トマトの正しい保存方法知ってる?長持ちさせるポイントもご紹介!
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。
家庭の食卓によく並ぶトマト。色鮮やかなトマトは食卓に彩りを添えてくれる野菜ですよね。また、見た目だけでなく、健康に良い食材としても有名です。一般的には夏に旬を迎えると言われるトマト。最近では露地栽培だけでなくハウス栽培も盛んになっており、夏場だけでなく一年を通して店頭でも見かけ、食卓にも欠かせない食材となっています。
そこで今回は、トマトの正しい保存方法についてお伝えします。長持ちさせる方法などもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- トマトの保存方法について知りたい方
- トマトを長持ちさせる方法を知りたい方
- 野菜についての知識を深めたい方
目次
トマトの主な効果・効能
トマトは健康野菜とも言われており、多くの栄養が含まれている食材としても有名です。健胃作用の効能があり、クエン酸やりんご酸などトマトに含まれる酸味成分が胃の消化液の分泌を高めてくれると言われています。
二日酔いや食欲がない時などにも、トマトの摂取はおすすめですよ。忙しい朝などは野菜でなくても、トマトジュースを飲むだけでも胃をスッキリとさせることができます。
リコピン
リコピンとは植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分「カロテノイド」のひとつです。リコピンはカロテノイドの中でも特に抗酸化作用が高く、活性酸素を消去する作用が、同じように抗酸化作用を持つビタミンEの100倍以上あるとも言われているのです。
また、リコピンには、乳がんや子宮がん、肺がんなどのがん細胞を抑える作用や、皮膚癌の原因ともなる紫外線から皮膚を守ってくれる作用などもあると言われています。
また、油と一緒に食べると体内への吸収率もアップします。
トマトにオリーブオイルをかけて食べるカプレーゼや、トマトスープやトマトソースなどにして摂取するのがおすすめです。
ポリフェノール
ポリフェノールとは、植物が光合成をする際に生成される物質のことを言います。トマトをはじめ、コーヒーや赤ワインなど多くの植物や食品に含まれており、体にも良いものだと言われています。特に、有機栽培したトマトは、ポリフェノールが多く含まれているという研究がバルセロナ大学からも発表されています。
ポリフェノールには、がんや動脈硬化などの病気の原因ともされている活性酸素を抑えてくれる効果があるだけでなく、シワやしみ、たるみなどの予防にも効果的だと言われ、健康面や美容面など様々な効能が期待されているのです。
- がん予防
- 老化防止
- 生活習慣病の予防
- シワ・シミ・たるみなどの予防
ビタミンCはシミのもとであるメラニン色素の生成を抑えたり、コレステロール値を下げて免疫力を高めるなどの効果があります。
トマトのおいしい選び方
栄養がたっぷりと含まれているトマト。せっかくならば、おいしいトマトを味わいたいですよね。スーパーでトマトを選ぶ際には、色ムラがないものを選びましょう。また、よく張っていて硬く、ずっしりと重たいものを選ぶのがおすすめです。
他にも、ヘタが濃い緑色をしているのも新鮮なトマトの証です。逆にヘタが萎れていたり黄色っぽく色が変わっているものは鮮度が落ちているものになるので注意しましょう。
トマトの保存方法
トマトは生で食べるサラダなどの他に、煮込み料理など様々な調理法のレパートリーがあります。
健康にも良いので、毎日食卓に並べたい!という家庭も多いことでしょう。また、自宅でトマトを育てている場合には夏場にたくさん収穫できるので、おすすめの保存方法やたくさんのトマトを保存する方法を知りたいという方もいることでしょう。ここからは、トマトの保存法についてお伝えしていきます。
実は、トマトの保存方法は一つではありません。生のまま保存したり、一度加熱してから保存するなどいくつかの方法が存在します。トマトの状態などによって適切な保存方法を取り入れるのがよいでしょう。
また、保存場所についても常温保存、冷蔵保存、冷凍保存などいくつかの選択肢があります。それぞれの用途や季節などを考慮して保存場所を決めていきましょう。
- 常温保存・・・保存期間は3日〜5日程度(気温や季節にもよる)
- 冷蔵保存・・・保存期間は1週間程度
- 冷凍保存・・・保存期間は3週間程度
常温保存してもOK?
トマトの保存方法は基本的には冷蔵保存がベストだと言われています。しかし、まだ緑色のトマトで完熟していないものの場合、常温で保存して「追熟」させるのがよいでしょう。追熟させることで、甘みが増し美味しく食べられます。
トマトを追熟させる場合にはそのまま置いておくのではなく、トマトを一つずつキッチンペーパーで包み、ヘタ側を下に向けて保存するのがおすすめです。
追熟する日数はトマトの色味によって異なります。少しだけ緑色という状態であれば1日〜2日程度、半分かそれ以上緑色の状態のものであれば4日〜5日程度を目安にします。もちろん、最初のトマトの状態や室温によっても追熟にかかる日数は変わってくるので、熟しすぎないように様子を見ながら追熟させるようにしましょう。
完熟したトマトは常温で保存すると傷みやすくなるため注意してくださいね。
冷暗所がおすすめ
常温保存してトマトを追熟させる場合、どこで保存してもOKというわけではありません。1日の気温差があまりない冷暗所で風通しの良い場所に保存するのがおすすめです。
具体的には、カゴに入れて保存するなどが良いでしょう。ただし、直射日光の当たる場所やコンロ付近の温度が高くなるような場所に保管するのはNGです。
また、常温での保存は外気温が高くなる夏場には不向きなのでやめましょう。傷がついているトマトも、傷から水分が出て傷むスピードが速くなるので常温での保存は避けましょう。
冷蔵庫での基本の保存方法
追熟させる必要がなければ、基本的には冷蔵庫で保存するようにしましょう。トマトは5℃以下になると低温障害を起こしてしまい、かえって味や食感が悪くなてしまいます。冷蔵庫の室温が5℃〜7℃に保たれている野菜室に保管するのがよいでしょう。野菜室での冷蔵保存であれば、約1週間ほどの保存が可能となります。
トマトを野菜室に保管する際には、しっかりとビニール袋やジッパー袋などで密封して、エチレンガスが外に漏れないようにしましょう。
長持ちさせるための一手間
トマトは外からの衝撃に弱い野菜となります。そのためそのまま野菜室に入れるのではなく、一手間加えることでより長持ちさせることができるようになります。一見面倒な作業にも感じますが日々の習慣にしてしまえば、苦にも感じることもありませんよ。
覚えておくことは2点のみ。上記でもお伝えした常温での保存方法と同じく、キッチンペーパーなどに一つ一つ包んで保存することと、ヘタを下向きにして保存すること。この2点を意識するだけでも長持ちするようになりますよ。
- キッチンペーパーでトマトを一つずつ包む
- 保存する際にはヘタを下向きに
実は便利!トマトの冷凍保存
トマトを冷凍保存するというイメージはあまりないかもしれません。しかし、トマトを冷凍して保存しておくと意外と便利なんですよ。新鮮うちに冷凍しておけば、味や栄養素も保つことができます。むしろ冷凍保存することで、細胞組織が壊れて旨味成分が増すとも言われているのです。たくさんのトマトがありすぐには使いきれないという場合には、早めに冷凍保存をするのがおすすめです。
トマトは、丸ごとの状態でもカットした状態でも冷凍保存することができます。料理によって使い分けが可能なので、大量のトマトを保存したい場合には、どちらのタイプでも保存しておくと良いでしょう。
また、冷凍したトマトをそのままミキサーにかければ、スムージーやガスパチョなどを作ることもできます。
トマトを丸ごと冷凍する場合
トマトを丸ごと冷凍保存する場合のポイントは、「ヘタをくり抜いておく」こと。この作業さえ行っておけば、あとは保存用のジッパー袋(密閉袋)にそのまま入れておけばOKです。Mサイズのジッパー袋であれば中玉サイズのトマトが4個ほど入ります。このくらいの大きさであれば、取り出しもしやすく、冷凍庫でもかさばりにくいので便利ですよ。
丸ごとトマトを冷凍した場合は、皮むきも簡単になります。通常、トマトの皮むきは熱湯に潜らせて行う作業になりますが、冷凍したともあとであれば、流水にひたすだけで簡単に皮を剥くことができますよ。さらに、半解凍された状態になるので、包丁でカットもしやすくなります。
ざく切りトマトを冷凍する場合
カットしたトマトを冷凍する場合のポイントは、「ゼリー状の部分もそのまま冷凍保存する」こと。トマトの皮やゼリー状の部分には酸味やうま味が多く含まれているため、カットして保存する場合にはこの部分は取り除かずに冷凍保存することが大切です。
ただし、水分が多すぎてしまうと霜が発生する原因にもつながります。カットした際にまな板に滲み出た水分は破棄して冷凍保存するようにしましょう。トマト同士が重なり合わないようにしてジッパー付きの袋などに入れて冷凍しておけば、使うときにもバラして取り出しやすくなりますよ。
カットした冷凍トマトは解凍せずにそのままスープやソースに使用することができるので、調理作業の短縮にも繋がります。忙しいときなどに役立つので、ぜひ、カットトマトの冷凍保存も取り入れてみてくださいね。
ある程度硬さのあるトマトを選んで冷凍保存するようにしましょう。
使いきれなかったトマトの保存方法
トマトを全部使いきれず、半分だけ余ってしまった…なんてこともありますよね。スライストマトやざく切りトマトなど、少量のトマトの冷蔵保存方法についてもお伝えしておきましょう。
カットした状態のトマトを冷蔵保存する場合に、気をつけておきたいことは「空気に触れさせない」ということ。カットしたトマトは空気に触れることで、乾燥したり傷みやすくなります。必ずラップなどをして保存するようにしましょう。
半分にカットしたトマトであればぴっちりとラップで包み、スライスしたものやざく切りのトマトの場合であればジッパー袋などに入れて空気をしっかりと抜いた状態で野菜室に保存するようにしてください。
そのままの状態で保存するよりも日持ちはしないため、なるべく早く消費するようにしてくださいね。
- 二等分にカット・・・約1週間
- スライストマト、カットトマト・・・約3日〜5日ほど
ミニトマトの保存方法
サラダ料理の付け合わせやお弁当のちょっとした彩りにも活用できるミニトマトは、あると便利な食材の一つ。赤色のものだけでなく、イエローやオレンジなど変わった色のミニトマトや、形状も細長い品種のものなどミニトマトといっても様々な品種のものがあります。
ミニトマトの保存方法は基本的にはトマトと同様となります。まだ緑色の状態のミニトマトであれば、25℃を超えるような暑い夏場以外であれば常温での保存をして追熟させることも可能です。(ミニトマトの追熟は10℃〜15℃)ただし、夏場はどうしても食材が傷みやすい時期にもなるため、基本的には冷蔵での保存をするようにしましょう。
夏場以外であっても、保存の仕方や状態によってはミニトマトが傷んでしまうことがあります。ミニトマトを保存する場合には、タッパーなどにキッチンペーパーを敷きミニトマトを並べ、その上にさらにキッチンペーパーをかけて蓋をして保存するようにします。キッチンペーパーを敷くことで、水分を吸収したり、乾燥を防ぎ適度な湿度も保つことができます。
「ヘタを取って保存」がポイント
ミニトマトを保存する場合には、ヘタを取ってしっかりと水洗いをしてから保存することを心がけましょう。これは冷蔵保存する場合でも冷凍保存する場合にも共通するポイントとなります。ヘタを取っておくことで雑菌の繁殖を防ぐこともできます。
そのため、ミニトマトを冷蔵保存する場合には、「野菜室」での保存よりも「冷蔵室」での保存が適しています。
加工や火入れをしたトマトの保存方法
ここまでは生のトマトの保存方法についてお伝えしてきましたが、生のトマトを加工したものや火入れしたトマトの保存方法についてもご紹介しておきましょう。加工や火入れなどの少しの手間をプラスさせることで、活用の幅もぐんと広がりますよ。加工の仕方によって、かなり長い期間保存することが可能となるものもあります。
トマトのオイル漬け
- トマト
- オリーブオイル
- 塩
トマトを5㎜角にカットし、消毒した瓶に詰めます。そこに塩をひとつまみほど入れてオリーブオイルを入れたら完成です。
オリーブオイルはトマトがしっかりと浸るまで入れるのがポイントです。完成したものは冷蔵庫に入れて保存しましょう。未使用のものであれば1ヶ月ほどの保存が可能です。
バケットに乗せたり、そうめんや冷奴にプラスするなど、様々な料理の調味料としても活躍してくれますよ。
トマトソース
- トマト
- にんにく
- 塩胡椒
- オリーブオイル
- 玉ねぎ
オリーブオイルを引いたフライパンににんにくとみじん切りにした玉ねぎを入れて炒めます。そこに、カットしたトマトと塩胡椒を入れて10分間ほど煮詰めていきます。完成したら、消毒した瓶などの入れておきましょう。冷凍保存する場合には、ジッパー袋に平にした状態でソースを入れて保存しましょう。
冷蔵保存で2日ほど、冷凍保存であれば約1ヶ月ほどの保存が可能となります。
パスタソースに利用するなど、料理時間の短縮にも一役買ってくれる便利な存在になってくれますよ。
- トマトジャム
- トマトのピクルス
- トマトのコンフィチュール
用途別に色々な保存方法をしておくと便利!
トマトは調理方法が幅広いため、様々な用途に合わせた保存方法をしておくと便利ですよ。そのままの状態で保存しておくのはもちろん、カットしたものを冷凍保存しておいたり、ミニトマトを冷蔵・冷凍保存しておくと、忙しくて時間がない時でも簡単に料理に使うことができます。
特に冷凍保存したトマトは、保存期間も長くなりアレンジもしやすいためおすすめです。時間があれば、トマトソースやオイル漬け、トマトのピクルスなどを作って保存しておくと、あと一品何か欲しい!というときに便利です。
おすすめのトマトの品種
トマトにはたくさんの品種が存在します。日本で品種登録されているトマトだけでも300種類以上のトマトが存在すると言われています。大きさ、色、形などの見た目の違いはもちろん、品種によって味も様々。最近では甘みの強いフルーツトマトも人気が高く種類もたくさん出てきています。
また、品種だけでなく時期に合わせて旬の産地のものを選ぶことで、その時期に一番美味しいトマトに出会うことができますよ。
- 桃太郎・・・サラダ・オードブルなど
- ファーストトマト・・・サラダ・オードブル
- 王様トマト・・・冷静パスタ
- チェリートマト・・・トマトソース
- 徳谷トマト(フルーツトマト)・・・サラダ・カプレーゼ
まとめ
今回は、トマトの保存方法について詳しくお伝えしました。トマトはそのままの状態で保存するのはもちろんのこと、ダイス状にカットして保存したりと保存の仕方も様々あります。たくさんトマトを買ったときなどにはぜひいくつかの保存方法でトマトを保存してみましょう。また、一つ一つをキッチンペーパーに包んだり、トマトを下向きにしておくなど、ちょっとした一手間を加えるだけで保存期間も長くすることができます。
トマトはそのままサラダに加えたり、加熱してソースにしたりと料理の幅も広い野菜です。また、健康面からみても健康野菜と呼ばれるほど、様々な効果をもち合わせた食材となります。上手に保存して毎日の食卓にぜひトマトを取り入れてみてくださいね。
- トマトは、リコピンやポリフェノールなどを含み、健康野菜とも呼ばれている。摂取することでがん予防や老化防止にもつながる
- 緑色をしたトマトは、数日間常温保存することで追熟させることができる。追熟後は傷みも早くなるため野菜室での冷蔵保存が好ましい
- トマトは常温保存・冷蔵保存・冷凍保存と主に三つの保存方法がある。また、丸ごと保存するだけでなくカットした状態での保存も可能
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。