若林 美穂(わかばやし みほ) 「WAKA Lifestyle&Flowers」オーナー
お客様に寄り添った、丁寧な接客を心がけて
花を身近に感じられる暮らしを提案してくれる「WAKA Lifestyle&Flowers」。
季節の花を身近に感じてもらえる、お花のワークショップを季節ごとに開催されています。また、フラワーアレンジメントやドライフラワーブーケ、リースなどをインターネットで販売。そして、東京都の墨田区・台東区・中央区をメインに、オフィスや店舗、クリニックなどに生け込みをされています。
オーナーを務める若林 美穂さんは、お花屋さんに勤務しながらイギリスに短期留学し、独立・開業をしたフローリストさんです。これまでの経験を活かし、日本の持つ余白や空間、そして、海外の自然を生かしたナチュラルなアレンジメントを得意とされています。
お客様に寄り添った丁寧な接客を心がけている若林 美穂さんに、花にかける思いや生活に花を取り入れるためのポイントをお伺いしました。
お花屋さんで勤めたあと「WAKA Lifestyle&Flowers」を開店
都内のホテルで勤務していたことがあるのですが、毎週お花屋さんがホテルに出入りして、レストラン内やロビーなどの装飾を行っていました。フリーで活動されているフローリストの方が1人でフラワーアレンジメントをしている姿を見て、とても衝撃を受けたんです。
「お花屋さんの仕事って幅が広いんだな」って思いました。
お花屋さんについて本で調べた時に、フラワーデザイナーという仕事を知りました。興味を持ち、2年くらいホテルで働いた後、退職をし、街のお花屋さんで働くことにしました。
日比谷花壇に就職をし、ブライダル関係やホテル内のショップで経験を積むうちに、国内外の花文化をもっと追求したいと思い、夏休みを利用してイギリスへ短期留学をしました。
さまざまなお花屋さんで経験を積ませていただきましたが、お花屋さんの勤務はトータルで15年位でしょうか。その後、日比谷花壇を退職してフリーになり、「WAKA Lifestyle&Flowers」を開店しました。
イギリスの短期留学で、草花や葉物をふんだんに使ったアレンジメントに触れる
お花屋さんで働いていた時に、ブライダルブーケの専門学校やイギリス系のフラワーデザイン学校など、働きながらスクールに通っていました。
イギリス直営のスクールで、お花だけではなく葉物をふんだんに使ったスタイルに触れて、机上の学びではなく、リアルな所に触れたいと思ってイギリスに短期留学したんです。
※【画像】ロンドンのフラワーショップにて
イギリス系のフラワーアレンジは、草花や葉物をふんだんに使って、インテリアになじむナチュラルな感じが特徴なんですが、そこにとても魅力を感じました。
イギリスでは、学校に通いながらホームステイをしていました。お花屋さんを巡ったり、現地で活動しているフローリストさんの元に足を運んだり、イギリスは街の中にお花屋さんが多いだけではなく、ワゴンでお花を売っている所が多いんです。常に誰かがお花を抱えていて、お花が日常に溶け込んでいるんですよ。
それと、イギリスはいろいろな文化の発祥の地で、お花の生け方の原点・基礎に触れるのに良い所でした。基本的なイギリスのフラワーデザインのスタイルは、繊細な花々の存在感を大切にしながらナチュラルな花材を贅沢に使うところです。お花以外にもイングリッシュガーデン、美術館などにも足を運びました。
丁寧にお客様と向き合うための働き方
結婚や出産を機に仕事を休み、2015年に自宅でオンラインショップをスタートし「WAKA Lifestyle&Flowers」を立ち上げました。実店舗はありません。
フリーで仕事をしていると、いつでも仕事ができる状態になるので、結果的に時間制限がなく、疲れ果てて仕事のクオリティがさがってしまうことがあります。なるべく家族との時間や日々の暮らしの時間も大切にしたいと思っています。
フラワーアレンジメントはクリエイティブな仕事なので、常にニュートラルでいないと作品に出てしまうんですよね。
急なお花のご注文は対応可能なご近所のお花屋さんに頼んでいただいて、私はゆっくり対応しながら、丁寧にお客様の思いを形にしたいと思っています。そのため、お声がけは10日~2週間前位にお願いしています。
生花を扱うとどうしてもロスが出てしまいますが、事前にご注文を頂くことでお花のロスもないですし、丁寧にお客様と向き合う時間が取れる。 私にとってベストなスタイルなんです。
世田谷花市場で仕入れをしています
仕入れは、世田谷の用賀にある世田谷花市場で行ってます。都内だと大田市場が有名ですが、大田市場よりはアットホームな花市場です。
オシャレなお花が多くて、厳選された卸から買えるのも良いですね。長年お世話になっている仕入れ先があり、「これが欲しい」というと必ず揃えてくれる安心感もあります。
世田谷花市場は、5店舗位の卸売の店が並んでいるのですが、スタイリッシュなお花を厳選している所や、植物が豊富な所、まんべんなく取り扱っている所など、それぞれに特色があるんです。
ディスプレイの参考となるお花の使い方の提案などもあるので、足を運ぶことで刺激を受けますね。
お祝い事のお花はドライフラワーも人気
コロナ禍も落ち着いてきたので、カフェの開店祝いや誕生日のギフトなどのお祝い事でのニーズが増えてきました。
インターネット経由のご注文では、ドライフラワーのスワッグが人気ですが、お祝い事では生花のアレンジメントがやはり人気がありますね。
けれども、お店の開店祝いに「お手入れの手間が掛からない」、「ずっと飾って欲しいから」と、お祝い事のお花にドライフラワーをセレクトされる方も増えてきました。
お花や葉物をインテリアに取り入れるポイント
お花を生ける時には、茎の長さを花瓶と同じより少し長めにするとカッコよく映えます。大体1.5倍くらいを目安に茎をカットすると良いと思います。
お花を購入すると延命材が付いてくる時がありますが、私は延命剤は入れなくても、花瓶をよく洗い水を入れ替えれば良いと思っています。
バクテリアが繁殖するので、花瓶は必ず綺麗に洗ってから水を入れてください。花瓶をよく洗って水をきちんと変えてあげることで、より長くお花を楽しむことができますよ。
延命剤を入れるのであれば、延命剤の入ったお水は捨てないで、水を注ぎ足していくのがおすすめです。
葉物は持ちが良いので、お花がすぐにダメになってしまう夏場の暑い時期などに飾るのが良いと思います。茎がお花に比べて腐りにくく水が汚れにくいので、2~3日水を変えなくても良く、手軽なところも葉物の魅力です。
季節によりますが、秋だと「ばらの実」が面白いかもしれません。寒くなると赤く色づいてきて、ガラスの花瓶に活けるとインテリアのアクセントにピッタリです。一輪挿しにお花を生ける時には、葉っぱを添えると良いですよ。
葉物にはあまり旬はありませんが、枝ものだと紅葉したりするので季節を感じることができます。
お店やご自宅にお伺いする「生け込み」にも対応しています
「生け込み」というのは、一般の方には耳慣れないかもしれないですね。
店舗でお客様をお迎えし、お花を販売するのではなく、訪問先の店舗・クリニックなどにお伺いして、ご要望や目的をすり合わせて、春夏秋冬、季節の行事、展示、イベントなどの雰囲気作りのご提案をしています。個人宅の装飾やパーティーなどにも対応可能です。
週1度、2週間に1度くらいの頻度でお伺いすることが多いですね。
好みやイメージをヒアリングして、宅急便で送付、または訪問して生け込みをします。詳細はHPよりご覧ください。
訪問は、東京都の墨田区・台東区・中央区エリアに対応していますので、お気軽にご相談ください。
WAKA Lifestyle&Flowers Webサイト:定期装花・生け込み・ショップディスプレイについてはこちらから
丁寧な仕事を通して信頼関係を構築していきたい
私は、「飾る場所にあったお花を提案することが大事」だと思っています。
お客様に寄り添った丁寧な接客を心がけていて、オーダーの状況によってはお客様に嫌な思いをさせないようにお断りさせていただくこともあります。
無理に引き受けるのではなく、丁寧な仕事を通して信頼関係を構築していきたいと思うんです。
今は店舗がありませんが、いずれか週に1度や月に1度オープンアトリエみたいな感じでアトリエを持ちたいと思っています。イベント出展だけではなく、お客様と関われる場所を作りたいと考えております。
また、定期的にワークショップを開催しています。ワークショップでは、リースやスワッグが人気があります。「作るのが楽しい!」と、リピートしてくださる方も多いですね。
Instagramで、お花の活動やワークショップのお知らせを掲載しています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。
若林 美穂(わかばやし みほ)
「WAKA Lifestyle&Flowers」オーナー
ホテル勤務の時に見たフラワーアレンジメントに衝撃を受け、花屋に転職し15年勤務。
花屋で働きながらスクールに通い、イギリスに短期留学。草花や葉物をふんだんに使った現在のスタイルを確立。
2015年、オンラインショップを立ち上げ「WAKA Lifestyle&Flowers」をスタート。