鶏もも肉を使って簡単で豪華なヘルシーレシピ3選
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。
鶏もも肉は、高たんぱくで低カロリーな食材ですが、ちょっとしたコツでもっとヘルシーな美味しい料理になります。
そんな鶏もも肉の気になる栄養価や美味しくヘルシーに仕上げる方法をご紹介します。豪華でおもてなし料理としても使えるレシピが満載なので年末年始のパーティーメニューとしてもご活用ください。
- ヘルシーな調理法で鶏もも肉を作るコツについて知りたい方
- 鶏もも肉に含まれる栄養素や新しい調理技術を詳しく学びたい方
- おもてなし料理や保存食として簡単にできる鶏もも肉の料理を作りたい方
目次
鶏もも肉の栄養素
鶏もも肉は、牛肉や豚肉に比べてカロリーも低くく高たんぱくでヘルシーな食材のひとつです。鶏もも肉の栄養素にはどんな特徴があるのでしょうか、詳しく見ていきましょう。
たんぱく質
鶏肉は「若鶏か成鶏か」「脂があるか無いか」で、たんぱく質の含まれる量が変わってきます。また部位によってもたんぱく質の量は違いがあります。
鶏肉は、若鶏よりも成鶏で、皮や脂の少ない「ささみ→むね肉→もも肉」の順に高たんぱくになっています。
1日に必要なたんぱく質は、成人男性:60g、女性:50gのため、1枚300gの鶏もも肉を食べると、1日分のたんぱく質が補えることになります。
脂質
鶏もも肉は鶏肉の中で、ささみ肉やむね肉と比べて脂身もあり少しカロリーが高くなっています。気になる方は、調理方法を工夫してヘルシーな食べ方をしましょう。
牛肉は26.4g、豚肉は19.2gと比較して、鶏もも肉の脂肪が少ないことがわかります。
ビタミン
鶏肉には、牛肉や豚肉に比べてビタミンAが多いのが特徴です。鶏肉に含まれるビタミンは、レチノールとして存在し人の体の中でビタミンAの働きに変わります。皮膚や粘膜を保護する働きもあり肌荒れや乾燥を防ぐ役割もあります。
他にも糖質の代謝に役立つビタミンB1、エネルギー代謝に関わるビタミンB2、たんぱく質の分解に欠かせないビタミンB6、赤いビタミンといわれ造血に関わるビタミンB12なども含まれています。ただし、ビタミンD、ビタミンCはあまり含まれていないので、他の食材から補っていきましょう。
1日に必要なビタミンAは、成人男性:850g、女性:650gとなっているため、ビタミンAの多い緑黄色野菜とバランスよく合わせて食べてください。
鶏もも肉をヘルシーに食べる3つのポイント
鶏もも肉を美味しくヘルシーに食べたい時には、ちょっとひと手間かけて下処理をして、調理方法を工夫しましょう。また、他の食材を上手に選び、一緒に食べることが大切です。
鶏もも肉をヘルシーに食べるポイントや合わせると良い食材を詳しくご紹介します。
ポイント1 余分な脂を減らす下処理
ポイントの1つ目は、鶏もも肉の下処理を十分に行うことです。鶏もも肉をヘルシーに調理するには、皮や余分な脂肪を丁寧にとり除くことが大切です。鶏もも肉の周りにある白っぽい部分が余分な脂肪なので、ハサミや包丁で取り除きます。こうすることでカロリーをおさえ、鶏肉の脂っぽさがグッと減ります。
また、鶏もも肉を調理する前に、鶏もも肉の重量の1/4のレモン汁に1時間ほど漬けておくと、焼いた肉から発生する「AGE(たんぱく質と糖が結びついてできる老化促進物質)」を減らしてくれます。
ポイント2 ヘルシーな低温真空調理法
鶏もも肉をヘルシーに仕上げるポイントの2つ目は、余分な油を使わない調理法を行うことです。「茹でる」、「蒸す」、「煮る」調理法はヘルシーな方法ですが、他にも「低温真空調理法」と呼ばれる方法があり、95℃以下でゆっくり調理を行い、お肉の旨味と栄養を閉じこめ、ふんわりと仕上げることのできる調理法です。
専門の器具もありますが、ご家庭でも手軽にできる方法として、炊飯器の保温機能を利用して作ることができます。
2次感染をさけるために、生肉が触れる器具は分け、しっかりと洗浄したものを使うようにしましょう。
ポイント3 ビタミンCを補う野菜と一緒に
鶏もも肉は、たんぱく質やビタミンB1が多く、栄養価の高い食材ですが、ビタミンCや食物繊維は少なくなっています。バランスのよい食事にするためにも、ビタミンCや食物繊維など栄養素の多い食材と合わせるのがベストです。
さつまいも、じゃがいも等には、ビタミンCと食物繊維が多いのでおすすめです。特にさつまいものビタミンCは加熱しても減りにくい性質があるため、鶏もも肉のコラーゲンと合わせて食べることで美肌効果も期待できます。
柑橘類の入った「キャロットレペ」は、ビタミンAもビタミンCも補えるので、鶏肉との相性も抜群です。
お好みでハーブの「キャラウェイ」や柑橘系の果物を入れると風味が増します。
簡単で豪華なヘルシーレシピ 3選
それでは、鶏もも肉を使って、簡単で豪華なヘルシーレシピを3選ご紹介します。
① 鶏もも肉のカレー風味のハム
こちらのレシピは、「低温真空調理法」を使って作るレシピです。たくさん作っても保存ができ、サッと使えるのが便利です。
- 鶏もも肉・・・2枚
- 塩・・・小さじ2
- スパイスカレー粉・・・小さじ2
- キャロットラペ・・・適量
- 薄切りラディッシュ・・・適量
- グラハムパン・・・適量
作り方
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STEP. 1
鶏もも肉に味付けをする
鶏もも肉の余分な脂や皮を取ります。
塩、スパイスカレー粉で味付けをします。
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STEP. 2
鶏もも肉をラップで包み、保存袋に入れる
鶏もも肉は、空気を抜きながらラップでピッタリと丸く包み、保存袋に入れます。
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STEP. 3
炊飯器の中に入れて、耐熱皿でおさえる
熱湯を注いだ炊飯器の中に「STEP. 2」を入れます。
この時、鶏もも肉が浮かばないように耐熱皿でおさえます。
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STEP. 4
保温モードで熱を加え、冷めたらスライスをする
保温モードで1時間、熱を加えます。
冷めたら袋から出して、スライスをします。
-
STEP. 5
スライスした鶏もも肉とサラダやパンを盛り付ける
スライスした鶏もも肉のハムとお好みの野菜サラダやパンを添えて盛り付けます。
-
STEP. 6
完成
② 彩り野菜の鶏ももあんかけ
たくさんの野菜を使ってビタミンCや食物繊維も補えるレシピです。ヘルシーな茹でる調理は、あらかじめ鶏もも肉に片栗粉をまぶすことで旨味を閉じこめ、固くなるのを防ぎます。
- 鶏もも肉・・・1枚
- 片栗粉(まぶす用)・・・適量
- 胡麻油・・・大さじ1
- しめじ・・・50g
- 玉ねぎ・・・40g
- パプリカ・・・40g
- 小ねぎ・・・少々
【調味料】
- ★ しょう油・・・大さじ2
- ★ みりん・・・大さじ1
- ★ 酒・・・大さじ1
作り方
-
STEP. 1
野菜を切り、鶏もも肉を一口大の大きさに切って片栗粉をまぶす
鶏もも肉を一口大の大きさに切って片栗粉をまぶします。
しめじは根元を切り落とし、小分けにします。
玉ねぎ、パプリカは薄切りにし、小ねぎは刻んでおきます。
-
STEP. 2
鶏もも肉を沸騰したお湯で、火が通るまで茹でる
片栗粉をまぶした鶏もも肉を沸騰した湯の中に入れて、火が通るまで茹でます。
-
STEP. 3
野菜を胡麻油で炒め、調味料を入れてからめる
しめじ、玉ねぎ、パプリカを胡麻油で炒め、火が通ったら「STEP. 2」の鶏もも肉と「★」の調味料を入れてからめる。
-
STEP. 4
完成
とろみがついたら、仕上げに刻んだ小ねぎをのせて完成です。
③ 鶏もも肉ステーキとさつまいものバルサミコソース
下処理でしっかりと余分な脂を落とし、鶏もも肉の皮の脂で焼きつけます。この方法は、イタリア料理では「悪魔焼き」とよばれる方法です。
下処理に、レモン汁と甘酒で味付けをして、AGEも減らせるヘルシーでボリュームのある一品です。
- 鶏もも肉・・・2枚
【下味】
- ◎ レモン汁・・・大さじ2
- ◎ 甘酒・・・大さじ4
- ◎ 塩・・・少々
- ◎ 黒コショウ・・・少々
【調味料】
- ★ EXオリーブオイル・・・大さじ3
- ★ バルサミコ酢・・・大さじ3
- ★ しょう油・・・大さじ2
- ★ はちみつ・・・大さじ1
【さつまいもペースト】
- さつまいも・・・1/2本
- 牛乳・・・60㏄
- 塩・・・少々
- ターメリック・・・適量
- バター・・・大さじ1
【盛り付け用野菜】
- セロリのスライス・・・適量
- レッドペッパー粒・・・適量
- ローズマリー・・・少々
作り方
-
STEP. 1
鶏もも肉の下処理をする
鶏もも肉は、余分な脂肪を取り除きます。
皮にフォークで穴をあけ、鶏もも肉を少し叩いて均等にします。
鶏もも肉に「◎」の下味をつけて1時間おきます。
-
STEP. 2
さつまいもペーストを作る
さつまいもは皮をむいて茹でます。
さつまいもが柔らかくなったらマッシュして、熱いうちに塩とバターを加え混ぜます。
さつまいもが冷めたら、ターメリックと牛乳を加えてペーストにします。
-
STEP. 3
下処理した鶏もも肉を焼く
下処理した鶏もも肉の皮目を下にし、テフロン加工のフライパンで、5分ほど中火でじっくりこんがりきつね色になるまで焼きます。
鶏もも肉に火が半分ほど通り、白っぽくなったら裏返して弱火します。
フライパン返しで押しつけながら8~10分焼きます。
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STEP. 4
ソースを作る
鶏もも肉が焼き上がったら、フライパンから取り出します。
そこに「★」の調味料を入れて、とろみが出たらソースの完成です。
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STEP. 5
皿に盛り付けて完成
皿に、さつまいものペースト、焼いた鶏もも肉、ソースをかけて、盛り付け用の野菜を飾ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
鶏もも肉の扱い方も、ちょっとしたコツを覚えるととても便利で、栄養価の高いヘルシーな食材として使えます。おもてなし料理としても活用できて簡単なレシピなので、ぜひお試しください。
記事の監修
松下 和代
ナチュラルフードスタイリスト
保育士、栄養士、調理師の資格を活かしハーブ料理レストラン、保育所、児童養護施設、ミルク会社などの現場で働き、その後フリーのライターとして独立。
過去にはALLABOUT「子どものアレルギーガイド」として活動。現在は「ナチュラルフードスタイリスト」として、地球環境や体に優しい植物性食品を中心としたレシピの考案や、食のライフスタイルを提案。
ヴィーガンやマクロビオティック方向けのサイト「VEGEWELL」、栄養ポータルサイト「ライフミール」、NHK出版の「趣味どきっ!10~11月号」学研出版の「かんたん10分弁当」など多数のメディアに掲載中。