ユニークな植物を育ててみたい!人気の塊根植物とは

お部屋に植物があると癒されますね。グリーンは目にも優しく、気持ちをリラックスさせるともいわれています。室内で育てられる植物にはたくさんの種類がありますが、あまり手がかからず、丈夫で、さらに個性的な見た目のものを探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、多肉植物の一種である塊根(かいこん)植物を取り上げます。膨らんだ幹や特徴的な葉のつき方など、興味深い特徴がたくさんありますよ。育て方のポイントも一緒にご紹介しますので、どうぞ最後までお読みください。

この記事はこんな人におすすめ

  • インテリアプランツに興味がある方
  • おしゃれな植物を育ててみたい方
  • 個性的なインテリアに似合う植物を探している方

PICK UP

塊根植物の特徴

塊根植物の特徴
塊根植物は、多肉植物の中でもマダガスカルやアメリカ、アフリカ、中東原産のものの総称で、コーデックスとも呼ばれます。降水量が少なく寒暖差が激しい場所で、日差しも風も強いところに自生しています。一般的な多肉植物は茎や葉の部分が膨らんでいますが、塊根植物は根や幹の部分が肥大化しているのが特徴。この根や幹の膨らんだ部分に水分などを蓄えています。

丸い形のものやとっくり型など、ぽってりとしたユニークなフォルムが魅力で、種類も豊富です。また、同じ形のものが2つとない点や、品種によっては希少性が高いことも愛好家心をくすぐります。

おしゃれに飾れる
株自体が個性的な見た目をしているので、おしゃれなデザインの植木鉢と合わせると素敵なインテリアになります。
株の色味や雰囲気に合うような鉢を選んで、コーディネートしてみてはいかがでしょう。

PICK UP

塊根植物を育ててみよう

塊根植物を育ててみよう
塊根植物はゆっくり生長するため、長期間にわたって栽培を楽しむことができます。特徴的なフォルムの植物が少しずつ形を変えていく様子を見られるのは興味深いですね。

前述のとおり、多くの塊根植物は砂漠地帯に自生しています。ですから、日本でもできるだけ日当たりと風通しのいい所を選んで乾燥気味に育てましょう。湿度が高い場所は嫌うので、屋外で育てる場合は雨が当たらない場所を選んでください。また、生長が鈍る休眠中も日に当てるようにしましょう。それが難しい場合は、植物用のライトを当てるなどして光の量を補うことをおすすめします。

ほかにも栽培するうえでポイントになることをまとめました。参考になさってください。

生育型

生育型
植物はそれぞれ、生長するスピードが早くなる季節とそうでない季節が決まっています。よく生長する時期には水や肥料を与え、休眠期には控えることで、植物が元気に育つ環境を整えることができます

塊根植物の生育型は夏型と冬型に分かれます。夏型の品種は暑いときが生長期。秋になり気温が下がると葉が落ち、休眠します。そしてまた気温が上がって桜が咲く頃になると新しい芽が出てきます。

一方、冬型は10〜2月頃が生長期。冬型と聞くと寒い環境を好みそうですが、決して寒さに強いわけではないので、5〜20℃をキープできる明るい場所で育てましょう。秋ごろに芽吹いて生長し、5月になる頃には休眠します。

希少性の高い冬型
冬型の塊根植物は、夏型よりも市場に出回る数が極端に少ないです。
ですが、両方の型を育てていれば一年中塊根植物の生長を楽しむことができますね。
そのうえ、冬型には一層個性的な見た目のものが多いため、冬型の株を見かけたら買わずにはいられない愛好家の方もいらっしゃるようです。

水やり

水やり
植物を育てる上で大事なのが、水やりの仕方です。塊根植物の場合は、目安として、屋外で育てている場合は3日に一度、室内の場合は1週間に一度ほどの割合で水やりをしましょう。なお、夏の日中に水を与えると、鉢の中で水が高温になって蒸れてしまうかもしれません。水やりは暑さが落ち着いた夕方にしましょう。逆に冬は冷え込む時間帯は避けて、気温が上がる日中に行ってください。

生長期には、土が乾いたら鉢底から出るくらいたっぷり水を与えましょう。このとき株元だけでなく、シャワーのように上から水をかけても大丈夫です。休眠期には水やりの頻度を下げるか、断水しましょう

土が乾いているか確認する方法
水やりをするときは、土の表面だけでなく中までしっかり乾燥しているタイミングで行うことが大事です。
土が乾いているか判断が難しいときは、植木鉢ごと持ち上げてみましょう。
重い場合はまだ中が湿っています。
軽くなったことを確認してから、たっぷり水をあげてください。

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植え替え

植え替え
塊根植物を購入したときのまま植え替えることなく育てていると、やがて土の中の栄養分が植物に吸収され尽くしてしまいます。また、植木鉢の中が伸びた根でいっぱいになると根詰まりを起こします。すると、植物はそれ以上生長できなくなり、株が弱ってしまうことも。害虫などの被害も心配ですね。こういったことを防ぐために、定期的に植え替えをして、植物が育ちやすい環境を整えましょう。塊根植物の場合は生長が遅いため、2年に一度を目安にしてください

植え替えの目的

  • 栄養豊富な新しい土に入れ替える
  • 根詰まりの解消
  • 根を見て害虫や病気などの被害がないか調べる
  • 大きなサイズの鉢にして、根が伸びるスペースを確保する

植え替えは生長期の直前に行いましょう。この時期は植物自体に力があり、安定して生長することが期待できます。一方、休眠期が近づくと生育が鈍ります。この時期に植え替えると根が張りにくく、場合によっては枯れてしまうこともあります。夏型の塊根植物であれば4月後半から6月、冬型のものは9月後半から11月に植え替えるようにしましょう。

なお、植え替え時に土が湿っていると、重さで根が切れてしまうことがあります。水やりは5日ほど前から控えてください。植え替え後2〜3日経ったら再開しましょう。

塊根植物の植え替えの手順

準備するもの

  • 塊根植物
  • 一回り大きな植木鉢
  • 鉢底石
  • 塊根植物用の新しい培養土
  • スコップ
  • 植物用のハサミ(消毒済みのもの)
  • 細い棒(割り箸など)

  • STEP. 1

    新しい鉢を準備する

     

    植木鉢に鉢底石を入れてから、新しい土を入れます。

    土の量は、株の大きさに合わせて調節してください。

  • STEP. 2

    塊根植物を鉢から抜く

     

    株を鉢からやさしく取り出したら、根の周りについた土をほぐします。

    変色している根があれば、ハサミで切り取りましょう。

  • STEP. 3

    新しい鉢に植え付ける

     

    鉢の中央に株が来るように置いて、土をかぶせます。

    縁に近い部分を割り箸などでつつくようにすると、隙間なく土が入り株が安定します。

  • STEP. 4

    完成

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塊根植物に起こるトラブル

塊根植物に起こるトラブル
塊根植物はそれほど手間がかからず育てやすいですが、水やりのときなどには注意して観察するようにしましょう。何か問題が起きても早期に対処すれば回復が期待できます。

例えば、葉が変色しているときには害虫が発生しているかもしれません。葉の裏もよく見て、ハダニなどがいないか確認しましょう。害虫を見つけたらそのままにせず、薬剤を使うなど、できるだけ早く対処してください。

また、株にハリがなく、触るとふわふわ、あるいはぶよぶよしている場合は、根腐れを起こしている可能性があります。一度鉢から株を抜いて、根の状態を確認しましょう。傷んでいる部分を切り取って殺菌剤を塗布したり、乾燥させたりすることで、復活する場合があります。

大きくならない
生長期であるにもかかわらず葉があまり伸びなかったり、幹が大きくならなかったりすることがあります。
ですが、塊根植物はもともと生長スピードが遅いです。中には、1年で数mm程度しか生長しないものもあります。
心配になるかもしれませんが、株に上記のようなトラブルがなければ辛抱強く待ってみましょう。

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塊根植物のおすすめの品種

塊根植物のおすすめの品種
塊根植物はバリエーション豊か。幹がぷっくりと膨らんでいるものや、たくさんの棘があるもの、可愛らしい花が咲くもの、葉のつき方が特徴的なものなど、実にさまざまな種類があります。種類によっては数十年になるほど長いお付き合いになるので、気に入った株を選んで大事に育てましょう。

ここからはおすすめの品種をご紹介します。形の特徴ごとにまとめていますので、株選びの参考になさってください。

縦に伸びていくタイプ

縦に伸びていくタイプ
パキポディウム属は幹にたくさんの太い棘があるのが特徴です。塊根植物の中では比較的早く生長するので、観察のしがいがありますよ。

「パキポディウム・サンデルシー」は、どっしりとした白い幹が美しい種です。そこから伸びる茎には細長い棘が生えていて、葉は少しカールしています。「白馬城(はくばじょう)」という和名で、夏の終わりには白い花を咲かせます。1.5mにまで伸びる株もあるそうです。

一方、カーキ色の幹にびっしりと棘が生えていて、その上に濃い緑色の細長い葉が広がっているのは「パキポディウム・ラメリー」。この葉が冬になって落ちてしまうと、まるで棍棒のように見えます。生長が早くて丈夫な品種なので、塊根植物初心者の方にもおすすめです。

「パキポディウム・イノピナツム」は比較的新しい種。幹の色が白っぽく、いくつかに分かれて伸びていきます。その先端には細長くてまっすぐな葉がついています。標高の高い場所に自生しているため、日本の蒸し暑い夏は少し苦手です。涼しく風通しのいい場所を選んで育てましょう。

とっくり型の幹を持つもの

とっくり型の幹を持つもの
東南アジア原産で、塊根部分は銀白色で重心が低い「フィランサス・ミラビリス」。大きく伸びる葉が美しい種です。この葉は夜になると閉じ、朝になると開くという面白い性質を持っています。新しい葉は赤銅色がかっていますが、次第に緑色に変わりますよ。なお、生長期に水が不足すると昼間でも葉が閉じます。そんなときにはすぐに水やりをしましょう。

アデニウム属はつるんとした白い幹から細い茎が伸び、鮮やかな緑の葉や美しい花をつけます。よく流通しているのは「砂漠のバラ」と呼ばれ、夏にマゼンタピンクの花を咲かせる「アデニウム・オベスム」。ほかにも八重咲のものや別の花色のものなど、さまざまな園芸品種が作られています。鉢植えであれば高さ30㎝くらいまで大きくなるようです。

ツートンカラーの幹
「アデニア・グラウカ」は株が若いうちは全体的にきれいな緑色をしています。ですが、生長とともに幹の下の方に白い部分が表れ、ツートンカラーになるのが特徴です。
さらに時が経つと、鮮やかな緑色だった部分が青味を帯びた渋い色合いに変わりますよ。
また、長く伸びた蔓の先には、まるで開いた手のように5つに分かれた丸い形の葉がつきます。
「幻蝶かずら」という和名は、完全に開き切る前の葉の見た目が蝶々のように見えることからつけられたのかもしれません。

大型種である「ボンバックス」は原産地では10mを超えて生長しますが、日本でも1〜2mまでは育ちます。細い茎の先についた大きな葉はパキラにも形が似ていて印象的。また、幹は年月とともに緑色の筋が入ってひび割れ、味のある姿になっていきます。冬になると茎も葉も全て落ちて幹だけの姿になりますが、翌春には赤いハートのような形の新芽が出てきますよ。

幹が丸い形のもの

幹が丸い形のもの
「パキポディウム・グラキリス」は白っぽい色で丸く膨らんだ幹が印象的な人気種。小さいうちは表面にたくさんの棘がありますが、大きくなるにしたがって棘が減り、つるつるになっていきます。「象牙宮(ぞうげのみや)」という和名はこの幹の見た目からきたのかもしれませんね。パキポディウム属の中でも比較的暑さに強い品種で、夏は屋外でも育てられます。春には鮮やかな黄色い花を咲かせますよ。

「恵比寿大黒(えびすだいこく)」という和名を持つのは「パキポディウム・デンシカウレ」。主に「デンシフローラム(シバの女王の玉櫛)」と「ブレビカウレ(恵比寿笑い)」を掛け合わせた、塊根植物では数少ない交配種です。どっしりとしていて棘を持つ幹の上部から放射状に緑の葉が伸びています。そして、その葉の間からすっと細長い茎が伸びて、春には黄色い花を咲かせます。丈夫で育てやすく、塊根植物の最初の1株にもおすすめです。

希少種
フォークイエリア属は10種ほどしか確認されていない希少なものです。そのうちのひとつ「フォークイエリア・コルムナリス」は、日本では「観峰玉(かんぽうぎょく)」と呼ばれています。
グレーとグリーンが混ざったような色をした幹から、鋭い棘が生えた多くの枝を伸ばします。
また、株が小さいうちはぽってりと丸い幹をしているのですが、生長すると細長く形が変わるのも面白い特徴。
さらに大株になるとハチミツの香りがするクリーム色の花を咲かせますが、開花するまで大きくなるにはとてつもない年月がかかるそうですよ。

冬型の塊根植物の中でも特に人気がある「ディオスコレア・エレファンティぺス」。和名は「亀甲竜(きっこうりゅう)で、その名のとおり、亀の甲羅模様のようにゴツゴツとした亀裂が入った塊茎が目を引く植物です。夏の終わり頃には頭頂部から太い蔓が伸び、その先には明るい緑色のハートの形の葉がつきますよ。

ユニークな植物を育ててみたい!人気の塊根植物とは

見て、育てて、癒される!多肉植物の育て方

蔓が伸びていく品種

蔓が伸びていく品種
「フォッケア・エデュリス」の「火星人」という和名は、そのユニークな形からつけられたのかもしれません。表面に突起のある灰白色の塊根から蔓状の枝が伸び、その先には濃い緑色の葉がつきます。ある程度の大きさになると、蔓の途中から不思議な形の花を咲かせます。生長するにつれて、幹はまるで大根のようなどっしりとした姿に。流通量が多いので、手に入れやすい品種です。

「モモルディカ・ロストラータ」は、シワが刻まれた幹の部分と繊細な葉の対比が印象的な種です。幹は時間の経過とともにカーキ色からオレンジ色へと変化。さらにシワがより深くなり、風格が出てきます。生長期の夏には蔓をどんどん伸ばしますよ。葉はヘチマに似た形をしていて、自生地では野菜として食べられたり、家畜の餌にも使われたりするそうです。

同じくモモルディカ属の「ボイビニー」はボールや卵のような形の塊根を持った中型種。表面は茶色でゴツゴツとしています。蔓から伸びる葉は丸みを帯びたハートの形で、黄色い花を咲かせます。

ユニークな形状のもの

ユニークな形状のもの
塊根植物はどれも独特の見た目を持っていますが、中でもインパクトがある品種をご紹介しましょう。

「モンソニア・ヘレー」は鋭い棘に覆われている幹が地面を這うように伸び、複雑に分岐します。そこから出る緑の葉はサンゴのように複雑な形。「竜骨城(りゅうこつじょう)」という和名も頷ける姿です。暖かくなると白くて薄い花弁を持った繊細な花を咲かせます。

扁平な幹の上部に少しだけ棘が出ていて、緑の細長い葉が放射状に広がっているのは「パキポディウム・ブレビカウレ」。こちらも縦ではなく横に伸びていく珍しいタイプです。原産地からやってきた株を蒸し暑い日本で育てるのは少し難しいので、できれば日本で種から育てられた株を選び、ゆっくりと生長していく様子を楽しみましょう。「恵比寿笑い」というなんとも楽しげな和名がついています。黄色い花が咲きますよ。

花の形が独特
「ドルステニア・フォエチダ」は樹形が縦長のものや丸い形のものなど、個体によって差がある興味深い品種です。そのため、いくつも株を集めている愛好家の方も多いです。
葉が落ちた跡が点々と幹に残るのも独特ですが、さらに個性的なのは夏に咲く花の形。
丸い中央部分から細長い線がすっと放射状に伸びていて、まるで太陽のようです。
この中心部分にたくさんの種がつき、熟すと弾けるように遠くに飛んでいきます。

「オトンナ・ユーフォルビオイデス」は冬型の品種です。小さな株のうちは幹の表面が黄金色で滑らかな質感なのですが、古株になると焦茶色でガサガサとした表皮に変わります。分岐した枝の先には青白くて細長い葉がつきます。また、針のような形状のものがびっしり生えているのも特徴のひとつ。「黒鬼城(くろおにじょう)」という和名で、まるで盆栽のように貫禄のある株になりますよ。

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まとめ

多肉植物の中でも根や幹の部分が膨らんでいる塊根植物。ほかの植物とは大きく異なる独特の見た目をしていて、おしゃれなインテリアプランツとして育てていらっしゃる方も多いです。生長速度がゆっくりなので、長い期間育てることを楽しめますね。

塊根植物の中には縦に伸びるもの、幹がとっくり型、あるいは丸い形のもの、蔓が出てくるタイプ、そして独特の風格のあるものなど、さまざまな種類があります。同じ品種であっても株によって異なる姿も楽しめます。豊富な選択肢の中からお好みの品種を見つけて、育ててみてはいかがでしょう。

この記事のまとめ

  • 塊根植物は比較的育てやすいものが多く、独特なフォルムで人気がある
  • 塊根植物にはとても多くの種類がある
  • お気に入りの株を長く育てて、塊根植物が生長していく様子を楽しもう

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