好みの香りを手作りで。リードディフューザーの作り方
気軽に香りを楽しむことができるディフューザー。さまざまな種類がある中でも、リードディフューザーはインテリア性も高くディスプレイ品としても使われることの多いアイテムです。火などを使わず安全で、おしゃれな見た目のものも多く人気のインテリア雑貨ですよね。おしゃれなアイテムのリードディフューザーですが、実は簡単に手作りすることができます。ご自身で手作りすることで、自分好みのデザインや香りを楽しめますよ。
そこで今回は、リードディフューザーの作り方をご紹介します。休日のちょっとした時間に、ぜひお好みの香りのリードディフューザーをハンドメイドしてみてはいかがでしょう。基本の作り方に加え、取り扱い方などについてもお伝えしますので、ぜひ参考になさってください。
- リードディフューザーの作り方を知りたい方
- 香りを楽しめるアイテムが好きで、生活に取り入れたい方
- ハンドメイド・手作りが好きでさまざまなアイテムを作ってみたい方
目次
リードディフューザーとは
リードディフューザーとは、ガラス瓶に入ったフレグランスオイルをスティックで吸い上げて、香りを空間に広げる芳香剤の一種のことをいいます。スティックに吸い込まれたアロマオイルが空気中に気化することによって、空間に香りを広げることができる仕組みになっています。
基本的には、リビングや玄関などに置いておくだけで香りを楽しむことができるアイテムなので、どなたでも簡単に香りを楽しむことができ、人気を集めています。頻繁にメンテナンスが必要なものではないので、忙しいママや働いている方でも気軽に安心して使うことができますよね。
リードディフューザー作りに必要なもの
リードディフューザーを初めて作るとなると、何から手をつければいいのかわからないものですよね。まずは、必要なアイテムを揃えることから始めましょう。リードディフューザー作りに必要なものはごくわずかです。入手もそこまで難しくはなく、ドラッグストアや100円ショップなどの実店舗のほか、ネットショップなどでも気軽に購入することができますよ。基本的なものは、下記の通りです。
- 無水エタノール
- リードスティック
- 容器
- アロマオイル
- グリセリン
それでは、これらのアイテムについて一つずつ詳しく見ていきましょう。
無水エタノール
無水エタノールとはエタノール濃度が99.5%以上のもので、揮発性の高さが大きな特徴です。消毒用エタノールと比べるとすぐに蒸発してしまうため、殺菌・消毒用には不向き。ですが、余ったら水で薄めて消毒用エタノールとして使うこともできます。また、水拭きのできない電化製品などの掃除にも使われているアイテムです。
無水エタノールはドラッグストアで購入することができ、500mlで1,000円ほどの価格が目安となります。リードディフューザーを作る際に使用する以外にも役立ちますので、一つ家にあると便利ですね。
リードスティック
リードスティックは、100円ショップでも販売されていますし、ハンドメイド資材を取り扱っているようなお店でも購入することができます。一般的にはラタン素材のものをよく見かけますが、色がついているスティックやナチュラルスティックと呼ばれる細い枝を束ねたようなおしゃれなデザインのものなど、さまざまなタイプから選ぶことができます。
リードディフューザーを置く部屋をイメージしながら、スティックのデザインを決めるのも楽しいですね。異なるタイプのものをいくつか購入して、場所によって使い分けるのもいいかもしれません。
容器
容器は購入してももちろんいいですが、家にある使わなくなった空き瓶で代用することもできます。購入する場合は、アンティーク調の小瓶などを使うとよりおしゃれな雰囲気に。おしゃれなインテリアショップだけでなく、100円ショップなどでも探すと意外と素敵なデザインの小瓶が見つかりますよ。
容器を選ぶ際は、素材が重要です。リードディフューザー作りでは無水エタノールを使用するため、容器はプラスチック製などではなく「ガラス製」のものを選ぶようにしましょう。
リキュールのミニボトルなどは見た目もおしゃれなため、ぜひ再利用しましょう。
アロマオイル
アロマオイルも今ではさまざまなお店で取り扱っており、気軽に購入することができます。まだ香りについてあまり詳しくないという方は、100円ショップで販売しているようなお手頃な価格のものを使ってみるのもいいですね。香りについてこだわりのある方は、お好きな香りや効果に合わせた香りを選んでリードディフューザーの香りとして楽しんでみて下さい。
また、アロマオイルにこだわりたい方は、精油100%のものを選ぶのがおすすめです。安価なものは精油に溶剤を入れて薄めている場合が多く、天然植物由来でないものも。そのため、アロマオイルの専門店や専門メーカーでは、精油100%のものを「エッセンシャルオイル」や「精油」として区別しているようです。購入する際は、表記をチェックしてみるといいでしょう。アロマオイルの代表的な香りは下記の通りです。
- フローラル系:花のような甘くて優しい香り
- 柑橘系:さわやかで甘い香り
- ウッド系:森林浴を思わせるさわやかな香り
- ハーブ系:すっきりとしたナチュラルな香り
- スパイス系:すっきりとした刺激的な香り
- エキゾチック系:重厚でオリエンタルな香り
- 樹脂系:木の樹脂から抽出される重厚感のある香り
どんなアロマオイルを選ぶかによって、香りのイメージが大きく異なります。ハンドメイドだからこそ、お気に入りの香りをじっくりと選んでくださいね。
グリセリン
グリセリンについては、必ず用意しなくてはいけないというものではありません。ただ、グリセリンには保湿剤のような効果があり、無水エタノールに混ぜるだけでリードディフューザーの持ちを格段に良くする効果があります。
そのため、せっかく作るなら長持ちさせたいなという方は、グリセリンも準備することをおすすめします。グリセリンは無水エタノールと同様に、一般的なドラッグストアにて購入できます。ネットショップでの購入も可能ですよ。ボトルサイズもいくつかあるので、小さめのものであれば500円程度で揃えることができます。
リードディフューザーを手作りするには?
それでは、実際にリードディフューザーを自分で作るための手順をご紹介します。作業の工程自体はとてもシンプルです。いずれも簡単な作業で時間もかかりませんので、自宅でちょっとした隙間時間に手作りすることができますよ。上記でご紹介した必要なアイテムを揃えたら、さっそく作ってみましょう。
香りが好きな方やハンドメイドが好きな方はもちろん、おうち時間を充実させたい方にもおすすめです。お友達同士で集まって作るのも楽しいですね。複数名で一緒に作業する場合は、自分が選ぶ香りとは異なる香りもついでに楽しめるというメリットもあります。リードディフューザーを上手に作るポイントも併せてお伝えしてきますので、ぜひ参考になさってください。
基本の作り方
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STEP. 1
容器に無水エタノールを注ぐ
用意した小瓶に、無水エタノールを注いでいきます。
タオルなどを瓶の下に引いておき、こぼれないように注意してください。
細口で注ぎにくい場合は、ろうとを使用すると簡単に作業することができます。
小瓶であれば、無水エタノールは100ml程の量でOKです。少し大きめの容器であれば様子を見ながら量を足してみましょう。
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STEP. 2
アロマオイルを加える
無水エタノールを入れた瓶にアロマオイルも加えていきます。
分量は、「無水エタノール:アロマオイル=9:1」の割合を目安にしてください。
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STEP. 3
グリセリンを加える
リードディフューザーをできるだけ長持ちさせたいという方は、グリセリンも加えていきましょう。
グリセリンは、吸湿性が強いため保湿剤のような役割をもち、ディフューザー液の揮発を防ぐ働きをしてくれます。
グリセリンの分量は、全体の約10%程になります。
無水エタノールを100ml入れた場合は、10ml程グリセリンを加えていきましょう。
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STEP. 4
リードスティックを差し込む
ディフューザー液が完成したら、リードスティックを差し込んでいきます。
スティックは長い場合があるので、瓶のサイズに合わせた長さにカットしていきましょう。
竹籤を使用する場合は、先端の尖った部分をカットしておくと見栄えもよくなります。
リードスティックは素材によってディフューザー液の浸透の仕方が異なります。
素材によってリードスティックの本数を調整してください。
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STEP. 5
完成
リードディフューザー作りの作業自体は簡単ですが、難しいのが分量の計り方。無水エタノールとアロマオイルの割合は9:1とご紹介しましたが、実際にはどのくらいの分量かイメージしづらいですよね。アロマオイルは少量でも強い香りを発しますので、入れ過ぎないよう注意が必要です。一滴あたりの目安量を知っておくと便利ですよ。
アロマオイルによっても香りの強さが異なりますので、9:1の割合をベースにしながらそれぞれの種類に合わせて調整してください。
また、アロマオイルをリードスティックが吸い上げて香りを広げますので、下記のようにスティックの本数を増減することで香りの調整ができます。
ディフューザー液の減り具合もリードスティックの本数に比例していきます。5~6本程が一般的な本数といわれていますので、初めて作る場合は目安にしてみてください。
作業の際は、うっかり無水エタノールやアロマオイルをこぼしてしまっても差し支えない環境で行いましょう。汚れても問題のない服装や、タオルなどを用意しておくと安心です。また、安全面では下記の点に注意しましょう。
作業する場所には十分注意して、キッチンなど火元のある場所は避けるようにしましょう。
下記の動画は、リードディフューザーの作り方をご紹介しています。ビーカーを使うとより作業しやすくなります。参考にしてみてください。
手作りのリードディフューザーをより楽しむためのポイント
せっかく手作りするのであれば、より自分好みのリードディフューザーに仕上げたいですよね。アロマの香りや容器のデザインを自分好みのものにこだわっていただくと、完成したリードディフューザーも長く愛用していきたいなという気持ちが強くなりますよ。
いくつかの香りでリードディフューザーをハンドメイドして、部屋や用途ごとに香りを分けて使ってみましょう。来客する方のイメージに合わせてリードディフューザーを選んでみるのも素敵ですね。手作りだからこそ、こだわりのあるディフューザーを作り出すことができますよ。
お花を飾りながら香りも楽しめるような、インテリア性の高いリードディフューザーになりますよ。
手作りをより楽しむには、容器と香りにこだわるのがおすすめ。それぞれの選び方のポイントを見ていきましょう。
容器デザインにこだわる
ディフューザー液を入れる容器で重要になるデザイン。容器のデザインによって、どんな空間にマッチするのかも大きく異なります。サイズ感も視覚的印象が大きく関わってきますので、どんな空間に置くことをイメージしているのかを明確にした上で容器を選んでいくといいですね。
たとえば、ナチュラル系のお部屋にはコロンとした丸っこい形の容器を、シンプルでスタイリッシュなお部屋には四角や長細い形の容器がおすすめです。自分のお気に入りの容器を探して、おしゃれインテリアアイテムとして飾ってみてはいかがでしょう。
クリアガラス
シンプルなクリアガラス製のボトルであれば、どんな空間にもマッチしやすく清潔感もプラスされます。どんなデザインのものにするか迷ってしまう方や、初めてリードディフューザーを手作りするという方は、まずはどんなお部屋にもなじみやすいクリアガラスの容器で作ってみるのがおすすめです。
シンプルですがおしゃれ度がぐんと上がりますよ。
フロストガラス
次におすすめはフロストガラスです。アンティークな雰囲気が漂うフロストガラスは飾っているだけで洗練された空間に。雑誌に載っているようなおしゃれな空間を演出できます。ブラウンなど色が入ったフロストガラスも多く、インダストリアルや男前の空間に香りの演出をしたい時にはおすすめです。
「香り」のアイテムは、甘く可愛らしい印象のものが多いですが、容器のデザインをシンプルでかっこいいものにすることで、男前な空間でも香りを楽しむことができますね。
香りにこだわる
ディフューザーの中で最も重要なのはやはり「香り」ですよね。アロマオイルなどから香りを選定することになりますが、どんな香りを選ぶかによって空間の印象も変化します。また、アロマオイルは単体で使うのも良いですが、複数を組み合わせて使うことも可能です。
好みの香りに出会えない時や、香りが弱いなと感じる時には、思い切っていくつか気になるものを組み合わせて配合してみるのもおすすめですよ。リードディフューザーを作る際の香りの選び方と組み合わせ方について、ご紹介していきます。
香りの選び方
アロマオイルの香りの種類を大まかに7種類ご紹介しました。それぞれの系統の代表的な香りは下記の通りです。
- フローラル系:ローズ、ラベンダー、ネロリ、ジャスミン、カモミール、ゼラニウムなど
- 柑橘系:オレンジ、レモン、ベルガモット、グレープフルーツ、ライム、シトロネラなど
- ウッド系:ティートゥリー、シダーウッド、ヒノキ、サイプレスなど
- ハーブ系:セージ、タイム、ミント、ローズマリーなど
- スパイス系:カルダモン、シナモン、ブラックペッパー、クローブなど
- エキゾチック系:イランイラン、サンダルウッド、パチュリーなど
- 樹脂系:フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラなど
リードディフューザーは空間に香りを広げるアイテムのため、特にリラックスできるような香りを選ぶのがおすすめです。フローラル系のカモミールやラベンダー、柑橘系のマンダリンなどは、どなたにも好まれやすくリラックス効果のある代表的な香りです。また、ディフューザーには持続性も意識して香りを選ぶことが大切です。
柑橘系や葉由来の精油は、短時間で香りが消えてしまいますので、持続性のある精油と一緒に使うのがおすすめです。
香りのブレンドの仕方について、詳しく見ていきましょう。
香りをブレンドする
アロマオイルをいくつか組み合わせて使う際には、香りの揮発速度(ノート)を意識しましょう。ノートには、トップノート・ミドルノート・ベースノートがあり、それぞれ揮発速度が異なります。バランスよく調合をすることで、徐々に変化する香りを長く楽しむことができます。自分だけのオリジナルの香りを作り出すことができたらとても素敵ですよね。シーン別に合わせたブレンドの仕方の目安は下記の通りです。
- リラックスしたい時は【オレンジ4.5:ベルガモット4:ラベンダー1.5】
- 前向きになりたい時は【レモン8.6:ゼラニウム0.7:ペパーミント0.7】
- リフレッシュしたい時は【グレープフルーツ7.5:ラベンダー1.5:ペパーミント0.5:ユーカリ0.5】
前述のように香りは種類によって揮発速度が異なるのに加えて、強弱の差もあります。そのため、複数の香りをブレンドする際には下記のポイントをおさえておくといいでしょう。
香りの強いものを多く配合してしまうと、せっかく香りの組み合わせを考えても強いものにかき消されてしまい、他の香りをほとんど感じることができなくなってしまいます。
香りには相性もある為、強い香りのアロマオイルは少量にし、バランスを意識しながら調合してみましょう。
リードディフューザーの扱い方
手作りしたリードディフューザーを安全に楽しむためには、置き場所に注意が必要です。また、より長く楽しむためにはちょっとしたコツを知っておくと便利。ここからは、手作りしたリードディフューザーの基本的な取り扱い方について見ていきましょう。
置き場所や注意点
リードディフューザーの置き場所は、直射日光の当たらない安定した場所にしましょう。直射日光が当たりやすい窓際などに置くと、ディフューザー液の減りが早くなってしまいます。また、アロマオイル(精油)やエタノールには引火性があるため、火元の近くには置かないようにしてください。
うっかり倒してこぼれてしまう可能性も考えて、お子さんやペットの手が届く場所も避けましょう。香りをより効果的に楽しむには、鼻の高さに近い位置に置くのがおすすめです。直射日光を避け、風の当たらない安定した棚の上などに置けば安全に楽しめるでしょう。
夏場などは特に、なるべく涼しい場所で管理するようにしましょう。
長持ちさせるコツ
リードディフューザーを置き始めてしばらく経つと、香りが弱くなってきます。まだ容器にディフューザー液が残っている場合は、リードスティックの上下を入れ替えましょう。乾いた部分からディフューザー液が吸い上げられて、香りを再び感じられるようになりますよ。
できるだけ香りを長く楽しみたい場合は、容器の選び方を工夫しましょう。空気との接触面を減らすことで蒸発を遅らせられますので、口の狭い瓶を使うのがおすすめです。リキュールのミニボトルなども使えますよ。また、基本の作り方でご紹介したように、グリセリンを加えてディフューザー液を作ることも、保留性がアップするため長持ちさせるのに効果的です。さらに、フローラル系やウッド系、樹脂系のアロマオイルを配合して香りそのものの持続性も高めましょう。
- 容器の選び方:口の狭い瓶を使う(ディフューザー液の蒸発を遅らせることができる)
- グリセリンを加える:なくても作れるが、保留性を高めるためにぜひ加えよう
- アロマオイルの配合の仕方:揮発速度(ノート)を意識して、持続性のある香りを加えるとよい
まとめ
今回は、リードディフューザーを手作りする方法をご紹介しました。お店で購入するイメージの強いリードディフューザーですが、手作りしてみると自分の好きな香りを簡単に楽しむことができますよ。ボトルのデザインによって、リビングや寝室などそれぞれの空間に似合うものを選ぶことができます。
また、アロマオイルを複数組み合わせて、自分好みの香りを作り出すのもおすすめです。本記事でご紹介したコツを参考にしながら、ぜひ配合も楽しんでみてください。「アロマの配合」と聞くとちょっと難しく感じますが、香りの性質を理解することで、好みの香りを見つけ出すことができますよ。ぜひ、オリジナルのアロマオイルを使って、リードディフューザーを作ってみてくださいね。自分用にはもちろん、オリジナルのリードディフューザーをプレゼントするのも素敵ですよ。
- リードディフューザーは材料も入手しやすく、簡単な手順で作ることができる
- アロマオイルをいくつか組み合わせて配合し、自分だけのオリジナルの香りを楽しもう
- 複数の香りを配合する場合は、香りの相性や持続性を意識して組み合わせることが大切