キャベツの上手な保存方法とは?正しく保存して鮮度を保とう!
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。
サラダや炒め物、煮物など様々な食べ方を楽しむことができるキャベツ。一年中スーパーなどでも出回っているので、家庭でもよく食卓に並ぶ野菜の一つです。
キャベツは様々な調理法があるため、常備しておきたいと考える方も多いですが、サイズが大きく保存方法が難しいのが難点。また、全てを使い切る前に傷ませてしまった…という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、キャベツの上手な保存方法や美味しいキャベツの選び方についてお伝えします。正しく保存をすることで、長い期間キャベツの鮮度も保つことができますよ。ぜひ参考にしてくださいね。
- キャベツの保存方法について知りたいという方
- キャベツを長持ちさせる方法を知りたいという方
- 野菜についての知識を増やしたいという方
目次
キャベツの特徴
キャベツは、一年を通して日本の各地で栽培されている野菜です。生育に適してる温度は、15度〜20度ほど言われています。季節ごとに平地や高地など様々な場所で栽培されているため、スーパーなどでも1年中見かける野菜となります。
キャベツは一年中出回っている野菜ではありますが、その中でも春に種をまいて夏に収穫するものを「高原キャベツ」、夏に種をまいて冬に収穫するものを「冬キャベツ」、秋に種をまいて春に収穫するものを「春キャベツ」や「新キャベツ」などとも呼ばれています。柔らかく甘みのある春キャベツや、少し上下に潰れている見た目の冬キャベツなど、それぞれの旬ごとに味や見た目に特徴もありますよ。
- 春キャベツ・・千葉県や神奈川県など
- 夏秋(高原)キャベツ・・長野県や群馬県などの高原地・北海道や東北などの寒冷地
- 冬キャベツ・・愛知県や神奈川県など
キャベツの栄養素は?
キャベツには、様々な栄養素が含まれています。その中でもビタミンUが含まれているのが大きな特徴です。このビタミンUは、キャベツから発見された成分で「キャベジン」とも呼ばれています。キャベジンには胃酸の分泌を抑えてくれ、胃粘膜を保護する働きがあります。また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療や予防にも用いられる成分となっています。
そのほかにも植物繊維やコラーゲンの生成に働き、美肌効果も期待できるビタミンCや、骨を丈夫にする働きがあると言われるビタミンKなどもキャベツには含まれています。緑色の濃いキャベツには、β-カロテンも含まれていますよ。
- ビタミンU・・胃酸の分泌を抑える効果あり
- ビタミンC・・レタスや玉ねぎ、白菜やもやしなどよりもビタミンCが豊富
- ビタミンK・・骨を丈夫にする効果があり、骨粗鬆症予防にも効果あり
- βーカロテン・・目の健康維持に効果あり
ビタミンKを摂取したい場合には、脂溶性のため油でキャベツを炒めて摂取してもよいでしょう。
美味しいキャベツの選び方とは?
スーパーでの買い物時にも役立つ「美味しいキャベツの選び方」についてもお伝えしておきましょう。
基本的には、外葉の緑が濃く、キャベツを持った時にずっしりと重く感じるもの、更に芯の切り口が変色していないものが美味しいキャベツだとされています。1/2や1/4にカットされているものを購入する場合には、断面が茶色く変色していないものを選ぶのがよいでしょう。
また、旬のキャベツごとでも美味しいキャベツの特徴が異なります。冬キャベツであれば、葉っぱに厚みがあり巻きがしっかりとしていて重量感のあるものを、春キャベツの場合には葉っぱが柔らかくて巻きがゆるく、濃い緑色をしていて光沢のあるものが美味しいキャベツの特徴となります。
旬ごとのキャベツの特徴についても覚えておきたいですね。
- 外葉が濃い緑色のもの
- ずっしりと重みのあるもの
- 芯の切り口が変色していないもの
キャベツの保存方法の基本
キャベツは基本的には「冷蔵保存」を推奨しています。しかし、保存の仕方や季節・温度などによっては、冷凍での保存や常温での保存も可能となります。
ここからは、基本的なキャベツの保存方法や特徴についてご紹介します。家庭でもよく使用する食材のため、ぜひ参考にしてくださいね。
- 常温保存・・約2日〜3日程度の保存が可能(涼しい季節のみ)
- 冷蔵保存・・約1〜2週間の保存が可能
- 冷凍保存・・約1ヶ月間の保存が可能(カットの仕方などにより異なる)
ポイントは「キャベツの芯」
キャベツを保存する際にポイントとなるのが「キャベツの芯」です。キャベツの芯の処理をしておくことで、長い期間保存できるかどうかも決まります。
収穫後のキャベツは時間の経過と共に葉っぱがしおれていってしまいます。この「葉っぱがしおれてしまう原因」は、キャベツの芯が葉っぱの水分や栄養を吸収して成長を続けてしまうからだと言われています。
そのため、キャベツの鮮度を保つためには早めにキャベツの芯を取り除き(くり抜き)、「葉っぱのしおれ」を防ぐことが大切となります。
キャベツの芯のくり抜き方
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STEP. 1
芯に切り込みを入れる
まずは、まな板の上にキャベツの芯を上に向けて置く。
包丁の刃先を使いながら、キャベツの芯の周りに切り込みを入れる。
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STEP. 2
芯をくり抜く
包丁で切り込みを入れたところから、芯をくり抜いていく。
切り込みを入れておけば、手で簡単にくり抜くことができます。
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STEP. 3
完了
常温保存
キャベツを常温で保存する場合は、冬など気温が低く涼しい季節のみにしましょう。気温の高い夏場は常温でキャベツを保存することはNGです。キャベツを傷めてしまう原因にもなるのでやめましょう。
また、冬場でもコンロ周辺などの温度が高くなる場所は避けて保存するようにしてください。床下収納などがある家庭であれば、床下収納に保存するのがおすすめです。乾燥してしまうとそこから傷んでしまうため、新聞紙などにキャベツを包み、乾燥から防ぐことも忘れないようにしましょう。
常温での保存期間の目安は約2〜3日となります。保存期間までに食べきれないことがわかっている場合には、冷蔵保存など他の保存方法を検討するのが良いでしょう。
- 気温の高くなる夏場は常温で保存しない
- 乾燥対策をしっかりと行う
常温での保存方法
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STEP. 1
芯をくり抜く
キャベツの芯をくり抜く。
芯をくり抜いた部分に、水で濡らしたキッチンペーパーを詰める。
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STEP. 2
新聞紙で包む
乾燥を防ぐために、キャベツ全体を新聞紙で包む。
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STEP. 3
保存する
床下収納などの気温の低い冷暗所に保存する。
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STEP. 4
完了
冷蔵保存
多くの家庭では、キャベツは冷蔵庫に入れて保存していることでしょう。冷蔵庫で保存する場合も、そのままの状態で保存するのは乾燥が早まってしまうためNGです。常温での保存方法と同様に、芯をくり抜いておき、さらに新聞紙に包むなどの乾燥対策を行うようにしましょう。
また、キャベツは寒い環境で育つ野菜のため、冷蔵庫の野菜室で保存するよりも、より設定温度の低い「冷蔵室」で保存するのがおすすめです。
冷蔵保存したキャベツの保存期間の目安は、約1〜2週間ほど。芯をくり抜いた部分に詰めたキッチンペーパーは、2〜3日に一度新しいものと交換することも忘れないようにしましょう。
- 冷蔵保存する際には、野菜室ではなく冷蔵室で保存する。
- 芯の部分に詰めている濡れたキッチンペーパーは定期的に取り替える。
冷蔵での保存方法
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STEP. 1
芯をくり抜く
キャベツの芯をくり抜く。
芯をくり抜き、くり抜いた部分に水で濡らしたキッチンペーパーを詰める。
冷蔵保存の場合、保存期間が長いためこまめにキッチンペーパーを取り替える。
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STEP. 2
新聞で包む
乾燥を防ぐために、キャベツ全体を新聞紙で包む。
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STEP. 3
密閉する
新聞紙に包んだキャベツをさらにポリ袋に入れ、口を軽く縛る。
保存袋は、キャベツが入る大きめのサイズを用意する。
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STEP. 5
冷蔵庫で保存
キャベツの芯(軸部分)を下にして、冷蔵庫の冷蔵室に入れて保存する。
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STEP. 4
完了
参考記事:トクバイニュース「キャベツを日持ちさせるには?丸ごと・カット後の保存方法とコツ」
カットしたキャベツの場合の保存方法は?
カットしたキャベツの場合、キャベツを丸ごと保存するのとは異なり、そのままの状態で保存してしまうと切断面からの水分の蒸発が進み、傷みも早くなってしまいます。そのため、カットしたキャベツを冷蔵保存する場合には、水分が抜けないようにキャベツの切断面をしっかりとラップに密着させながら全体をラップで包み、ポリ袋や保存用の袋に入れて、軽く口を縛って冷蔵庫で保存するのがよいでしょう。
使用する場合にも、切り口から発生する水分が黒ずみの原因となってしまうので要注意。カットした切り口をキッチンペーパーで覆うなどしておくと、切り口の黒ずみを防ぐことができます。
冷凍保存
キャベツは冷凍での保存も可能です。冷凍したキャベツは、解凍不要でそのまま炒め物や煮込み料理に使用することもできるのでとても便利ですよ。「キャベツを冷凍するのは難しそう…」、「味が落ちてしまわないか心配…」と感じている方も、ぜひキャベツの冷凍保存を試してみてくださいね。下記でもお伝えしている、キャベツを美味しく冷凍保存するためのポイントを抑えておけば、上手に冷凍保存することができますよ。
キャベツの冷凍保存にはいくつかの方法が存在します。どんな料理に使うのかや冷凍庫の容量などと相談しながら、冷凍保存してみましょう。生のまま保存したり、下茹でや味をつけるなど少し手を加えた状態で冷凍するなどの方法もあるので、ご家庭に合った冷凍方法を取り入れてみましょう。
冷凍キャベツは味が落ちる?
キャベツは元々が水分の多い野菜です。そのため、一般的にはあまり冷凍するのには向いている野菜とはいえません。水分が多く含まれている野菜の場合、冷凍するとその過程で氷の結晶が細胞を破壊してしまい、いざ解凍する時に水分が抜けて空洞ができてしまうのです。空洞ができてしまうことによって、本来シャキッとした食感のキャベツがぐにゃっとした食感になってしまい味が落ちてしまう原因にもつながります。
しかし、事前に下茹でをする、冷凍キャベツに適した料理に使用する、などのコツやポイントさえ覚えておけば、味を落とさず上手に冷凍保存することができます。
- 冷凍保存する前に塩揉みをしておくと、解凍した際の水分の流失を抑えることができる。
- 冷凍することで水分が出るため、料理に使用する前に水分をしっかりと抜く。
- 冷凍するのに時間がかかると、食感や味が悪くなるため、熱伝導率に優れた金属トレーを活用し冷凍にかける時間をなるべく短くする。
- キャベツを下茹でしてから冷凍すると酵素の働きを止めて変色を防ぐことが可能。
- 冷凍する前のキャベツに水気が残っていると、解凍する際に水っぽくなる原因となるため保存する前に必ず水気は拭き取っておく。
冷凍での保存方法(生のまま保存する場合)
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STEP. 1
キャベツをカットする
ざく切りや千切りなど、使いやすい大きさにキャベツをカットする。
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STEP. 2
塩揉みをする
カットしたキャベツの重さに対して約1%程度の塩を振り、揉み込む。
塩揉みをするることで、キャベツを解凍した時にシャキシャキな食感を保つことができる。
しんなりとしてきたら、水洗いする。
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STEP. 3
キャベツの水気を拭き取る
キッチンペーパーなどを使用して、キャベツの水気をしっかり拭き取る。
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STEP. 4
保存袋に入れる
ジッパー袋などの保存袋にカットしたキャベツを平になるように入れる。
空気をしっかりと抜いて、冷凍庫で保存する。
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STEP. 4
完了
冷凍キャベツの使い方
キャベツを冷凍して保存する場合には、まるごと保存するのではなく、カットした状態で保存するのがよいでしょう。カットの仕方によって様々な使い方が可能です。
千切りやざく切りはもちろん、芯ごと冷凍保存することもできるので、用途に合わせたカット方法を取り入れてみましょう。たくさんのキャベツがある場合には、いくつかのカット方法のキャベツを用意しておくのがよいでしょう。千切りキャベツであればサラダに、ざく切りのキャベツであれば和えものなどの調理におすすめです。
また、芯ごとキャベツの場合は煮込み料理などに最適です。じっくりと味のしみたキャベツの味を堪能することができますよ。
- 千切り:自然解凍をしてから絞ると、塩もみしたような状態に。ドレッシングなどの味もしっかりとつくのでコールスローなどのサラダに最適。
- ざく切り:冷凍したキャベツをざるに入れ、流水で解凍。茹でなくてもしんなりするので、和え物やサラダに最適。
- 芯ごと保存:1/8や1/4の芯がある状態でカットし、ラップに包みジッパー袋に入れて冷凍保存。解凍せずにそのままスープや煮込み料理に使える。
長く保存しすぎてしまうと、食感や風味が悪くなってしまうのでなるべく早めに使い切りましょう。
また、冷凍焼けを起こしてしまうとキャベツの風味が悪くなる原因にもつながります。冷凍庫内の温度変化にも注意しておきましょう。
作り置きをして保存
キャベツをそのまま保存するだけでなく、一手間加え調理した状態で保存しておくというのもおすすめです。あと一品欲しい時にも助かるので、時間がある時にぜひキャベツの常備野菜作りにも挑戦してみてくださいね。
冷蔵庫で保存してもキャベツのピクルスは約2〜3週間ほど、ザワークラウトは1ヶ月以上の保存が可能となります。
キャベツを大量に消費することもできるので、たくさんのキャベツを手に入れた時には、そのまま保存するだけでなく常備菜に加工して保存することも検討するとよいでしょう。
- キャベツのピクルス
- ザワークラウト
- 乳酸キャベツ
- 漬物
まとめ
今回は、キャベツの保存方法についての基本や、美味しいキャベツの選び方についてご紹介しました。
家庭料理で出番の多いキャベツ。より多くの正しい保存方法を覚えておくとよいでしょう。基本的には冷蔵での保存を行い、気温などに気をつけながら常温保存や冷凍保存にも挑戦してみてくださいね。冷凍保存をする場合には、一手間加えてカットしておけば、簡単にサラダや炒め物などに活用することができますよ。
季節ごとにスーパーで見かける旬のキャベツを上手に保存しながら、美味しいキャベツ料理を堪能しましょう。
- キャベツには「春キャベツ」「夏秋キャベツ」「冬キャベツ」など大きく分けて3回の旬があり、旬ごとに味や形状も異なる
- キャベツは冷蔵保存が一般的だが、季節や環境によっては常温保存や冷凍保存も可能。冷凍保存は上手に活用すれば調理の時短にもつながる
- キャベツの芯をくり抜いて保存することで、乾燥を防ぎ、より長い期間保存することが可能となる
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。