多いので、カーテンやクッション、アートなどの柄やカラーの中の1色と合わせると、インテリアの中で統一感が取れ、アクセントカラーとなって引き立ちます。クッションやテーブルクロスなど、比較的入れ替えやすいアイテムと揃えてみると違和感なく取り入れることが可能です。
フレームアレンジ
額を使った作品です。透明のガラスやクリアシートで覆われているものが多く、花に埃がつく心配がありません。置くだけで飾れるもののほか、壁掛けできるタイプもあります。
厚みのあるフレームの中にカラフルなたくさんのプリザーブドフラワーがアレンジされているタイプは、豪華な雰囲気。ほかのエレガントな小物と合わせて飾ると、高級感を演出できます。また、背面もクリアシートになっているものは柔らかな光が通る場所に飾ると、プリザーブドフラワーの色が一層鮮やかに見えます。円形やハート、あるいはブーケを模ったものなど、デザイン性の高い商品も多いです。
写真や絵、メッセージが入れられるので、思い出とともに長く飾れますね。
ボトルフラワー
縦長のスリムなガラス製の器の中にアレンジされたものです。360度どこから見てもいいようにデザインされていて、場所を取らず気軽に置いて飾れます。底あるいは蓋は、コルクやプラスチック、木製のものが多いです。蓋にLEDライトが内蔵されていて、上から花を照らす商品もありますよ。
ボトルいっぱいに花が入っているタイプなら賑やかな感じ。対照的に、スリムな容器にあえて1、2本しか入れず、個々の花材の美しさを楽しむ商品はボタニカルな雰囲気になり、複数ならべて飾ってみると、落ち着いたシックなインテリアを演出できます。
空気が遮断されるので、通常のアレンジメントよりも長く美しい状態を保てます。
高級感もあり、芸術作品の趣も感じられますよ。
ブーケ
プリザーブドフラワーのブーケは生花よりも長持ちするため、母の日や誕生日、記念日、あるいはプロポーズなど、思い出として長く残したい時に選ばれています。コンパクトでも高級感があり、インテリアに取り入れるのにぴったり。そのまま飾れるように自立するタイプや、専用のケースが準備されている商品もあります。たびたび思い出せるように、目につくところに飾れるといいですね。
ブーケの印象そのままに花やリボンを配置し、飾りやすいフレームアレンジに加工してくれますよ。
希望すれば、花時計などにしてくれるショップもあるようです。
リース
壁やドアを華やかに飾るリースは定番のアイテム。円形のほか、三日月の形や下半分にお花を配置したデザインも人気です。
壁に開ける穴が小さくて済むフックなども各種販売されているので、賃貸のお部屋でも飾れるケースが増えています。まわりに飾る小物やリボンの色などで、お正月、お花見、クリスマスなどの季節感を出すと、ウェルカムな雰囲気の演出ができます。玄関やお部屋のドアを開けて正面に見える位置に飾れば、インテリアのアイキャッチャーになりそうですね。
壁に穴を開けたくない場合は、置いて飾ることも可能です。リースを斜めに立て掛けるものや、フックに吊るすことができるスタンドも販売されています。細身の椅子の背もたれに掛けるのもおしゃれですよ。ダイニングテーブルやサイドテーブルの上に置き、中心の円の中にキャンドルを入れて飾るのも素敵です。本物の蝋燭ではなくキャンドルの形をしたライトであれば、長時間でも安心して使用できますね。
1輪挿し
茎のついたプリザーブドフラワーの場合は、1輪、あるいは数本ずつプリザーブドフラワーを小さな器に挿す飾り方はいかがでしょう。ちょっとしたスペースにひとつ置くのもいいですし、いくつか並べるのもおしゃれです。お花と器の組み合わせを考えたり、背景との色合わせにこだわったり、あれこれ頭を悩ませるのも楽しそうですね。
プリザーブドフラワーは水が不要なため、うっかり倒してしまっても器から水が溢れる心配がありません。また気軽に入れ替えることもできるので、その日の気分によって花と花瓶の組み合わせを変えてみてはいかがでしょう。ドライフラワーと合わせるのもおすすめです。
飲み物やドレッシング、ジャムなどの空き瓶、グラス、柄の入ったカップも使えます。
アンティークの小さな器も素敵です。
仏花
プリザーブドフラワーは長く持つため、花が欠かせない仏壇用としても人気があります。優しい雰囲気の中に独特の鮮やかさがあるため、パッと明るい雰囲気にしてくれるのがポイント。また紫や青といった寒色系の色味も豊富なので、夏に涼しげな雰囲気にしたいときや、男性の方のためのお花としても使えます。
大切な方がお亡くなりになって日が浅いうちは特に、生花が弱っていく様子を見ることを辛く感じる方は少なくありません。お手入れをする必要がなく、長い間美しい状態を保つプリザーブドフラワーは、ご遺族にとってもひとつの助けとなります。透明のカバーがついているものなら、毎日手間をかけずに済むという点でもおすすめです。
まとめ
プリザーブドフラワーは小ぶりで高級感のある花材。カラーバリエーションが豊富で、販売されている商品数も多いです。デリケートな花なので、乾燥や湿気、強い光、埃には注意する必要がありますが、環境が整えば長く飾れます。
プリザーブドフラワーを使った作品は、ただ置いておくだけというシンプルな飾り方でも、その場が上品な雰囲気になります。また、ガラスなどでカバーされている商品ならお手入れも楽。目が留まりやすいスペースに飾って、心がホッとする花のある暮らしを楽しみましょう。
- プリザーブドフラワーは繊細なので、置き場所に配慮した飾り方が重要
- プリザーブドフラワーには多くの色味があり、華やかなインテリアアイテムとして人気がある
- きれいな状態が長持ちする環境を整えて、プリザーブドフラワーを飾ろう
記事の監修
古川 まさ美
インテリアコーディネーター
プラン数1200件以上の豊富な実績で、インテリアのお悩みやお好みを引き出すコンサルティングが好評。あなたが主役になる住空間をつくる、リノベーションのプラン、内装コーディネートが得意。
令和4年度 キッチン空間アイデアコンテスト入賞。