玄関にリースを飾ろう!おしゃれな空間を作るアイディアもご紹介
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。
壁やドアを花で飾るアイテムといえば、リースを真っ先に思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。特にクリスマスが近づくと、赤や緑、ゴールドなどを使った華やかなリースを見る機会が増えますね。ですが、リースはクリスマスに限らず、一年中飾れるインテリアフラワー。花材を変えることで季節を感じられますし、その場の雰囲気を華やかにします。
リースは部屋の中に飾るのも素敵ですが、今回は家族やお客様の目に触れる場所である玄関に絞ってご紹介します。どんなデザインのものがあるかや、飾り方のポイントについてもお伝えしますので、インテリアに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
- どんなデザインのリースがあるか知りたい方
- 玄関にリースを飾るときの注意点を知りたい方
- インテリア小物と組み合わせた飾り方を楽しみたい方
リースを玄関に飾る良さとは
リースは植物で作った円形の装飾品。その歴史は古く、古代ローマ時代には祭事の際に冠として使ったり、葬儀のときには棺に乗せて手向けられたりしました。それがいつしか壁などを飾るようになり、インテリアのアイテムとして広まっていったといわれています。
また、始まりも終わりもない輪の形であることから「永遠」を意味していますが、加えて「魔除け」としても飾られます。玄関のドアに掛けることで、外出した家族が何の災いもなく無事に家に戻ってくる、そしてそれがずっと繰り返されることを願うのです。
リースを飾るのには実用性でのメリットもあります。まずは、手間をかけずに花のある暮らしを楽しめること。花瓶に生けた花のように水を替える必要はありませんし、比較的長く飾れます。また、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、高いところに掛けられるため安全なこともポイントです。お子様の手が届かないところにしっかりと設置しておけば安心ですね。
玄関のどこに飾る?
玄関でリースを飾る場所といえば、ドアやシューズボックスの上、あるいは壁などが考えられますね。場所が決まると、リースのサイズや色合い、デザインを決めやすくなります。また、ほかのインテリアグッズと組み合わせる楽しみ方もできますね。
ここからは、リースを飾る場所を玄関の外側と屋内に分けて、それぞれのメリットや注意した方がいい点などをお伝えします。ご自身のお宅ではどのパターンがよさそうか想像しながらお読みください。
玄関ドアの外面に掛ける
「家の顔」ともいわれる玄関。目立つ場所でもありますし、おしゃれなリースで印象をアップしたいものです。ドアの材質は大きく分けると木製と金属製の2種類ですが、色やデザインには多くのバリエーションがあります。特に、ドアの色はリースの背景にもなるので、相性を考えてリースの色を選びましょう。
ドアの外面に掛けると、お宅の前を通る方々の目に留まりますね。人の目線の高さに合わせて地面から140~150㎝の位置にリースを飾ると、さらに視線に入りやすくなりますよ。素敵なリースは、たとえ短い時間でも、ご覧になった方の気持ちを和ませることができるかもしれません。玄関ポーチに鉢植えや花壇などがある場合は、植物とのコンビネーションも楽しめて素敵ですね。
デリケートなプリザーブドフラワーやドライフラワーが使われているものは避けた方がいいでしょう。
また、それ以外の花材であっても、雨がつくと傷んだりシミになったりします。雨の日は家の中に取り込んでおくことをおすすめします。
なお、マンションなどで風雨が直接リースに当たることがない場合は、天候に関わらず飾ったままで問題ありません。
玄関の内側を飾る
玄関ドアの内側にリースを掛けるメリットのひとつは、傷みにくくなること。屋外と違って天候などによる影響が少ないため、花材を選ばず飾れます。また、家にいる間に何度もリースを見られるのもポイント。気に入ったデザインのものなら特に、目にするたびに自然と笑顔になれるのではないでしょうか。
シューズボックスの上や壁などにリースを飾る方も多いでしょう。好きなインテリア小物を置いたり、写真やアートポスター、オブジェと組み合わせたりして、おしゃれなディスプレイスペースを作ってみては。カフェ風や北欧風などディスプレイのテーマを決めて、テーマに合った色やテイストを揃えると、統一感が出て素敵に飾れます。色が多いとディスプレイが雑多な印象になるため、使う色を3色程度に絞るとお洒落でまとまったディスプレイスペースを作ることができますよ。
オレンジが強い「電球色」や、青みがかった「昼光色」だと、リースに使われている花材の色が本来のものとはかなり違って見えます。
できれば、落ち着いた明るさの「温白色」のライトや、調光式の照明を選ぶことをおすすめします。
花材の違いを楽しむ
リースに使われている花の種類によって、見た目の印象は変わります。玄関をどんな雰囲気にしたいかによって、そのときどきで選ぶ楽しみがありますね。
ここからは、花本来の美しさを楽しめる生花、シックでおしゃれなドライフラワー、上品な印象のプリザーブドフラワー、丈夫でバリエーション豊かなアーティフィシャルフラワー、そして、花以外で作られたリースについてもご紹介します。取り扱い方についてもお伝えしますので、参考になさってください。
生花
色鮮やかな生花で作られたリースは、華やかで高級感があります。香りも楽しめますし、家の中にいい気を呼び込むこともできそうですね。吸水フォームに生花を挿して作ったものは、ドアなどに掛けることも可能ではありますが、水が滴る場合があるため、プレートなどに乗せて平らなところに置いて飾る方がいいでしょう。
その際、下に溜まった水は毎回捨てるようにすると、雑菌の繁殖を抑えられます。
花に水がかからないように気をつけながら、吸水フォームに静かに水を注いでください。
一方、クリスマスの時期によく目にするサツマスギやヒバなどが入ったフレッシュリースは、植物の蔓などを巻き付けて円にした土台を使って作られています。人気のミモザやバラ、紫陽花などのリースにもこのタイプの土台が使用されていて、生花の状態からドライに変化していく過程も楽しめるようになっています。環境にもよりますが、数ヶ月はきれいな状態で飾れるでしょう。
ドライフラワー
落ち着いた色合いが魅力のドライフラワー。少ない花材で作った細身のおしゃれなリースや、たくさんの小花を配置したボリュームのあるものなど、さまざまなデザインのものが販売されています。落ち着いた色合いのものは、ナチュラルやアンティーク風のインテリアとの相性が良いでしょう。
また、一見したところドライフラワーとは思えないようなカラフルな花材も増えています。パステルカラーの優しい雰囲気のものもありますよ。フェミニンな可愛らしいインテリアにぴったりですね。
春にはミモザ、夏はラベンダー、秋は松ぼっくりや実のついた蔓もの、冬はコットンフラワーなど、季節感のあるリースもおすすめ。ユーカリやハーブをはじめとする香りのある花材は、ドライになってもいい香りを楽しめます。
また、カビが発生したり、小さな虫がついたりすることも。そうなると、見た目だけでなく健康上もよくありませんので、すぐに処分するようにしましょう。
プリザーブドフラワー
生花から色素と水分を抜き、代わりに染料と保存液を加えて作られたのがプリザーブドフラワーです。生花のみずみずしい見た目はそのままに、鮮やかな色を長期間保ちます。プリザーブドフラワーだけで作られたリースには、小ぶりな花が集まった上品な印象の作品が多いです。エレガントで女性的なインテリアとの相性が良いでしょう。
また、ドライフラワーやアーティフィシャルフラワーと組み合わせて作られた大きなサイズのものも販売されていて、それぞれに違った雰囲気を楽しめます。
雨の日や梅雨の時期はサーキュレーターなどを使って常に空気が循環するようにするなど、工夫が必要です。
アーティフィシャルフラワー
生花に似せて作られた造花で、生花と見間違うほど高品質のものも増えています。また、ドライフラワーのように見える花材も作られていますよ。さらには、花びらにラメをつけたり、自然界にはない色や柄、サイズのものなど、オリジナリティのある花材もあります。
花材の選択肢が豊富なことに加え、耐久性があるため、気に入ったリースを長く飾ることが可能。ひとつの作品を長期間、あるいは、季節ごとに取り出して、何年にもわたって楽しめるメリットがあります。
ある程度厚みのあるものは気にする必要はありませんが、生地が薄い場合は摩擦でほつれてしまうことがあります。もし、先端に細かい繊維が出てきたら、ハサミで切っておきましょう。
長持ちさせるためには、風が強く当たる場所を避けたり、あまり触らないようにしたりするとよさそうです。
花以外で作られたリースも
リースの材料は花だけに止まりません。可愛らしい小さなぬいぐるみや飾りリボン、キラキラ輝くカラフルなボールだけで作られたリースなども人気を集めています。多くは、全て同じ色または色数を抑えたスタイリッシュなデザイン。個性的なインテリアが好きな方におすすめです。
ほかにもフェルト生地や毛糸で作られた温かみのあるリースもあります。また、クリスマスの時期には、小さなロープ状のLEDを巻き付け、夜になるとライトアップするものもよく見かけます。楽しい雰囲気が高まりますね。
今後もさらに個性的なリースが増えていきそうですね。
デザインのバリエーション
リースの基本の形は円形。隙間なく花材で埋め尽くされた作品はボリュームがあり立体的で、見栄えがします。また、丸い形は人に安心感を与えるとされているので、穏やかな気持ちになれるかもしれませんね。円と同じく始まりも終わりもない形状であるハートや星の形のリースもあります。見かけると、思わず顔がほころびそうです。
全体を飾るのではなく、土台となるリースの一部に花材を配置したものを目にする機会も多いです。デザイン性が高いことも魅力ですが、使用する花材の量が少ないため、比較的価格が抑えられるのは嬉しいポイントですね。中でも人気のあるハーフムーンリースとアシンメトリーのデザインのものについて、詳しくご紹介しましょう。
ハーフムーンリース
リースのおよそ半分に花材を集めたデザインをいいます。下半分だけを飾るものが多いですが、上半分や左右どちらかだけをデコレーションするタイプもあります。グリーンやブラウン系の花材ならナチュラルな雰囲気に、パステルカラーなら柔らかな感じなど、テイストのバリエーションも豊富です。
また、リースの土台を使うのではなく、リボンで吊るすタイプも人気です。可愛らしさや華やかさが一層感じられるデザインで、エレガントなインテリアや、ほかとは違った個性ある作品を好む方におすすめです。
大切に、ずっと飾っていたくなるかもしれませんね。
アシンメトリー
左右対称ではない形のリースも人気があります。茎にいくつもの花が連なって咲いている花材や蔓ものを使い、左右どちらか片方だけ長く垂れ下がるようなデザインのものがよく販売されています。また、細長い形の葉を効果的に使って、外に向かって伸びるように配置されたものはスタイリッシュな雰囲気。勢いが感じられ、大人っぽくおしゃれに飾れます。オーソドックスでない分、印象に残りますね。
また、花材を2カ所に分けて配置し、それぞれのボリュームを変える不規則なパターンもあります。目立つデザインなので、ドアの外面に掛けて多くの方に見ていただくのもいいかもしれません。
蔓性の植物をゆるく巻いて、独特の風合いを作り出しています。
形が整いすぎていない分、ナチュラルな雰囲気が一層強く感じられます。
リースを飾るときに役立つアイテム
玄関にリースを掛けて飾るときにはフックや押しピンなどを使いますが、ドアや壁の材質によって使い分けが必要です。リースがたびたび落ちてしまったり、ドアなどに傷がついたりすることがないよう、適切なものを使用しましょう。また、いろいろなインテリア小物と合わせるときは、ちょっとした工夫をすることで飾られるスペース全体の調和が図れます。あれこれ考えながら配置するのも楽しそうですね。
逆に、大きすぎるとインパクトが強くなり、バランスが悪く感じられるかもしれません。
リースを購入する際は、あらかじめ大体のサイズを決めておくことをおすすめします。
ここからは、玄関のディスプレイに役立つグッズをご紹介します。必要なものがあれば、購入する際の参考になさってください。
リースをドアに掛ける方法
金属製のドアの場合は、マグネット式のフックを使うと手軽に飾れます。大きくて少し重いリースにも十分対応できる強力なタイプも市販されているので、リースの重量に応じたものを利用しましょう。
木製ドアの場合は、ドアの上部に掛けるドアフック(ドアハンガー)を使うのがおすすめです。リース用として作られた長いサイズのものが便利で、中には長さを調整できるものもあります。もし、希望のサイズのものが見つからない場合は、短いものを購入してください。リースを吊るしたい位置を決めたら、リースにリボンを通してフックに掛けて長さを調節すると、見た目も華やかになります。
購入の際は、ご自宅のドアの厚みを測っておいてください。サイズが合っていないと、開閉のたびにぐらぐらして不安定になります。
また、室内のドア用のものも多くあります。「玄関ドア用」あるいは「クリスマスリース用」と記載されているものを選びましょう。
おしゃれな空間を作るのに便利なもの
玄関は匂いが気になる場所でもあります。アロマキャンドルやディフューザー、アロマストーンなどを置いて、いい香りで満たしてみてはいかがでしょう。帰宅するたびに香りに癒されそうです。
シューズボックスの上にいくつかのアイテムと一緒に飾る場合は、高低差をつけて並べるのがおすすめです。ディスプレイのコツである「三角形の構成(高さのあるものを中心に正三角形や二等辺三角形になるように配置する)」を意識するとバランスが良く、間延びせず、まとまりが感じられますよ。
その際、本を2、3冊重ねて使うと高さが調整しやすいです。洋書なら一層おしゃれに見えますね。また、100円ショップで販売されている小さな木の箱を使うのもおすすめです。
季節感を出すのも素敵です。夏には貝殻やヒトデ、秋にはぶどうや栗などを模ったものを置くだけでも雰囲気が出て、家族はもちろん、家を訪れるお客様の目を楽しませることができるでしょう。
例えば、イースターが近づいてきた頃には、春らしい色合いのリースと一緒にカラフルな卵のオブジェやウサギのぬいぐるみを置いたりすると、素敵なディスプレイになるでしょう。
まとめ
リースは永遠に続く幸せや家族の無事の帰宅を願って、古くから飾られてきました。基本の円形のものに加え、ハートや星の形、また、ハーフムーンリースやアシンメトリーのものも人気があります。花材によっても違った雰囲気を楽しめるのが魅力です。
玄関のドアの外側に掛けて植栽とのコンビネーションを楽しんだり、内側に飾ってさまざまなアイテムと一緒にディスプレイしたりと、楽しみ方もいろいろ。テーマを決めて飾るのも、季節感を大事にしてデザインを選ぶのもいいですね。お好みのリースを使って花のある暮らしを楽しみましょう。
- リースなら、あまり手間をかけずに暮らしに花を取り入れられる
- リースには材料もデザインも多くの種類がある
- さまざまなものと一緒に飾ったりして、リースのあるインテリアを楽しもう
記事の監修
小川 美穂子
インテリアコーディネーター
2013年にインテリアコーディネーターの資格取得後、インテリア業界にて経験を積みフリーランスとして独立。Smiliving(微笑みがこぼれる生き方を)という屋号のもと、個人邸のインテリアコーディネートや店舗デザインを中心に活動中。
色彩検定2級、整理収納アドバイザー2級の資格保有。