インテリアグリーンにもおすすめ!ウンベラータの基本の育て方とは?
ウンベラータは、愛らしいハート型の葉っぱが特徴的な美しい観葉植物で、人気を集めています。おしゃれなインテリアグリーンとしてはもちろん、育てやすい特性を持つことから、初心者が育てる観葉植物としてもおすすめです。ウンベラータは適切な環境やお手入れを心がければ、初めてでも上手に育てることができますよ。
そこで今回は、ウンベラータの基本的な育て方についてご紹介します。水やりの頻度や季節ごとの注意点、植え替え方法などをお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- ウンベラータの育て方を知りたい方
- 室内に観葉植物やインテリアグリーンの導入を検討している方
- ウンベラータの季節ごとのお手入れのポイントを知りたい方
目次
ウンベラータの特徴
ウンベラータは、正式には「フィカス・ウンベラータ」という名称で、アフリカの熱帯雨林気候地域原産のクワ科の植物です。原産地であるアフリカでは約10m程までで育つといわれています。
日本の花屋さんなどで販売されているウンベラータは、50cm~1m程の高さのものが大半を占めています。生育旺盛なため、上手に育てることができたら1年で20cm以上も伸びる植物です。購入する際には、大きく成長することも検討しながらサイズを選ぶのがよいでしょう。
ウンベラータの特徴といえば個性的な葉っぱ。葉脈がはっきりと見える大きなハート形の葉っぱは、美しく可愛らしい印象を与えてくれますよ。室内のインテリアグリーンの導入を検討してる方にぴったりな観葉植物です。
ウンベラータの花言葉
ウンベラータの花言葉は、「永久の幸せ」や「すこやか」、「夫婦愛」など。これらの花言葉は、すこやかに育ちハート型の葉っぱを付ける特性から名付けられたといわれています。幸せを感じさせてくれる素敵な花言葉なので、大切な方の結婚や出産などのお祝い事の贈り物としてもぴったりですよ。
- 永久の幸せ
- すこやか
- 夫婦愛
ウンベラータの風水的効果
ウンベラータの風水的な意味には、「調和」や「愛」などがあります。丸みのある葉っぱは「調和」を意味し、リラックス効果も期待できるでしょう。ハート形の葉っぱは「愛」の象徴を意味し、恋愛の運気を高めてくれるのに効果的だといわれています。
ウンベラータを家族が集まるリビングや寝室に飾れば、「調和」をもたらしリラックス効果が期待できることでしょう。恋愛の運気を高めたい場合には、南や南東、もしくは西側にウンベラータを飾るのがよいとされています。
- 丸い葉っぱ:「調和」
- ハート型の葉っぱ:「愛」
ウンベラータの育て方
ウンベラータは基本的には置かれている環境に順応しやすいため、初心者でも育てやすい観葉植物だといわれています。季節によって飾り場所や水やりの頻度などが異なるため、気温や環境の変化を意識しておくことが上手に育てるポイントとなります。
また、飾りっぱなしにするのではなく、成長してきたら剪定や植え替えを行うことも、元気な状態で育てるためのコツです。一見、難しいように感じる作業ですが、この一手間が大事なポイント。植え替えなどの作業も楽しみながら、ウンベラータを育ててみてくださいね。
置き場所:春〜夏にかけて
ウンベラータは日光を好む植物です。一年を通して日当たりの良い室内に飾って楽しむことができますよ。ただし、直射日光が当たり続けると葉焼けしてしまうことがあるので、置き場所には注意が必要です。特に、日が差し込みやすい春〜夏にかけては、カーテン越しの窓辺にウンベラータを飾るようにしましょう。
また、温度や湿度の管理も大切。具体的には、18~30℃の環境下で育てると、ウンベラータが最も生長するとされています。風通しが悪いと適度な湿度を保つことができず、植物が傷んでしまうことがあるため、風通しの良い場所で管理するようにしましょう。
風が当たり続けるとウンベラータがしおれてしまう原因となります。エアコンの真下などに飾るのは避けてくださいね。
置き場所:秋〜冬にかけて
ウンベラータは耐陰性があるとはいえ、気温の低い冬場は日照不足になりがち。特に昼間は日光が当たる窓辺などに飾るのがおすすめです。ただし、夜になると窓辺は気温が下がるため、室内の中央など窓辺から離れた暖かい場所に移動させてあげるようにしましょう。冬は外で育てるのではなく、基本的には室内で育てるようにしてください。
また、夏のエアコンと同様に冬の暖房の風が直接当たるのもNGです。暖房の風が直接当たる場所にはウンベラータを飾らないようにしましょう。
- ウンベラータは寒さに弱いため、冬場は室内で育てるようにする
- 暖房の風が直接当たる場所は避ける
ウンベラータは暑さには比較的に強い植物ですが、寒さには弱いのが特徴です。5℃を下回る寒さの環境下に置き続けると徐々に弱ってやがて枯れてしまいます。ウンベラータの葉っぱや幹を美しい状態でより長く保たせるためには、最低でも10〜15℃ほどの環境下で育ててあげるのが理想的です。
- 最低でも10℃以上を保つことができる場所に飾るのがよい
- ウンベラータは、寒暖差がありすぎると枯れやすくなってしまう
- ウンベラータは暑さには比較的強いが、寒さには弱い
水やり
ウンベラータの水やりは、季節によって異なります。ウンベラータは高温多湿に強い性質を持っていますので、寒い冬以外は、基本的には「土の表面が乾いたら水を与える」と覚えておきましょう。特に夏場は生育旺盛になる時期です。鉢の底から水が流れ出るまで、たっぷりと水を与えてあげてください。では、季節ごとの水やりのポイントを見ていきましょう。
春と秋
春や秋の時期は、土の表面が乾いてきたら鉢の底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水を与えてあげましょう。秋になると気温が下がり始めるため、夏に比べると乾き方がゆっくりになっていきます。夏と同じ感じで与え続けると、水分がやや多くなってしまうかもしれません。土の渇き具合を確認しながら水を与えるようにしましょう。
溜まった水をそのままにしておくと、「根腐れ」の原因にもなってしまいます。
夏
夏の時期も基本と同様に、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えてあげましょう。ただし、真夏は日中に水やりをするのはNGです。日中の高温により鉢の中の温度も上昇しているため、水を与えると煮えたような状態になってしまいます。根腐れの原因になるなどダメージを与えてしまうため、夏場の水やりは早朝か夕方以降に行うようにしましょう。
- 夏場は特にたっぷりと水を与える
- 葉っぱが下を向いていたら、水不足のサイン
- 日中の暑いときに水やりをすると根っこにダメージを与えるため、早朝や夕方以降に水やりを行う
冬
ウンベラータは冬場に休眠期間に入ります。冬は断水気味に育てるようにしましょう。水やりは、2週間に1回程度でも十分です。土の表面が完全に乾いてから水を与えるようにすると、根腐れを防ぐことができます。葉っぱが下を向いていたり、萎れていたら水が不足しているサインです。断水気味で育てていても、そのようなサインが見られたら水を与えてあげましょう。
- ウンベラータは冬は休眠期に入るため、断水気味に育てる
- 土の表面が完全に乾いてから、2~3日後に水を与えればOK
霧吹きなどを使って葉っぱの表側と裏側両方に水分を与えてください。
葉水は、冬場に限らず1年を通して行うことを推奨します。
肥料について
観葉植物に肥料は必要なの?と思われる方もいるかもしれません。肥料がなくても育つ植物も少なくありませんが、地植えではない観葉植物の場合、時間の経過とともに土の栄養分が減少していきます。観葉植物を健康に育てるためには栄養は必要不可欠です。適切に肥料を与えることで、葉っぱの色がよくなるなど、健全に株を生長させることができますよ。
ウンベラータの生長期の期間でもある5~9月頃に、緩効性の置き肥を2か月に1回の間隔で与えるとよいでしょう。即効性を求める場合には、薄めた液肥を1週間に1回程度与えてあげるのも効果的ですよ。
- 冬は生長も止まるので、肥料は与えない
- 植え替えした直後は状態が不安定な為、しばらくは肥料を与えない
剪定はするべき?
ウンベラータは生長のスピードが速い観葉植物です。放っておくと樹形が崩れてしまいますし、上へと伸び続ける性質があるため、室内では天井まで届いてしまう可能性もあります。剪定をしないで育て続けていると、樹形が崩れ大きくなりすぎて、扱いにくくなってしまうため、定期的に剪定を行うにしましょう。剪定をすることでより元気に生長し、いつまでも美しい樹形を保つことができますよ。
春〜夏の生長期にかけて剪定するのが最適です。
どんな樹形に剪定するかを事前にイメージする
剪定をする際に大切になるのは、「どんな樹形に仕上げたいか」ということ。まずは、樹形の剪定イメージをはっきりと決めておきましょう。葉っぱの量やサイズによってウンベラータの姿も大きく変わってきます。どのくらいのサイズ感が部屋に合うのかなどイメージしてみるといいですね。
少し整えるだけでもそれまでと違った雰囲気に仕上がり、さらに魅力的になりますよ。ここからは、基本的な剪定の手順についてご紹介します。
剪定の手順
- ウンベラータ
- 剪定用バサミ
- 手袋
- エプロン
- 新聞紙
- 癒合剤(必要であれば)
-
STEP. 1
どんな樹形にするのかをしっかりとイメージしておく
-
STEP. 2
主幹を剪定する
(※必ず手袋、エプロンを装着する) -
STEP. 3
一番上の葉っぱは残し、不要な枝を剪定する
-
STEP. 4
大きな枝を剪定した場合には、切り口に癒合剤を塗り感染症予防を行う
-
STEP. 5
直射日光の当たらない明るい日陰で1週間ほど管理する
土の表面が乾いたら水やりも行う -
STEP. 6
完了
この樹液に触れると肌がかぶれる可能性があるため、必ず手袋を装着して剪定作業をするようにしましょう。
樹液で服が床が汚れる場合もあるため、エプロンの装着や新聞紙を敷いて作業することも忘れずに。
もしも樹液が手に触れてしまった場合には、流水でよく洗い流すようにしてください。
挿し木もおすすめ
剪定した枝を使用して、「挿し木」に挑戦してみるのもよいでしょう。挿し木とは、剪定した枝を新しい苗として育てる方法のことをいいます。
挿し木をする際には、枝の切り口を斜めにカットして表面積を大きくするのがポイントです。表面積を大きくすることで、水分や栄養分を吸収する力がさらに高まります。ウンベラータは寒さには弱いので、挿し木を行う場合には生長期にかかる5~8月頃までに行うのがよいでしょう。
植え替えのタイミングは?
2、3年に1度のペースで、新しい用土に入れ替えをすることが、元気なウンベラータを育てるコツになります。鉢の底から根っこが出てきたり、根詰まり気味になったら植え替えのサインです。できるだけ水はけの良い用土を使って植え替えを行いましょう。自作で用土をブレンドすることも可能ですが、観葉植物専用の土を使えば失敗も少ないですよ。
植え替えは植物に負担がかかる作業となります。寒い冬はウンベラータへの負担が大きくなってしまうので、生育旺盛となる5~6月頃に植え替えの作業をしてあげましょう。
- 鉢の底から根っこが出ている
- 葉っぱが黄色っぽく変色している
- 生育期なのに新芽が伸びてこない
- 水の染み込みが悪くなった
植え替えの手順
- ウンベラータ
- 剪定バサミ
- 用土(観葉植物用)
- 新しい鉢(一回り大きなサイズ)
- 鉢底石
- 新聞紙
-
STEP. 1
ダメージを与えないように、鉢からウンベラータを引き抜く
-
STEP. 2
根っこについている土を手で優しく落とす
-
STEP. 3
黒ずんでいる根っこなどを剪定バサミでカットする
-
STEP. 4
一回り大きなサイズの鉢に植え替える
(鉢には事前に鉢底石と水はけの良い土を入れておく) -
STEP. 5
直射日光の当たらない明るい日陰で、1〜2週間ほど管理する
水はたっぷりと与え、肥料は負担となるため控える -
STEP. 6
完了
注意したい病害虫
ウンベラータを育てる際に注意したのが病害虫です。ウンベラータはハダニやホコリダニ、カイガラムシなどの害虫被害を比較的受けやすい観葉植物です。
特に7〜9月頃に多く発生しやすいのが、ハダニやホコリダニ。ハダニは肉眼では発見しづらいほど小さいダニですが、ウンベラータにとって深刻な被害を与えます。また、ウンベラータはうどんこ病や斑点性のカビの病気にもなりやすいため、注意しましょう。
害虫の被害にあうとどうなる?
ハダニは風によって飛散されて葉っぱに付着することが多い害虫です。ハダニの被害にあうと、葉っぱが白っぽくなったり、葉っぱの裏が汚くなったりするなどの異変が見られます。また、新しい葉っぱが生えてきても、黄色く変色してしまうこともあるでしょう。ハダニは繁殖力が非常に高いため、短期間で恐ろしいほど増殖してしまうのが特徴です。カイガラムシの場合は、被害にあうと葉っぱがベタベタとしてきます。
ウンベラータの生長期は、害虫の発生時期と同じ時期になるため被害を受けやすくなります。害虫の被害と思われる異変に気付いた場合には、被害が広がらないうちに早めに対処するようにしましょう。対処法については後ほどご紹介します。
ウンベラータがかかりやすい「うどんこ病」
葉っぱや茎の部分に「うどんの粉」のような糸状菌(カビ)が発生する病気をうどんこ病といいます。
ウンベラータがうどんこ病にかかると、カビの菌糸がウンベラータの組織にまで伸びて栄養を吸収してしまいます。また、白い粉が葉っぱにかかりうまく光合成ができなくなるため、生育不良に陥ってしまうことも。ひどい症状になると枯れてしまう場合もあるので、初期に発見し早めに対処することが大切です。
見つけたらその部分を速やかに取り除くことで、被害を広げずに済みます。
病害虫を防ぐ対策とは?
病害虫の発生の原因となるのは乾燥です。ウンベラータに葉水を行うなど乾燥を防ぐことで、病害虫を予防しましょう。ウンベラータに害虫が付いてしまったら、少量の場合は歯ブラシやセロハンテープなどを使って取り除いてください。大量に害虫が発生した場合は歯ブラシなどでは全て取り除くことが難しいため、殺虫剤で一気に駆除しましょう。
病気になった葉っぱが回復することはないので、病気が広がるのを防ぐことを第一に考えるようにしましょう。
起こりやすいトラブル
比較的育てやすいウンベラータですが、病害虫以外にも注意が必要なトラブルもあります。「根腐れ」や「根詰まり」、「葉焼け」などは、観葉植物を育てる上で特に起こりやすく気を付けておきたいもの。いずれも、植物の状態の変化から気付くことができます。
例えば、葉っぱの色が変色している、水を与えているのに元気がないといった場合には、「根腐れ」を起こしている可能性があります。水を与えているのに水が浸透していかない場合には、「根詰まり」を起こしている可能性が高く、植え替え時期のサインにもなります。変化に気付けるようにするためにも、日頃から飾っているウンベラータの状態をよく観察しておきましょう。
- 根腐れ・・・土の入れ替えを行い土壌環境を変える
- 根詰まり・・・一回り大きなサイズの鉢に植え替えをする
- 葉焼け・・・夏場の直射日光は葉っぱが変色してしまうのでNG、明るい日陰で管理
まとめ
今回は、ウンベラータの育て方について詳しくお伝えしました。ウンベラータは育て方のポイントさえ押さえておけば、初心者の方でも育てることができる観葉植物です。ハート型の葉っぱや個性ある幹の形は魅力的で、インテリアグリーンにもぴったり。飾る場所や水やりの頻度についての注意点を守りながら、お部屋に飾ってみてくださいね。
また、植え替えや剪定を適時行うことで、良好な状態を保つことができます。樹形を整えるほか、挿し木などで株を増やしてみるのもおすすめですよ。素敵なインテリアグリーンとして、ぜひウンベラータを育ててみてください。
- ウンベラータは環境に順応しやすい観葉植物のため、初心者の方でも比較的育てやすい
- 生長期に剪定を行い、株が大きくなったら植え替えをすることで、美しく良好な状態が長く続く
- ウンベラータを育てる上で注意したいトラブルは、葉焼けや根腐れ、根詰まりなど。また、ハダニなどの病害虫にも注意が必要