上嶋 貞之(じょうしま さだゆき) 「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」代表
花を介して、人との繋がりや想いを伝えるお手伝いをしたい
18歳からお花屋さんで働きはじめ、地元である岐阜県高山市に自宅兼店舗として花屋をオープンした上嶋貞之さん。
2階建てのオシャレで高級感のある店舗には、四季折々の花たちが美しく並んでいます。自身の名を冠した「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」は、花と人、そして人と人と繋ぐ場として地元の方に愛されています。
flower&works SADAYUKI JOUSHIMAの代表を務める上嶋貞之さんに、花にかける想いや花との付き合い方、高山エリアならではの花のニーズなど、多岐にわたるお話をお伺いしました。
音楽一筋から18歳で飛び込んだ花の世界
高校生の頃、音楽を本気でやりたかったので、就職活動も大学受験もせずに卒業したんです。そしたら、心配した女友達の1人が、アルバイト情報誌を見ながら色んな仕事を進めてくれて、その中に「お花屋さん」がありました。
バンド活動に取り組む中で「モテたい」という気持ちがあって、「お花屋さんもモテるんじゃない?」って、まずは軽い気持ちでお花屋さんで働きはじめました。
自主制作でCDを出したりして真剣に音楽に向き合っていたのですが…、18歳の時に花の世界にハマっちゃったんですよね。
僕はお花屋さんって、店頭でお客様と話しをして、花に水をあげて終わりっていうイメージだったんですけど、実際に働いてみると接客だけじゃなくて、いろんな経験ができて、花束を作るのも楽しかったんです。
高山に帰って35歳で独立開業するまで、いろんなお店に勤めました。冠婚葬祭専門のお花屋さんでアート祭壇を手掛けたり、ブライダルに携わったり、たくさんの経験を積んで、出身地である高山に自宅兼店舗を建てようと思い独立しました。
自宅兼店舗「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」をオープン
「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」という店名は、地元高山に店を構えたからあえて本名を押し出してみました。
高山市は約8万人の都市ではありますが、割とどこに行っても顔見知りで、田舎ならではの繋がりが温かいエリアだと思うんです。だから、どんなにカッコイイ名前を付けても「上嶋くんの所に行こうよ」って言われるんですよね。
だったら自分の名前を店名にして、でもおしゃれな感じにしたかったので、アルファベットなら知らない人から見たら素敵な所に見えるだろうと思って「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」にしました。
店の作りも高級感を意識しています。
ラグジュアリーブランドは高級感があって入りにくいけど入ってみたい、勇気を出して入ってみたら八百屋さんのお兄ちゃんみたいな気さくな人がいるのって良いなと思って…。高級感と入りやすさを兼ね備えたお店にしたいなと思っています。
店舗は1階と2階を使用していて、ゆとりのある作りです。ゆっくりと花を選んで頂くことができます。
ロゴは地元のデザイナーさんにお願いしたんです。
僕は赤が大好きなので、赤の花に店名の頭文字の「S」と「J」が入っているデザインです。「花を通して人が繋がる」ことを表現しています。
ギフトだけではなくディスプレイやネットショップの引き合いも多い
お客様の約4割が男性で、ギフトのお引き立てが多いです。「困ったら上嶋くんに頼むわ」って言われるのは嬉しいですね。
それと、店舗ディスプレイのニーズも高いです。元々冠婚葬祭を扱っていたお花屋さんで働いていたので、ディスプレイや店内装飾にも対応できます。
ネットショップの利用も好調で、夕方に出荷すれば翌日には東京に届くので、都内のお客様からのご注文もあります。「送料をかけても、都内でアレンジメントを注文するよりも安い」とか、「上嶋さんにお願いしたい」というお声を聞くと嬉しいですね。
高山エリアならではのお花屋さん
お花屋さんは12月のクリスマスが忙しいイメージがあるかもしれませんが、実はうちの店舗はお正月が忙しいんです。お正月に花を飾る方が多いのでアレンジのニーズが増えるだけではなく、しめ縄リースが人気を集めています。
それと、高山では門松をお花屋さんで購入するんです。東海地方では市場で門松が売られていますが、取り扱っているお花屋さんは限られます。技術だけではなく、ある程度まとまった数のオーダーが見込めないと販売できないので…。
だから、1年くらい前から「来年もよろしくね」ってお声がけいただくことも多いです。こうした伝統的な風景を支えていくのも、花屋の大切な仕事だと思います。
それと、東海地方や高山ならではのニーズと言えば、「花もち」があります。木に小さく切った餅や団子をさした飾りです。お正月の飾りと食用を兼ね備えた伝統品として知られています。飛騨高山が主軸なのですが、名古屋のお花屋さんとかで見掛けることもありますね。
花は人と人を繋いでくれる大切なツール
花は、人と人を繋いでくれる大切なツールだと思うんです。
食事や睡眠のように生きていくうえで必要なものではないけれども、僕たちは人とのコミュニケーションを避けられない。相手に想いを表現するのに最適なツールですよね。それに、花を鑑賞することで、心身のストレスを解消する効果があると言われています。
花は、心や人、場を繋ぐツールとしてだけではなく、心身を癒してくれると思うんです。
人間はみんな、頼られたいし、愛されたいし、ほめられたい。花を使って、人を繋げるところや想いを伝えるところのお手伝いをしていきたいです。
花をツールとして使うことで、何でもない日を特別にすることができる。
それって、素敵なことだと思うんです。
花に携わることで幸せを感じる
僕の考える花の魅力のひとつに「枯れる」ことがあります。
畑で切られた時点で、栄養分は茎に残っているだけなんですよね。水に入れられて残った栄養で花を咲かして終わっていく訳です。そう考えると、儚さが愛おしい。天寿を全うする最後に、花を咲かせて「綺麗」と言われる状態で終わる。
花を育てる、咲かせる、そして花を愛でる。
こうしたことに幸せを感じます。
お客様から「花をどうやって飾ったら良いのか」とご相談されますが、アドバイスをする際には「抜けのある感覚」を大切にしています。
ファッションでも上をピシッと決めて、あえてサンダルを履くことがありますよね。成人式で髪の毛にドライフラワーとかも、オシャレだったりします。
ご相談されて「こういうのもありだよ」っていうのをお伝えすることで、花をもっと身近に感じて楽しんでいただきたいです。
コロナ禍の影響でレッスンを今はお休みしていますが、以前は月ごとにテーマを決めて、ブーケやリースなどを作っていました。
みんなが気持ち良く参加できるようになったら再開したいと思っています。
県外にも、出張可能
高山は便利な場所にあるので、名古屋まで高速で3時間、岐阜市だと1時間半くらい、長野や松本までは1時間くらいで足を運ぶことができます。
パーティー会場や店舗ディスプレイ、イベント装飾などのご要望があればぜひお声がけください。
そして、全国発送をしていますので、興味を持ってくださった方はぜひ、オンラインショップをご利用いただければと思います。お花のサブスクリプションもありますよ。
flower&works SADAYUKI JOUSHIMA webサイト:お花のサブスクリプションについてはこちらから
上嶋 貞之(じょうしま さだゆき)
「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」 代表
18歳から多彩な花屋で経験を積み、地元高山で自宅兼店舗「flower&works SADAYUKI JOUSHIMA」をオープン。
花を介して人との繋がりを作り、想いを伝える手伝いをしている。