永尾 有希(ながお ゆき) 「いちりん」店主
心に残る花、目立つ花を目指して
愛知県豊橋市にある「いちりん」。
店内には、花だけではなく多彩な葉物が並んでおり、他のお花屋さんでは見慣れない珍しい花も取り扱われています。
「オンリーワンギフト」にこだわりを持ち、同じものを作らないという信念を掲げるいちりん。「男の通う花屋」としても知られています。
いちりんの店主を務める永尾有希さんに、花に対するご自身の姿勢や考え方、そして花の楽しみ方についてお伺いしました。
お花に携わる仕事に就きたくて、お花の学校に通う
母がお花が好きで、お花をもらったり贈ったりすることが多くありました。また、会社の付き合いで結婚式に呼ばれることが多く、ブライダルのお花に興味を持ったのをきっかけに、28歳でお花の学校に通い出しました。
お花のデザインの基礎から資格取得まで学び、転職前に1年、そして29歳でお花屋さんに転職してからも2年くらい、お花の学校に通いました。そこから、ブライダルや冠婚葬祭も手掛けているお花屋さんに勤めて、多くの経験と知識を身に付けました。
実家に帰省することになり、地元のお花屋さんで働こうとも考えたのですが、今までの経験と知識を生かして「自分が理想とするお店を開きたい」と思い、2017年、33歳でいちりんを立ちあげました。
1輪からお気軽に
お花を買う時って、花束のイメージが強いと思うんです。でも、いきなり花束って敷居が高いですよね。何千円も掛けたものが日が経たないうちに枯れてしまうとショックも大きいですし。
私自身がお花を買う時は、1輪だけ買うことも多くて。気軽に手に取って飾る身近なものとしてお花を捉えて欲しかったので、店名を「いちりん」にしました。
お店には、インコが2匹いるんです。お喋りが大好きな子たちで、お客様からも大事にしていただいています。そこで、ロゴをリニューアルする際に、インコとお花をモチーフにしてみました。
「オンリーワンギフト」を目指して
アレンジメントは、お店によって色の特徴だけえではなく、使うお花にも特徴があるんです。私自身は、「毎回違うものを作る」ことを心がけていて、変わったお花を1つ入れるようにしています。
珍しいお花とか、普段見慣れないお花を使うことで、反応が全然違うんですね。
茶色いひまわりを入れると大人っぽいひまわりの花束になりますし、薔薇でも紫のものを入れてみたり、南国のお花を入れるのも好きです。アクセントになって良いんですよ。
嬉しいことに、いちりんではギフトやブライダルのご要望を多くいただいています。
ギフトの際には、受注時に「どのようなシチュエーションなのか」、「贈る方のイメージ」など、細かい所までお伺いして、渡す方の気持ちが入るように心がけています。
ただお花を贈るのではなく、「プラスアルファ―」を加えたいので、最近カラーセラピーの資格を取りました。
「他にはない」魅力のある花屋さん
仕入れをする際には、毎回同じ花を入れないに心がけています。そのため、1週間後にお店に来店していただくと一週間前とはお花のラインナップが全然違うんですよ。毎週いらっしゃるお客様もいらっしゃるので、毎回違うお花をご提供できるように仕入れをしています。
その時その時に市場で見た良い花を仕入れています。珍しいお花があるだけではなく、お店に足を運んでくださったときに新鮮な感動があるといいなと思っています。
「男が通う花屋」と称していますが、実は男性のお客様が半分くらいいらっしゃるんです。お花屋さんとしては珍しいと思います。お花を購入するだけではなく、レッスンに足を運んでくださる方もいます。珍しいお花に魅かれる方も多いのかもしれませんね。
お花の合わせ方に悩む方に人気の「寄せ植え」
切り花だと1週間くらいですが、観葉植物や寄せ植えはもっと長く楽しめますよね。
いちりんでは「お花を長く楽しみたいけれども合わせ方が分からない」という方のために、寄せ植えをして販売しています。
大きめのオシャレなプランターに小さなイングリッシュガーデンをイメージした寄せ植えをしたりしています。色とりどりの花が並んだ寄せ植えは、1つあるだけでグンと華やかな印象になるんです。
寄せ植えのように「長持ちするお花」にも力を入れていきたいと思っています。
販売だけではなく、アフターケアもしっかりと
いちりんで購入していただいた鉢物は、メンテナンスを最後までしています。
「調子が悪くなったら持ってきてくださいね」ってお声がけしているんです。家に持ち帰ったら黄色くなったりとか、虫が付いたとか、トラブルが起きることもありますよね。そんな時に店舗に持ってきてもらったり、LINEで写真を送ってもらったりしてアドバイスをしています。
難しい症状のときには、うちで引き取って入院することもありますよ。
折角いちりんで買ってもらったので、長持ちして欲しいんです。買って終わりではなく、買ってからのお手入れが大事なので、丁寧にメンテナンスさせて頂きます。お気軽にご相談ください。
プライベートレッスン実施中
フラワーアレンジメント教室は、基本の「ベーシックコース」と、満足感あるアレンジを行う「ボリュームコース」、体験・単発のレッスンの「シングルコース」があります。また、出張のレッスンも行っています。
レッスンは事前予約制で、レッスン料に花材代も含まれています。
プレゼント用の制作をお考えの方は、シングルコースがお勧めです。作りたいものによってコースが異なりますので、詳細はお問い合わせください。
いちりん webサイト:フラワーアレンジメント教室についてはこちらから
お花を長く楽しんでもらうために
お花を長持ちをさせたい方には、基本的には鉢物がお勧めです。
いちりんでご購入頂いた鉢物は、メンテナンスを最後までしています。お手入れの仕方やトラブルなど、困ったことがあったらお気軽にご相談ください。長い間、安心して楽しんでいただきたいと思っています。
切り花を買う時には、無理して花束にしないで、1~2本からが良いと思います。その人に会った買い方があるんです。頑張って「2,000円」や「3,000円」の花束を買って、枯れたらとてもショックですよね。それだったら1輪挿しに1本でも良いから、無理なく楽しんでいただきたいです。
先ほどいちりんでは、「珍しいお花を扱っている」と言いましたが、珍しいお花でも特別なケアが必要なことはあまりありません。
切り花は、「水を頻繁にかえる」「風に当てない」など、基本的なことに注意すれば大丈夫です。扇風機やエアコンの風を直接あててしまうと、すぐダメになってしまうので気を付けてくださいね。
水をかえる目安は、1日1回です。
忙しくて水を変えるのを忘れてしまうことがある方には、長持ちする菊や南国のドライフラワーにできるようなお花がお勧めです。蘭やピンクッション、プロテアなどの南国の花は、水かえがそこまで要らない強い花なんですよ。
こうした知識があると、お花を飾るハードルが低くなると思うので、積極的にお伝えしています。
いちりんのお勧めのアイテム
最近はインテリア感覚のしめ飾りが人気を集めていますね。ビックリなさるかもしれませんが、クリスマスリースよりも売れています。
しめ飾りは外に飾るイメージがありますが、「可愛いから家の中に飾りました」というお客様もいらっしゃいます。
それと、菊のお花が最近人気が戻ってきたと思います。菊は元々お祝いのお花で、ブライダルのボールブーケで使うオシャレな菊が人気がありますね。
お子さんが、おじいちゃんやおばあちゃんへ送るお花を選ぶ時にも菊が多いですね。
菊は、白や黄色のイメージがあると思いますが、実は沢山の種類があって、ダリアにそっくりな菊があったりするんです。色も形も多彩で、季節によりますが切り花でも3週間くらい持つものもあります。
長持ちするオシャレなお花をお探しの方には菊がお勧めです。
それと昔はアレンジメントでは、カスミ草が人気を集めていましたが、現在では葉物に変わってきています。いちりんでも、葉物を常時10種類くらい取り扱っています。
葉物を組み合わせることで、ナチュラルな印象になるだけではなく、個性が出るんです。
ただし、葉物が多すぎるとお花が少なく見えてしまうので、年配の方への贈り物にはお花を多めに調整することが多いです。
ナチュラルなテイストがお好みの方はぜひ、アレンジメントに葉物を取り入れてみてくださいね。
全国発送にも対応可能
Instagramに、沢山の作品を掲載していて、全国発送を行っています。一味違った「オンリーワンギフト」をお探しの方は、ぜひ見てみてください。
いちりんが心を込めて作る「オンリーワンギフト」で、大切な日のお手伝いをさせて頂きます。
永尾 有希(ながお ゆき)
「いちりん」店主
社会人になってから花の学校に通い花屋に転職。
2017年に「いちりん」をオープン。
「心に残る花、目立つ花」を目指し、オンリーワンギフトを心がけている。葉物や珍しい花を使ったアレンジメントも魅力のひとつ。