Interview

須子 栄輔(すこ えいすけ) 「花屋 はな輔」代表

花を通して人生の物語を紡ぐお手伝いをしていきたい

花を通して人生の物語を紡ぐお手伝いをしていきたい

熊本県熊本市に軸を置き、花に関する多彩な活動に力を入れる「花屋 はな輔」。
「フラワー安心サポート」「男の花贈り」「花育」といった魅力的なサービスを展開する傍らで、熊本県の「SDGs」の登録事業者に認定されるなど、花だけではなく環境も大切にした取り組みをされています。

花屋 はな輔の代表を務める須子栄輔さんに、花にかける想いや取り組み、花との上手な付き合い方をお伺いしました。


熊本九州北部豪雨を経験し、花の道へ

高校卒業後、いろいろな職種を経験した中に、野菜の仲買の仕事がありました。関東のレストランや生協、お店に対して九州の野菜をご紹介する仕事で、良いものを自信をもって案内することができました。

しかし、熊本九州北部豪雨があって、熊本市内の白川が氾濫して被災し仕事に復帰できない状況になってしまい…。

そんな時に「花」に目を向けたんです。

熊本九州北部豪雨を経験し花の道へ

花は何処でも喜ばれるし、感動のシーンで使われていますよね。良い商品を案内することができるのは素敵だなと。

そこから独立を視野に入れ花を学ぶために、「花祭壇」というお葬式の花を扱う会社に入社しました。日本独自の文化である花祭壇に触れ、いろいろな感動するシーンに携わることで、花の魅力にどんどん引き込まれ、その後、ブライダルや小売り関係のお花屋さんに転職し、ますます花の魅力を実感しました。

この時の経験と想いが、活動のモチベーションのひとつ

熊本九州北部豪雨の被災経験は今でも自分の中で大きな存在で、「花紡ぐ募金」と称して、全商品の売上金の一部を豪雨被災地へ寄付しています。この時の経験と想いが、活動のモチベーションのひとつでもあります。


花屋 はな輔を開業

現在、熊本市のふるさと納税の返礼品にもなっている「フラワー安心サポート」を軸に、2016年8月7日の「花の日」に独立開業しました。

花屋はな輔を開業

「花屋 はな輔」の名前は、伝わりやすさ・わかりやすさを考えています。

また、栄輔の「輔」の字は、車を支える部分のことで、「助ける」や「力を添える」という意味があります。「誰かの人生や大切なシーンを花で補助する役割をしたい」という想いが込められているんです。

花屋はな輔ロゴマーク

ロゴマークにも昔の花車を真上からみたデザインを起用し、日本らしさを感じられるように配慮しています。ゆくゆくは日本の技術や侘び寂びを、海外の方にも伝えていきたいので、和テイストを重視しました。


開業時から力を入れている「フラワー安心サポート」

花屋 はな輔では、開業時より「フラワー安心サポート」というサービスをしています。

熊本市内限定で、定期的に花の配達を行い、花をお届けするときにお住まいの方の安否確認や健康状態、困りごとなどをヒアリングし、ご依頼された方へレポートにして通知します。「花を贈るだけではなく、家族の見守りを行うことができる」サービスです。

フラワー安心サポート

サービスを続ける中で、贈られる方は花だけではなく、人とお話をしたいニーズが強くあることに気が付きました。熊本地震でかなり家族間が深くなった方もいれば、凄く距離が離れる家族もいたので、自分が好きになった花を通して、花を中心にした家族間のコミュニケーションを増やすことができれば嬉しいなと思いました。

元々「誰かのためになることをしたい」という想いが花に繋がっています。綺麗な花を大事なシチュエーションのギフトにしたり、心が豊かになるようにお部屋に飾ったりするお手伝いできることは、とてもやりがいを感じています。


「贈り・飾り・貰い」をテーマに多彩な活動に取り組む

花屋 はな輔のテーマは、「贈り・飾り・貰い」です。

「男の花贈り」というサービスを提供していることもありギフトのニーズが高くて、一時期は約7割が男性のお客さまでした。貰った方が喜ぶのは当然で、贈る方にも喜んでいただける作品作りを心掛けています。

「贈り・飾り・貰い」をテーマに多彩な活動に取り組む

花は綺麗なだけではなく、飾ってある花が目に入ることで、その時の感動したシーンを思い出して活力を得ることができますよね。そしてその感動を胸に、貰った方から当店にご連絡を頂ける所までを目指しているんです。

お手紙やお電話でご連絡をくださる方もいらっしゃいますし、贈った方がその方と1週間後位にお会いして「まだ飾ってあったよ」というお話を聞くこともあります。

こうしたお声を頂けるくらいに良いものを作っていきたいです。

「贈り・飾り・貰い」をテーマに多彩な活動に取り組む

そのためには、単に綺麗な花をそろえるだけではなく、良い花作りをしている生産者さんとのコミュニケーションも大切なポイントです。

いろいろな新しい品種や育て方の話などを生産者さんに直接聞いて、「今この薔薇の〇〇という品種はとても良くて、こうした育て方をすると長持ちしますよ」ということを購入してくださる方に伝える。熊本には生産者さんが多いので、こうした情報収集がしやすいんです。

花が持つ物語を共有することで、花に愛着が沸き、より興味を持っていただくことができます。「花を飾るのがより楽しくなると良いな」と思っています。

そして、花に触れる機会を提供するために「花育」と称してレッスンも行っています。

材料費のみで個人・企業問わずにお伺いします。制作時間や金額がニーズによって異なりますので、お気軽にご相談ください。

花に触れる機会を提供するために「花育」と称してレッスン

花を楽しむためのポイント

花は品種によって特徴が違うだけではなく、同じ品種の花にも水をよく飲む花などの性格があります。

お花屋さんには冷蔵庫があるケースが多いですが、花屋 はな輔には冷蔵庫は設置していないんです。冷蔵庫と外気の温度変化でストレスが掛かる花があるためです。とはいえ一概に冷蔵庫が悪いわけではなく、ダリアや紫陽花のようにお水が大好きな花は、冷蔵庫などの温度が低い所で水をしっかりと吸わせてあげることで日持ちします。品種の性質や花の性格を踏まえたうえで、使い分けが必要なんです。

2週間持つはずの花でも環境によって寿命が変わってくるので、購入時に長持ちさせるコツをお花屋さんに確認してみてください。

花を楽しむためのポイント

そして花を楽しむポイントとして、花を花瓶に生ける際には、お水が少ない方が花にとって良いんです。茎と水が接触している面が多いほど、バクテリアが発生しやすいので。

花の種類によっても異なりますが、茎の切ってある部分から指三本分ほど水を入れておけば十分です。もっと日持ちさせたいのであれば、数日に1度、水の中で茎を切って(水切り)あげてください。

また、「行きつけのお花屋さん」を見つけることも花を楽しむポイントの1つです。行きつけのお花屋さんができることで、こうした説明を気軽に聞くことができ、買った花が長持ちするという点が大きなメリットだと思います。だからこそ、花に関する質問には丁寧にお答えしていきたいですね。

花屋はな輔ドライフラワー

生花はすぐ枯れてしまうイメージがあって、ハードルが高いと感じる方も多いと思います。でも、例えばドライフラワーが好きなら、まずは生花を楽しんで、適切なタイミングでドライフラワーにすることで、同じ花でも2度楽しむことができます。

ドライフラワーが好きな方も、生花が好きな方も、両方の良さに触れていただきたいですね。


SDGsへの取り組み

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字をとった「SDGs」。2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成するための目標です。

SDGsへの取り組み

参考画像:SDGsとは? 外務省

この中に「12:つくり責任使う責任」という項目があり、持続可能な消費と生産のパターンを確保することが掲げられています。さらに「13:気候変動に具体的な対策を」という項目には、気候変動とその影響に立ち向かうために緊急対策を取ることという目標もあります。

地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っているSDGs。目標を達成するためには、私たち一人ひとりが「自分ごと」として捉えることが大切です。

花瓶の水を少なくすることで、水の使用量が減り環境負荷を軽減できます。また、生花を捨てることなく有効活用することで、ロスフラワーをなくしゴミを減らせます。

花屋 はな輔では、SDGsに配慮した活動にも力を入れていくために、新ブランドの立ちあげを準備しています。

花屋はな輔花束

海外進出を視野に新ブランド「ZEN」を立ちあげる

コロナ禍で断念したことのひとつに、海外のコンクールへの参加がありました。コンビニに花を置いていただいたり、病院にお花屋さんを出店したりすることで、「花がある毎日」を楽しんでいただける取り組みをすると共に、海外進出も視野に入れたプロジェクトを考えています。

海外進出を視野に新ブランド「ZEN」を立ちあげる

それが、新規ブランド「ZEN」の立ちあげです。

「自然と人間が一緒に作りだしたもの」をコンセプトに掲げ、全てが自然のもので作られている商品のみを扱うブランドです。プラスティック容器を使わず、器も自然のものでできていて、陶芸家とのコラボ商品の構想もあります。


花に関する相談受付中

花や植物のことを相談できるLINEアカウントがあります。「気になった花があるけれども名前が分からない」や「〇〇の花の育て方」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。

花に関する相談受付中

県外からのご相談や花育のご要望も歓迎しています!

花屋 はな輔 LINE:花に関する相談についてはこちらから


須子栄輔

須子 栄輔(すこ えいすけ)

「花屋 はな輔」代表

数々の職業を経て、人生のドラマに彩を添えてくれる花の魅力にひかれる。
2016年8月7日に「花屋 はな輔」を開業。
花に携わる多彩な活動に取り組みながら、熊本県のSDGsの登録事業者として、自然環境を守るための活動にも力を入れている。

花屋 はな輔

花屋 はな輔

熊本県熊本市中央区出水8-15-27

TEL:096-277-1387

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Instagram

ショップ掲載について

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