山本 ちえ(やまもと ちえ) 「花と緑のある暮らし Makana」コーディネーター
「すいようのはなや」
「花と緑のある暮らし」を多くの人に楽しんでもらいたい
広島市安佐南区の美容室の一角に、水曜日だけオープンするお花屋さん「すいようのはなや」があります。
こちらのお花屋さんを元花屋の同僚の方と共同経営されてる山本さんは、英国式ガーデンや農園、観葉植物専門の貿易会社など、さまざまな経験を積み、アーティストネーム「Makana(マカナ)」としてもご活躍されているお花と緑のスペシャリストです。
花と緑のある暮らし Makanaのコーディネーター、そして、すいようのはなやを共同経営されている山本ちえさんに、「花と緑のある暮らし」に目覚めたきっかけや、Makanaとしての活動内容、そしておうちでお花や植物を楽しむポイントなどをお伺いしました。
「花と緑」を探求して独立
学校を卒業して3年ほど保険会社でOLをしていたのですが、その時に生け花を習い始めて、私の作品が先生に褒められたんです。それが凄く嬉しくて、「お花に携わる仕事をしよう」って決めました。
OLを辞めて、地元広島の老舗のお花屋さんで働き始めました。花束やアレンジ、接客などを学んで、5年位経ったときに、たまたま同僚が持っていた雑誌で長野の英国庭園の塾生募集のページが目に入りました。
お花屋さんでは切り花をメインに扱っていたのですが、以前から「植物の苗はどのように育っているんだろう」と気になっていたので、すぐに英国庭園の塾生に応募しました。合格し、イギリス人のご指導の元、2年半、英国式のガーデニングを学びました。
元々イギリスは、日本の様に植物の種類はたくさん無いんです。だから、イギリスの方は植物に対する憧れがとても強いんです。
「プラントハンター」という未知なる植物を探し出し、持ち帰ることを目的に採集する植物の専門家がいるのですが、その方々が昔、異国からたくさんの種類をイギリスに持ち帰ってきました。
日本には、桜やアジサイなど、さまざまな日本固有の植物がありますが、イギリスにはそれが無いんです。無いからこそ自然への欲求が高く、人工的だけど自然に見える「イギリス式庭園」が形作られたんです。
英国式のガーデニングを学んだ後、父が亡くなったのをきっかけに園芸療法の資格に興味を持ちました。渡米し、ビザの関係で3ヶ月間だけでしたが、障がい者の方が働いているオープンガーデンでインターンとして働かせて頂きました。
そしてお友達の紹介で、横浜の宿根草に力を入れている農園で2年半、働きました。
その後、広島に戻って観葉植物専門の園芸の貿易会社で商品企画などに携わり、ガーデニングの専門店に転職し、そちらで12年間お世話になりました。自由にお花と緑に携わることができ、結婚式場のお庭とかも手掛けました。
2019年に、12年間働いたガーデニングショップを退社し、「Makana(マカナ)」としての活動をスタートしました。
花と緑のある暮らしコーディネーター「Makana(マカナ)」として活動
Makanaでは最初、アレンジメントや切り花、そしてドライフラワーなどの小さなお花を使った「花雑貨」のレッスンからスタートしました。元々英国式ガーデンを学んだり、お花だけではなく、緑を含めた提案をしていきたかったので、現在は個人宅のお庭のコーディネートも手掛けています。
私は、自然全般に対して興味があります。もっともっと知りたくて、農園で学んだりもしました。お花だけではなく、葉っぱや幹、枝も含めて好きなんです。
だから、「花と緑のある暮らしコーディネーター」として活動することにしました。
間口が広いんですが、私がお手伝いすることで、少しでもお花を暮らしに取り入れてくださるきっかけにご協力できれば嬉しいなと思います。
広島では、墓前にお花の代わりに「しきび」という葉を供える習慣があります。榊も1日・15日には良く売れます。
葉っぱなのでお花を供えるよりも持ちが良いんですが、広島の方は枯れていなくても取り替えることが多いんです。地域柄でしょうか、きちんとした方が多いのかもしれませんね。
花雑貨は、30~40代の女性を中心に人気を集めています。小さなお子さんを抱えながら働いていても、おうちを可愛くしたいというニーズが高いですね。
レッスンでは、アレンジメントだけではなく、インテリアアイテムにもなる花雑貨を作成しています。「素材の持つ持ち味を最大限に活かしてあげたい」と思っているので、自然のままの美しさを大切にレッスンをしています。
アレンジメントよりも長持ちするように考えているので、ご自宅用としてだけではなく、大切な方への贈り物としてもおすすめです。
その方を思い浮かべて、たくさんの思いを込めて作成してみてはいかがですか。
2022年に「すいようのはなや」をオープン
2022年から水曜日にだけ、美容室の一角を借りて「すいようのはなや」をスタートしました。以前、働いていたお花屋さんの同僚と共同経営しています。切り花とドライフラワーとアレンジメント、そして花雑貨を扱っています。
ラッピングは、今人気の韓国風のキュートなラッピングを取り入れています。
店舗には冷蔵庫がありません。そのため夏場は切り花が長持ちしないので、お休みをすることもあります。Instagramで告知しますので、興味を持ってくださった方は是非チェックしてください。
お花屋さんで働いていた頃、お客様からさまざまなアレンジをのご要望を頂き、それを形にしてきました。完成したアレンジにご満足いただき、お客様から「ありがとう」や「癒される」など、温かいお言葉をたくさんいただきました。
そのようなお言葉をいただく度に、「貰う人も作る人も喜ぶ、こんなに素敵な仕事はないな」って思いました。
ガーデニングは夏は暑いし、冬は寒いですが、苦労より喜びの方が多いんですよね。
暮らしにお花や緑を取り入れることで、気持ちの変化があると思うんです。特別な日だけじゃなく、「普段の暮らしに花と緑」を広めていきたいです。
お花と緑を普段の暮らしに取り入れるためのポイント
室内にグリーンを飾るのであれば、「ポトス」「パキラ」「ガジュマル」などがおすすめです。
水やりは、お部屋の環境や種類にもよりますが毎日する必要がないので手間が掛からないんですよ。冬から春にかけて1週間に1度、暖かくなってきたら3~4日に1度、お水をあげてください。
風通りが良い場所がベストですが、暖房や冷房が直接当たるところは避けていてください。
置く場所に迷ったら、「自分がストレスなく長くいられる場所」を考えてみてください。玄関やお風呂よりはリビングが落ち着きますよね。
植物も同じです。居ずらい場所は避けて置いてあげれば長持ちしますよ。
梅雨の時期は、1年草扱いになってしまいますが、「シダ」や「ポトス」など、多湿に強いものを外に飾ると良いですね。
また、ベランダやお庭に植物を置きたいなら、「パンジー」と「ビオラ」がおすすめです。ビオラが原種で、それに人の手を加えたのがパンジーです。パンジーの茎が長いものを切り花にすれば、部屋に飾ることもできますよ。切ってグラスに飾ることで気軽に楽しむことができます。
苗ものを買う時には、購入後に別の鉢などに植え替えてあげる方が、植物全体に栄養が行き渡るので長持ちします。ただし、大きすぎる鉢に植えかえると栄養が逃げてしまうので注意してください。
そして、冬は水をあげたあとに乾かないと、人間の様にしもやけや凍傷になって枯れてしまいます。
購入時の苗が入っていた鉢から一回り大きいものに植え替えてあげることで、植物にとって良い環境を整えることができます。
今は市場からお花を仕入れていますが、元々ガーデニングをやっていたので、庭に花々を植えて、カフェをオープンしたいですね。そして、それを使ってガーデンブーケを作ったりしてみたいです。
「お花を見ながら、楽しくお茶ができる」って素敵ですよね。
コロナ禍でお花や緑に触れている方が増えてきていますが、中には上手く管理が出来ず、くじけてしまう方もいらっしゃると思うんです。
「無理なく続けられる花と緑のある暮らし」をご提案していきますので、是非Instagramを参考になさってください。
お庭やベランダのコーディネートもお引き受けしていますので、お気軽にご相談ください。
ご連絡お待ちしてます。
山本 ちえ(やまもと ちえ)
「花と緑のある暮らし Makana」コーディネーター
「すいようのはなや」
お花屋さんで働いた後、英国式ガーデンを学び、農園や観葉植物専門の園芸の貿易会社などを経て、ガーデニング専門会社で12年勤務。
2019年、花と緑のある暮らしコーディネーター「Makana」として独立。2022年、毎週水曜日のみ営業する「すいようのはなや」を元花屋の同僚と共同経営。