多肉植物のおすすめの種類とは?おうち空間にも映える人気品種12選!
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る、一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社でのマンションの商品企画の経験等を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない。」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など
個性豊かな姿が愛らしい多肉植物。ぷっくりとした葉を持つものやトゲトゲしい姿をしたもの、また色合いも様々で、見ているだけでも癒される植物ですよね。種類豊富な多肉植物にはどんなものがあるのか知りたい!という方も多いことでしょう。
そこで今回は、おうち空間にも映えるおすすめの多肉植物を12種類ご紹介します。お気に入りの多肉植物をぜひ見つけてみてくださいね。
- 多肉植物についての知識を深めたい方
- 多肉植物にはどんな種類があるのかを知りたい方
- 多肉植物を自宅に取り入れようと検討している方
目次
多肉植物ってどんなもの?
多肉植物は、南アフリカやメキシコなど主に乾燥した地域を中心に生息している植物です。日本でもその独特な姿が人気となり、お部屋に飾って育てているという家庭も多くなってきました。植物自体に水を貯蔵できるような構造を持つ多肉植物は、水やりの頻度も少なく、生花に比べると比較的育てやすい植物として知られています。
また、多肉植物は種類が多いことも特徴の一つ。葉っぱの部分に水を蓄えたぷっくりとした見た目のものや、放射状に葉っぱが開いているものなど、種類によって様々な姿のグリーンを楽しむことができますよ。
知っておきたい!生育型(生育タイプ)
多肉植物には「春秋型」「夏型」「冬型」の3つの生育型が存在します。この生育型によって、管理の方法が異なります。単体で飾るときはもちろん、多肉植物で寄せ植えを作る時には特に生育型を意識することが大切です。同じ生育型の多肉植物を使って寄せ植えを作ることで、水やりの頻度などを合わせることができます。逆に、バラバラの生育型で寄せ植えを作ってしまうと、うまく育たずに枯れやすくなってしまうので注意しましょう。
春秋型
春秋型の多肉植物は、春と秋が生育期となります。過ごしやすい気候を好み、夏は生育が緩慢になり冬は休眠するのが特徴です。生育期となる春や秋は風通しのよい日なたで管理します。夏場は風通しのよい半日陰の場所、冬場は日当たりのよい室内で管理しましょう。
夏型
夏型の多肉植物は、夏が生育期となります。春や秋は生育が緩慢になり、冬は休眠するのが特徴です。夏場はよく育つのが特徴ですが、真夏の直射日光や極端な高温多湿な場所は避けて飾るようにしましょう。春や夏も風通しのよい日なたで管理するのがおすすめです。夏型の多肉植物は基本的には一年中、屋外の日なたを好みますが、気温の低くなる冬場は日当たりのよい室内で管理するのがよいでしょう。
冬型
冬型の多肉植物は冬が生育期となります。秋から春にかけては生育が緩慢になり、夏は休眠するのが特徴です。冬型の多肉植物は、夏の蒸し暑さが苦手だといわれています。また、多くは秋に開花するのも特徴です。
春から夏にかけては、風通しのよい半日陰の場所で管理し、秋から冬にかけては日当たりのよい室内で管理するようにしましょう。冬型の多肉植物は寒さに強いとされていますが、霜が降りるほどの寒さでは育てることができません。5℃以下になる場合には、屋外ではなく室内で管理するようにしましょう。
おすすめの多肉植物とは?
ここからはおうち空間にも映えるおすすめの多肉植物を生育型別にご紹介していきましょう。種類によって見た目も様々。可愛らしい見た目のものや、スタイリッシュな空間に合うようなかっこいい雰囲気のもの、花を咲かせるものなど、多肉植物の世界は奥深いものです。名前も変わったものが多く、なかなか多肉植物の種類を覚えられないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ぜひこの機会にお気に入りの多肉植物を見つけてみてくださいね。
春秋型種でおすすめの多肉植物
春夏型種の多肉植物では、セダムやエケベリア、グラプトペタルムなどがおすすめです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
- 春・秋:生育期のため、土が乾いたらたっぷり水を与える
- 夏・冬:休眠期となるため、水やりは控えめにして断水させる。乾燥気味で育てるのがよい
セダム
セダムは、肉厚で小さな葉が密集しているのが特徴です。北半球に広く分布しているセダムは約500種類以上もの品種があるといわれ、日本原産のものだけでも約40種類ほど存在します。花屋さんや雑貨屋さんなどでもよく見かけるため、多肉植物の中でも馴染み深い品種の一つ。ぷっくりとした葉っぱを持つものや、枝垂れしたものなど、種類によって見た目も様々なのが特徴です。
セダムを育てる際には高温多湿な環境を避け、梅雨から夏の期間は風通しのよい半日陰の環境で管理します。9月頃からは、日当たりのよい場所に移動させましょう。室内であれば窓際で管理し、真夏はカーテン越しに日光が当たるくらいがベストです。
また、葉っぱにツヤがあって瑞々しい株を選びましょう。
エケベリア
エケベリアは、ロゼット状になっている葉っぱが特徴的な多肉植物です。見た目もとても美しく、花のような華やかさもあるため、ブーケやフラワーアレンジなどにも使われることがあります。もちろん、単体で飾っても存在感があり空間に映えますよ。エケベリアの葉っぱは紅葉し、さらに綺麗な花も咲かせるため、変化する姿を楽しめるのも魅力です。
比較的丈夫で育てやすい品種が多いため、初心者の方が育てる多肉植物としてもおすすめ。大きさも様々で、約6㎝ほどの小型のものから、40㎝ほどの大型のものまで存在します。エケベリアは品種によって耐寒性が異なります。冬でも屋外で管理できる品種もありますが、基本的には5℃以下になったら室内で管理するのがおすすめです。
グラプトペタルム
グラプトペタルムは、肉厚の葉がロゼット状に広がり、上に伸びて生長する多肉植物です。寄せ植えに使われる多肉植物としても人気で、初心者の方にも育てやすいとされています。基本的には風通しがよく、日当たりのよい場所で管理します。ただし、強い光で葉っぱが変色する恐れがあるため、夏場は半日陰の場所で管理するのがおすすめです。また、冬は霜に注意しましょう。
グラプトぺラルムは乾燥を好みます。水やりを行う際には、常に湿った状態にしないのがポイントです。また、冬は夕方や夜の水やりは避け、お昼に行うようにしましょう。
- 朧月:地植えにもおすすめ
- 秋麗:白い葉っぱが特徴
- ブロンズ姫:綺麗なブロンズ色が特徴
- パルヴォリバー:葉っぱが紅葉するのが特徴
ハオルチア
ハオルチアには、尖った硬い葉っぱを持ったものや、宝石のようにも見える半透明の葉っぱをしたもの、ふわふわな毛を纏ったものなど、様々な種類があります。基本的には、風通しがよく日当たりのよい場所での管理が適しており、一年を通して室内に飾るのがおすすめです。夏場や冬場は半日陰の場所に移動させてあげるのが、上手に育てるためのポイントとなります。
乾燥気味の状態を好むため、水やりを行う場合には、土の表面が乾いてからたっぷりの水を与えましょう。特にオブツーサなどの柔らかな葉っぱの品種は、水を与えすぎると根腐れを起こしやすくなるので注意が必要です。
葉っぱに水がかかると、水が蒸発しきれずに根腐れや病気の発生につながったり、葉焼けが起きたりする原因になることも。
水は葉ではなく土に与えるようにしましょう。万が一葉っぱに水がかかってしまった場合には、ブロワーなどを使って水を吹き飛ばすようにすると安心です。
夏型種でおすすめの多肉植物
夏型種の多肉植物では、アガベやアロエ、カランコエなどがおすすめです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
- 春・秋:土が乾いたらたっぷり水を与える
- 夏:暑さが落ち着く夕方以降に水を与える
- 冬:休眠期となるため、水やりは控えめにして断水させる。乾燥気味で育てるのがよい
アガベ
アガベは暑さや寒さにも比較的強い多肉植物のため、初心者でも育てやすいといわれています。花を咲かせる多肉植物ですが、開花までに10年以上の年月がかかるため、「センチュリーフラワー」とも呼ばれています。
アガベは他の多肉植物と比べても日光を好む種類のため、基本的には一年中日なたで育てるのがおすすめです。ただし、種を撒いた直後の小さな苗の時や斑入りの種類の場合、夏の日差しは強すぎるため半日陰の場所で管理するのがよいでしょう。乾燥気味の状態で育つため、年間を通して水やりの頻度は少なくてOKです。
しかし、開花するとその株は枯れてしまうので、開花前に株分けをして増やしていくのがおすすめです。
アロエ
日本の家庭でも昔から馴染み深いアロエは、夏型種の多肉植物。日本でもよく見かけるキダチアロエは、丈夫で初心者でも育てやすい品種です。しかし、それ以外の品種は、耐寒性が弱いものや葉焼けしやすいものなどもあり、種類によって栽培のしやすさが異なります。アロエを育ててみたいという方は、まずは栽培しやすいキダチアロエから始めてみるのがおすすめですよ。
アロエには葉っぱに水を蓄える性質があるため、水やりの頻度も少なくてOKです。アロエを植えている土の状態を見て、表面が乾いていたら水やりを行うようにしましょう。
カランコエ
カランコエには、葉っぱがフワフワしたものやギザギザなものなど様々な種類があります。色も多彩で様々な形状があり、観賞用におすすめの多肉植物です。
基本的には、日当たりのよい場所で育て、春から夏は風通しのよい日なたで管理するようにしましょう。秋から冬にかけては日当たりのよい室内での管理がおすすめです。ただし、真夏の直射日光に当てすぎると葉焼けの原因となってしまうので注意しましょう。また、カランコエは美しい花を咲かせてくれるので、花を楽しみたい場合には10℃以上の温度を保って育てるのがよいでしょう。
5℃以下の環境では、生育が止まって枯れてしまうため、室内で育てるようにしましょう。
夏型クラッスラ
暑さに強いといわれる夏型クラッスラは、初心者にも育てやすく人気の多肉植物の一つです。生長と共に木質化するものもあります。夏型クラッスラの代表的な種類は「金のなる木」ではないでしょうか?おばあちゃんの家で育てているなど、見慣れている方も多いかもしれませんね。ほかにも、茎と葉っぱが一体となり棒状に伸びていくのが特徴の「若緑」や、ぷっくりとした可愛らしい葉っぱが特徴の「ブロウメアナ」なども有名です。
夏型クラッスラは湿気が苦手なので、風通しのよい場所で管理するようにしましょう。日陰で育てるよりも、日当たりのよい場所で育てる方が元気な株が育ちます。
- 金のなる木
- 若緑
- ブロウメアナ
冬型種でおすすめの多肉植物
冬型種の多肉植物では、コノフィツムやアエオニウム、リトープスなどがおすすめです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
- 春・秋:土が乾いたら水を与える
- 夏:休眠期となるため、水やりは控えめにして断水させる。乾燥気味で育てるのがよい
- 冬:生育期のため、土が乾いたらたっぷり水を与える
コノフィツム
ぷっくりとしたフォルムが特徴的なコノフィツム。ころんとした丸い葉っぱや、ハートのような形をした葉っぱなど、可愛らしい見た目が人気の多肉植物です。生長してもそこまで大きくならないため、小さな鉢植えで育てることができますよ。いくつか並べて飾るのも可愛らしくておすすめです。
コノフィツムは冬型種のため、比較的涼しい環境を好むようです。ただし、生育温度は8〜25℃と高めなので、霜が降りるような寒い時期は室内で育てるのがよいでしょう。また、高温多湿な環境が苦手なため、梅雨の時期には雨が当たらないような場所に移動させてあげるのがおすすめです。コノフィツムは夏場が休眠期となります。夏場は直射日光を避け、風通しのよい半日陰の環境で育てるようにしましょう。
脱皮した際に残った古い葉っぱは、綺麗に取り除くようにしましょう。
アエオニウム
アエオニウムは木立性の多肉植物で、上に伸びていくのが特徴です。また、葉っぱが放射状に広がっているため、花のような可愛らしい印象。種類によっては花を咲かせ、紅葉も楽しむことができるものもあります。冬型種の多肉植物ではありますが、極端な寒さは苦手としています。5℃以下になった場合には室内に移してあげるとよいでしょう。明るい光が当たる環境で育てると、色鮮やかに生長してくれます。
茎が伸びてきたらカットするようにしましょう。定期的に剪定を行うことで綺麗な状態が続きます。
また、カットした茎を乾燥させて土に挿しておけば、そこから生長し株を増やすこともできます。
リトープス
石のような見た目をしているリトープスは、その個性的な姿が特徴の多肉植物です。リトープスには天窓があり、光を当てると透き通って見えます。この天窓から光を取り込み、光合成もおこなっています。秋頃から冬にかけて、真ん中の割れ目部分から開花もしますよ。また、一年に一回、春先に脱皮をしながら生長していくという特徴も。日々の生長を観察するのも楽しくなる多肉植物です。
外側の葉が乾燥することでリトープスの脱皮が進みます。
四海波(しかいなみ)
まるでワニが口を開けているような姿をしている四海波。棘状のヒゲのような突起が並び、印象的な見た目をしているので、個性的な多肉植物をお探しの方におすすめです。また、花を咲かせた姿や紅葉した姿は無骨な印象とはまた違った雰囲気となります。黄色の花を咲かせたり、葉っぱやトゲがピンク色に紅葉したりと、様々な表情を楽しむことができる多肉植物ですよ。
四海波は水が少なくても育ちやすい品種です。水を与えすぎると枯れてしまうことも多いので注意しましょう。
多肉植物の基本の育て方
最後に基本的な多肉植物の育て方についてまとめておきましょう。多肉植物を飾るのに適した場所や水やりの頻度、かかりやすい病気についての基本的な知識を把握しておくと、多肉植物を育てやすくなりますよ。
飾る場所
多肉植物は基本的に風通しがよく、日当たりのよい環境で育ちます。室内空間に飾る場合には、窓際などの光が当たりやすい場所がおすすめです。また、寄せ植えなども含め鉢植えタイプのものであれば、簡単に移動することもできます。季節や気候・気温に合わせて多肉植物が育てやすい場所にその都度移動させてあげるとよいでしょう。
水やり
水やりは、花のように毎日行わなければならないというわけではありません。多肉植物の場合、水のやりすぎは根腐れを起こす原因にもなるので注意してください。基本的には「土が乾いたら」水を与えるようにするのがよいでしょう。
また、休眠期には断水を行うことも多肉植物にとっては大切です。断水を行うことで、耐寒性が増したり綺麗に紅葉してくれるといったメリットもあります。育てている多肉植物の様子を見ながら調整してくださいね。
病気に注意
多肉植物の葉っぱがシワシワになったり、葉っぱの先端が白色や黒色っぽくなっていたら「病気のサイン」かもしれません。おかしいな?と思ったら、まずは症状が出ている箇所をカットして取り除くようにしましょう。そのままにしておくと、他の部分にまで広がってしまう可能性があります。
多肉植物の病気の原因となるのは「カビ」や「害虫」です。まずはこれらの発生を防ぐことが大切。高温多湿な環境下では、カビや害虫が発生しやすくなります。風通しのよい場所で乾燥気味に育てることは、病気の発生予防にもなりますよ。
- 黒斑病
- うどんこ病
- 軟腐病
まとめ
今回は、空間にも映えるおすすめの多肉植物を12種類ご紹介しました。多肉植物は種類が豊富です。思わずじっと眺めたくなったり、触ってみたくなったりするような、魅力あふれる品種ばかりですよ。
「可愛らしい多肉植物を飾りたい!」「変わった姿のものを育ててみたい!」など、選ぶ時の基準は人それぞれ。多肉植物は空間に癒しとおしゃれさを演出してくれます。小さな鉢植えからでも気軽に取り入れることができるので、ぜひお気に入りの多肉植物を飾ってみて下さいね。
- 多肉植物は種類豊富。一つの品種の中にもさらにたくさんの種類が存在し、形も様々なものがある
- 多肉植物には「春秋型」「夏型」「冬型」と3つの生育型がある。生育型によって季節ごとのお世話の仕方が異なる
- 多肉植物の病気の原因は主に「カビ」と「害虫」。これらを防ぐためにも高温多湿な場所に飾るのは避けるのがよい
記事の監修
戸林 沙弥香
快適おうち空間アドバイザー さぁやん
一級建築士×宅建士×インテリアコーディネーターの資格と経験を持ち、「おうち=土地+住宅+インテリア」、トータルで快適なおうち空間を創る、一児のママ。
ハウスメーカーでの注文戸建住宅のインテリアコーディネート、不動産会社でのマンションの商品企画の経験等を活かし、「おうちのこと、誰に相談したらいいか分からない。」方の相談窓口となり、フラットな第三者目線で多角的な視点からのアドバイス、お客さまと一緒に解決に歩むことを心がけています。
【その他資格】
照明コンサルタント
アロマテラピー1級
FP3級など